暦物語(物語シリーズ)

登録日:2014/08/19 (火) 01:32:59
更新日:2024/03/23 Sat 01:17:06
所要時間:約 8 分で読めます



“ただそれでも、できることは全部やりたくなるじゃない”


青春に、予定調和はおこらない。


『暦物語』とは、講談社BOXから発売されている100%突然書かれた小説。
物語シリーズのファイナルシーズン第2弾にあたる。

著者:西尾維新
イラスト:VOFAN

当初、ファイナルシーズンは『憑物語』、『』、『続・終物語』の3冊刊行の予定だったが、
西尾維新の「『物語シリーズ』が完結を迎える前にこれまでの物語を振り返る話を書きたい」という願望から、
『終物語』刊行前に突如として刊行が発表された。
阿良々木暦と仲間達が過ごした一年を、一か月ごとの短編で『暦』視点で振り返るから『暦物語』である。
化物語』~『憑物語』までのヒロイン達をはじめとするオールキャラクターが登場する、まさに総集編のような短編小説集。
時系列としては、本編の隙間を埋める番外編としての位置づけだが、後半の、時系列が未来になるにしたがって
「未開拓」の時系列が登場し、本編に関わる事件も発生してくる。


2016年1月に配信開始したアプリにて短編アニメ化が放送される。



第一話 こよみストーン

4月11日  『こよみヴァンプ』直後

吸血鬼の事件を無事(?)乗り切った暦は、羽川翼から学校の中庭にある石の祠の話を聞かされる。
縁のわからないその石についての話を、忍野に怪異譚として話してみることを勧められるが…。

この頃は吸血鬼のなり損ないで、忍野の仕事料である五百万円に頭を抱える日々。
仕事料の返済の足しにと、中庭にいつの間にか置かれていた石像の話を売ろうと試みるも、巡り巡って恥ずかしい思いをする。

当時の暦の唯一の友達。「知ってることしか知らない」委員長。
入学する高校の歴史もあらかじめ調べていたと発覚。流石である。

放浪のアロハの怪異蒐集家。
相変わらずの態度で暦から聞かされた石の話をあっさり解明する。


第二話 こよみフラワー

5月9日  『ひたぎクラブ』直後

おもし蟹の事件が解決し、忍野にお礼を言いに行った帰り道、路傍に供えられた花を見て、
ひたぎは暦に学校の屋上の不思議な話をする。
立ち入り禁止の屋上に、飛び降り事件が起きていないにもかかわらず花束が添えられていたのだ。

  • 阿良々木暦
戦場ヶ原と友達になった翌日、早々に彼女の罵詈雑言の筵にされる哀れな男子高生。
おまけに使いっ走りまでやらされ屋上に登らされる始末。

キレッキレの暴言でツンドラっぷりをいかんなく発揮する暦の『お友達』。
外面は優等生なので、人目を避けるために屋上の鍵を借りるのは簡単らしい。

  • 忍野メメ
暦をからかいながらも、花束の話を分析し、またも解決に導く。


第三話 こよみサンド

6月中旬   『つばさキャット』の後

忍野が去った後の町。登校中、真宵と会った暦は、いつものように雑談を楽しむが、
彼女から暦に売りつけようとした怪異譚を聞かされる。
何でも、近所の公園の砂場が必ず「鬼の顔」の形になってしまうのだという。

  • 阿良々木暦
この頃はまだ重度のロリコンではなく、ひたすら真宵にからかわれるだけ。

相も変わらずな自由なテンションで、余り一さんを翻弄する迷子少女。
「忍野に売れる」ことを餌にちょっとした怪異譚を高値で売りつけようとした。

  • 羽川翼
砂場の調査のため、砂の模様を消した暦を「めっ!」と叱り(ガハラさん経由の情報)、
砂場の模様の謎を解く。


第四話 こよみウォーター

7月某日

駿河の部屋の片づけをした暦は神原家の夕食に招待される。
その前に風呂に入ることになった暦は、駿河から湯船に溜めた井戸水に関する不思議な話をする。
かつて神原父はその水面に将来の結婚相手の顔を見たらしい。

  • 阿良々木暦
後輩の破天荒っぷりに相も変わらず呆れている。

初登場の状態をはるかに上回る部屋の惨状で先輩をドン引きさせる。
阿良々木先輩の風呂に入ろうとしたりと変態っぷりも変わらず。その一方で亡き両親への複雑な想いも滲ませる一面も。

  • 戦場ヶ原ひたぎ
仲良しの後輩の家でボーイフレンドが風呂に入ったことで嫉妬爆発。
ついでに、水の話を以前聞いていた縁で謎を解明する。


第五話 こよみウインド

時系列:8月初旬  『かれんビー』直後

詐欺師によるおまじない事件が一応の解決をしたことを撫子に報告する暦。
そこでふと「おまじないはどうやって流行ったのか」という疑問にぶち当たる。
実体のない「風の噂」を、奴はどう扱ったのか、二人で考察していく。

  • 阿良々木暦
相変わらずの朴念仁で、挙動不審な撫子にヒヤヒヤする。
貝木には明確な嫌悪感を示す。

暦お兄ちゃんと二人っきりの家でパーティーすることになり、内心興奮状態。
そのせいか挙動不審MAX。

いっそ清々しい大嘘つきの詐欺師。
いけしゃあしゃあと「人の噂」を操る手口を種明かしする。


第六話 こよみツリー

9月下旬

火憐から通っている空手道場のことで相談を受けた暦。
道場の裏にあった木にある日突然気づいたことで、その木をみんな不気味がり、
倒そうという話が出るからそれを阻止したいという。

