ユガ(ゼルダの伝説)

登録日:2014/08/23(土) 04:49:40
更新日:2024/03/18 Mon 15:33:41
所要時間:約 8 分で読めます





ユガとは、ゲーム『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』の登場人物の一人である。



※以下、ゲームの核心に触れるネタバレを含みます!









【概要】


CV:荻野晴朗

本作の主要な敵キャラクター。
一見丁寧な口調で話すが、その裏には恐ろしい野望を秘める司祭。
赤い髪の後ろ半分がドレッドヘアーのような格好の謎の男で、服にはなぜか上下逆のトライフォースが刻まれている。

怪しげな光を放つ杖が武器。
この杖は対象を絵画・壁画問わず「絵」にして封印することが可能で、自身もこの力で壁を自由に行き来できる他、壁から生物や火柱・電撃を実体化させることもできる。
反面、ユガ自身が直接戦うことはないので腕っ節自体はからっきしと思われる。


とても美にこだわった芸術家な性格をしており、狙った者は「アート」と称して絵画に閉じ込め「作品」に仕上げる。
逆に興味のない障害物はその辺に壁画として封じ込め、特に醜いと判断した者はアートにするまでもなく切り捨てる。
しかし、絵画にした際の画風は……お世辞にも大衆受けしそうな絵心とは言い難い。
画伯レベルとまでは行かないが、なんというかシュールである。
強いて近いものを挙げれば、トゥーン系ゼルダみたいな猫目の顔。
それでいてユガ本人は「私が絵にしてやったことで元より美が上がった」などと思っているのだから、いかに常人と美的感覚がズレているかがうかがえる。


名前の由来は「油画」から。
色々な意味で特徴的なキャラクターであり、プレイヤーに強烈な印象を残した。


【活躍】


物語冒頭、シスターのセレスが務める北の教会を襲撃する。
たまたまその場に居合わせた兵士長を壁画に変えると、更にセレスを絵画の中に封印。
そして駆けつけたリンクのことを「醜いもの」と一蹴し、相手にもせず悠々と去って行った。
(なお、この時に兵士長はリンクが通っている鍛冶場に剣を忘れていた。それでも怪しげな魔術の前に屈していた可能性は高いと思われるが…)

ちなみに、最後の方では自分のBGMに合わせて鼻歌交じりで退場していく。
のっけから濃い。


セレスを狙ったのは彼女が「七賢者」の血を引く末裔の一人であるため。
ユガの目的は全ての末裔を集め、最後にゼルダ姫の力で大魔王ガノンを復活させることであった。
リンクが長老のサハスラーラを訪れている間、既に次のターゲットとしてサハスラーラの弟子サンドロッドさん…ではなくアスファルに目をつけていた。
彼もまた七賢者の末裔だったからである。


好都合なことに、己の力を過信したアスファルは単身で東の神殿に乗り込んでくれたのであっさり封印することができた。
そこに再びリンクが駆けつけ、さっさと退散……にはならない。
というのも、先の邂逅で「また私の前に現れたらタダじゃ済まない」と警告したにもかかわらず目の前に姿を見せた事から不機嫌となっており、目障りなリンクを始末するために戦いを挑んでくる。
つまり、最初のダンジョンのボスも務めていたのだ。
まさかのギラヒム様パターンの再来である。
流石にギラヒムと違ってそこまで強くは無いが、手に入れた道具を有効に使わないといつまで経ってもダメージは与えられない。


倒すと今度は隙をついてリンクを壁画に封印してしまう。
完全に始末できたと思い込んだユガは神殿から撤退するのだが、当のリンクはラヴィオから託された謎の腕輪のおかげで難を逃れ、自由に壁画化する能力を身につけていた。
これはユガにとって最大の誤算になると思われていたが…?



その後、ハイラル城を襲撃して強固な結界で包み込み、リンクが結界を解くために2つの迷宮を目指す裏で残りの末裔を探し回る。
リンク側の準備が整った頃には既に、末裔のグリ、オーレン、ロッソ、アイリン、インパら5人をすべて封印。
そしてゼルダ姫を追い詰め、難なく絵画に閉じ込めることに成功した。

この時にゼルダ姫のことを「美しいがあのお方と比べれば劣る」と評しており、ユガが何者かのために動いている可能性を示唆している。

だが、またしても忌々しいリンクが現れた事で本格的に憎しみを募らせ、逃走の末にハイラル城の最上階で決戦を挑む。
2回目となる決戦では前作のアグニムよろしく、2体のニセモノと共に行動している。
杖が光っている方が本物であり、ニセモノを攻撃しても全くダメージにならない。
また、東の神殿で戦った時とどっこいレベルで部屋が狭いため、よりパワーアップしたユガの攻撃が避け辛くなっている。
特に電撃はそのまま放っておくと部屋の大部分が埋め尽くされてしまい、逃げ場が無くなる…が、こちらには壁画化の能力がある。
これに気付けば1回目の戦いよりも案外楽。

