スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神F COFFIN OF THE END

登録日:2014/08/31 (日) 21:33:43
更新日:2023/04/18 Tue 16:18:19
所要時間:約 12 分で読めます






地球内部の異なる位相空間にある
地底世界ラ・ギアス――

そこでは地上とは異なる、そしてより豊かな
文化が発展していた


その世界を駆ける一陣の疾風――
人はそれを魔装機神サイバスターと呼んだ

だがサイバスターの操者マサキとその仲間たちが守ってきた地底世界ラ・ギアスは――

今、滅亡の危機に瀕していた!



魔装機神シリーズ完結
"静死の棺"に囚われた地底世界ラ・ギアスで
最大・最後の戦いが始まる――


2014年8月28日にバンプレストより発売されたPlayStation3用シミュレーションRPG。

スーパーロボット大戦シリーズ内シリーズ「魔装機神シリーズ」第4弾。
通称は「COE」だがFの方が通りが良い模様。

【概要】

1996年に第1弾が発売され、17年の歳月を重ねてきた魔装機神シリーズの最終章。
前作はマルチプラットフォームで発売されたが今回はPS3のみでのリリースとなった。

通常版と限定生産盤の二種類が発売され、後者には魔装機神シリーズ全てのBGMを収録したサントラ集とメカ設定資料集、前作・本作の戦闘シーンを鑑賞できるバトルビューアが同梱されている。

☆今作における主な仕様変更

  • インターフェイス
ステージ開始時のタイトルコールが無くなった。これを味気ないと取るか、うっとうしくなくなったと取るかは人次第か。

前作で挙げられたBGMの音が飛ぶバグは修正されている。

  • 戦闘関連
今まで「MAP攻略中にレベルの数だけ発動可能」だった援護攻撃が他のスパロボと同じく「1ターンにつきレベルの数だけ発動可能」になった。

また敵フェイズの早送りがかなり早くなっており、移動時の駆動音や撃破時の演出音まで飛ばす事ができる。

  • 武器
幾つかの武器に背後から攻撃すれば敵の能力を下げる・状態異常付加の効果が付いた。
基本的に射程1の格闘武器がこの効果が付いている対象。それらの武器はランクアップさせるとさらに付加効果が増えたり、付加効果が強力になったりする。

前作で強力だった射撃系が全体的に弱体化しており、P武器じゃなくなったり威力が落されていたりする。

  • プラーナ
必殺技における消費量が大幅に下げられた。基本的な必殺技で魔装機の物は15、魔装機神の物でも40ほど。ただし、代わりにMGも消費するようになった。まぁこれは前作におけるMGが一部の期待を除いてほぼ死にパラになっていたため、妥当ともいえる。

しかし燃費が大幅に良くなったのは事実で、序盤から多用が可能。

  • TR(トランスレート)ゲージ
今作に登場するレイブレード関連のシステム。
レイブレードには固有のゲージが設定されており、敵を撃墜するたびに数値が上昇する。

数値が100になる事で必殺技が使用可能になる。
終盤にはレイブレード版ポゼッション「トランスドライブ」の発動条件になる。

発動ターンが3の1~3ターンから2の3~5ターンに戻った。
終盤には発動ターンの制限が無くなる。また、特定のステージで入手できる専用の強化パーツを装備することでもターン制限が無くなる。

またグランゾンも同様のシステム「マハーカーラ」を使用してネオ・グランゾンに変身する。ただし、こちらは発動ターンの制限無し。

前述の燃費改善と併せて総合的な火力が凄まじい。


【あらすじ】

ラ・ギアス最大の国である神聖ラングラン王国の中心部が、突如謎の結界に覆われるという異常事態が発生。
外から結界内部の様子を窺うことは出来ず、通信も一切遮断され、中にいる者達の安否は不明であった。

ラングランの首都で任務を行っていたアンティラス隊もまたこの事態に巻き込まれてしまい大多数の隊員は行方不明、4体の魔装機神はその姿をラ・ギアスから消した。

時期を同じくラ・ギアス各国にて謎の怪物群が出現。各主要都市は壊滅し、国家はその機能を失っていた。
マジで滅亡の危機じゃないか、どうしたラ・ギアス

ある者は怯え恐怖し、ある者は明日を諦める中、1人の男が立ち上がる――


絶望に彩られた閉楽園の中で、魔装機神最後の戦いが始まる!


