有馬貴将

登録日:2014/08/25 (月) 11:03:19
更新日:2024/02/11 Sun 02:23:45
所要時間:約 9 分で読めます





…ここはV14 ここから先

“喰種”は通す事は出来ない

君は

V14(これ)以上進めない




【概要】

東京喰種』に登場する人間…人間? 読みは「ありまきしょう」。
眼鏡を掛けた白髪の青年。喰種対策局(CCG)本局所属の特等捜査官。
多くの戦いで伝説級の功績を残し、『CCGの死神』という異名を持つ。本作の最強候補。
また外伝『東京喰種トーキョーグール[JACK]』では主人公。



喰種対策局総議長である和修常吉自ら見い出し、特例で入局した天才。学生時代から喰種捜査官として活躍している模様。
捜査官の中でも突出した戦闘力を誇り、10年前の対梟戦では特等のクインケを使い捨てる戦法で、SSSレートの喰種である隻眼の梟に致命傷を与え、半ば単独で撃退している。
ウタの回想ではピエロに関わる喰種を探し4区に来た捜査官達の班長として登場。
姉の復讐に燃える四方と互角以上に戦い、あろうことか戦闘中に部下(平子)の訓練を行っていた。
 身体能力で見ると、最速クラスの喰種が全く反応できない速度で攻撃し、その腕力で振るわれるクインケは容易く赫者の鎧を斬り裂く。回避力では上位鱗赫の物量攻撃を問題にしない。また、彼のスキルであるクインケ二刀流は普通は無理らしく、それを当然のようにやるあたりクインケ操術も人間離れしている。

また、元部下である宇井、平子、アキラといった捜査官達は全員が極めて高い能力を持つ。育成能力も高いようだ。
……いや、あのアドバイスで育つの?(後述)
さておき、現在部下は6名程の様だが、有馬に加えてそんなのが6人いるとか喰種側にしたら冗談ではないレベルである。
実際これまで有馬班が来る=喰種側の撤退という流れが多く、状況を激変させる戦力として扱われている。

このように人間とは思えないステータスを持つが、性格は『天然』。
6年間コンビを組んでいた平子は一度も理論立てて何かを教えられたことが無いという。
その他にも……


~有馬さん天然列伝~
  • 平子に右手と左手を別々に動かして戦うことを簡単そうに言う(有馬さん曰く「そんなに難しいかなぁ…」)。
  • 平子に(11区の戦闘で)梟の腕でも取ってきたらよかったのに、と発言(梟は有馬以外でCCG最強の特等が束になって敵わなかった最高レートのSSS)。
  • 川で大きい桃が流れてきても華麗にスルー
  • 二刀流で飛ぶハエを落とす(平子の川柳)
  • 平子が煎餅で咽せている様子を川柳にする
  • IXA修理中に喰種に襲われたため、そこに会った傘で倒す(※本来喰種は銃弾や刃物すら通さない)
  • 戦闘中に数秒仮眠をとる

……このように非常にズレている。



また、髪がだんだん白くなっている、遺書が常に白紙*1、単行本巻末のプロフィールで血液型が隠されている、などその存在には謎があるよう。


クインケ

○[ユキムラ1/3](甲赫)
CCGより支給され、高校生時代に使用。[JACK]で登場している。レートはB。
平子に譲られた。更に後には琲世も使用している。


○[IXA(イグザ)](甲赫)
レートS+のクインケ。
ランスモードでは攻撃、シールドモードでは防御を担うバランスの良い変形ギミックを持つクインケ。
ただし、防御壁をムカデに損傷させられたためか、隻眼の梟戦では使用していない。鉢川の発言からして近距離戦には基本的にこれで対応している模様。
遠隔起動で手元から離れても遠隔操作出来る等、非常に便利なクインケ。
後に修理した模様で、『東京喰種:re』では既に使用している模様。


○[ナルカミ](羽赫)
IXAと同じくレートS+のクインケ。
凝縮されたRc細胞が、まるで雷のように放たれる。てか、バチチチという擬音もあって雷そのもの。
11区のアオギリ掃討作戦での篠原のセリフから遠距離狙撃が可能のようだ。
また、モードチェンジで近距離戦にも対応可能。サイドアームの様な使い方をされているが、SSS級にも相当のダメージを与える火力を持つ。







※以下、最終巻のネタバレ












「あんていく」殲滅戦では、有馬班のメンバーが主力となった0番隊の隊長を務め、「逃げた喰種の殲滅」と、この作戦を餌にして現れるであろう「本物」の隻眼の梟を倒すことを任せられる。そして部下を各隊に散らして戦力補充を行い、単独でV-14に陣取る。


