登録日:2014/08/16 Sat 23:11:53
更新日:2023/07/28 Fri 01:43:10
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1991年12月20日に、
ゲームボーイ用ソフトとしてカプコンより発売された横スクロールアクションゲーム。
携帯用『
ロックマン』シリーズの第2作目。
かつてはバーチャルコンソール(
3DS)にて配信されていた。
今回ベース作品として、『
ロックマン2』及び『
ロックマン3』が選ばれた。
スライディングやE缶の導入、ラッシュが登場するなど全体的に3の要素が色濃く出ている。
難易度に関してはノックバックや被ダメージが小さい、マップが単純、パスワードでE缶が記憶されるなど
前作を含めたワールドシリーズ5作品の中では比較的低い部類に入る。
そのため「ヌルすぎる」と思う方もいるだろうが、裏を返せば初心者にもお勧めしやすいので、
ある意味ワールドシリーズの入門向けの作品と言える。
ただ本家及び他のワールドシリーズと比べると、BGMや操作感覚、画面演出などが異質なところが見受けられる。
難易度の低さも相まって、本作は多少人を選ぶ作品となっている。詳しくは後述。
【今作の特徴】
「前半・後半それぞれ4つに分類されたステージから1つを選ぶ」方式に変化はない。
今作でも後半4ボスは部屋にテレポートカプセルが並んだボスラッシュの形式となっている。
がカプセルに入ったらそのままボス戦の前作とは異なり、今作ではそれぞれの専用ステージにワープする。
また今作でも一度クリアしたステージは再挑戦できない。
さらに後半ステージをクリアしても武器エネルギーが回復しなくなる。
この仕様は『
ワールド4』、『
ワールド5』においても同様。
3からの新アクション。とっさに姿勢を低くして高速移動する。
今まで飛び越すしかなかった頭上の攻撃をジャンプ以外で回避可能・狭い通路を抜けるなど、用途は様々。
今作ではグラフィックが本家と違う上に、
「スライディング中にAボタンを押してもジャンプができない」、「反対側に十字キーを入力しても止まらずに動いてしまう」
など、本家と比べて少し扱いにくくなった。
次回作ではグラフィックや操作感覚などは本家に準拠しているのでご安心を。
3同様、ゲームオーバーになっても没収されなくなり、かつパスワードでの保持も可能である。
ただ缶の最大保有数が2と同じ4つに限定された。
以上の仕様は本作以降のワールドシリーズでも変更はない
(パスワードでの保持については、ワールド3にて一旦廃止される)。
回復中は画面が静止することはない。そのため、ポーズ(メニュー画面の開閉)を含めてあらゆる操作ができる。
なお武器の回復中に、ポーズをかけ他のエネルギーが減っている武器を装備するとその武器も回復することができる。
本作のBGMは大部分がオリジナル。
この辺りは賛否両論あるが、メロディ自体は評価されている曲もある。
ただ殆どがキンキン音+激しいドラムを多用しているため、聞き苦しいとの声も…
SEも本家とは大幅に異なる。
例:E缶取得時→「ブリュッ」 1UP取得時→「
コイーンコイーン」
はしごを登っている時に攻撃を受けても、上を押し続けていればそのまま登れる。
【ストーリー】
前作でコテンパンにやられたDr.ワイリーは打開策としてある秘策を思いつく。
時空研究所で研究しているタイムマシンを盗んで、過去のロックマンを倒そうとするものだった。
しかしまだ開発段階のタイムマシンには未来にしか行けないという欠陥があったため、未来のロックマンを捕まえ改造する計画へと変更した。
そして現代と未来のロックマン。2人が出会う時、激闘が幕を上げる…はずだった
【登場人物】
心優しき主人公。
今回は未来の自分と戦うというハードな展開が待っているが…
前回
いつも通りロックマンに敗れたが、打開策として
「タイムマシンを盗んで、未来のロックマンを捕縛・改造する」計画を立案した。
発想がぶっ飛びすぎている。
やはり、天才か…
…が、これにはロックマンも堪忍袋の緒が切れたのか、
最後にエラい目に遭う。
調査の末タイムマシンが盗まれたのは、
ワイリーの仕業であることを突き止めた。
ワイリーの野望を阻止するため、ロックマンに彼の追跡を指示した。
犬型サポートロボ。
ジャンプ台の「ラッシュコイル」、飛行形態の「ラッシュジェット」、水中形態の「ラッシュマリン」、
そして宇宙船の「ラッシュスペース」の4形態に変形してロックマンの行く手を切り開く。
ただ本作以降のワールドシリーズではコイルはボスを倒して入手する形式になった。
ジェットも水中では使えないため、マリンが必須の場面は存在する。
マリン
「我が世の春が来たぁぁぁぁ!!」
…それでもマリンが使える場面は少ないし、結局はバランスはジェットが出た瞬間にひっくり返ることとなるが。
【8ボス】
前半ではロックマン2、後半ではロックマン3のボスを攻略する。
ボスのプロフィールなどについてはそれぞれの作品を参照してほしい。