【ストーリー面】

今作は新登場のキャラクター達とシュウが話の中心になっており、アンティラス隊の中で目立つのは魔装機神操者の4人だけとなる。

これまでの傾向から、前作の各ルートを統合した結末が正史になっていると思われるが世界情勢が非常に悪いので細かい部分での追及は少ない。

マルチエンディングが魔装機神シリーズの特徴だったが今回は完結編だからか基本的なストーリーは一本道であり、分岐も非常に少ない。
エンディングは二種類用意されているが大まかな流れは同じである。

スーパーロボット大戦OG ダークプリズンの発売によってOG側からの補完が完了したからか、OGシリーズとの繋がりを強調する場面が多い。
「鋼龍戦隊」「アルバーダやセレーナ」「修羅の乱」といった単語が普通に話の中で出てくる。
しかも本編においてクロスゲートが出てくる。
スーパーロボット大戦 ムーン・デュエラーズは、実質的にこの作品の続き。


【主な登場人物】

□アルメラ共和国

ラ・ギアス東部にある小国。中立を宣言しており、軍事企業「イルゼノン社」主導で開発された優秀な魔装機が配備されている。
イルゼノン社はラ・ギアスに持ち込まれた地上世界の技術を積極的に取り込んでおり、その影響が開発される魔装機に反映されている。

サキト・アサギ
地上世界からアルメラ共和国へ召喚された少年で、長らく昏睡状態に陥っていた。
怪物の襲撃に伴い目覚め、謎の機体レイブレードに搭乗する事になる。

エリシア・ゼフィール
アルメラ共和国の軍人。実直で自分の責務に忠実。
任務からサキトとレイブレードを保護し、行動を共にする。

ティール・カーヴェイ
イルゼノン社に出向中のアルメラ共和国の軍人。
エリシアの幼馴染であり、味方陣営のムードメーカー。
そして初登場にして死亡フラグを立ててしまう。

フィリス・シャラヴ
イルゼノン社に所属する女性で、 試作の特殊人型機動兵器「ヴァルシオーガ」の開発担当。
朗らかなお姉さん。神話や伝承に詳しい。
終盤では悪い意味でのキーパーソンとなる。

ライオネル・ニールセン
アルメラ共和国の外国人部隊に所属している軍人。
元々は地上世界で傭兵をしていたらしく、ダニエル・インストゥルメンツ社(告死鳥戦記を参照)に所属していた。


□シュウ一派

ラングランを覆った結界と世界中の怪物群の脅威を解決するため活動を開始。

シュウ・シラカワ
今回の味方部隊の指揮官。
ネオ・グランゾンが大破したため、代わりに陸上戦艦ヴィーラを駆る。

アーマラ・バートン
生きていた漆黒の狩人。
全ての記憶を失い、今はシュウの部下として動いている。シュウとの関係は飼い主とわんこ。
中断メッセージではある事に関して口走る。



□無事だったアンティラス隊員

テュッティ・ノールバック
現時点で唯一、生存が確認された魔装機神操者。
アンティラス隊とアルメラとの友好のためにフリングホルニから離れていたため難を逃れていた。

ゲンナジー・I・イズレコフ
テュッティの護衛のために共にアルメラに入国していたため、同じく無事。
遂に専用BGMは貰えなかった…。3の新参勢はともかくゲンちゃんは1から解禁なのに…。

ガエン
サンドリーブ姉妹の帰省に同行する任務でシュテドニアスに滞在していたため無事だった。
今回の傀儡召喚は改造によるランクアップで増やせるため、資金さえあればすぐに全種揃えられる。
また、本作は無属性の敵が多いため専用スキル「亡魔征討」を活かす機会が多い。