カネキがそこに辿り着いた時には大量の喰種の死体が転がっていた(この中に入見、古間が含まれていたと思われる)。


そしてカネキが戦おうとした瞬間、『いきなり後頭部から左目を串刺しにした』。



その後「一撃さえ当てれば倒せる」と考えたカネキの特攻をIXAの防御壁を展開して防ごうとするもその強烈な一撃を前に防御壁はヒビ割れ、頬にかすり傷を負う。
自身の想定の上をいったカネキの猛攻に嬉しそうに不気味ともとれる笑みを浮かべながら賞賛。


やるな…カネキケン


直後、クインケでカネキを貫き、勝利。
今度は横たわるカネキの右目にIXAを突き立てながら呟く。


新しいクインケがいる





東京喰種:re

「re」では主人公、佐々木琲世と仲が良いようで、彼から本を借りたりしている。
多忙な身であるにもかかわらず直接手渡しで琲世に本を返そうとするなど律儀な一面を見せるが、アキラ曰く「久々に会いたいんじゃないのか」「親心」とのこと。
琲世自身も父親のように慕っており、「家族なら彼とアキラとQsがいる」という旨の発言をしたり(ただし顎を触りながら)、クリスマスプレゼントで彼にタイピンを贈ったりしている。

実は記憶を失ったカネキをハイセと名付けた張本人。
当初は自身が率いる0番隊の隊員としてハイセを引き入れ、度々暴走するハイセを鎮圧して抑えていた。
その後、ハイセの教育に必要な母性を持った人物としてアキラにハイセの指導を任せた、というのが無印からreまでに起きた出来事。
何故、有馬がそのような事を行なったのか、そしてカネキ=ハイセにどのような感情を抱いているのか、その真意は未だに明かされていない。


死神の謎
+ ...
※あくまでも現状までに張られた伏線から推察される事項です。



死神と喰種から恐れられる有馬であるが、実は不審な点が存在する。

それは東京喰種の終盤、梟討伐戦に遡る。
逃走ルートであるV14で喰種達の討伐の任務を受け待機していた有馬。
しかし、ここで疑問が残る。

本物の隻眼の梟はどこから現れたのか。

地上の町を全包囲したのにもかかわらず、突然空から舞い降りた梟に捜査官達も驚愕した。
何故なら、地上には捜査官達が大量におり何かが発見すればすぐにでも情報が入るからである。
梟はどのルートを通って偽の梟まで辿りついたのか。

地下以外に無い。
V-14…つまりは有馬が守っていた通路を通って来た可能性があるのである。
そう考えるとカネキと遭遇した時、一人でいた事実が別の意味を持ってくる。

有馬はカネキを倒した後、梟と対峙し戦闘を開始。
梟との戦闘は確かに凄まじいものではあったが、何故か二人の会話の内容は明かされないという奇妙な描写。
そして結局、有馬は梟に逃げられ、討伐できずに終わる。

有馬と梟の戦いが描かれた142話のタイトルは宴戯
有馬が前回戦ったのは偽の梟であり、本物とは初対面のはずだが後々、梟は「アイツ本当に容赦な…」と発言しており、軽口のように捉えることもできる。
戦闘時にも、妙な間が存在していたり、何か喋っているようなシーンがあったりと頂上決戦ながらも不自然な描写が多く挿しこまれていた。
更に√Aではハッキリと戦闘中に彼の口が動いていることが確認できる。
そして彼の捜査指揮は梟の出身とされる24区である。

ちなみに有馬は何故かカネキの存在を知っていた*2
喰種側ではアオギリと手を組んだ嘉納医師と複数の幹部

余談であるが、有馬が梟に駆け付けた到着時間は亜門と滝澤、第四部隊がタタラに敗北後のこと。
タタラの言葉「王が通る」である矛盾に気づいた読者もいただろう。
そう、この時点で隻眼の梟は既にビルの屋上に到達しているのである

ハッキリ言えば有馬とアオギリは繋がっていて、エトとの闘いは演技(宴戯)という説である。
更に言えば隻眼の王すらも……
ただ、そう仮定するとアオギリのコクリア襲撃時、本隊が有馬班から逃げ出しているであろうことに不自然さが残る。(あの状況でタタラが警戒しなければならない敵は極めて限られる上に、有馬はこれから現場に向かうと言っている)
 また、彼の疑惑のもう一つの理由として、彼のかつての部下である平子丈の存在がある。
オークション編にて「有馬の顔」を模して造ったマスクを被るウタを平子は全力で攻撃している
この時、ウタは平子に「キライ? 彼のこと」と指摘しているが、この有馬の顔を攻撃する平子の表情は明らかに普段とは違って荒々しく描かれており、ウタの指摘にも説得力がある。更に、後に有馬と再びパートナーを組むことが決定するシーンでも両者の間には穏やかならぬ雰囲気が漂っている。
少なくとも『東京喰種』時点では両者の関係が険悪であるような描写は存在しておらず、仮にウタの指摘が真実なのであれば、『東京喰種:re』開始までの数年間の間に何かが起きたものと思われるが……。

