世界樹の迷宮Ⅳ 伝承の巨神

登録日:2014/09/09 Tue 03:51:05
更新日:2023/09/11 Mon 19:44:33
所要時間:約 7 分で読めます




アトラス発売の3DダンジョンRPG。今作からハードが3DSに移行している。

〜ストーリー〜

神なる緑は豊穣をもたらし
禍つ緑は災厄を振り撒く

果てに遺されたのは神樹の骸

虚ろの民は、信仰に縋り
牙持つ民は、力に怯え

智慧持つ愚者は、偽りの記憶に踊る

されど巫女の奏で、未だ絶えず
君たちを世界樹へと導く

手にするは大空を翔ける翼
紡ぐは波乱に満ちた冒険譚

始まりを謳う風が、今吹き抜ける……

(OPより)

◆ゲームシステム
シリーズ共通の基本システムについては世界樹の迷宮(ゲームシリーズ)参照。ここでは今作から登場した新要素について説明する。

  • 気球艇&大地マップ
    • 今作の迷宮は今までのような一つながりの巨大な物ではなく、全部で4つ存在する「大地マップ」上に散在しており、プレイヤーはこの大地マップを気球艇を使って探索し、迷宮へとたどり着くこととなる。
    • 大地マップ上には所々に「食材」が落ちており、調べることで回収することが出来る。回収した食材は料理して食べる事で様々なメリット効果が得られるほか、周囲を徘徊するF.O.Eの好物を投下してやることで撒き餌のようにF.O.Eを誘き寄せることが出来る。中には特定のスキルを習得したメンバーがパーティにいない場合食べるとダメージを受ける「毒食材」も存在し、F.O.Eに与えると毒状態にすることが出来る。

  • 小迷宮
    • 大地マップ上にはメインとなる迷宮のほかにミニダンジョンのような扱いの小規模な迷宮がいくつか点在している。無視して進んでもストーリーに影響はないが、小迷宮でしか獲れない素材アイテムやそこにしかいないF.O.E、小迷宮が目的地のクエスト等も存在しており、図鑑コンプを目指すなら必ず立ち寄ることになる。

  • 稀少個体
    • 雑魚モンスターやF.O.Eとエンカウントを繰り返していると、まれに金色に輝く「稀少個体」が出現することがあり、このモンスターを撃破すると戦闘後にもらえる経験値がなんと5倍になる。
    • 一方稀少個体は常に最速行動状態&ターンごとに攻撃力が爆発的に増加、さらにすぐに逃げる等の特異な性質を有しており、撃破は通常のモンスターに比べて遥かに難しい。またF.O.Eにもまれに稀少個体が出現する。さらに大地マップを徘徊する大型F.O.Eに特定の食材を与えると稀少個体に変化する。

  • 敵サイドの前衛・後衛概念の導入
    • 今作から敵側にも前衛・後衛の概念が導入された。これにより危険な花びら毒吹きアゲハ等の危険生物は頑丈な前衛に守りを任せてダメージの減衰する後列から状態異常をばらまくといった陰湿な(戦略的とも言う)戦術を取るようになった。また複数のモンスターがタッグを組んで現れるボス戦では、呼び出した雑魚で前衛を固めてボス本体は後列に引っ込んで遠隔攻撃を繰り返すといった方法も取るようになった。

  • モンスターの3Dポリゴン化
    • 今まで2Dの一枚絵で表示されていたモンスターが、今作から3Dポリゴンで動き回るようになった。それに伴い、マップ上でのF.O.Eの表示も色のついたモヤモヤのような何かからそのモンスター固有のグラフィックへと置き換えられた。


〜拠点「タルシス」〜

冒険の始まりとなる第一大地にある小さな都市。辺境伯が統治している。10年ほど前に遭難したワールウィンドがこの街を訪れて以来、彼がもたらした気球艇の技術体系により探索が活発化して冒険者が集まり始め、辺境伯が世界樹の謎を突き止めろという通達を出してからはさらに冒険者が集まり、一気に活気があふれるようになった。


