アレックス(ストリートファイター)

登録日:2014/08/28 Thu 21:10:39
更新日:2024/01/25 Thu 16:51:48
所要時間:約 8 分で読めます





You can't escape!(逃げられねぇぞ!)


アレックスとは「ストリートファイターⅢ」の主人公キャラクターである。
後に、「CAPCOM Fighting Jam」「タツノコ VS.CAPCOM」にも登場し、開発が中止させられた「CAPCOM FIGHTING ALL STARS」にも参戦が確定していた。

愛称は「アレク」。
紅いバンダナを額に巻いた長い金髪が特徴のアメリカ人青年。
身体は筋骨隆々としており、戦いの際には雄叫びと共にシャツを破り捨て、緑のオーバーオールを半脱ぎした上半身裸の状態で戦う。

目次

◆ストーリー

ストリートファイターⅢ 1st・2nd

アレックスが自分より強いと信じていた男、トムが金髪の男とのファイトで敗れる。
それは彼に強い衝撃を与え、ストリートファイトの奥深さを感じさせた。
ファイトの世界や格闘家としての自分を知るため、そして金髪の男と戦うために世界に旅立つ。

ストリートファイターⅢ 3rd STRIKE

ストリートファイトの奥深さを知り、まだ見ぬ強敵を求めて旅立つ。


STREET FIGHTERⅢ RYU FINAL -闘いの先に-
最終話で登場。
リュウに負け、彼の持つ「風」をその身で感じる。
ケンから渡されたリュウの鉢巻を手に朱雀城跡に向かい、再びリュウと拳で確かめ合う。

ストリートファイターⅣ

未登場。

ストリートファイターⅤ

NYでトレーラーハウスに住んでいる若き青年格闘家。トムの世話になっている。
強さを求め修行を続けているがNYから出たことは無く、そもそも興味をもったこともなかった。
しかしある日昼寝から目を覚ますと…?


◆人物像

アメリカ出身で現在はNYのマンハッタンに在住している青年。
両親とは少年時代に死別し、父の親友だったトムの世話になっている。トムの事は父親同然に慕い、彼を最強と思っていた。
普段はトレーラーハウスに住み、自動車の修理・整備などをしている。

思った事を実直に言う性格であり、正しいと思えるものもあれば暴言らしきものも見られる。
戦いが疎かになっている点を指摘したり、タツカプではストリートファイトを貶したギャラクターに怒るなど、戦いに関しては真剣に取り組んでおり、クールな熱血漢。
勝利時の台詞はかなり辛辣なものが多い物の、基本的には冷静に物事を見ておりあまり感情的ではない。
一方で前日譚である「ストⅤ」ではⅢより幾分か言い方が相手へのリスペクトを感じる台詞が多い。
逆にタツカプではⅢより更に言い方が辛辣。
「油断した、だと?出し惜しみするほどの強さか?」
「リベンジ? ああ、いいぜ。アンタとは何度やっても負ける気がしない。」


◆技


○特殊技

  • ヘッドバット
掴んだ相手に頭突きする打撃投げ。
背中を向けた相手にはチョークスリーパーとなり、威力アップ。
スタン値が大きいため、積極的に狙っていきたい。

  • フライングクロスチョップ
空中技。ジャンプ中に両手をクロスさせ、地上に突進する。
着地時のスキが非常に大きいため地上の相手には撃ちにくいが、空中の相手にヒットさせると大きく吹き飛ぶ。

  • ラリアット
『3rd』で追加された突進技。前進しつつ斜め上方向へ腕を振り上げる。
『ストⅤ』では前進しないで腕を振り上げている。

  • パーソナルアクション
腕を回して次の攻撃の威力を上げる。
遠距離でダウンを取れたらブンブン回しておきたい。


○必殺技

  • フラッシュチョップ
強烈な水平チョップ。アレックスの要。
体を捻らせるため一瞬ながらも攻撃を回避する事が可能だったり、飛び道具のヒット回数を減らせるなど妙な特性も有している。
相手に当てると一瞬背を向けさせ、この間にパワーボムを決めるとバックドロップ、ヘッドバットを決めるとチョークスリーパーになる。
弱は追撃できないが連続技に組み込みやすく、中や強なら追撃できる。EXは優秀な地上技。
タツカプだと強版は溜められ、マシンガンチョップに変化させられる。砲弾も真っ二つ!


