テラフォーマーズ(漫画)

登録日:2014/09/14 Sun 14:34:17
更新日:2024/04/01 Mon 16:11:22
所要時間:約 6 分で読めます




全く見た事のないものと出会う時、人間は人間ではいられない。


人類 vs 害虫の王


負けた方が 害虫



『テラフォーマーズ(TERRA FORMARS)』とは、原作:貴家悠、作画:橘賢一による漫画作品。既刊22巻。
ミラクルジャンプにて第1部「BUGS2 2599」が掲載され、後に週刊ヤングジャンプに移籍して第3部「地球編」が連載されていた。
……が、2017年以降は原作者の体調不良に伴い、現在に至るまで長期休載中である。


なお、「テラフォーミング」のスペルから考えれば「TERRAFORMERS」が正しいが、スペルミスではなく「火星(MARS)」*1にかけているものと思われる。


火星に放たれ進化したゴキブリテラフォーマーと人類の死闘を描いた話。

最大の特徴は、敵味方容赦無く死ぬスリリングな展開。メインキャラに見えた人物が次のページでアッサリ殺されるのはザラ。
また、後述する能力のため、様々な生物の説明も多い。
よくテレビで見かける「この昆虫が人間並みの大きさにすると○○くらいの力になる」のような説明をする。
作者が某番組で「普通のことを物凄くカッコつけて言うだけ」とぶっちゃけているが。

また、テラフォーマーとの戦いだけでなく、人間たちの裏切り、その影で交差する各国の思惑のヒューマンドラマも見所。
とはいえ、こういった要素は「人間対テラフォ―マーという作品の方向性の根幹に悪影響を与えた」という読者の意見もあり、賛否両論。

2013年度『このマンガがすごい!』のオトコ部門第1位を受賞。
2014年には第1部がOVA化、2部が2014年10月3日(金)にてTVアニメ放送開始。

2016年には『悪の教典』の主演・伊藤英明、監督・三池崇史というタッグで第一部を実写映画化評価は…
そしてそれに合わせてTVアニメ第二期が2016年4月から放送された。
他にもゲーム『紅き惑星の激闘』(ニンテンドー3DS)やパチンコなども発売された。


【ストーリー】

  • 2577年 BUGS1 2577 (前日譚)
人口爆発により、人類は新たに火星を住処にするために火星テラフォーミング計画を実行、ゴキブリ達を火星へと送り込む。
宇宙飛行士6人を乗せた有人宇宙艦・バグズ1号は最終段階としてゴキブリの採取のために火星に赴くが、
そこには人間大にまで成長したゴキブリ「テラフォーマー」がいた。

  • 2599年 BUGS2 2599 (第一部)
テラフォーマーの駆除のため、バグズ手術を受けた15人を乗せた宇宙船・バグズ2号は火星へと赴く。
しかし、テラフォーマーは彼らの予想以上の戦闘力を保持しており、予期せぬ襲撃に遭う。

  • 2619年 ANNEX1 2620 (第二部)
地球では致死率100%、培養不可の殺人ウィルス「A.E(エイリアン・エンジン)ウィルス」が猛威を奮っていた。
この奇病に対するワクチンを作る為、バグズ手術を発展させた「M.O.手術」を受けた100人は大型宇宙艦・アネックス1号に乗り、火星へと赴く。

  • 2623年 地球編(第三部)
アネックス1号はA.Eウイルスの抗原を入手して地球に帰還したことにより、ワクチンが開発されて多くの人が救われた。
そしてA.Eウイルスを用いることにより、「M.O.手術」は改良され、より進歩したかに思えた。
しかし地球では、バグズ1号を用いて来訪したテラフォーマー達による人類殲滅計画が密かに進んでいた…。


【登場人物】



【用語】

テラフォーミング計画
火星を人の住める環境にする計画。
火星に存在する大量の二酸化炭素を酸素へと変える特殊なコケと、地表を黒く染めて太陽光を吸収させるゴキブリを火星に放つというもの。
2077年にこの計画が実行された結果、500年後には手術済みの乗組員が寒さを感じない気温になっていた。しかし…。