  • 阿良々木暦
強いけど馬鹿な妹に手を焼きつつ、シスコンっぷりを発揮する。
でも肝心な時には役立たず。

相も変わらず脳筋でまっすぐな空手の達人。
道場の木を倒すことに唯一反対している。兄を釣るなら自分のおっぱいも惜しまない。

  • 羽川翼
暦から解決策を丸投げされ、先送りの策を考える。


第七話 こよみティー

10月某日

お茶菓子をつまみながら、暦は月火から、所属している茶道部で存在しない部員が話題になっていると聞かされる。
だが、月火が部員の存在を否定しても部員達はそれを信じてくれないというのだ。

  • 阿良々木暦
ふわふわした妹のピーキーっぷりに振り回され、熾烈なバトルを繰り広げる。

自分の正しさに依怙地で相も変わらずめんどくさい妹。

  • 神原駿河
先輩の相談を受け、月火の悩みを解決するため、彼女を騙す方法を考え付く。


第八話 こよみマウンテン

11月1日   『なでこメドゥーサ』の裏

扇に連れられ、北白蛇神社へ続く山道を登る暦。
辿りついた境内で、彼女は暦に神社のいわれとその『正しさ』について説き始める。

  • 阿良々木暦
後輩の、いちいち胸を突かれるような言葉に苛立たされながらも、彼女のペースに乗せられていく。
ご神体のお札の使い道に迷っている。

  • 忍野扇
いつ暦と出会ったかも曖昧な謎めいた女子。
北白蛇神社の『初期設定ミス』を正すために暦を連れて神社に来たと言うが…。

  • 千石撫子
阿良々木家にお泊りに来た時、扇からの神社建立の謎を解明する。
蛇神様の再来を望んでいるような振る舞いをし…。


第九話 こよみトーラス

12月某日

ドーナツを発見しご満悦の忍だが、それはミスタードーナツではなくひたぎの手作りだった。
文句を言いつつドーナツを食べる忍だが、残ったドーナツで暦との奪い合いに発展し…。

  • 阿良々木暦
命日を4か月後に控えるも相変わらずな受験生。
愛する人のドーナツが食べたいが喧嘩に発展する。

ドーナツ命なロリ奴隷。
ドーナツを巡る喧嘩でお札を隠し損ねたあるじ様を糾弾し、賭けをする。

  • 羽川翼
隠れたドーナツの行方を探し当て、その裏に潜む忍の感情を読み取る。


第十話 こよみシード

1月中旬   『ひたぎエンド』の裏

センター試験の帰り道、余接に会った暦は、彼女に探し物を頼まれる。
だが肝心の探し物自体が曖昧で気が付けば彼女のペースに乗せられてしまい…。

  • 阿良々木暦
センターの出来が不調で、落ち込み気味なところを人形童女に振り回されることになる。

どっかの影響からか、横ピースキャラは健在ながらも鬼いちゃんへの言動が辛辣。
うんざりうざい態度で鬼いちゃんを振り回すも、それはある目的のためだった。

  • 羽川翼
余接の目的が、1月中暗躍していたあの人物との接触を避けるためと推理する。


第十一話 こよみナッシング

2月下旬

吸血鬼の力を抑えるために体を鍛えることにした暦は、影縫に稽古を受けることに。
毎日北白蛇神社の境内でこてんぱんにのされる彼は、ふと影縫に余接とのなれ初めを聞いてみた。

  • 阿良々木暦
吸血鬼化が進行することを恐れ、武術の訓練を試みるも毎回失敗。
今回、ふと影縫の過去が気になったが…。

正弦の事件以来、北白蛇神社に拠点を置くようになった。
暦に対しても態度がある程度柔らかくなった模様。
自分に一発当てられたら過去を明かすと暦に賭けをするが…。

  • 阿良々木火憐
武術の事で兄に相談され、身も蓋もない切り返しをする。





























第十二話 こよみデッド

3月13日

大学受験当日、暦は北白蛇神社へと向かい、そこで伊豆湖と会う。
そこで彼女は、暦に事態の急展開と深刻化を語り、解決策を語った。
それは「阿良々木暦が死ぬこと」―――。

  • 阿良々木暦
影縫の失踪に不安を抱き北白蛇神社に向かった先で告げられた緊急事態。
それを把握したその瞬間、彼の命は散らされた。

何でも知ってるおねーさん。
「黒幕」の目的に気付き、自分の後輩達が消されていることを察知し事態の深刻さを憂いる。
そして妖刀「心渡」を使って元凶たる暦を輪切りにした…。










そして。


物語は最「終」章へと向かっていく―――




「あ。お目覚めですか」
「これはこれは、寝た子を起こしちゃいましたかね―――ララバイさん」

「僕の名前を子守唄みたいに言ってんじゃねえ―――僕の名前は、阿良々木」


目を覚ました暦の目の前にいたのは、かつて姿を消した懐かしい笑顔。

「失礼、噛みました」


「で、これは阿良々木さんは試験会場に辿りつけず、入試に落ちたねっていうオチってことですか?」
「いや、そんなオチじゃ落ちれねえよ」


追記・修正は一年間振り返ってからお願いします。

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最終更新:2024年03月23日 01:17