この戦闘では東の神殿の時と違うBGMが用意されており、ユガを讃えるかのようなコーラスが思いきり目立つ。
歌詞はユガの部分以外、普通に聴くだけでは「アラフォー」だの「ワロスワロスwww」だのといった空耳しか聞こえないので(同じキャラ名コールのある田代音頭ほどでないにしろ)ネタにされる。
+ しかし………
発売後にとあるようつべの動画で「実際はこんな歌詞では?」と指摘した外人がおり、以下にその歌詞を載せる。

Yuga! Flawless, flawless Yuga!
Yuga! Powerful Yuga!
Fate! Ye of harrowed fate!
Yuga! Heartless,heartless Yuga!

↓ついでに意訳(もっと相応しい訳があれば追記求む)

ユガ!傷無き ユガ!
ユガ!力強き ユガ!
運命!苦しめられし汝!
ユガ!心無き ユガ!

これと実際の発音を照らし合わせる限り、現時点では最も正確な歌詞であると思われる。



ここでも戦いを制すと、ユガは更に逃走。
ゼルダ姫の部屋に現れた謎の亀裂を通じ…「もう一つのハイラル」、ロウラルに逃げ込み城の最上階で儀式を敢行。
遂に大魔王ガノンを復活させてしまう。



ユガの目的は力のトライフォースを持つ大魔王ガノンの復活のみならず、彼と一つになることだった。
忌々しいリンクを前にして利害が一致したのか、ガノンは融合を望むユガと一体化。
結局道具扱いされてるだけだろって?言ってやるな……
この時の形態は正しくガノンとユガを合成したようなケバい豚の姿で、誰が呼んだか一部のプレイヤーからはユガノンという秀逸なあだ名がつけられた。
(意思はユガそのものだが、サントラの曲目を見る限り公式的にはユガではなくガノンらしい)
ガノンの肉体、力のトライフォースを得たユガは早速その力でリンクを捻り潰そうとするも、ロウラルのヒルダ王女に阻止されロウラル城ごと封じられる。
これ以降、リンクはユガを完全に倒すべく七賢者の封印を解き、彼の中に眠る勇気のトライフォースを覚醒させることになる。








以下、更に重大なネタバレ


























実はヒルダとは初めからグルであり、ユガは彼女の命令でハイラルのトライフォース強奪を命じられていた。

ユガは元々ロウラルの司祭であり、彼が聖地でハイラルへ繋がる裂け目を見つけた事…それが全ての始まりだった。
そもそもこの世界は過去にトライフォースを巡る争いが起きた時、王家は愚かにもトライフォースを破壊して争いを断とうとした。
だが、トライフォースは世界を支える神の力そのもの。
ゆえに王家は過ちを犯したも同然であり、ロウラルの秩序は崩壊、世界そのものが滅びの一途を辿るようになってしまう。

この事を王家の一員であるヒルダは非常に憂いていたが、ハイラルにもトライフォースがあると分かり、ユガをハイラル側に派遣。
七賢者でガノンの封印を解き、力のトライフォースを手中に収めさせた後は一芝居を打ち、リンクに勇気のトライフォースの覚醒を促し、後から奪い取ろうと画策していたのである。
全ては王家の過ちを正し、ロウラルを救うために…
東の神殿でリンクが一生抜け出せなかったらどうするつもりだったのだろうか


ユガを封じた「王の間」にリンクが訪れた際、上記の背景を全て語るヒルダは知恵のトライフォースを取り込みユガを召喚。
いくら鈍いプレイヤーでも、ここで二人が初めからつるんでいた事は察するはず。
呼び出されたユガは勇気のトライフォースをも得るため、3度リンクに襲い掛かってくる。

戦闘開始直前のムービーでは気付きにくいが、BGMは前作のガノン戦を正統的にアレンジしたもの。
出だしがもろにSFC版に限りなく近い音源で、そこから徐々に音が豪華になり前作を知るプレイヤーのテンションはめきめき上がっていく。