果たして真相はいかに…。



死神の真相
+ ...
ここから先はネタバレが含まれます















……いくぞ カネキケン



その正体は、CCGの後ろ楯たる喰種集団・「V」に所属する半人間

半人間とは、喰種を片親に持つ種族であり、半人間の原種的存在(半喰種は半人間と比べても発生確率は極めて低いため)。通常通り食事が摂れ、分類上も間違いなく人間なのだが、一般的な人間よりも遥に高い身体能力と短い寿命を持つ生物である。また、Rc値も通常値より高いようで、彼がCCGのゲートをくぐる際にはクインケ誤作動対策の生体認証システムが稼働するようになっている。

有馬も例外ではなく、彼の目は緑内障を発症しており、右目は完全に失明し、左目も機能を失いつつある(オークション掃討戦でそれが描写されており、ハイセに向けた左目も視野狭窄がかなり進行している)。肉体的にも寿命が近く、まさに死に体。CCGが「有馬貴将を超える捜査官を作る」という目的で「Q's計画」を行っていたのも、有馬の死期が迫っていることを承知しており、V(和修家)としても有馬の代替となる戦力を必要としていたためである。
生まれた時からそのような運命を背負い、更には和修家に言われるがままにその短い人生を使って他の誰かから何かを奪い続ける自分を、有馬は常に呪い続けている。


お、俺は……ずっと……嫌だった
奪うばかりの人生(じぶん)


そして、残り僅かな人生の中で有馬は一人の半喰種―――眼帯の喰種(カネキケン)と出会う。渾身の一撃で[IXA]を破壊したカネキを見て、有馬は確信を抱く。彼ならきっと自分を殺してくれる、と。
有馬は彼が自分に死をもたらすことを望んだ。V14で眼帯の喰種を捕え、佐々木琲世として教育し続けたのも、全ては彼が自分を殺すことを願っての事であった。
運命のコクリア破りの日、有馬はトーカ達の為に時間を稼ごうとする金木に最強のクインケ・SSSレート[フクロウ]を用いて挑み、幾度となく彼を駆逐するチャンスをあえて見逃しながら敗北。
なおも自分にトドメを刺すことを躊躇するカネキを前に、折れた[フクロウ]で自らの首を掻き切った有馬は、カネキに彼が自分を殺したことにしてくれるよう望み、それに応えたカネキの姿を確認すると、彼に感謝を告げながら満足そうにその人生の幕を閉じるのであった。


…やっと
……なにかのこせた気がする…


誰よりも他者に死を齎した死神は、誰よりも自らの死を望んでいた。
息子の手で死することで、何かを彼に託した彼の結末は、非業の死を遂げる人物の多い本作の登場人物の中でも幸福なものであっただろう。



死神が願ったこと
+ ...
…そうか


いいな、それは…





アオギリの樹 半人間

「隻眼の王」


多くの読者に予想された通り、その正体は「アオギリの樹」の首領・隻眼の王である(この事実から、遠回しに「宴戯」も「演技」の当て字であることが確定した)。
かつて、24区掃討中に自らに挑んだ喰種がいた。彼女と戦い、彼女を歯牙にもかけない強さで圧倒した有馬は、自らを襲う理由を問う。
「この間違った世界を壊したい」という彼女の望みに共感した死神は、「アオギリの樹」設立に手を貸し、自ら「隻眼の王」として君臨することになる。

アオギリの外に在り、アオギリにとって最悪の敵として存在しながら、アオギリが信じる隻眼の王と化した有馬と、彼を奉り上げたエトの目的はただ一つ。
最強の喰種捜査官として名を轟かす有馬貴将を殺した喰種が存在すれば、それは必ず喰種たちの希望となる。故に有馬を倒した真の『隻眼の王』の器たる人物に、理想を叶えてもらうこと」。

その役割と希望を託された彼の息子は、玉座に座して希望を引き継ぐことを決意したのであった。

(ぼく)は 隻眼の王だ
















追記・修正は単独で梟を倒してからお願いします

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • JACK
  • 東京喰種:re
  • 白鳩
  • 眼鏡
  • 東京喰種
  • 天才
  • 天然
  • CCG
  • 人間
  • 喰種捜査官
  • 最強
  • 二刀流
  • 大量虐殺
  • 死神
  • 白髪
  • 有馬貴将
  • 浪川大輔
  • ラスボスの風格を持つ中ボス
  • 死にたがり
  • 隻眼の王
  • 隻眼
  • 雑種
  • 人間1/2
  • V

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年02月11日 02:23

*1 毎回何か書こう悩み、そのうえでなお白紙

*2 CCGは地下研究所でカネキを嘉納医師による実験体だと情報を入手したが、把握したのは篠原と黒磐、亜門等一部の捜査官のみ