ノヴァ(ダイの大冒険)

登録日:2012/02/02(木) 06:40:40
更新日:2024/01/14 Sun 22:17:57
所要時間:約 6 分で読めます





…人呼んで…"北の勇者"!



ドラゴンクエスト ダイの大冒険」の登場人物の一人。
CV:岡本信彦(2020年版)

【概要】

登場はハドラー親衛騎団と同じタイミング。
「北の勇者」と称され、主人公たるダイと同じ「勇者」の名を背負う青年だが、作中の猛者達には今一歩及ばない噛ませ犬。しかしダイやロン・ベルク等の人物と出会う事で、逞しく成長していった。
名前の由来は「新星」から。作者曰く「颯爽と登場した新キャラだから」とのこと。


【人物】

リンガイア王国のバウスン将軍の息子。
早くに母を亡くしており、父から男手ひとつで育てられた為、少々ワガママで自信過剰、そして嫌みなところがある。
レオナからはボロクソに言われていたほど。

魔王軍の超竜軍団がリンガイアに侵略をかけた際にはオーザムの救援に向かっていた。
本人は「自分がその場にいれば祖国を救えたのに」と悔やむが、バランの実力を目の当たりにしていたらこんな台詞は言えていないであろう。
ヒュンケルからも「誰が戦っても勝てん」「国にいなかったことを感謝するべき」と言われている。
なおリンガイアの件を聞いて遠征を中断したため、オーザムも救援が間に合わずフレイザード率いる氷炎魔団に滅ぼされてしまっている。
その後もハドラー親衛騎団との戦いでは慢心と自信過剰が災いし敵の強さにショックを受け自信喪失という失態を演じるなど、「北の勇者」と讃えられるほどの実力を持ちながら華々しさとは縁遠い道程を辿ることとなった。

だが、ただの噛ませという訳では断じてない。
その実力と素質は間違いなくサブキャラでも一歩抜きんでているだけでなく、ダイ一行の全滅の回避にも寄与しているのだ。
例えば放ったマヒャドはシグマのシャハルの鏡に反射され味方を巻き添えにする始末であったが、おかげでメドローアの天敵である魔法反射を事前に把握できた他、
フェンブレンに追い詰められたポップ、ヒムに押されていたダイを満身創痍でありながらも見事にアシストして窮地を救っており、
この勇戦は「ダイの剣」の入手以降知らず知らずのうちに慢心が生じて思うように戦えていなかったダイにも影響を与える事となる。

一応擁護するならば、ダイPTが魔王軍と戦うまではニセ勇者パーティみたいな犯罪者予備軍みたいな集団が幅を利かせていたのがダイの世界であるため、
登場時のノヴァには本人のプライドに加えて自分以外の”「勇者」を名乗る者たち”に対して強い猜疑心が根付いていたのかもしれない。


【『勇者』への覚醒―もうひとりの勇者―】

ハドラー親衛騎団との戦闘後は完全に意気消沈して情けない姿を晒していたが、マァムの叱責により再起。
それからしばらくは父や世界の将軍らと共に行動し、ダイの一行のサポートに徹する。
未だ識字面は微妙だったダイのため、アバンの書の内容を代わりに読み上げアバンストラッシュの使い分けの概念を教えたりしていた。
そしてこれが『アバンストラッシュX(クロス)』の開発に繋がる事となる。

この時は剣術に優れているためか、ダイの特訓相手としてよく訓練に付き合っていた。
その訓練の中で、改めて自分の『勇者』としての力のなさを自嘲するが、ダイの

「『勇者』は一人じゃなくてもいい」

という言葉を聞いて、ダイとは違う自分なりの『勇者』像への道を歩むことになる。

ミナカトール攻防戦ではミナカトール防衛役に回る。
魔界の強力なモンスターが大量に呼び出され、獣王クロコダインですらも冷や汗を流す中、

……クロコダインさん 何匹ぐらいいけそうですか…?
…いかに未知の強力怪物とはいえボクは40~50体までなら確実に倒せます…!

何とか我々だけで敵を全滅させる覚悟で戦いましょう!!

冷や汗を流しつつも、攻めの姿勢を見せ自らの役割を全うしようとするノヴァ。

……よくぞ言った北の勇者‼

自分の母国の人々だけではない。
かつて「勇者を名乗る大人の戦士たちと星の数ほど戦った」と言うクロコダインからも、ノヴァは改めて『勇者』と認められたのである。

…ボクは…あの時初めて知った!!
真の勇者とは、自らよりもむしろ…!!

みんなに勇気を湧きおこさせてくれる者なんだ、と……!!

