変異カオス(遊戯王OCG)

登録日:2014/08/25 Mon 15:08:11
更新日:2023/04/18 Tue 07:40:55
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変異カオスとは、その名の通り《突然変異》を投入したカオス(遊戯王OCG)をいう。

カオス・ソルジャー −開闢の使者−》禁止前・カオス最盛期の最後の姿である。

2005年3月から8月にかけての遊戯王オフィシャルカードゲームにおいて最も隆盛したデッキであり、その強さは同時期に開催された世界大会で参加者の大多数が使用していたことからも窺える。


○基本戦術


《突然変異》の主たる対象として選ばれるのは《サウザンド・アイズ・サクリファイス》。
このカードはレベル1なので、エサとしては《聖なる魔術師》や《キラー・スネーク》、《スケープ・ゴート》の羊トークンが選ばれる。

特に、《月読命》と《サウザント・アイズ・サクリファイス》とのシナジーは凶悪無比。
サウサクで相手モンスターを吸収し、月読で裏向きにすると、装備カード扱いの相手モンスターは墓地に送られ、サウサクのロック効果は無効になる。
つまり、毎ターン相手モンスターを一体除去しつつ、自分はサウサクによるロックをすり抜けられるという、イカれたコンボが成立する。
このデッキのように、相手にロックを仕掛けつつ自分だけモンスターで悠々攻撃する嫌がらせの極みのようなデッキを【フィフティフィフティ】と呼ぶ(らしい)が、メジャーなのはこのデッキだけだったりする。

またそれだけでなく、《月読命》は《聖なる魔術師》のリバース効果を毎ターン発動させ、
《強欲な壺》や《いたずら好きな双子悪魔》(当時はいずれも制限カードだった)を連打し、アドバンテージの物量差で圧倒するという芸当も可能だった。
(そうしたワンサイドゲームをイヤミをこめてセイマジゲーと呼んだりする)

ここまでに紹介したモンスターのほとんどが闇属性又は光属性であるため、
エンドカードとして一枚差しの《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》が採用される。

《突然変異》は自軍のモンスターを墓地に送らなければならないのがデメリットだが、それは【カオス】にとって墓地肥やしになるというメリットともなる。
また、フィニッシャーの《カオス・ソルジャー-開闢の使者-》(除去効果使用後に二段攻撃可能な《サイバー・ツイン・ドラゴン》に変異する)も特殊召喚の容易な半上級モンスターの《サイバー・ドラゴン》も、いずれも《突然変異》と相性がよかった。


○その他


このデッキの強みは、カード同士のシナジーの強固さもさることながら、カード単体でも十分に強力な点である
そのことは今まで紹介してきたカードのほぼ全部が何らかの形で禁止・制限を受けた経歴を持つことからも理解できるだろう。

アドバンテージと制圧力の両面に優れた強力なデッキであり、メタの中心として猛威を振るった。
当然他デッキも対策を余儀なくされ、その代表格がカオスを使用しない【ノーカオス】なのだが、
その実態は「カオスモンスターを入れていないだけで後はほとんど同じ構成の変異デッキ」だったという、笑えない事態も引き起こしている。

このように非常に強力なデッキなのだが、一応弱点はある。
それは、ロックの基盤をモンスターカードに頼っているため、単純にモンスター除去に弱いということである。
サウサクも除去には無力でしかなく、また数少ないフィニッシャーの《カオス・ソルジャー -開闢の使者-》を除去されてしまうと、元々打撃力に乏しいデッキなので攻めきれなくなってしまう。
そうして生まれたのが、大量のモンスター除去と少量のアドバンテージモンスターとで構成されたデッキ、すなわち【除去ガジェット】であった。

その後、制限・禁止改定によりキーカードのほとんど全てが規制されてしまったため、このデッキも消滅を余儀なくされたのだが、
対抗馬であった【除去ガジェット】は生き残り続け、長らく主流デッキとして遊戯王OCGを支配した。
だが、それはまた別の話である。


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最終更新:2023年04月18日 07:40