牙神幻十郎

登録日:2014/09/26 (金曜日) 19:50:00
更新日:2024/04/08 Mon 01:39:21
所要時間:約 5 分で読めます





牙神幻十郎とは、SNKから発売された2D対戦型格闘ゲームサムライスピリッツシリーズのキャラクターである。
CV:コング桑田、大川透(天下一剣客伝)、大塚明夫(CDドラマ)、乃村健次(パチスロ)


  • 生い立ち

父親は不詳、母親は狂人という厳しい環境で育つ。
母親は幼少時の幻十郎に優しく接することがあるかと思えば、ひどく罵ることもあり、精神が不安定な人物であった。
母親は生計を立てるため、見知らぬ男を自宅に連れ込んでは性行為に及んでいたが、これが後の幻十郎の性癖を歪める切っ掛けとなる。

ある時、一人の浪人が幻十郎の母親の内縁の夫となったが、この浪人は幻十郎に辛く当たった。
母親が幻十郎を庇うことはなく、この時に幻十郎は浪人への殺意を抱く。

幻十郎は性交中で忘我にあった母親から「助けておくれ。母さんはこの男に殺されちまうよ」という言葉を聞き、部屋に置いてあった浪人ので衝動的に浪人の腕を斬り落として殺した。
しかし、刀を放り出してその場を去ろうとしたところ、我に返った母親から背中から斬り付けられ、さらには「さっさと殺してしまえばよかった、お前のせいであたしは不幸だった」と罵られる。
怒りが爆発した幻十郎は母親をその場で斬殺、天涯孤独の身となった。

その後しばらく放浪した後、花諷院和狆(かふういん にこちん)の元に師事し、枯華院(こかいん)に身を寄せる。
そこで出会った覇王丸とはお互いに一目見て生涯続く因縁を感じ、幻十郎は覇王丸を狙うようになる。

しかし、覇王丸との殺し合いに発展するよりも早く、邪悪な魂を看破した和狆により破門され、再び放浪の身となった……。


  • キャラ設定
上記の出生に加え、梅鶯毒(ばいおうどく)という銘の刀に特技・千人切り(男女問わず)など、
非常に危ない要素が盛り込まれたSNK発のアンチヒーロー。

彼を語る上で欠かせないのは、格闘ゲーム初の「叫ぶ」キャラであるということである。
当時の格闘ゲームなどでは、キャラクターの「声」に全く力を入れておらず、
ゲームの製作スタッフに声を入れるなんてのもザラだった。

しかしそんな中、声優を起用し、必殺技は勿論、通常技からダメージ、ジャンプに至るまで喋らせるという試みから生まれたのがこのキャラである。
キャラ選択画面で彼を選べば「どぅりあーッ!」
強斬りを出すと「どぅりあーッ!」小斬りでも「どぅりあーッ!」
バックダッシュでも「どぅりあーッ!」
怒りMAXで「もう殺ス!」
必殺技でも、「ひとつ! ふたつ! みっつ! 猪鹿蝶!」「ひとつ! ふたつ! みっつ! よっつ! いつつ! 五光!」
勝てば「身の程知らずが!」「阿呆ゥが!」
負ければ「ぅやるなぁ」「貴様などに屈するとはァ!!」
などなど……バックジャンプまで叫ぶ必要があったのか?

他にも、花札をモチーフとした技の演出もシンプルながら非常に見栄えが良く、
それに加えエンディングで見事なツンデレを披露したことなどから、
初出演の真サムにて、同じく人気キャラであるナコルルを喰う勢いで人気を得たのであった。


  • 真SAMURAI SPIRITS(真サム)での扱い
世界を憎悪と絶望と混沌に満ちた暗黒の時代に導こうとした羅将神ミヅキに就き、
人斬りを依頼され、ミヅキの敵対勢力を潰していったが、最後の最後で裏切り、彼女を討ち取る(最初からそのつもりだった)。
エンディングでは、傷ついた覇王丸を殺そうとする者の、覇王丸の許嫁である「お静」が立ちはだかったことにより撤退。
捨て台詞を吐いて消えていった。

