酷道(国道)

登録日:2012/01/29 Sun 10:26:02
更新日:2024/04/11 Thu 10:51:32
所要時間:約 8 分で読めます




……とある島根県西部のオタク……

あー、今日欲しい同人誌の発売日だ…広島行きたいけど高速代ケチりたい……



そうだ!



国道488号線経由で行こうwwwどんな道か知らねーけどwww



酷道(こくどう)


【概要】

国道は国が管轄・維持する道路であり国の大動脈。この国道が荒れれば国の経済は大きく落ちる。
だが一部の国道はその辺の県道・市道…果ては農道・林道よりも酷い所がある。

いつからともなく、また誰からともなく、人々はそれを「酷道」と言った。
この「酷道」という言葉自体は意外と古くからあるらしく、戦後すぐくらいに刊行された書籍にもその存在が認められるという。
当然ながら今と比べて道路事情は悪かったため、むしろ当時のほうが酷道は多かったかもしれない。
そして本家Wikipediaにも「酷道」の項目がある。

うはwww狭いwww


【どんな道?】

国道と言えばその多くが「利便性が高い」「道路幅が広い」「交通量が多い」といった特徴が挙げられるが、それに対して酷道は同じ「国道」であるにもかかわらず
  • ほぼ一車線、下手をすると両側一車線(つまり片側0.5車線)。
  • 殆ど登場しない中央線
  • 代わりに登場する緑の中央線(一車線の真ん中)
  • 県道様や農道様は優先。酷道は一時停止。場所によっては農道や林道の方が立派。
  • 冬季閉鎖は当たり前。
  • 狭くて大きい車が通れない
  • というか小さくても通行止めで通れない
  • そもそも繋がってない
  • まさかの階段

と、これでもかというくらい酷い。
そして酷道の多くは(道が酷いので)交通量が非常に少ない場合が多い。整備もろくにされていない事も多く、対向車が来ると普通に泣けます。
オマケに落石・大穴・未舗装さえ……。

ちなみに山岳部などを中心に「片側1車線」という国道は割と多いのだが、それでも大抵の「国道」は大型車同士のすれ違いぐらいなら問題なくできる幅が確保されている。


やべぇ………やべぇよ……通れるのかこの道……

★豆知識
酷道はほとんどの場合都道府県に管理を委託している(ただし仮にも国道なので費用は国持ち)。
さらに言うと数字3ケタの国道はほとんどが各都道府県の担当で、国が直接管理している3ケタ国道はごく一部。ちなみに数字2ケタは全線国の担当。
この差って何…?

酷道が生まれる理由は様々だが、後発の国道については(国からの予算で)改良を期待して自治体が知恵を絞って国道への昇格を果たさせたものの、その後費用対効果や地質の問題で改良が進まないまま、というケースが多い。
なのでその辺りがクリアされたら改良工事が行われ、国道としての能力が強化(酷道としては格落ち)することも珍しくない。
一方で地質的に改良が難しい場所は迂回する形でバイパスや高速道路が建設され、現道は旧道として県道・林道へと格下げされてしまうこともままある。交通が見込めない場所はそのまま放棄されて自然に還ることもあるようだ。

古いカーナビや一部の携帯アプリによるナビゲーションでは一般道を通る場合県道より国道を優先してルーティングするロジックが組まれていることがある。
その場合国道が「酷道」であるかなどは判定せず、ナビに従った結果酷道ゾーンに突入して阿鼻叫喚……ということもあったようだ。
近年では工事や通行止めなどの情報を得てルーティングするのでこのような事態は起こりにくい……が、工事などで渋滞が予想される場合、迂回ルートとして選定されたのが酷道ゾーンを持つ国道だったという事は起こりうる。