今度のユガは打って変わって力強い攻撃を繰り出す。
ガノンを意識した巨大なトライデントの技はただでさえリーチが長いのに攻撃力も高く、青・赤の服を手に入れてなければ直撃でハート5個分も減ってしまう。
前回までと逆に、飛び道具を繰り出してもワープで回避されることが多い。
(絶対に当たらない、というわけではない)
そのため必然的にマスターソードで斬り続ける事になり、謎解き要素が排除された純粋な真剣勝負となる。
しかし、マスターソードから無強化の場合は物凄くタフで、とにかく時間が掛かる。
更にトライデント自体が無敵判定を持っている事、時折ユガがそれでガードする事からも尚更長期戦は免れない。

ある程度体力を減らすとワープを多用し始め、リンクの真上から魔法弾を連続で落とす技が追加される。
魔法弾はリンクの動きを若干先読みする性質があるため、精一杯振り切らないと当たりやすい。
更に追い詰めると、今度はガノンまんまのトライデント投げを披露。
攻撃は激しくなる一方だが、ここまで来ればあと少しなので気を抜かないように。





勝利後、膝をつくユガ。

諦めきれないヒルダは力のトライフォースを渡せと命令するが、彼はこれを拒否して逆にヒルダを絵画に変えて取り込み、力と知恵のトライフォースを同時に得てしまう。
世界を自分の作品に作り替える…つまり世界征服が目的のユガにとって、本音を言えば滅びに向かう醜いロウラルを心から救う気など無かった。
表向きはヒルダに従いつつ、全てはこの時のために虎視眈々と待ち続けていたのである。

しかも、ハードモードで追加されるとある人物の日記によれば、どうもヒルダが強奪を決意したのはユガにそそのかされたからであったらしい。
この日記では人名が具体的に書かれていないものの、文脈や実際の出来事から見てヒルダとユガを指しているのは明白。
ユガは最初からヒルダを利用して、自分の野望だけを叶えようと企んでいた訳なのだ。

なお、ヒルダを絵画に変える際の「最高のアートにして差し上げます」等といった発言を見るに、ハイラル城で言った「あの方」はやはり彼女のことを指していたのは間違いない。


そして、最後となった勇気のトライフォースを我が手に収めんとリンクに再び襲いかかる。


戦闘前の流れが「ヒルダが真のラスボス」だと連想しても仕方ない展開であった為、本当にそう信じたプレイヤーはさぞ驚いたと思われる。
最後の最後に強大な敵としてリンクの前に立ちはだかる辺り、ユガに取り込まれようが大魔王と勇者の因縁は決して消えないらしい。




最終決戦では常に宙を浮いており、確実に間合いを取るため剣はおろか全ての攻撃が届かない。
ここからは魔法弾を飛ばしてくるため、リンクもマスターソードで打ち返すことになる。
言わずもがな、ゼルダシリーズ恒例の打ち返し対決である。

だが、ラリーに競り勝つとユガは壁画化してしまう。
攻撃が届かない…と思ったその時、今度は封印されていたゼルダ姫から「光の弓」を託される。
壁の中でのみ使うことが出来、壁画化したユガを攻撃できる唯一の道具だ。
普通にユガめがけて射ると何らかの反撃で防がれてしまうため、矢が当たる方法をその都度考える必要がある。
ここで大事なのが「硬い頭で考えない」こと。
一見どうすればいいんだ、と思える状況でも必ず正解は存在する。
壁画化したユガは時間経過で元に戻ったりはせず、こちらが壁に入らない限りダメージを受ける要素はない。
めげずに落ち着いて色々試そう。

魔法弾ラリーに勝ち、壁からユガを引きずり出し、剣でざっくざくに斬りつける行程を3回繰り返せば勝利となる。
だが、ワープで一時退避したらすぐに壁から離れること。
壁から大量の火柱が吹き上がり、更に小型の火の鳥も四方八方から襲い掛かってくるからだ。
こればかりは攻略法もへったくれも無く、ただひたすらにガチ避けするしか対策法は無い。

……が、そんなもんやってらんねえ!という人には禁断の抜け道を。


余談だが、最終決戦のBGMは戦闘の流れに合わせて曲が自然に2度変わる。
初めは絶望感を思わせる重々しいコーラスがバックに流れるが、ゼルダが助力する場面でお馴染み「ゼルダの子守唄」のフレーズが挿入。
そして、戦闘再開後はユガへの反撃を思わせる勇ましい雰囲気に変わり、しばらく経つとサビの部分でユガのテーマに切り替わり最初にループする。
(最初といっても一番頭には戻らない)
実際にプレイしながら聴くと燃える展開であり、プレイヤーから概ね好評である。



勝利後、度重なる光の矢と剣のダメージにユガは遂に封印される(この時ガノンも同時に封印されたものと思われる)。
残されたヒルダはなおトライフォースに執着するが…?



