モンブラン・ノーランド

登録日:2014/09/22 Mon 00:04:56
更新日:2024/02/18 Sun 09:13:33
所要時間:約 6 分で読めます




【概要】

ONE PIECE』に登場する北の海(ノースブルー)の民話、『うそつきノーランド』の主役であり、その民話にはこうある。


むかしむかしのものがたり
それは今から400年も昔のお話──

北の海のある国に
モンブラン・ノーランドという男がいました

たんけんかのノーランドの話はいつもウソのような大ぼうけんの話
だけど村の人達にはそれがホントかウソかもわかりませんでした

あるときノーランドは旅から帰って
王様にほうこくをしました

「私は偉大なる海のある島で山のような黄金をみました」

ゆうきある王様はそれをたしかめるため2000人の兵士をつれて
偉大なる海へと船をだしました

大きな嵐やかいじゅう達との戦いをのりこえて
その島にやっとたどりついたのは王様とノーランドそしてたった100人の兵士達

しかしそこで王様たちが見たものは何もないジャングル

ノーランドはうそつきの罪でついに死刑になりました
ノーランドのさいごの言葉はこうです

「そうだ! 山のような黄金は海にしずんだんだ!!!」

王様たちはあきれてしまいました

もう誰もノーランドをしんじたりはしません
ノーランドは死ぬときまでウソをつくことをやめなかったのです
北の海民話「うそつきノーランド」



































髑髏(ドクロ)の右目に黄金を見た」

【プロフィール】



本名:モンブラン・ノーランド
通称:うそつきノーランド(没後)
年齢:享年39歳
身長:220cm
誕生日:10月9日
星座:天秤座
血液型:S型(現実だとO型)
所属:ルブニール王国探検船提督
所属船:ノースハイム号
出身地:北の海・ルブニール王国
初登場:単行本31巻・第286話・『シャンドラの魔物』
好きな食べ物:モンブラン・カボチャのケーキ
(CV:大塚芳忠)



【概要】



作中の世界にて、400年前に実在した人物。
北の海出身の植物学者兼探検家、船団を率いる提督であり、断じて うそつきなどではない
それどころか一族と仲間の誰もが認めるほどの正直者のなかの馬鹿正直者であり、未だ海賊王による制覇が成されていない前人未到の海域であった偉大なる航路(グランドライン)の航海から2度に渡り帰還するだけに留まらず、新世界にまで到達し文献までまとめた正真正銘の偉大なる探検家であった。

新世界では小人の国「グリーンビット」に到達し、悪人に騙されていたトンタッタ族を救った。
それによりグリーンビットでは400年以上「ヒーロー」として崇拝の対象となり、後にトンタッタに捕まったウソップはたまたまクリ帽子を被っていたため
「おれはノーランドの子孫のモンブラン・ウソランドだ!」ととっさに発言したことで難を逃れている。*1

その実力も高く、船の食料が底をつき遭難すれば、海底に潜って海獣や海王類を単身仕留めて食料にするくらいで、
そんなとんでもない事をやってのけてもなお「怠けていると勘が鈍る」と腕が鈍ったことを匂わせる発言をするほどの男だった。

敢えて批判的なことをいえば当時の海は四皇だのロジャーやロックスだの、果ては巨兵海賊団ドリーやブロギー)といったバケモノは不在で、海賊は作中の時代よりは少なくレベルは低いだろうし、「国」の正式な調査隊であるため海軍も敵対しなかったため、「意思ある脅威」は少なく航海自体はしやすかっただろう。
…が、それはそれ。なぜなら前述の通り偉大なる航路はロジャーが制覇する前で、しかも作中より400年も昔である。そこまで昔だと航海技術も作中ほど成熟しておらず、しかも海の情報も少ない可能性だってある。そんな中で前述した通りのことをやったわけだから、モンブランやその仲間たちの航海技術のレベルの高さは疑う余地はない。

そんな彼が何故こんな汚名を着せられることになったのか。その発端は彼の三度目のグランドラインの探検に遡る。


400年前、ルブニール王国の探検船提督としてグランドラインを航海中、ノーランドは美しい鐘の音に導かれ、ジャヤという島にたどり着いた。

その島では「樹熱」という疫病が蔓延しており、その島の原住民族「シャンディア」は、
それを病ではなく「悪魔のアザ」と考え、生贄を捧げることで村を救おうとしていた。

その儀式に見かね乱入したノーランドは、神として信仰されていた大蛇「カシ神」を斬り殺し、
「自分が村を救えたならば、こんな儀式は二度と行わないと誓え」と取引をもちかける。
シャンディアもこれに応じ、船員たちを人質として残してノーランドは島の中へある物を探しに入っていった。


ある物とは樹熱の特効薬である「コナの木の樹皮」。
無事コナの木を森の中で見つけたノーランドだが、持ち帰ろうとする途中、突如起きた大地震に巻き込まれ、地盤に挟まれ身動きがとれなくなってしまう。
そしてその場に、シャンディアの大戦士・カルガラとカシ神の子らしき大蛇が現れる。今にも食い殺されそうになるが…



「おれは果たして“裁き”を受けるのか!! “事故”で死ぬのか!!! 村は果たして“呪い”で死ぬのか!! “病い”で死ぬのか!!!」

「私の国では60年前、今お前達の村を襲っている“樹熱”という疫病によって、十万人の命が奪われた…!!」

「これにかかって死ぬ確率は90%を超える鬼病だった…!! しかし! 近年では樹熱で死にいたる者は3%にも満たない!! 特効薬を発見したからだ!! 今私がそれを右手に持っている 持ち帰れば薬を作れ、村を救えるんだ!!!」