〜登場人物(ネタバレ注意)〜

◎タルシス側

  • 辺境伯
口ひげを蓄えた金髪のおっさん。腕に抱いているのは愛犬のマルゲリータ。世界樹の謎を解明しうる冒険者を探すべく彼がお触れを発した事が今回の騒動のきっかけとなる。
やや胡散臭い顔から発売前はどこかで裏切る悪人なのではないかと多くのボウケンシャーから危惧されていたのだが、蓋を開けてみれば
    • 最初から最後まで冒険者を堅実にサポート
    • タルシスのためならば財産も権力も惜しまず使う
    • 異種族との交流も積極的に行う
    • いかにも紳士然な態度だが愛嬌も併せ持っている
等々、Ⅳ内どころかシリーズ全体で見てもダントツの聖人君子であり、まさに統治者の鑑であった。
後に発売された「X」のOPでも名君として紹介されている。

  • セフリムの宿の女将
若干天然気味の美人で優しい女将さん。例によって例のごとく糸目。彼女の作る料理は絶品であり、その味は街の外からも客が来るだけでなくなんと統治者であるはずの辺境伯が直々に来店して味わっていくほど。…なのだが、愛用の肉切り包丁がヤバそうな雰囲気を漂わせていたりヤバすぎて封印した禁断のレシピがあったり、やってきたモンスタークレーマーが恐怖のあまりに逃げ出すような「何か」を出したり、食材の回収を依頼したときに手渡してきた愛用の鉄鍋が食材を吸い込むブラックホールと化していたり(ご丁寧に「戻ってこれなくなるから絶対に手を入れるな」と警告までしてくれる)、女将からの最後のクエスト完了後にもらえる女将愛用の肉切り包丁が即死効果のついた大剣だったりと非常に恐ろしい何かがある油断のならない人物。

  • ベルンド工房の店員
ハンマーを担いだ金髪のロリっ娘。かわいい。主人公パーティに無邪気に懐いてきたりクエストに付いてきたりしてさらにかわいい。
そしてよく見ると結構胸がある。

  • 冒険者ギルドのギルド長
筋骨隆々の初老のオッサン。ハゲ
ハゲしい光を放つ我流の奥義を完成させるべく日夜不毛な修行を続毛…続けている。

  • 踊る孔雀亭のママ
妖艶な雰囲気を漂わせた妙齢のお姉さん。服装が非常にきわどい(ダンサー♀2に非常に似ている)。そして今作最大のおっぱいの持ち主
虫が嫌いらしく、依頼でビッグモスの卵を持ち帰ったときはドン引きしていた。
お早いお帰りを。

  • カーゴ交易場の港長
ゴーグルをかけた赤髪の兄貴。重度の気球艇ヲタク。

10年前タルシスに現れ、気球艇技術を持ち込んだ謎の男。戦闘能力は高いようでパーティが初めて向かうダンジョンに既に先回りしていたりする。
行動もどこか胡散臭く何かしらの目的を持って行動しているように見えるが…
個別項目参照。


◎異種族
○ウロビト
第二大地の樹海に住む一族。手足が非常に細いエルフ耳の種族。かつて世界樹によって引き起こされた災害の折、全ての責任を放棄して逃げ出した人間たちを敵視していた。

樹海に迷い込んだ人間の少女を保護して育てていたウロビトの女性。個別項目参照。

  • 巫女
幼いときに樹海に迷い込んで保護されたロリっ娘。世界樹の力を制御して様々な超能力を行使できる。
その正体はかつて暴走した世界樹の巨人を止めた際、分離された巨人の「心」。ラスボス完全復活のための生贄にされかけたがすんでの所で主人公一行に救出された。

    • イクサビト
第三大地の洞窟に住む一族。全員獣人でケモナー完全勝利。人間に関しては世界樹が暴走した際にともに戦った戦友として伝わっており非常に友好的だった。

  • キバガミ
イクサビト一族の長。見た目はかなりおっかない牛頭のイクサビトだが、人間には非常に好意的で里に訪れたボウケンシャーを久々の客人として歓迎し、手製の鍋料理を振る舞ってくれる。見た目によらず医学の心得もある。