【類義語】

姉妹道(?)として
  • 険しい県道「険道」
  • 腐ったような府道「腐道」
  • 兎しか通れない都道「兎道」
  • ひど過ぎて吐きそうになる都道「吐道」
  • 過酷な道が獰猛な牙をむく道道「獰道」
  • 走ったら死ねそうな市道「死道」
  • もはや道というものを超越した何かな町道「超道」
  • 弔辞を読まれる結果になりそうな町道「弔道」
  • 通行すること自体が懲罰的な町道「懲道」
  • 走ったら車が損壊しそうな村道「損道」
  • 寂れて淋しい林道「淋道」
  • もはや道であることにNOを突きつけたい農道「NO道」
といったものがある。


【愛好家】

こんな酷い道を あ え て 通る愛好家が日本全国にいる。
その酷さや狭さ、カーブやトンネル、対向車に萌えるんだとか…萌えの世界は広いね。
酷道は大抵の場合整備が行き届いておらず、言い換えれば古い時代の面影や風光明媚な自然を残しているのでそちら目当てで訪れる人もいないわけではないようだ。

カーブが1回じゃ曲がれねぇwww切り返したいがガードレール無くて怖ェェ……


【走りますか】

そのヒドさを知る為には実際に走ることが一番。
だが事故を起こした時、
  • 携帯は繋がらない所が多い
  • 家は無い所が(ry
  • 対向車もほとんど(ry
  • 場所によっては猿や熊等の野生動物がいる
なので運転技術含めて自己責任で通りましょう。
ナビに導かれたら諦めましょう。旋回できるような広さもまずありませんから……
一応愛好家による写真や動画がネットにあるので酷道を見たことない人は一度ご覧あれ。
身近な国道がどれだけ立派か分かるから…

当然ながら冬に走ってはいけない
晴れた日中でさえ突破が難しいのだ。積雪や凍結なんてしようものなら地獄どころではない。
そもそも冬季閉鎖している酷道はかなり多いのでその点でも冬は向かない。
どうしても行きたいなら晴れて風の無い日が何日も続いた*1日中に行く事を勧める。

車やバイクで走りにくいというだけで、晴れて暖かい日なら自転車や徒歩で巡るという手もなくはない。
後述するが酷道と言っても走りにくいのが一部だけなら、そこを観に行くという点では割とマシな策ではある(そこまでの足をどうするかという問題はあるが)。
ただし中には徒歩ですらメチャクチャキツイところもあるので要注意。

倒木……マジかよ……

【オススメ】

以下有名な「酷道」
ちなみに「酷道」と呼ばれる国道はその全区間が酷い、ということはあまり多くはない(つまりほぼ全区間ヤバい国道もある)
特に、上位国道と重複している区間は大体は快適に走れる。

日本三大酷道

  • 439号…四国
愛好家から与作の愛称が付くほどの酷道。439→ヨサク。
四国の中央を貫いているがほとんどの区間がヒドい。

  • 418号…福井~長野
自動車道路は存在するのに「隕石」と呼ばれる巨大な落石のせいで15年以上に渡って通れない状態が続く(おそらくは未来永劫通れない)「恵那~八百津区間」が有名。
国道を否定する×印の標識がマニアを熱くさせていたが現在はそのエリアにすら辿り着けないと言われている。
バイパスが開通したので一応通れるようになったが完全には開通しきっておらず狭い県道などで迂回しないといけない。なので恵那~八百津区間も国道の指定は外されないまま。*2
国道157号の「落ちたら死ぬ!!」区間とも重複しており、41号との重複区間を除くと大概酷い。
「恵那~八百津区間」は隕石の場所を除いても無茶苦茶な酷道っぷりであり、かつて*3の通行記録では荒れ放題の路面、車と自転車の離合さえ困難、というか車で走ることすら現実的ではないし何なら徒歩ですら相当キツイなど酷道足りうる要素を全部備えたキングオブ酷道と呼ばれたりしている。


  • 425号…三重~和歌山
狭い!酷い!!長い!!!
悪い意味で三拍子揃っている。
この辺りは他の道もヒドくて逃げたくても逃げられません。もちろんコンビニやスタンドもありません。通称死にGO線
前述の通り全区間がヤバいという国道は少ないのだが例外の一つがここ。ほぼ全区間が文句なしの酷道である。

