あしたのジョー

登録日:2014/09/15 (月) 19:44:38
更新日:2024/03/20 Wed 22:19:33
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燃えたよ…
真っ白に…燃え尽きた…

真っ白な灰に…




あしたのジョーとは、高森朝雄原作・ちばてつや作画による漫画作品で、『週刊少年マガジン』で1968年から1973年まで連載されていた。

●概要

一匹狼の少年・矢吹丈がボクシングを通じて成長していく様を描いた作品で、当時のマガジンを「巨人の星」と並んで支え続けた二大看板であった。

本作の原作者である高森朝雄は梶原一騎の別ペンネームである。
これは同誌で『巨人の星』も並行して連載していたため、「同じ作者名が二つ載ると読者が混乱するかもしれない」という理由から意図的に変えていた。

その人気ぶりから大きな社会的反響を巻き起こし、登場人物の一人「力石徹」が作中で死亡した時には実際に葬儀が行われたり
よど号ハイジャック事件の犯人が「われわれは明日のジョーである(原文ママ)」という声明を出したりした。

有名なラストシーンや「立て、立つんだジョー!」という台詞*1などパロディにされた回数も非常に多く、あらゆる意味で日本のボクシング漫画の最高傑作であり、今後本作を超えるボクシング漫画はおそらくそう簡単には登場しないだろう。

◆メディア展開

有名なものではテレビアニメがあり、1970年から虫プロ制作・フジテレビ系で放送された第1シリーズと1981年から東京ムービー制作・日本テレビ系で放送された第2シリーズ(あしたのジョー2)がある。

ジョー役はあおい輝彦、丹下段平役は藤岡重慶と本業が声優ではない人物という異例のキャスティングが行われ、続編や劇場版で他のキャラの声優が大幅に変更される中、この両名はシリーズ終了まで一貫して登板し続けた。
丹下役の藤岡は1991年に亡くなったため代役が起用されているが、ジョー役のあおいについてはCM等で起用されているため、アニメを見たことなくてもジョーの声を聴いたことある人も多いだろう。

第1シリーズは放送途中で原作に追いついたため終了し、第2シリーズで完結という流れだが、第1シリーズから10年のブランクがあったため、先行で公開されたアニメ劇場版(第1シリーズ総集編)の続編という構成になっている。
なお、第2シリーズ放送中にも劇場版2作目が公開され、一部のシーンはテレビアニメにも流用された。

実写映画化もされており、山Pが主演の2011年版が有名だが実は連載中の1970年にも石橋政次主演で公開されている。

また2018年には誕生50周年を記念して、大胆にSF作品に仕立て上げたリメイクアニメ『メガロボクス』が制作され、2021年4月には続編も制作された。

■ラストシーンについて

登場人物の心理描写など、現在でも考察する者は多く、特に有名な「真っ白に燃え尽きたジョー」のラストシーンについてはいまだに議論が絶えることはない。

ラストについては、当初高森から送られたものは全く違うものだったという。
初期案では試合に負けたジョーに段平が「お前は試合に負けたがケンカには勝ったんだ」と語るシーンだったのだが、
これに違和感を持ったちばが了解を得て変更したのが「真っ白に燃え尽きたジョー」のラストである。
尤も、変更すると言った後でいざどうするかはかなり苦労したようで二十通りものアイディアが出たが決まらず、
当時の担当がジョーが「真っ白な灰がのこる~」と語るシーンを発見し、決定したという。ちば本人はこのシーンを書いた事を忘れていたらしい。

特に議論の的になる「ジョーは死んだのか」という疑問にはちばは最も最近の言葉では「死んでいない」と発言している。

■登場人物

矢吹丈(やぶきじょう)
主人公。一匹狼の風来坊だったが、ドヤ街で出会った丹下段平にボクシングを教わり多くのライバルと戦い、成長していく。

丹下段平(たんげだんぺい)
ドヤ街に住む元ボクサーで、通称「拳キチ」。ジョーの素質に惚れ込み、一流のボクサーに成長させようと奮闘する。

力石徹(りきいしとおる)
ジョーの最大のライバル。初めて出会った少年院からプロのリングまで幾度も拳を交える。

◆白木葉子(しらきようこ)
力石の所属する白木ジムを運営する、白木財閥の令嬢。本編途中から白木ジムの会長に就任する。

マンモス西/西寛一(にしかんいち)
ジョーの少年院仲間。出所後、ジョーと共に丹下ジムに入る。

青山(あおやま)
何をしでかしたのか、特等少年院に入れられていたヒョロガリ。段平からこんにゃく戦法を伝授される。

ウルフ金串
アジア拳闘クラブ所属のボクサー。バンタム級王者で、ジョーのプロボクサーとしての最初のライバル。

タイガー尾崎
ジョーのライバル。

カーロス・リベラ
葉子が招聘した世界ランキング6位のベネズエラボクサー。チャラ男。

金竜飛
韓国出身の東洋バンタム級チャンピオン。朝鮮戦争の戦災孤児で、かなりの小食。

ハリマオ
マレーシア最強野生児

ホセ・メンドーサ
ラスボス。世界バンタム級チャンピオン。





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最終更新:2024年03月20日 22:19

*1 実は原作漫画では1度しか使用されていないが、テレビアニメ版のED1で毎回使用されるため間違って覚えられたと思われる。