ザボエラの超魔ゾンビとの戦いにおいて十八番ともいえる「闘気」剣ではなく、自身の命を糧にした「生命」の剣ともいえる技を使った。
これは「自分が倒れても後の者が立ち向かえる勇気」を与えようとしての決死の行動であった。

…ボクが生命尽きて倒れても……!!
ボクがつけたわずかな傷跡に後から攻めていけるだけの勇気を…!
この場のみんなに残してあげられれば…!!

…ダイほどではなくても…ボクも『勇者』の代わりができる…!!!

…この時のノヴァの姿に心を打たれ、「勇気」を湧きおこされた人物がいた。

ロン・ベルクである。

彼は無駄死にするだけだと警告しても、なお勝ち目のない戦いをしようとしたノヴァを身を挺して救う。
肩を貫かれながら。
ロンの「もういいんだ」という言葉にノヴァは生命の剣を解除しつつも「どうしてそこまでして」と問いかける。

……オレは、今の今までおまえを見損なっていた。
感心すると同時に、やはりどうあってもムダ死にさせたくなくなった………!!

例え流れる血の色は違っても…
オレたちの命の価値は同じだっ…!!!

そしてロンは若き「勇者」を生かすべく、自身の腕を犠牲にする究極の兵器『星皇剣』を使う決意を固めたのだった。


【師・ロン・ベルクとの出会い】

ロン・ベルクに対しては最初は魔族という事や、彼の不敵でぶっきらぼうな態度で「何を考えてるのか分からないヤツ」としてあまり心を許していなかった。

しかし、自分を身を挺して庇い、人間のために己の双腕を犠牲にして超魔ゾンビを倒したロンを見て、考えを改めることとなる。
その恩返しとしてロンの代わりに星皇剣を完成させるべく、彼を師と仰ぐようになった。
この時の腕を使えないロンの代わりの初仕事として、酒瓶の開け方に戸惑うノヴァの姿はなんとも微笑ましい。

その後は生命の剣を使って消耗していたこと、ロンに付き添わなければならなかったこと等からバーンとの最終決戦には参戦できなかったが、地上に残ったことでピラァ・オブ・バーンの凍結の際には大活躍することに。
ヒャド系を得意とする上にルーラが使え、しかも投下先の1つが故郷(=ルーラ可能)のリンガイア……と、ノヴァはこれ以上ないくらいの適任者であり、リンガイアを含めて6基中2基の凍結に成功している。
だがここで今までの戦いでの消耗もあって魔法力が尽きてしまう。
挫けそうになる心を必死で奮い立たせ、オーザムへと向かうノヴァ。
その思いは別の勇者が引き継いでくれることとなる…

最終回ではロンに弟子入りし、鍛冶屋の修行に汗を流しながら勤しんでいるノヴァの姿を見ることが出来る。


【戦闘能力】

分類的には現在で言う所の魔法戦士*1。剣と魔法を両立するさまは一見勇者っぽいが、メタ的には勇者特有の技・呪文に縁がないので勇者とは言えない。
ダイ達とは異なりアバンマトリフ達のような特別な指導者と呼べる存在がおらず、恐らくほぼ独力で闘気剣や上級魔法を身につけたであろうその才能は確かなもの。
装備に関しては情報が少ないが、それほど特別なものを使っているわけではない模様。
更に、軍団長クラスと戦う機会はなかったとはいえ(恐らく独力で)魔王軍を撃破していたという実績すらあるので、自信過剰になるのも仕方ないとも言える。
読者からも「バランは無理でもフレイザードなら倒せたかもしれない」と評価されることも。

また、こちらも恐らく独学でヒュンケルや後のヒムのように「闘気」を使って戦う術を身につけている。*2
ミナカトール防衛戦時に現れた魔界の魔物の軍勢にも負けていなかった*3 為、素質も実力も高い方である。
また、親衛騎団に完敗したとはいえ、その後のダイ一行の戦いで闘気を込めたナイフでフェンブレンに手傷を負わせ、真っ二つにされたポップの杖を使ってヒムに一矢報いてもいる。

以上の事から、あくまでも本編でのデビュー戦の相手(親衛騎団)が強すぎただけで彼もまた間違いなく人類最高峰の戦士の1人だった。
もし、ロンの前にきちんと師事できる人(勇者の家庭教師のような人)がいたら、
剣技・闘気・魔法の全てを使える戦士(勇者)としてヒュンケルに迫るくらいの実力にまで伸びていたかもしれない。