上記3つはあまりにもヒドいので、Wikipedia等で
【日本三大酷道】
と呼ばれている様子。

じゃあ世界の酷道は?
→それこそ険道・死道・損道・NO道を兼ね備えた道のオンパレードです。


ようやく広島着いたわ……


その他の酷道

  • 25号…大阪~三重
まさかの二桁酷道
「アレ?四車線で快適だよ?」
と、思うかも知れないがあれは名阪国道というバイパス。
あちらが関東のアウトバーンと名高い新4号国道と並び称される無法地帯一般高速と化しているのに対し、旧道下道の方はかなり酷い。
基本一車線なんてのは当たり前で、あろう事かダート区間*4まであるという体たらく。とはいえ2桁国道としては最低の部類だが酷道としてはそこまで酷くない。
通称「非名阪」。悲鳴阪…?
なんでこっちが国道の指定を外されていないのかというと、自転車・歩行者の通行が念頭にあるからだという。つまり乗用車で走ろうとすると……お察しください。

  • 45号…岩手 小本・中野坂
岩手県下閉伊郡岩泉町の小本地区には難所の「中野坂」がある。
これ、二桁国道にはあるまじき速度制限30km/h、最大10%という型破りな急勾配、そして急カーブが2kmにわたって続く当線最大の難関ゾーン。
特に久慈方向から宮古方向は非常に急な下り坂で途中に3箇所、久慈方向からの緊急避難所がある。
さらに、久慈方向からの降坂車が制限30km/hを超えた場合、従来の電光表示と併用して警告音を大音量で鳴らす特殊仕様オービスもある。
久慈側からの下り坂手前には、その狂った道路の形を克明に描いた看板がドライバーに覚悟を促すようにご丁寧に2か所も掲示されている。
上記看板や車載動画に関しては詳しくは「国道45 中野坂」で画像・動画検索してほしい。
最近、三陸北縦貫道路および三陸沿岸道路の一部になる予定の岩泉道路と、大牛内トンネル・岩泉トンネル・岩泉長内トンネルの3本のトンネルが開通し無料区間として供用開始したことでこの区間の難所は解消された。

  • 152号…長野~静岡
2017年版までのツーリングマップルにおいて「あまりの崩落の激しさに日本のトンネル技術が敗退」とまで評された道路工事史上屈指の難所青崩峠(あおくずれとうげ)を擁する国道。
現在建設中の三遠南信自動車道(国道474号)もトンネルでここを通るのだが、2019年にようやく調査坑*5が貫通したと言えば峠の攻略の難しさが分かるだろうか。
そんな訳で152号は青崩峠で一度分断されているので林道を迂回するしかない。
更にもう一つ、地蔵峠でも分断されており、全国でも珍しい分断箇所が2ヶ所ある国道である。こちらも迂回のための林道がある。
え?既存の国道はともかく新設する自動車道は峠を迂回する林道沿いに作ればいいんじゃねって?
問題の根本は日本屈指の大断層、中央構造線であり、ただ峠を回避すれば済む話でもない。
実際青崩峠を迂回するルートは80年代に一度は建設までこぎつけるも、中央構造線を横断する草木トンネルを8年かけて掘るだけで180億円が吹っ飛ぶ難工事*6で、その先の兵越峠のトンネル計画は地質脆弱で結局断念された…が上記の調査坑を使用した別ルートで工事を再開、開通目前のところまで来ている。一方の地蔵峠は整備される気配がないが

  • 157号…温見峠
市街地を走る部分は普通の国道なのだが、福井と岐阜の県境である「温見峠」はハイレベルな山岳酷道として知られる。
かつて「落ちたら死ぬ!!」という看板が設置されていたのはあまりに有名。また温見峠は路上河川(橋をかけずに増水時は川になる道路)まである。
冬季は閉鎖されることが多く、地盤の状況によっては冬が明けても閉鎖されたままだったりすることも。