「全世界のどれだけの人々が時間を費やし、どれだけの犠牲を伴ったかお前にわかるか!!?」

「この偉大な“進歩”をお前たちは踏みつけにしているんだ!!!!
だからお前達の儀式は彼らへの侮辱だと言っているんだ!!!!」

「お前達の古い戒律こそ悪霊じゃないのか!!!!」


「そんなに神が恐いのか!!!!」


怒りもまじったその懸命な言葉がカルガラの心を動かし、襲いかかってきたカシ神の子を自ら殺した彼にノーランドは助けられ、村は持ち帰った薬によって救われた。

ノーランドはシャンディアの大恩人として迎えられた。
カルガラとは無二の親友となり、彼らが守護する「黄金都市シャンドラ」、そしてその象徴であり、自分達をこの島に導いた黄金の鐘「シャンドラの灯」を目撃する。


その後、しばらく滞在していたが、ある時、鐘の音に導かれた先祖の魂が宿るとされる「身縒木」を告げもせずに勝手に切り倒してしまい、村人達から怒りを向けられるようになってしまう。

しかしその伐採は、植物にも感染し、そこから再び人に感染することで幾つもの島を滅ぼした「樹熱」の処置のため。ノーランドは原住民族の文化を尊重しないと言う落ち度はあったが(実際、部下から事情を聞いたときは一切言い訳せず、せめてもの謝罪として黄金を全て返却している。だが、黄金郷の存在を証明する証拠を持ち帰らなかった事が結果的に処刑の遠因となってしまった。)、確かに彼らの命を救う道を選んだのだ。
それを娘から聞かされたカルガラは静かに出航しようとするノーランドの船に向けて叫ぶ。



「ノーランドォーー!!!! また来いっ!!!」

「この地でおれはお前を待っている!! ここでずっと鐘を鳴らし続ける!!!」

「また来る日のお前の船が海で迷わないように!!! 嵐の中でもこの島を見失わないように!!!」


「鐘を鳴らして 君を待つ!!!!」


「またいつの日か必ず会おう!!!親友よ!!!!」



「……戻るとも……必ず戻る!!!」


「またいつか、必ず会おう!!!!」








そしてルブニール王国へと帰還し、にシャンドラの事を報告したが、5年後、欲にかられた王は自分も付いていくと言い出した。
民話で2000人の兵が100人にまで減ったのは、王がノーランド直属の熟達した船員ではなく、航海に慣れていない自分の兵士を連れて行ったことが大きい。

そしてやっとの思いでジャヤに辿り着くルブニール王国の船。
そこにはカルガラ達の待つシャンドラ、眩く光り輝く黄金郷が………






無かった。


「ノーランド!!! 貴様!!! この私を騙したのか!!!?
黄金が一体…どこにあるというのだ!!!!」

島は半分を残して途切れており、カルガラ達も姿を消していた。


奇しくもノーランドがたどり着く前、ジャヤ島の半分はかつての大地震によって沈んでいた地盤から突き上げる奔流(ノックアップストリーム)によって真っ二つに裂け、
積帝雲の内部へと吹き飛ばされていたのだった。

当然、ノーランドがそれを知るはずもなく、激怒した王によって今までの功績まで全て嘘ということにされ、ノーランドは処刑台に上らされた。
一方カルガラもまた、突如現れた巨大な大地を奪おうとする神の軍勢と戦いを繰り広げていた。


約束したよなノーランド。
またいつの日か、必ず会おう。


カルガラ…君は今どこにいる?


お前が再びジャヤに着いたら……消えた我らをどう思うかな。
もう少し待て。
今伝えるから。
おれ達はここにいる!!!


生きているのか……?


話したいことが山ほどあるんだノーランド。


カルガラ―――ただ君達の身を案ずる。


同じ大地でいつの日か必ず会おうノーランド!!!



「シャンドラの灯をともせぇ!!!!」


王はノーランドと面識のない男性を証人として用意し、彼に黄金郷の存在を否定させる事で処刑を決定的とするが、駆けつけた本物の部下達はノーランドを救おうと処刑の中止を涙ながらに訴える。しかし、それも叶わず、ノーランドは最後までシャンドラの存在を否定する事なく処刑された。

彼の子孫のクリケット曰く『大粒の涙を流した無念の死だった』らしい。
(ちなみに絵本の最後は『そうだ!山のような黄金は海にしずんだんだ!!!』というノーランドの言葉で締めくくられているが、これもクリケット曰く『地殻変動による遺跡の海底沈没を主張した』という。)

カルガラもまた、ノーランドに「俺たちはここにいる」と伝えるため、シャンドラの灯を鳴らすために戦ったが、約束は果たされぬまま戦死を遂げることとなった。

そしてシャンディアの戦士たちはカルガラの無念を晴らすため、そして大恩あるノーランドへ鐘の音を届けるため、400年に渡る戦いを続けてきたのだった。


そして「シャンドラの灯」は友へと真実を伝えようとするある海賊によって再び鳴り響き、今も絶やされることなく鳴り続けている。



鐘の音は

去る都市の栄華を誇る“シャンドラの灯”

戦いの終焉を告ぐ“島の歌声”

400年の時を経て鳴る“約束の鐘”

浮寝の島の旅路は長くも 遠い記憶は忘れがたし 

かつて人は その鐘の音に言葉を託した

遠い海まで届ける歌に 誇り高い言葉を託した



「おれ達は ここにいる」


追記・修正は鐘を鳴らし続けながらお願いします

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最終更新:2024年02月18日 09:13

*1 嘘吐き呼ばわりされた正義の正直者と、正直者と思われている正義の嘘吐きという対比は言い得て妙である。