  • パワーボム
相手を掴み上げ、大ジャンプした後背中から叩きつける。
背中を向けた相手にはバックドロップとなり、威力アップ。
タツカプでは巨大キャラ相手だと、足を掴んで決める。

コマンド投げなのだが掴むまでが遅く、飛ばれれば隙が大きく反撃されてしまう。
アレックスは発生の早い通常投げが結構強いこともあって、実はなかなか使いにくい技だったりする。
Vで追加されたEX版はバックドロップからさらに飛び上がってのバックドロップと、ザンギのアトミックスープレックスのような動作になる。


  • エアニースマッシュ
飛び上がり、空中にいる相手を膝で抑え込みながら地面に叩きつける。
一見投げのように見えるが打撃判定で空中ブロッキングされるため、追撃として用いられる程度。
EXで出すと地上の相手にも当たるようになり、また地上空中を問わず連続技としてヒットするようになる。
タツカプでは空中でも使用可能。


  • エアスタンピード
タメ技。ジャンプして両足で踏みつける。
中段攻撃としてしゃがみガードへの奇襲やめくりを狙える。
EX版だと相手のところまでホーミングするため、飛び道具相手には有効。
強すぎた為か『ストⅤ』ではホーミング機能は削除された。


  • スラッシュエルボー
『2nd』で追加されたタメ技。突進してエルボーを決める。アレックスの要その2。
通常版は牽制やコンボに使え、EX版は使いどころが勝利の命運を分ける。
ガード時の反撃が痛く、SAが確定する場合も。


  • スパイラルD.D.T
『3rd』で追加されたコマ投げ。前方に飛び込み、立っている相手をスイング式D.D.Tで投げ落とす。
しゃがまれたりすると当たらず、場合によっては相手の方が素早く動ける。使えない訳ではないが死に技。


  • ヘッドクラッシュ
『ストV』で追加された技。低くジャンプして着地と同時に相手を掴み、強力な頭突きを繰り出す。
SAのスタンガンヘッドバットの簡易版に近い。


  • スレッジハンマー
『ストV』で追加された技。振りかぶってから大きく踏み込みラリアットを繰り出す。
発動中はアーマー属性が付き、ヒット後は各種必殺技でキャンセルできる。
更に技の出初めに相手の攻撃を無効化する効果まである。
しかも相手の攻撃を受け止めた場合に限るが、Vゲージも回復できる。


○スーパーアーツ・ドラマチックフィニッシュ


SA1 ハイパーボム


HYPER Bomb!(ハイパーボッ!)

アレクを象徴するゲージ投げ。2連続バックドロップとパワーボムの連携による豪快な技。
ゲージは長く、ストック数は1。掴み範囲が広く、ダメージも大きい。
背後から掴めば五連バックドロップになり、更に威力がアップする。
ゲージを使う投げ技としては珍しく1回転コマンドで出せる。
しかしその代償として暗転を見てから飛べば回避できる程発生が遅い。技に割り込むとかの反撃に使うか、ピヨらせたあとでないと見てから回避余裕です。
その性能を皮肉られYou can escape!(逃げられるぜっ!)とよくディスられている。
(本当は項目冒頭の「You cannot escape!」)


SA2 ブーメランレイド

ゲージは普通。ストックは2と多め。
フック+チョップの2セットからバックドロップでシメる。
ヒット確認からの連続技や、無敵を活かしての反撃に使われる。
ただし最後のバックドロップの投げ間合いが意外に狭く、外した時の隙が大きいため確実にヒットさせることが求められる。
ゲージ総量からEX技を使いやすくするためだけに選ばれることも多い。しかし、上手く活用できれば火力も上がる。


・SA3 スタンガンヘッドバット

ゲージは短い上に、ストックも1しかない。
飛びかかり、掴んだ相手に連続ヘッドバットで確定スタンさせる強烈な技。スタン値は999。
一部空中の相手も掴めるが、大抵は暗転後の弱攻撃連打なんかで迎撃される。総じてロマン寄りの初見殺し技。
ただしスパキャンを利用しフラッシュチョップから繫げる事で回避を困難にさせられる。
また無敵判定が長く移動距離が大きいので、相手のコンボからの緊急脱出にも使える。
発生が遅いので単発で当てる事はまず難しいが、空中からの着地に合わせる猛者もいる。


・CA ヘビーハンマー

「ストⅤ」で登場したクリティカルアーツ。
初段のフラッシュチョップがヒットすると演出が入り、パワーボムで相手を叩きつける。
更に相手を掴んだまま前転、その勢いを利用して飛び上がり、上空から相手を地面に叩きつける。
フィニッシュすると相手は足を延ばした状態で地面にめり込む。


・ファイナル・エアー・スラッシャー

「CAPCOM FIGHTING ALL STARS」に存在したドラマチックフィニッシュ技。
特殊演出の技のためか、非常に難しい三回転コマンドであり、他の格ゲーでも中々見られない。
本作がお蔵入りとなってしまったため、どういう技かは不明。
投げ技ではなく、打撃技と言う事は名前からしてうかがえるが……?