  • 170号…大阪
世にも珍しい都市型酷道
バイパスがあるが旧道も国道扱いしている。
更に商店街の中を通るので、日中は通行止めになる区間も存在する。

  • 265号…宮崎~熊本
九州山地を縦断する国道で九州では代表的な酷道。
起点と終点がそれぞれ市なのでその近辺の道路はいたって普通、問題は山間部の西米良・椎葉といった宮崎でも屈指の過疎地域区間。
元は林道を整備したということもあり未改良や離合困難箇所が多い上、国見峠は最大の難所として有名で、車幅5m以上の通行は不可能。
更に災害や冬季は積雪で通行不可になることも珍しくなく、おまけに未舗装という有様が酷道としての知名度を上げてしまっていた。
流石に地域住民にとってもこれは死活問題だったため国見峠区間の整備に着手、現在はバイパスが整備されそれまで40分かかっていた区間を10分で結ぶようになった。
ただあくまで致命的な箇所が改善されただけで特に小林から西米良などの区間は相変わらずの状況である。
しかも宮崎は広域観光ルートのひむか神話街道に265号の一部を組み込んでいるが、よりにもよって離合不可区間が入っている。

  • 286号…笹谷峠
通称ニーパーロク。仙台市~山形市という、東北2県の県庁所在地を直通する国道。
直線距離にすればわずか4km。5分もかからず通過できる峠ではあるが、それは並行して通る山形自動車道笹谷トンネルを走ればの話。
一度国道側に足を踏み入れようものなら、対向も難しい細い急カーブしかない山道(一部落石や崩落の危険性もある)と10kmに渡り付き合わされる羽目になる。さらには一定の降水で即通行止め、冬季も初雪前から凍結の恐れのある時期は通行止めと、状況によっては立ち入ることすら拒まれる。
宮城県側、山形県側ともに山形自動車道のインターチェンジ入り口が手前になるようになっており、覚悟の無いドライバーを入れまいという優しさが感じられる程なので、素直に高速を走るか、北側にある48号を作並回りで天童へ抜けるかするのが無難。
明治時代以前から難所と知られた酷道であり、道端には行き倒れ供養の仏像が幾つも並んでいる。合掌……

  • 289号…福島甲子峠
現在はトンネルの開通により自動車通行が可能になったが、かつては登山道国道であった。
要するに車では通れず徒歩で行くしかない道なのだがそこに貫く国道289号の標識がマニアには有名だった。

  • 308号…大阪~奈良
大阪と奈良を最短距離で結ぶ国道。
…なのだが、途中の暗峠は車が通れる国道としては日本一の急勾配
峠から大阪側に降りる時は正に転げ落ちる様な感じ。
バイパスとして第二阪奈道路や県道である意味酷くはあるが無料の阪奈道路があり、整備される気配も無い。

  • 324号…長崎~熊本
珍しい海上道路(かつて存在したフェリー区間も国道に計上されている。要するに国道指定で国から道路などの改良予算を得るため「海上も道路として扱うことで距離を稼ぐ」策)がある以外は至ってただの悪い道。
だが全線通りたい人にはかなり厳しい酷道。
アーケード区間があり、通行時間は午前5時からの5時間のみ。

  • 339号…青森
かの有名な三厩龍浜の階段国道(338.2m)。
お役所仕事で国道指定された20年後に階段ができた。地形の問題で歩道しか造れなかったとかどんだけ…。
車の通れる迂回路を国道として再指定しようとしたところ、地元の要望でそのままになったらしい。現在は観光名所としても有名。
酷道とは言うが階段国道以外は冬季閉鎖区間が一部存在するぐらいで大したことはない。階段国道を見に行きたい人は春~初秋にどうぞ。

  • 352号…福島~新潟県境付近
一部ガードレール無し+1車線+断崖絶壁+急カーブ多数+洗い越し(川が道を横断してるとこ)も多数+落石多数+携帯不通+スタンドも皆無+冬季交通不能
枝折峠と奥只見湖のせいで直線距離30km強のところを道なり70km超まで大迂回。