レミア・ザニア・ヴァルハレヴィア
シュテドニアス南部で治安維持の任務に就いていたため無事だった。
初対面のあるキャラに体格の事を言われてキレ、「がるるるるる」と唸る。お前はか。
愛機ガルガーディアの格闘武器にランクアップが追加されたこととレベルアップにより無条件で習得可能になった専用スキルのおかげで前作以上に火力面で貢献できるようになった。


□ヴォルクルス教団

残った大司教2人の元、活動を継続中。しかし彼らもまた怪物たちの標的であり、幾度も襲撃を受けている。

◆ブラッシュ・ネンバー
断罪者。かなり厳ついおっさん。戒律に厳しく、教団の教えに非情に忠実。
それゆえに教団を裏切ったシュウやガエンに対して強い憎悪をむけてくる。

◆ボーロ・フェイブル
道化師。ピエロのような外見のおっさん。
大司教の中でも非常に若手であり、現在の教団を指揮している。
なお、声優は島田敏氏。


□邪神

ラ・ギアスに眠る3体の神と呼ばれるもの。
太古の昔、ラ・ギアスで栄えて滅びた巨人族の怨念から生まれたとされている。
ヴォルクルス教団によって復活し始めている。
のだが実はヨーテンナイの存在ゆえに完全復活は無理だったりする

これまで絶望のエネルギーで活動する「破壊神サーヴァ=ヴォルクルス」、無念の想いで復活する「調和神ルザムノ=ラスフィトート」の二体の封印が解かれ、今作では「創造神ギゾース=グラギオス」が姿を現す。

◆創造神ギゾース=グラギオス
3体の邪神の中で最も永い眠りについていた「創造」を司る邪神。
前作では復活の為に必要な条件が整わず、グラギオスが持つ強大な再生力を行使されるだけであった。
本作にて復活の条件となるのは「希望」だと判明。ある人物の命と希望を糧に復活する。


□???

ラングランを結界で多い、怪物群を世界中に送り込んだ存在。

◆マグゥーキ
世界中で暴れる怪物群。能力こそ大した事は無いが数が多く、その物量が最大の武器。
人口密集地を集中して攻める傾向にある。
様々なバリエーションが存在し、それぞれが意味不明な奇声をあげているので気味が悪い。
なお、LOEの時に必死で守った『結界維持装置』から出てくるシーンは軽くホラー。5万年前の古代文明の生体兵器。

◆アディーナム
シュウを追跡する少年。「崇使」と呼ばれる存在であり、マグゥーキを率いる。

◆ヴァールニーヤ
アディーナムの仲間である青年の姿をした「崇使」。結界の外で活動するアディーナムに対し、結界の中の管理を行っている。

◆エーゼナフ
3人目の「崇使」。アディーナムらいわく「成り損ない」であり、シュウの仲間として潜り込んでいる模様。
その正体はガエン。

デーバンナイヨーテンナイ
アディーナムらの主にして今回の事件の黒幕。
5万5千年前の古代トロイア帝国時代に三邪神封印の人柱にされた。
ヴォルクルス教団のトップであったが自身の目的のためにそれらや魔装機神を利用し、ラ・ギアスの滅亡を企む。


□巨人族

ラ・ギアスで2億年から7000万年前にかけて栄えた先住種族と考えられ、地上で巨人の足跡の化石が見つかったこともある。破壊神ヴォルクルスは天変地異によって滅亡した巨人族の怨念であると言われている。
ヨーテンナイを倒したマサキらの前に現れる。太古のラ・ギアスの支配者にして3体の邪神を生み出した怨念の権化。
再びラ・ギアスを自分たちの統治下に置くために人類に攻撃を仕掛ける。

◆メルマッド・ラグリー
◆メルマッド・ラカーブ
巨人族。通称・白い巨人。メルマッド・ラグリーは一番下位の存在であり、所謂ザコ。メルマッド・ラカーブはその上位に当たる。