キャラ性能としては、牽制技をちらつかせつつ、「三連殺」での連続技・起き攻めを狙う、強斬りの一撃を狙う覇王丸とはベクトルの異なる一発屋。
キャラ性能としては、「三連殺」の初段がヒットした場所や追加入力、ガードされた時の対応などプレイヤーに求められる部分も多いが、二回成功すれば「勝負あり」なので積極的に狙っていくことになるだろう。
しかし、昇竜コマンドで繰り出せる対空技「光翼刃」が無敵が無く、判定が小さすぎるせいで対空技として機能せず、システム上「三連殺」の追加入力時にやたらと暴発するという弱点も抱えている(暴発したら最後、相手の強斬り一撃は覚悟しなければならない)。
花札をモチーフとした技を持つ彼は、文字通り「博打技」を軸に立ち回るのである。


  • サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣(斬サム)での扱い
覇王丸が斬紅郎を追っていることを「気に入らない」とし、彼もまた斬紅郎を追うことに。
エンディングでは壬無月斬紅郎の亡骸を見下ろしながら、本当に斬りたいのは覇王丸だと独り語る。
どこの八神庵だお前は

「修羅」は通常技キャンセルからの投げハメ、「羅刹」は『「裏桜華」(裏表2択)⇒気絶』の永久コンボを持っており、
どちらとも最強キャラの一角を成している。
最強候補キャラが多すぎ?そういうゲームバランスだから仕方ない


  • サムライスピリッツ 天草降臨(天サム)での扱い
覇王丸を追いかけて(ry
ライバルキャラ(最終戦後に戦うキャラ)はもちろん覇王丸。
覇王丸、ナコルル、リムルルのルートでは彼がライバルキャラ(ラスボス)になる。
エンディングでは、今作に出演できなかったキャラと斬り合ったり、生きていた覇王丸と斬り合ったりと、
最早お約束という通常運転を見せつける。

キャラ性能は、「修羅」「羅刹」ともに安定しない博打キャラ。
彼の14連斬はなぜか途中でディレイをかけないと続かないため他キャラと比べて逆切れが難しい。
修羅は「三連殺」、羅刹は「裏桜華」を絡めた怒涛の攻めと武器飛ばし「裏五光」が強力だが、そこに運んでいくまでが難しく、
また全く使い道の無い「紅」と「紫暮」という死に技が暴発しやすいということもあり、一概に強キャラとは言いにくい立場にいる。
強さ的には「羅刹」が最強格である修羅半蔵と修羅ナコルルのすぐ下に位置しているが「紫暮」の存在などでやはり理論上最強からは逃れられないでいる。
余談だが、彼はバサラウィルス誘発技を「桜華斬」と「光翼刃」とで2つもっているせいで対破沙羅適正が一番高いとされている。人呼んで破沙羅絶対殺すマン


  • サムライスピリッツ零(零サム)での扱い
兇國日輪守我旺の部下である萬三九六の依頼を受け、兇國日輪守我旺の命を狙うことになった。
オープニングでの三九六は幻十郎に依頼してる時は変装していたのだが、我旺の刺客として登場した時には幻十郎にあの時我旺の殺しの依頼をしてきた男だとすぐ見抜かれている。
ノリノリで依頼主を殺そうとする三九六も三九六だけど

エンディングでは小物全開の三九六に闇討ちによって鉄砲で撃たれ、怒りの抵抗で返り討ちにしたもののそのまま倒れてしまう。
目が覚めると今度は覇王丸に助けられた挙句に看病された事を知り、この事を屈辱だと感じ改めて覇王丸をこの手で殺すことを誓うのでした。
そもそも過去に背後から闇討ちされた事があるのに、卑怯キャラの三九六に背後を向けて隙をさらすのは如何なものか