  • 371号…大阪~和歌山
紀伊半島と言えば上記の425号が有名だが、それ以外の道も大概酷道が多く、大改良が進む168号や169号ですら1車線区間がまだまだ残っている。この371号も田辺市龍神以南は完全に酷道と化し、分断区間まである始末。

  • 458号…山形
おそらく国内の通り抜けできる酷道で唯一のダート(未舗装)区間がある。
運転する者の眠気を吹き飛ばしてくれる一車線とダートとアスファルト舗装のサンドイッチ。
他にも冬季閉鎖(11月~5月)、洗い越し、携帯圏外、無論スタンドも無し、落石、地滑り…と延々30km以上お付き合いすることになる。
カーブミラー?ガードレール?んなもの雪で使い物にならなくなっちまったぜ!
余談だが高速のICがある寒河江市から大蔵村の肘折温泉にカーナビを使っていく場合夏場なら確実にこの道を案内される。県外ナンバー涙目である。
改良自体は着々と進んではいるのだがダートは未だに存在する。

  • 471号…楢峠
富山県と岐阜県の境にある楢峠は道路状況が極めて悪い。しかもこの地域は豪雪地帯なので冬は当然の如く閉鎖される。
元々の道路状況がクッソ悪いこともあって災害でも閉鎖されることが多く、下手をすると一年中閉鎖されていることもある。
付いた渾名は『開かずの国道』
楢峠以外のポイントもやや災害に弱いがそれらは生活道路のため比較的早期に復旧されることが多い。

  • 472号…富山~岐阜
471号とよりによって楢峠で重複しているのでこちらも『開かずの国道』。
また、酷道的には楢峠ぐらいしか見どころのない471号と違いこっちは地味に市街地の近くに酷道区間が存在しており、下手に迷い込むとえらいことになる。
射水市方面からおわら風の盆で有名な八尾町を最短で結ぶルートなのだが、よりによってそこにも短いながら酷道区間があるので県道377号線への迂回が勧められている。
旧荘川町と清見町の間は不通区間になっており、バイパス工事も進行はしているが開通の目途は立っていない。

  • 477号…大阪~三重
途中の京都は鞍馬から百井集落へ向かう曲がり道の形がまんま「レ」。
通称百井別れ。曲がれません。
もちろんその後もしばらく急勾配、狭路が続く…

  • 488号…島根~広島
ミラー無し+ガードレール無し+一車線+断崖絶壁+急カーブ=「フルコンボだドン!」
「もう一路線(433号、こちらも酷い)走れるドン!」ちなみに紅葉シーズンになると写真を撮りに来る人もいるので大変な事になる。
どちらも道があまりにひどいので冬季閉鎖する。
現在の488号は落石による通行止め区間により通り抜け不可となっているので注意
中国地方で最凶の酷道と言われているそうな。


番外

  • 国道291号
普通の国道なのだが新潟県と群馬県の間にある「清水峠」に通行不可区間が存在する。
この区間、最初から通行不可だったわけではなく明治18年9月には馬車がすれ違えるぐらいの当時としては破格の山岳国道として開通した。
……のだが、その僅か一ヶ月後に各所で土砂崩れが発生し通行不可能となり、豪雪地帯故に修復ができないまま冬に入ってしまったことで雪崩による道路の崩壊が加速、冬が明けて修復を試みたがどうにもならず数年後にそのまま放棄されたというギャグみたいな歴史を持つ。
群馬県側は清水峠までの登山道として一応活用されているが新潟県側は通行不能になってから一世紀以上が経過しており、車での通行は言うまでもなく送電線巡視路のわずかな区間を除くと人間の立ち入りすらまず不可能というほどに荒廃している。
道路というか道さえ残っているのか怪しいレベルで自然に還っているらしく、約140年前には確かに(国)道として存在していたのに現代の地図では道としてすら記載されていないものも多い。