◆フーム・ラカーブ
巨人族。通称・黒い巨人。メルマッド系より格上の存在であり、終始無言だった前述2種とは違い喋る。そのため、巨人の王と勘違いされていた。「我らハーカーム」と自称している。ヘブライ語でフームは黒、ハーカームは知恵・知恵者・賢者を意味する。

◆カドゥム・ハーカーム
巨人族の王にして本作のラスボス。ヘブライ語でカドゥムは古代。
なお、巨人は先住種族ではなくクロスゲートで移住してきた種族であり、外界から隔離された類稀なるラ・ギアスとそこに住む人間を「試練」に乗り越える存在へと育成するに適すると考え、文明を与え穏やかな気質になるよう遺伝子改造を施した。教化と呼ばれる洗脳の力で統治していたが、人間は意想外の剛念と探究心から無意識の集積体・精霊を生み出し、精霊の加護によって教化を打ち破り、精霊の力と高度な科学力によって反乱をおこし、天変地異ではなく人間によって滅ぼされた。
余談だが、カドゥム・ハーカームは個人名ではなくカドゥム・ハーカームと言う名の種族の総称である。
故に彼以外のカドゥム・ハーカームも存在し得る。
後に発売された「スーパーロボット大戦OGムーン・デュエラーズ」で2体程確認された。



【備考】

企画当初によると本作は2~3と同様、アンティラス隊の活動がメインで世界の危機は中盤にやる予定だった。
しかし寺Pのアイデアで時期が前倒しされ、マサキが行方不明となりシュウが中心になる現在のストーリーになった。

P曰く「いつもマサキがシュウを負い掛けていたのでその関係が逆になるのも面白いのではないか」と思ったらしい。
ただし、寺P自身もシリーズの半ばでやるならともかく最終作で主人公が行方不明、だから序盤は使えないという展開のリスクは覚悟していた模様。

ゲームタイトルのFから、かの踏み込みが足りん!を連想して「魔装機神F 完結編が出るのでは?」という疑問を持つ人が多い。ウィンキー社内にもいたらしく中には責任者に聞いてくる人もいたとか。

念のため書くが本作で完結してます。


【ゲームバランスについて】

前作のニムバスゲーの恐怖から心配されたバランスは今作では改善されており、敵の攻撃力も強化スピードもそれなりになった。
武器が大幅に仕様変更されており、シリーズ全体を見てもかなり良好なバランスになっている。このため、「なんで3をこのバランスにしなかったんだ!」という声も多い。

後半、ある敵のせいでゲームの難易度が飛躍的に上がるがそれでも理不尽なレベルではない。ていうかポゼッションした魔装機神の火力がえげつない。

【余談】

前作と本作をプレイした方は気付いているかもしれないが、既存の機体の戦闘アニメは殆ど前作の物。
しかし、メインキャラの機体には新技の追加や武装の演出変化を加えているので安心してプレイして欲しい。
特にネオ・グランゾンの縮退砲はOGダークプリズンでの演出を元にしたバージョンに代わっている。

そもそも戦闘アニメを共有できるからこそ特典にバトルビューアを同梱できたと考えるのが自然だろうか。


+ 【以下、理不尽なネタバレなので注意】
前作にあった幾つかの伏線や今後の展開のための布石と思われた描写は投げ飛ばされた

  • オーガインは本作で姿を見せず、ライコウたちの出番も無い。

  • 一応、オーガインは完成しておりマグゥーキ相手に活躍したらしいが、本作ラストで精霊の力が失われた影響で機能が停止してしまったためセニアはこのままお蔵入りになると推察している。

  • トレイスの出番も無い。エリアル王国に出向しておりライコウ達と協力して戦った模様。

  • 前作で生き残ったテロリストの首領も出番が無い。何のために生き残ったんだ。

  • 反アンティラス隊の出番も無く、モーダルの弱みも判明しない。

  • テリウスは今回、戦艦の操舵だけで魔装機に乗って戦わない。

  • POJで消滅した必殺技や合体技の復活は殆どない。




絶望に彩られた閉楽園の中で、魔装機神最後の追記・修正が始まる!



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最終更新:2023年04月18日 16:18