零では「修羅」「羅刹」が統合され、博打技も含め前作の良いとこどりの性能をしていたが、
アッパーバージョンである零SPでは壊れていた部分が調整され、「強いがプレイヤーの技量が求められるキャラ」というポジションを得た。
かのウメハラ氏の使用キャラでもあったようだ。


  • サムライスピリッツ天下一剣客伝(剣サム)での扱い
覇王丸との死合いを望んで(ry
ライバルキャラは4戦目で和狆、6戦目(決勝戦)で覇王丸。
エンディングで、師匠にすら手を掛けた幻十郎に怒りと呆れが入り混じった感情の覇王丸と死合いを行っているが、その結末はぼかされている。
少なくともアスラ斬魔伝では死合いが果たせないまま終わってしまった事を考えると幻十郎からすればパラレルとは言え本望な終わり方だろう。

キャラ性能としては、何もかもが弱体化
暴発の危険性は少なくなったものの、三連殺の隙が大きくなり、武器飛ばし技の出始めの無敵が削除され、コマンド投げそのものが削除され、
追加された秘奥義も相手が受け身に成功すると反撃確定、などなど……
対空技の性能が向上したが、三連殺を軸に攻める幻十郎にとっては意味がない。
おまけに立ち蹴りモーションがただのヤクザキックになり、以前のモーションはコンパチの三九六のものになると色々不遇な時代だった。


  • サムライスピリッツ武士道烈伝(RPG)での扱い
覇王丸(ry ……だったのだが、邪天降臨之章においては、覇王丸を狙って現れた天草と対峙し、その力に圧倒された雪辱を晴らすために旅立つ。
妖花慟哭之章では和珍の手紙で出雲に呼び出され、そこで羅将神ミヅキの野望に巻き込まれる形で旅立つ。

キャラ性能としては全体的に高く、回復技も持っている超高性能キャラ。…なのだが。
実は彼は3人パーティが基本のKOFこのゲームにおいて、一人旅を強要されるキャラだったりする。*1
当然他のキャラが主人公の時でも仲間にすることはできない。

性能は先述の通り高く、鍛えれば一人旅も苦にはならない程度の硬さを持っているのだが、肝心の素早さと状態異常耐性が他のキャラとさほど違いがないため、雑魚敵に先制された挙句スタン系の状態異常でハメ殺されるというのが日常茶飯事。
全体的に手数が足りず奥義依存度も高いため、特に完全一人旅の邪天降臨では道中でキッチリ鍛えておかないと江戸から出られなくなってしまう。

なお、彼を主人公にして妖花慟哭之章を進めると、あるキャラのご先祖になる可能性が発生する。



  • 余談
『南国少年パプワくん』などの柴田亜美先生がファミ通で連載していたゲーム業界突撃レポート漫画「ドッキンばぐばぐアニマル」では、SNKの回になると牙神幻十郎風味のSNK広報高津祥一郎が頻繁に見られた。

「よぉ来たのォゲーメスト!!!」
「違う。」
のシーンは画像・レス問わずサムスピ関連スレで頻繁に見られる。
ファミ通の漫画でゲーメストの名前出していいのかよと思われるかもしれないが、そもそもVジャンプの副編集長とドリマガの編集長がグッズ買って名刺交換してくれるような作品なので考えたら負け。
ちなみに誤植で有名な件のゲーメスト、幻十郎の記事でも誤植しており「ひとつ! ふたつ! みっつ! よっつ! いつつ! 五光!」の筈が
「ひとつ! ふたつ! みっつ! よっつ! いつつ! 漁業!」とやらかしている幻十郎は漁師だった?

追記・修正おねがいしまどぅりあーッ!



画像出典:真サムライスピリッツ 覇王丸地獄変、
ジャングル少年ジャン番外編 ドッキンばぐばぐアニマル
© 1994 SNK PLAYMORE
© 柴田亜美・エンターブレイン


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最終更新:2024年04月08日 01:39

*1 妖花では一応仲間も出来るがメンバー固定で加入イベントまでは一人旅。邪天に至っては完全に一人旅