  • 国道401号
福島県と群馬県を結ぶ国道だが、県境に分断区間がある。
陸上で接している県境で唯一分断されている国道なのだがその理由は当該エリアが「尾瀬(尾瀬国立公園)」だからである。
環境への配慮などもあり、未来永劫分断が解消されないことが確定している国道である。
尾瀬は徒歩では赴けるので登山用の装備で7~10時間ぐらい歩けば分断区間を突破できるのだが現実的ではなく、迂回して車で隣県のR401端点に向かう場合も200kmぐらい走らないといけない。
なので国道をフルトレースしたい人にとっては極めて難易度の高い国道の一つに数えられている。ちなみに不通区間以外は山間部がややキツイぐらいの国道。

  • 国道421号
現在でこそ普通の(狭い1車線区間がちょっとはあるが)山岳国道だが、かつて石槫峠という峠道が国道に指定されていた時代には2t車以上の大きさの車は通行できなかった。
それも単なる注意喚起ではない。剥き出しのコンクリートゲートが設置されていて物理的にデカい車の侵入を拒むのだ。
しかもその隙間はなんと僅か2m。トラックが入れないのは言うまでもないが、普通乗用車ですら運転感覚を誤るとコンクリートゲートにその痕跡を残すことになる。
ゲートの高さもかなりあり、その圧倒的威圧感から名の知れた酷道であった。ゲートに挑戦しようとした勇者も数多かったという
勿論そんなゲートがあるのには理由があり、石槫峠は約1kmと短いながらも狭路・急勾配・急&ブラインドカーブ・離合どころか退避場所すらないという超酷道区間を擁していたのだ。
そりゃゲートを作って物理的にでもデカい車の侵入を拒もうとする訳だ。ちなみに当然ながら幅2mのコンクリゲートは滋賀県側と三重県側の2か所あります。
石槫トンネルが2011年3月に開通したことで上記の点はまとめて解消された。石槫峠の件の区間は廃道となっているが、一応人の手が全く入っていない訳ではないらしく2020年以後も例のゲートの地点にまで徒歩などで到達した報告が挙がっている。

  • 国道490号
山口県を縦に貫く国道で、県道32号との分岐点より北側9キロは狭くて路面状況がかなり悪い。
上述した酷道軍団に比べると酷道としての難度はさほどでもない(感覚麻痺)が、2006年の国民文化祭やまぐち開催の際にカーナビが優先的にここの酷道ゾーンに案内してくれやがる*7事が判明。
萩市がカーナビの製造会社に対して「ここは酷道だからルーティングしないようにしてくれ(意訳)」と申し入れした事で「自治体公認の酷道」として業界では一躍有名になったそうな。
ちなみに件の分岐点よりやや先には「お急ぎとは思いますがUターンをしてr32の通行をお勧めします 山口県」とやたら腰の低い県からのお願い看板が存在している。

  • 都道201号
平均勾配19.1%、走行距離約2キロで標高420mを駆け上がるとんでもない道。
平成16年までは一部区間が「スイッチバック走行」を余儀なくされる道であった。
一般車両通行止め区間ではあるが、地域住民および一部業者はこの道を自動車で駆け上がるのである。
「兎しか通らないような」どころではない「兎も回れ右して引き返すレベル」の都道である。



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最終更新:2024年04月11日 10:51

*1 雨や風で地盤が崩れたり脆くなったりするリスクを避けるため

*2 交通不能区間は将来ダム湖に沈む予定なのだそうな

*3 2000年前半台の記録がある。なおずっと通行止めなので完全に自然に還っている可能性さえある

*4 一応時折舗装はされるのだが、採石場が沿線にあるためダンプが多く、すぐに剥がれてしまう

*5 トンネル本体を通す前に地質の調査を行い、工法などを検討するために掘られるトンネル

*6 バブル前後の工事だったり高速道路規格ゆえの規模や付属設備込とはいえ、工事区間2.2km、トンネル全長1.3kmだけでこの金額である。この一帯での道路建設の難しさがうかがえる

*7 宇部市や美祢市から萩市に向かう場合、距離としては山口r32経由よりも若干こっちの方が短い上に古いナビは国道を優先するロジックがある