◆性能

見た目や性格から癖の強そうな印象を受けるが、一通りの技は揃っており「ストⅢの教科書」とも呼ばれる程にスタンダードな使い勝手をしている。
飛び道具を持たない為リーチにはやや難はあるが、近距離ではEX必殺を絡めた威力の高いコンボが出せる。
リュウより多くの必殺技を持っているがその分死に技も結構ある。
堅実な読み合いを展開しつついかにして相手を自分の間合いに入れるかが課題で、そこからコンボやコマ投げを決めるといった使い方が分かると楽しいキャラクター。
ジャンプの飛び込み性能が高いため、そこからの連携や、飛ぶと見せかけてダッシュや突進技などで接近する戦術も有効。
投げ技には掴んだ時の相手の向きによって性能が変わるという特性がある。
SAはブーメランレイドを選び、EXフラッシュチョップとEXスラッシュエルボーでゲージを回し、積極的にSAを交えてのコンボも狙いたいが、
大技のハイパーボムやスタンガンヘッドバットに賭けるのも悪くないだろう。
弱点としては大柄で当たり判定が大きく、大振りな技が多い、ゲージが無いと攻めきれない点などが挙げられる。

CFJでは3rd通りの性能。
ミッドナイトブリスでは普通に女体化する。

タツカプではハイパーボムがLV3HCとなった重量級キャラ。
2段ジャンプを持たないのが厳しく、立ち回りが強いキャラ相手も辛いが、接近戦では無類の強さを誇る。
ちなみにロケテではお手軽に10割ループを出せたため、「ロケテ強キャラは弱キャラ化」のジンクスに巻き込まれたとか巻き込まれてないとか……
(ストⅣのバルログもこのジンクスの被害者である。)



◆知人

  • トム
没個性な名前だが、父の親友でそのトレーナー。退役軍人で現在は格闘技ジムを経営している。
現在でも米軍屈指の格闘戦のインストラクターとして、各地の基地を回っていることが多い。
格闘家としてもかなりの腕前だったようで、アレックスは彼に一度も勝てなかった。
何度スパーリングしてもダウンさせたことはおろか、タップすら奪えなかったそうな。
そんな彼の負傷がきっかけで、アレックスは世界で戦う男となった。
3rdのEDではキャンプに行こうとしているのに何故かトレンチコートを着ている(画面奥のパトリシアは薄着)
この事から『トム=Q説』というバレバレなガセネタが流布している。


  • パトリシア
トムの娘で14歳。アレックスを「アレク」と呼んで懐いており、兄妹同然の付き合い。前述の愛称はここから来ている。
無愛想に見えるアレックスだが、決してそれだけの男ではないことがパトリシアの態度からもうかがえる。
アレックスは旅をしている時以外はこの二人と一緒に住んでおり、彼女のことは「パット」と呼んでいる。
CFJではミッドナイトブリスのシークレットとして登場。


「どうした! それで終わりか!」
元主人公だが、あまりの人気でアレクを食い気味。
3rdのEDに登場し……


トムを襲撃し重傷を負わせた金髪の男。
『3rd』ではギルとの対戦後のストーリーになる。


  • ヒューゴー
いつもベビーフェイスが勝つわけじゃないんだぁッ!
『2nd』のオープニングデモではヒューゴーとライバルキャラクターのように描かれている。
レスラー同士からか専用イントロがあり、対戦前に身体が密着するほど近付いてにらみ合う。(ハルク・ホーガンVSアンドレ・ザ・ジャイアントのパロディ)
ヒューゴー自体まんまアンドレだから間違いない。


俺は許せない! すべての「格闘家」たち……家族を捨て、信じる心をなじった。俺の父親と同じ人種を!
レミーのライバル扱い。
「戦いの無意味さ」を戦いで格闘家に思い知らせようとしていたのだろうが、アレクは「人生相談なら他所で受けろ!」とにべもなし。
つくづく戦いには真面目な男である。
偶然かもしれないが、アレックスと対比すると「格闘家の父を持つという共通点がありながら、何もかも正反対な境遇*1」である。


CFJのEDでプロレスの試合をしていた。
ちなみにアレクは、ハガーが登場する『マッスルボマー』の「アレクレイ・ザラゾフ」に似ていると言われているが、
その本人は2ndのヒューゴーのEDで名が出ているため、別人だと思われる。


背景ストーリーで登場。
パリードゥードの大会で『マッスルボマー』の「キマラ・ザ・バウンサー」を倒し、元シャドルー四天王の貫録?を見せる。
しかし、アレックスとの対戦では第1ラウンドで連続パンチを決めるが、第2ラウンドでロングフックを貰い一撃KO。要はかませである。



◆アレックスは何故不遇と言われるのか?