◎帝国側

  • 皇子
ショタっ子。今回の騒動の原因。幼☆女☆誘☆拐の大罪を犯してまで自らの目的のために動こうと画策したが敗北。迷宮の崩落に巻き込まれて消えた…
かと思いきやラスボス戦後にまさかの生還。クリア後、偉大なる赤竜討伐時に味方として一時的に参戦してくる。職種が???なのでNPCとしては規格外の強さを誇る。
一人称は「余」だがキレると素が出て「僕」になる。
ちなみにきちんとバルドゥールという本名が設定されているのだがストーリーの都合上ほんの数回しか耳にする機会がなくもっぱら「皇子」と呼ばれるのでまるで名前を思い出してもらえない。


〜職業〜

ソードマン
最速で切り込んでいく切り込み隊長という役目を持たされてリニューアルしたソードマン。個別項目参照。

フォートレス
伝統の盾職。しかし防御スキルの癖が強くなって若干扱いが難しくなった。

ナイトシーカー
闇討ち、不意討ち上等の暗殺者。状態異常とそれを起点にした超火力スキルの使い手。個別項目参照。

スナイパー
後衛からの安定した大火力攻撃に定評のある狙撃手。前作のバリスタに相当。個別項目参照。

ダンサー
踊り子。同列の味方に影響を与えるダンススキルを使って追撃したりサポートに回ったりする。
パイレーツとプリンセスを足して2で割ったような性能。
ちなみに♀の衣装が非常にエロい

メディック
伝統の回復職が復活を果たした。使い勝手は過去作からあまり変わっていない。

ルーンマスター
伝統の後衛魔法職。専用の補助スキルによって手軽にバ火力が出せる。

ミスティック
隠し職その1。「方陣」を利用してバステや縛りをバラ撒くことを得意とする職。

モノノフ
隠し職その2。モフモフの獣人。紙装甲と引き替えに狂気じみた馬鹿力を得た超攻撃特化職。個別項目参照。

???
ある条件を満たすと使用可能になる隠し職業。公式サイトでも名称が伏せられている。個別項目参照。


以下ネタバレ注意

~大地~

第一大地:風馳ノ草原
風の吹き抜ける平原。拠点となるタルシスの街はここにある。
周辺にはあの悪名高きうろつく跳獣が我が物顔で闊歩しており非常に危険。

第二大地:丹紅ノ石林
毒々しい赤色に彩られた樹海。周辺は数多の冒険者を三枚おろしにしてSATUGAIしてきたカマキリこと全てを狩る者とF.O.Eに昇格したディノゲーターがうろついておりものすごく危険。

第三大地:銀嵐の霊峰
雪の降りしきる冬山。竜巻が大量発生している上に周囲には第二大地で遭遇したばかりの全てを狩る者とディノゲーターの上位種が彷徨いているのでとてつもなく危険。

第四大地:絶界雲上域
帝国領の高原。親切心でライバルギルドの助太刀に入るとカマキリの最上位種が二匹揃ってお出迎えしてくることがある上に油断してると帝国の気球艇に大砲で粉々にされるのでとんでもなく危険

〜迷宮〜

第一迷宮:碧照ノ樹海
豊かな自然の残る樹海。所々で道を塞いでいる木は森のクマさん♂に破壊してもらうことで通行可能になる。
ボスは獣王ベルセルケル。脳筋なので物理方面の対策をきちんとしていればそう苦戦するような相手ではない。

第二迷宮:深霧ノ幽谷
深い霧の漂う謎めいた樹海。無限ループ通路などの嫌らしいギミックがある。
ボスはホロウクイーン。ホロウ系の特殊能力で非常に回避率が高く、しかも自分は部下の雑魚ホロウを呼んで後列に引っ込み、高火力の「次元斬」等を連発してくるため非常にたちが悪い。

第三迷宮:金剛獣ノ岩窟
内部にある熱を発する大きな鱗を破壊して洞窟内の温度を変化させると通れる場所が変わる。温暖時と寒冷時で出現するモンスターが変化する。
ボスはホムラミズチ。HPは20000と目を疑うような数値だがある手順を踏めばHPが半減して弱体化する。戦闘中に自らの鱗を飛散させてモンスター扱いで召喚してくる。この鱗はホムラミズチが炎属性攻撃を行うたびに追撃してくるが、氷属性の攻撃をかますと凍り付いて無力化されてしまう。ちなみにダンジョン内では時々体をぷるぷると震わせて微妙にかわいい。