呪文

  • 瞬間移動呪文(ルーラ)
移動用の呪文。こちらも割と使用者の少ない呪文である。

ノヴァの得意とする氷系最強呪文。
例え闘気剣を上回る防御力を持った相手でも、「マヒャドで凍り付かせて防御力を下げて斬り裂く」というどっかのトドと同じ運用方法も視野に入れていた様子。
でもほとんど使わなかった上、シグマに跳ね返されて自分が凍りつくなど作中ではあまり活かせなかった。
上級攻撃呪文を扱う人間キャラはこの漫画ではかなり少なく他にはマトリフ/ポップ師弟くらい。
さらに言えば単行本に記載されていたポップのステータス表において最後までマヒャドの記述はなく、ポップですら最後まで使えなかった可能性がある。*4
得意分野1つのみとはいえ、専業の魔法使いですらないという点も加味すれば、やはりかなりの才覚と言える。

  • 闘気弾
拳の打撃に合わせて闘気の塊を弾丸のように撃ち出す。
ノヴァ的には小手調べと言える技。

  • 闘気剣(オーラブレード)
だが あいにくボクの必殺技には剣が折れていても何の不自由もないっ…!!

武器に闘気(オーラ)をまとわせ、闘気の刃を構築するノヴァの必殺技。
「伝説の武器をもはるかに上回る」と豪語したその威力は本物で、伝説の武器を使っている訳でもないのに、オリハルコンに傷をつける事が可能。
また「使用する武器が折れていようが攻撃力が一切下がらない」という唯一無二のメリットも持っている。
剣以外にもナイフや槍に闘気を込めて強化し投擲するといった運用が可能で応用性も高く、闘気の扱いと器用さにかけてはヒュンケル並と言っても良いだろう。
このことは「勇者は一人じゃなくてもいい」とは別にダイも高く評価しており、新技訓練の最適な相手として申し入れた。
そして実際に、訓練なのでダイ側は全力を尽くしていないとは言え、『アバンストラッシュX(クロス)』をも一応凌いで見せた。

  • ノーザン・グランブレード
闘気剣の出力を全開にし、高く飛び上がって渾身の一撃を放つノヴァ最大の技。
その当時最強技だったダイのライデインストラッシュも真っ青の威力だと目を丸くしたポップが評している。
しかし、防御に集中したヒムにとっては、「柱の角に頭をぶつけた」程度で、戦闘に支障が出るような有効打にはならなかった。
武器がもっと良質のものだったならあるいは…?

後に登場したアーケードゲーム「ドラゴンクエスト モンスターバトルロード」に登場するパパスのとどめの一撃である「ホーリーエッジ」はこの技を元にしているのではないか、とも言われている。

  • 生命の剣
闘気の代わりに生命力を込めた剣。
原理はハドラーの生命の剣と同じ。
生命のある限り決して折れることはないが、無尽蔵に生命を消耗してしまい、少しの時間で若々しい血色がなくなり頬がこけ、老人かゾンビのようになってしまった。
ようするに全生命力を込めたということで、ロン・ベルクにより阻止されなければ死んでいたと思われる。
…逆に言うと、瀕死の状態でこれを全開で解放していたのに全く衰える様子を見せなかったハドラーのヤバさがうかがえるというもの。
ロン・ベルクに諭されて使用をやめたため、威力は不明。最期の手として使用したことからも最大出力の闘気剣(ノーザングランブレード)より上かもしれない。
分かっていることは、攻撃に対して無敵に近い超魔ゾンビの性質に対してダメージを与えられる可能性のある技であること*5
しかし、ロンの見立てでは超魔ゾンビに対する有効打になるほどの威力はなく、ノヴァ自身も死を覚悟していただけあって、死ぬ前に倒せるとは思っていなかった模様。


【余談】

本作では一人称が子供はひらがな、青年以上はカタカナで表記されているが、ノヴァは自分では一人前だと思い込んでいるため例外として「ボク」と表記されている。





どいつもこいつも勝手に“荒らし”を行っている事自体が不愉快だ!

アニヲタ中であがめられる真の編集は一人で充分!!

…項目たちはボクが追記・修正してやる!!安心して待ってろ!!!



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最終更新:2024年01月14日 22:17

*1 6初出の職業なので、ノヴァが登場した頃には存在しない。

*2 闘気と魔法の両方を使えるのは劇中では竜の騎士であるダイとバラン、魔族であるハドラーとバーン、そしてただの人間であるアバン先生とノヴァの六人だけ。かなり希少な存在である。

*3 しかも、周りが傷ついている中ほぼ無傷

*4 メドローア自体は原理上はメラ系とヒャド系を同威力でスパークさせることさえできれば必ずしも両方とも最上級のものである必要はない

*5 折れず、長いのでザボエラに届く可能性がある