テラフォーマー
火星に放たれたゴキブリが進化した姿。
外見は触角のあるの黒い類人猿のようで、二足歩行を獲得している。
大きく無機質な目が特徴的。「じょうじ」「じょうじょう」といった声で鳴く。
ゴキブリ特有の性能は残っているため、素手で人体をバラバラに引き裂き、宇宙船の外壁すら破る驚異的な戦闘力を誇る。
更に、人類から奪い取った銃火器も使用する高い知能を持つ。
詳細は該当項目参照。

バグズ手術
テラフォーマーのクローンから得た免疫寛容能力をベースに、様々な昆虫のDNAを後天的に組み込む手術。
だが成功率は30%と低い。
特殊な薬剤を注射することで昆虫人間に変身、その昆虫の特性を引き出して攻撃する。
しかし、薬を打ち過ぎると免疫寛容能力の限界を超え死亡する。また、成分は肝臓と腎臓で分解されるため、臓器を損傷した場合、成分分解が出来ず昆虫そのものへと変わってしまう。

M.O.手術(モザイクオーガンオペレーション)
バグズ手術をさらに改良し、昆虫以外の能力も組み込めるようにした技術。
その結果、動物だけでなく植物の能力も使用出来るようになった。
ただ、手術の成功生存率は36パーセントと低いまま。
バグズ手術と同じく過剰な薬物投与による変貌も解消されてはいない模様。

M.A.R.Sランキング
火星環境におけるゴキブリ制圧能力のランキング。
要するに、アネックス1号編における戦闘能力ランキングのこと。
15位以上には「自身の能力を最大に活かせる」「奪われても人間の脅威にならないこと」を前提にした専用の武器が配備されている。
ただし、「搭乗員100名の中でのランキング(= 運よく手術に成功した100人の中での順位付け )」なので実際の戦闘能力はピンキリ。
加えて「強くても捕獲に不向き」であればランクは下がり、さらに裏切り者たちのように偽装して実力を隠していたものも含まれるので、 あくまでも目安にすぎない


【小説版】

テラフォーマーズ LOST MISSION
JUMP j BOOKSのレーベルより全2巻。1巻『月の記憶』は東山彰良、2巻『平山夢明』は平山夢明が執筆。
1巻目は漫画第二部の前日譚的な内容となっており、漫画本編でも小説版の要素が強く導入されるなど公式外伝的な立ち位置となっている。
反面、小説版未読だとやや漫画の設定回収が分かり辛くなってしまうというウィークポイントも。
2巻目は平山氏の作風が強く打ち出されたホラー物の色が強い番外編が描かれる。

テラフォーマーズ THE OUTER MISSION
ダッシュエックス文庫のレーベルより全3巻。著者は藤原健市。
漫画第二部開始前の時間軸を舞台に、U-NASAの地球におけるバックアップ要員「スカベンジャーズ」の活躍を描く。
本編では早期に、あるいは大した見せ場もなく死亡退場したキャラクターがメインに抜擢されるなど、見どころも多い。
本作のオリジナル登場人物であるトーヘイとリジーは、後に漫画第三部にもカメオ出演している。
内容自体は全3巻で一応の完結は迎えているものの、敵勢力との決着が完全につかなかったりと未回収の伏線も散見され、
最終巻の発売時期的にも「漫画の第三部突入に際して舞台を地球を移すにあたり小説の展開を終了せざるを得なかったのでは?」と疑う読者の意見もあり、
展開が迷走を極める漫画本編と比べてこちらのシリーズを支持する声も少なくなかったため、展開終了を惜しむ声も多い。


『地球』を、嘗めんなよ!!




追記・修正はM.O.手術を受けてからお願いします。

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最終更新:2024年04月01日 16:11

*1 よく見ると「TERRA FOR MARS」と読めなくもない