  • キャラクター性・外見・特徴などが周りのキャラクターと比べて弱く、リュウの後釜となれる程ではない。
  • 常に対戦相手への敬意を忘れないリュウとは対照的に新参者ながら不遜な物言いが目立つので相対的に印象が悪くなりがち。
  • リュウに対するケンといった、競い合うライバルと明言出来るキャラクターがおらず、ユンとヤンの方が適している。
  • 代名詞と言える技が無く、ハイパーボムもヒューゴーのギガスブリーカーに比べると地味。
  • 3rdでようやく、カーソルの初期位置が彼になった。2ndまではリュウ。2Pにはケン。
  • Ⅲ出身のキャラクターが多数参戦したストリートファイターⅣには、「出してほしいと言う声が無いから出さない。タツカプで頑張ってくれ(意訳)」と公式で言われた。
  • クロスオーバー作品にも呼ばれることが少ない。カプエス2ではⅢ代表をユンに取られる始末。3作の内1つはクソゲー、もう1つは開発中止ととにかく恵まれない。スマブラSPのスピリッツでもⅢからはユン&ヤンといぶきが出ている。
  • ネオジオカラーポケット用ソフト「頂上決戦最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM」にいたっては新シリーズ主人公のK'ともどもモノクロ警告画面でのみ出演。K'に次回作に期待しろと促されながらも
    K’「…オレたちだって…………主人公なんだ……」
    アレックス「……………そうだな……」
    と互いに不遇な境遇に落胆する。なお次回作はなかった……お前らは今、泣いていい。


と言う、とても微妙なポジションに立っているのが原因ではないかと言われている。

3rdでのエンディングも、「リュウに一撃も入れられずに膝を着くも、これから逆転する……!」の後がプレイヤーの想像に委ねられており、
明確に描かれている、「エンディングでリュウにパーフェクト負けする」と言うイメージが強くなってしまったものだろう。
漫画版でも「確かみてみろ!」の誤植のインパクトが痛かった。
そして上記の評判などの結果、主人公(笑)と言う大変不名誉なあだ名をもらってしまった。

しかし、3rdのエンディングや漫画版のラストは「旧世代(リュウ)から新世代(アレックス)へのバトン」と言う意味合いが込められているとも考えられるだろう。
「リュウを中心とするストリートファイターシリーズ」における大きな区切りとしても解釈が可能である。
現に漫画版も連載終了し、ゲームでのEDも、相変わらず求道家である事を描きながらどこか寂しげなものとなっている。
更に3rd発売頃はゲーメスト廃刊など格ゲーブームの勢いはなくなり、以後9年はシリーズに動きが無かったため、当時は本気でシリーズを終わらせるつもりだったのがうかがえる。
そしてアレックスは、バトンと区切りと言う二つの大役を成し遂げたと言っても過言ではない。

……もっとも、主人公と明言されてるのに周りに比べても一際弱いキャラクター付けや、3rdでようやく変わった初期カーソルの位置など、カプコン側の問題も見られるのだが。

当然ながら、アレクに限らず主人公(笑)ネタは好ましく思わない人が多いため、使う場はわきまえよう。



この反省を生かしてか、ストリートファイターⅣの主人公は名実ともにリュウのままであり、初期カーソル位置が1Pであるアベルは重要キャラクターの一人として収まっている。
余談だが、アベルは打撃+コマ投げと言うキャラクターコンセプトや、金髪、筋骨隆々などアレクに似た点が多い。
また、Vにおいては長らく弱キャラに甘んじていたものの、何度か上方修正が行われ、最終的には強キャラに上り詰め、使用者も少なくない。

余談だが、アレクを含めて、ドノヴァン・バイン(ヴァンパイアハンター)、王泥喜法介、前田慶次(戦国BASARA)など、
「カプコン作品の新主人公は扱いがよくない事が多い」と言う謎のジンクスが生じている。(後に待遇が改善されたキャラクターもいるが)




…項目の中に唯ひとつ残されたもの、あんたも持っているのか?

コメントに出来ない何か…

追記・修正でしか交わすことの出来ない何か…あんたも持っているのか?



「確かめてみろ!」



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最終更新:2024年01月25日 16:51

*1 レミーは「格闘家の父を恨んでいる・姉がいたが亡くしている」、アレックスは「育ての親のトムは格闘家で良好な関係・妹のようなパトリシアが健在」。