【余談】


前作をリスペクトした『神トラ2』だからこそ一部のプレイヤーは気付いたと思うが、ユガの立ち位置は前作の司祭アグニムと概ね同じ。
しかし、アグニムが真の黒幕ガノンの操り人形であるのに対してユガは
  • 復活させたガノンと一体化を実行
  • 最終決戦で黒幕のヒルダに反逆、更に力と知恵のトライフォースを同時に獲得する
というとんでもない事をやってのけており、このような活躍を見せた悪役は過去のシリーズにも前例が無かった。
特に2つのトライフォースを手にした件は、かつて人間だった頃のガノンですら成し得なかった偉業である。


合体の件は一部から「ガノンが道具扱いみたいで待遇が悪い」と批判されることもあり、わさわざ合体する必要はあったのか?とよく言われる。
しかし、ゼルダは絵画にされた状態ゆえに知恵のトライフォースを抜き取る事は容易かったが、ガノンはあまりに強大な力を持つ大魔王。
真面目に「力のトライフォースよこせ」なんぞ言おうものなら。ガノンのような力を持たないユガは返り討ちに遭っていた可能性がある。
あくまでも力を横取りするのではなく一つになることを提案し、ガノンから妥協を引き出した方が最善…と考えたのかもしれない。

【ゼルダ無双】


『ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ』 DLC第4弾の『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』にて、ラヴィオと共に堂々の参戦。DLC故にストーリーには絡んでこない。
属性は雷。また、攻撃の中には炎属性を有するものもある。
ラスボスや主人公といえば何かと光属性や闇属性ばかりな中で、己の個性をしっかりキープするのは流石である。
なお、今回はガノン時の姿は無いが、代わりにガノンが使ったトライデントを操る技がある。

武器は額縁。もちろん、神々のトライフォース2で使っていた杖も操る。何気に原作通り杖やトライデントで直接叩くようなことはせず、魔法のみで戦っているモーションとなっている。
キャラ性能はというと、なかなか強い
弱攻撃が素早く広範囲なので、適当に武器を振り回すだけでも敵軍団をみるみる殲滅できる。というか下手に強攻撃を使うよりも弱を最後まで出し切った方が殲滅の効率が良い。射程が長いのでアウトレンジの攻撃にも使える。
強攻撃後に強攻撃ボタンを押しっぱなしにしておくと動きを遅くする効果のある魔法陣を展開し、時間差で低威力だがガード不能の雷攻撃を放つことが出来る。その性質上後述の強4と非常に相性が良い。
特殊攻撃は額縁に入り込んでの突進で、後ろに撃つことで魔法陣を安全に張ることができる。
強2は打ち上げで、出が早く範囲がそこそこでウィーク削りに役立つ。弱攻撃で後隙をキャンセル可能。
強3は無敵時間のある潜伏攻撃で、安全に敵に詰め寄りたいならこれ。
強4は2枚の額縁の間で電撃を発生させて押し出す攻撃で、範囲は狭めだが高威力で多段ヒットするので地上で戦うキャラなのに雷属性(空中のダメージ増加)と相性が良い。出がやや遅いのでガードされやすいが魔法陣と併用することでその欠点を克服できる。また、巨大魔獣にもこれが有効。
強5は額縁のフィールドを展開した後トライデントを使って落雷。全方位で高威力なので、敵隊長含む周囲を一掃したい時に強い。フィールドにはディレイ効果を伴うひるみが付き、周囲に安全に攻撃を当てることができる。ただし、技の最中は回避できないので、遠距離攻撃などを喰らいそうな時は必殺技で避けること。

ガノンドロフのトライデントに比べると機動力は低いが、死に技と呼べるものがほとんど無く、敵軍団の殲滅技と隊長を倒すのに十分な高威力技を備えており、技の使い分けでどんな相手にも立ち回れるオールマイティタイプなキャラとなっている。

神々のトライフォース2よりも変態感は薄れているが、大技の後の高笑いは印象的。
そのセリフも、自分に酔いしれる高慢さや美を崇拝するブレない言動は相変わらずである。
魔力解放時は体力を削った時の地団駄の再現で、叫びも相まって迫力がある。
勝利後ムービーはガノン復活の儀式のもので、賢者+ゼルダの絵画が何気に書かれている。巨大な魔法陣や背景を暗くする演出で格好良い。



追記・修正はユガのアートを理解できる方にお願いします。

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最終更新:2024年03月18日 15:33