第四迷宮:木偶ノ文庫
古代遺跡。監視者に見つかると文字通り 死 ぬ ま で 追いかけられる羽目になる。
ボスは揺籃の守護者。頭を回転させると顔面の色に応じた属性の形態に変化、強烈な威力の属性ミキサーを繰り出すと同時にその属性の弱点属性以外の攻撃がほぼ通用しなくなる…が、頭を縛られると形態変化が使えないためにミキサー系の技が不発になる弱点があるので、高火力の技で一気に仕留めてやれば怖くはない。撃破すると頭部だけ残して自爆しようとするなど往生際が悪いので注意。

第五迷宮:煌天破ノ都
なんとたったの一階層しかない。…が、その代わり今まで巡った第四~第一までの各迷宮を順番に引き返していき、それが階層の代わりになるという今までに類を見ない構造の迷宮。
ボスはバルドゥールが世界樹の瘴気に蝕まれて変異した「翠翼の呪皇」。味方全体にランダム10回攻撃のカオスドライブとイグニッションからのオーバードライブが直撃すると全快状態からでも問答無用で全滅しかねない。ドライブ前に腕を縛ってしまえば支配の覇気くらいしか使ってこなくなるのであとは煮るなり焼くなり好きに出来る。特にこの時点では一撃で数千ダメージもの大ダメージを叩き出す「インペリアル」が仲間にできるようになっているはずなので、大火力によるごり押しを使えば数ターンで沈むことも。

ラスボス:楽園への導き手
蘇った世界樹の巨人。シリーズとしては前代未聞の3体1セットのラスボス。両腕が前衛を固めており、本体は後列に引っ込んでいる。本体を倒すとコアである「剥き出しの精髄」が出現。巫女が触手プr…拘束されているのが見える。この剥き出しの精髄を撃破すると戦闘が終了する。
ちなみにクリア後にある条件を満たすと再戦できるようになる。

第六迷宮:暗国ノ殿
クリア後にいける裏ステージ。今までの迷宮から一変、不気味なほど静まりかえったBGM、漆黒の迷宮、血染めの扉、地雷原、トラウマ物の陰惨なイベント、襲いかかる巨大花、信号機トリオ、カボチャトリオ、そして◆◆◆◆◆。今までのマイルドなゲームバランスから一転、手抜き一切なしでスタッフが本気で殺しにかかってくる。
専用の通常戦闘BGM「戦場 双眸爛爛と」も不安と焦燥をこれでもかと煽りまくり、FOE戦の方が優しいとまで言われている。
ボスは歪みし豊穣の神樹。第一形態は悪食の妖蛆で、一定ターンが経過するか悪食の妖蛆が倒されると第二形態である歪みし豊穣の神樹が正体を現す。正攻法だとまず勝てない極悪ボスだが、ある手順を踏むことで大幅に弱体化してしまう。詳細は個別項目参照。

以下核心に関わるネタバレ

実は上記の異種族は世界樹の暴走による災害が発生する以前の荒廃した大地において人間が自らの下僕とするために作り出した人造人間の末裔である。過酷な環境に適応するべく動物の遺伝子を導入して作り出されおもに肉体労働に従事させられたのがイクサビト、研究の補助、及び実験体とすることを目的として作り出されたのがウロビトである。
世界樹の暴走によって災害が引き起こされた際、人類は北部地域に避難する者と、避難せずに残留して事態の収拾に努めようとする者とに分かれた。北部地域に避難した人類はその場に定住して帝国を作り、残留して事態の収拾に当たった者達はタルシスの街を作った。ウロビトとイクサビトの間で伝承の内容が違っていたのは、ウロビトは北部に避難して後に帝国を作る者達を、イクサビトは残留して後にタルシスの街を作る者達を見てきたから。
今作の迷宮は全てその当時の研究施設群の遺構。(煌天破ノ国に入るための条件にあった「四人の王」とは第一~第四迷宮に当時存在した研究所の所長を指している)特に暗国ノ殿は世界樹計画が立ち上げられる以前から避難所兼研究施設としても使用されており、当時の事に関する資料が所々で確認できる。(上記の二種族の出自もここで判明する)


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最終更新:2023年09月11日 19:44