長谷敏司

登録日:2014/09/22 Mon 23:43:00
更新日:2023/11/29 Wed 09:03:46
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長谷敏司(はせ さとし)とは、日本のライトノベル・SF作家。
1974年、大阪市生まれ。関西大卒。


【来歴】

2001年に『戦略拠点32098 楽園』で第6回スニーカー大賞金賞を受賞しライトノベル作家としてデビュー。その後、スニーカー文庫より『天になき星々の群れ フリーダの世界』やSFマガジンにて短編『地には豊穣』を発表するも売上は振るわず、一部のラノベ読みやSF読みには密かに人気を集めるもマイナーな部類の作家であった。

転機が訪れるのは2005年。自身の代表作となる『円環少女』シリーズ一作目を発表し緻密な設定と濃厚な人物描写で人気を博す。円環少女シリーズは全13巻を記録する長期シリーズとなり、特に最終13巻は2012年度「このライトノベルがすごい!」では4位に入賞。活況期のスニーカー文庫を裏から支える。

その後もハヤカワSFシリーズからハードSF『あなたのための物語』やNewtype誌上において『BEATLESS』を発表。受賞こそ逃すものの双方とも日本SF大賞にノミネートされる。また伊藤計劃、野島一人に次ぎ『メタルギアソリッド』のノベライズも手がけている。

現在はアミューズメントメディア総合学院ノベルス学科の講師も勤めている。


【作風】

ハードSFを得意とする。
長編短編問わずSF作品が多く、代表作の円環少女シリーズにしても現代ファンタジーを銘打ち魔法使い同士の戦いを描くものの、その設定には多分にSF的ガジェットが含まれている。
特に「ヒト」と「モノ」との関係を問いただす事をテーマとした作品が多く、それらの作品においては「モノ」が人間同様に大きく掘り下げられている。

また濃密な人物描写と人間関係にも定評があり、円環少女シリーズにおいては主人公・武原仁の悲痛なまでの自身に対する悩みの描写や仁とヒロイン二人を中心とした、複雑でどこかしこりを残しす人間関係の描写も人気の一因となった。

そして同氏において忘れてはならないのは幼女ヒロインであろう。
氏の長編(特にライトノベル)においてはヒロインの幼女率が高く、円環少女(小学6年生ヒロイン)を連載するにあたっては編集者と

「小学校教師と小学生の恋愛ものってないですよね?」
「みんなそこを思いつかなかったんじゃなくて、避けてたんじゃぼけえ!」
「お前はマイノリティーなんだよ。このペド野郎!」

などというやり取りがあったとか。
ちなみにあまり関係ないが同氏のアミューズメントメディア総合学院講師時代の生徒には餅月望がおり、彼もまた幼女をヒロインに据えた作品を得意としている。やはりロリコンは伝染(ry
ただ本人曰く、自身のストライクゾーンは十代前半ではないとの事。


【作品一覧】

○長編作品

  • 戦略拠点32098 楽園 (イラスト:CHOCO)
スニーカー文庫より刊行。全1巻。
デビュー作。幼女ヒロイン。
現在は入手困難で物理書籍はプレミアが付いているが、電子書籍が販売され読むことが容易になった。

  • 天になき星々の群れ フリーダの世界 (イラスト:CHOCO)
スニーカー文庫より刊行。全1巻。
『楽園』世界の千五百年前を舞台に(後書きより)、任務のため名門女子高に潜入した暗殺者フリーダと純真無垢な少女アリスとの交流、そして星を襲う大事件が2人にもたらした変転を描く。
因みに続編の構想そのものはあるらしいが、本人曰く続刊は商業的に厳しめとの事。

  • 円環少女 (イラスト:深遊)
スニーカー文庫より刊行。全13巻。
幼女ヒロイン。全裸の変態が空を飛び、大の大人が小学生のシューズの匂いに悶え狂い、マゾヒストがウ○コを連呼し、そして主人公はドS小学生ヒロインになじられ倒す作品。
もと居た世界で極刑の処され、住民の全てが魔法消去の能力を持つ世界=<<地獄>>へと落とされた少女メイゼルの苛烈なまでの生き様を描く。

ハヤカワSFシリーズ Jコレクションより刊行。後に文庫化。全1巻。
死を前にした天才科学者サマンサと擬似人格<<wanna be>>との交流を通し、人の死について問いただす作品。

月刊「Newtype」上にて連載。後に単行本化。全1巻(文庫版は上下2巻)。
チョロイン主人公がラスボスヒロインに導かれるままとんでもないトコまで行き着いちゃう話。
主人公、遠藤アラトはhIE(アンドロイド)の少女、レイシアと出会い、壮絶な戦いに巻き込まれる。

  • メタルギアソリッド スネークイーター
角川文庫より刊行。全1巻。
大人気ゲームシリーズ『メタルギアソリッド』のノベライズ作品。

  • ストライクフォール
ガガガ文庫より刊行。既刊4巻。
謎の異邦人がもたらしたオーバーテクノロジーで太陽系が繁栄と戦乱の時代を迎えた後、ビジネスや軍事バランス等の狭間で発達した有人操縦ロボットを使うチーム宇宙スポーツ「ストライクフォール」。
ストライクフォール馬鹿な主人公は先にプロデビューしていた弟の死と直後に犯した「罪」、そして弟の機体内の機能を覚醒させ勢いで競技メソッドや世界を変える新技術を発掘してしまったことで、否応なくプロの現場と動乱の中心に立たされることに。
主人公を守るため経済の世界に足を踏み入れた朝倉南ポジ幼馴染、チームの新鋭でご令嬢な戦闘系女子、見た目ロリなマッド博士(実年齢70代)、実験体ゆえに確たる居場所を得るため骨身を削るライバル系銀髪ボクっ娘と各種取り揃えている。
3巻から約4年刊行がストップしていたが、2021年に4巻が発売されている。

  • プロトコル・オブ・ヒューマニティ
早川書房より刊行。原型は2014年に『大橋可也&ダンサーズ』のために制作した同名のコンテンポラリーダンス公演。
2050年を舞台に、自身が付ける羽目になったAI搭載義足との付き合い方と認知症の父の単身介護、二つの「プロトコル・オブ・ヒューマニティ(人間性の手続き)」問題」に直面したプロダンサーの物語を綴っている


○短編集

  • My Humanity (イラスト:usi)
ハヤカワ文庫JAより刊行。全1巻。
「地には豊穣」「allo,toi,toi」「Hollow Vision」「父たちの時間」の4作を収録。

○短編集未収録作品

  • トイ・ソルジャー(イラスト:米田仁士)
『S BLUE ザ・スニーカー100号記念アンソロジー』に収録。
上述の『天になき星々の群れ フリーダの世界』とは世界観とキャラクターを共有している。

  • 楽園行き
『ウルトラQ dark fantasy』に収録。
同名特撮ドラマのエピソードのノベライズ。

  • 東山屋敷の人々
『NOVA 3 書き下ろし日本SFコレクション』に収録。

漫画『天動のシンギュラリティ』単行本第1巻に収録。


【その他】

『BEATLESS』に関しては「英訳連載」や「アナロクハック・オープンリソース」等、他のライトノベル作品とは違う方向での作品展開に意欲的に取り組んでいる。
アナロクハック・オープンリソースとは『BEATLESS』の(キャラクターを除く)世界観、設定等を一次創作として自由に使用出来るというものであり、アメコミにおけるシェアワールド的なものに近い。
既に『BEATLESS』世界観を用いた漫画作品として『天動のシンギュラリティ』がweb連載しており、今後の動向が注目される。


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最終更新:2023年11月29日 09:03