前半
カットマンをベースにした戦闘用ロボット。回転鋸型武器「メタルブレード」を2枚投げる。
今作ではコンベアの向きやジャンプの高さは変わらない。
特殊武器はメタルブレード
回転ノコギリ状の武器を投げつける。
8方向に撃てる上に燃費も良く、走りながら発射できる。
弱点はクラッシュボム。
空中戦闘用ロボット。小型の竜巻を発生させる「エアーシューター」が武器。
今回はスライディングがあるので、エアーシューターが少し回避しやすい。
特殊武器はエアーシューター
小型の竜巻を斜め上に3発同時に発射する。
竜巻は徐々に拡散する。
弱点はリーフシールド。
重装甲と高火力を併せ持ったロボット。
こちらが攻撃すると反応してジャンプし、両腕に仕込んである針付き時限爆弾「クラッシュボム」を発射する。
特殊武器はクラッシュボム
針付き時限爆弾を前方に発射する。壁に刺さってしばらくすると爆風を起こす。
FC版と比べると爆風が小さく、最大4発までしか発射できない。
今作ではこれで破壊できる壁が存在しない。
弱点はエアーシューター
しかしこれで与えられるダメージが大幅に減少しており、エネルギーを空にしても倒すことはできない。
森林での戦闘用に開発されたロボット。木の葉型ビット「リーフシールド」で防御・攻撃する。
今回リーフシールドの防御力が低下しているほか、被ダメージが大幅に減少している。
特殊武器はリーフシールド
一枚一枚独立している木の葉型ビット4枚をロックマンの周囲で回転させる。
十字キーを押すことで任意の方向にシールドを発射可能。
展開中はジャンプしかできない他、一撃で倒せる敵の体当たりしか防げない。
弱点はメタルブレード。
後半
削岩用ロボを改造した戦闘用ロボット。
両腕のバスターからは針型
徹甲弾「ニードルキャノン」を、頭部からは「ニードルハンマー」を繰り出してくる。
特殊武器はニードルキャノン
フルオート連射可能な針状の弾を発射する。使い勝手はほぼバスター同様。
3連射まで可能で、ボタンを押している間は撃ち続ける。
弱点はタップスピンとエアーシューター。
屑鉄処理用ロボを改造した戦闘用ロボット。
強力な磁力を操ってロックマンを引き寄せたり、上腕部から「マグネットミサイル」を発射して攻撃する。
今作では引き寄せ攻撃の安全地帯(画面の両端)が存在しない。
特殊武器はマグネットミサイル
巨大なU字磁石型のミサイルで、一度だけY軸方向に追尾する。
2連射まで可能だが、一発辺りの燃費が少なくない。
弱点はニードルキャノンとメタルブレード。
整地作業用ロボット。ボディプレスのほか、両腕から
ロケットパンチ「ハードナックル」を放つ。
今作ではハードナックルに攻撃すると、こちらの攻撃を跳ね返す。
特殊武器はハードナックル
ロックマンの片腕にエネルギーを込めてそのまま発射する。
隙は大きく初速も遅いが威力は絶大なロマン武器。発射後軌道を上下に微調整可能。
今作ではこれで破壊できる壁が存在しない。
弱点はマグネットミサイル。
特殊バリア試験用ロボット。
高速回転による鉄壁の防御システム「タップスピン」で攻撃を防いだ後体当たりを仕掛ける。
頭からコマを出す能力もあり、これに攻撃するとこちらの攻撃を跳ね返す。
特殊武器はタップスピン
空中で回転攻撃を仕掛ける。
ロックマンが使っても防御はできないが、威力は高い。当たって初めてエネルギーが減る。
今回は効かない敵に連発してもエネルギーを消費しない。
弱点はハードナックル。
【その他のボス】
Dr.ワイリーがロックマンを倒す刺客として送り込んだロボット。
その正体はワイリーによって洗脳・改造された未来のロックマンである。
未来のロックマンは戦闘機能を持っていないため、過去から襲ってきたワイリーに敵わなかったのである。
本来は穏やかで戦いを好まないらしい。
その設定上
ロックマンキラーではないが、ポジションとしてはキラーに相当する。
体力ゲージは表示されないが、並のボスより体力はある。
戦闘機能を持たないため、戦闘では削岩ロボットを改造した「サクガーン」に乗り込んで攻撃してくる。
…のだが、本作に登場するボスの中でもかなり弱い。
というのもその動きが、「ロックマンのいる位置に向かってジャンプ→着地時に岩の破片を撒き散らす」
というもので岩の破片に注意していれば、スライディングで容易く回避できる。
更に、戦闘開始前に密着し、クイントの頭上辺りめがけて弱点のハードナックルを連打すると、何とサクガーンに乗る前に撃破する事が出来る。
撃破すると逃げ出していき、それっきり登場しなくなる。
生きているのか、元の世界に帰還できたのだろうか… ていうか何しに来たんだお前。
ワンダースワン版『ロックマン&フォルテ』でもクイントについて語られているが…
特殊武器はサクガーン
ホッピング+削岩機のようなものに搭乗して、敵を踏みつける。
が、敵に接触すると自分もダメージを受けるし、また乗っているだけでエネルギーを消耗してしまう。
ぶっちゃけ使い勝手がとても悪く、使い物にならない。
主な弱点はクラッシュボム、リーフシールド、ハードナックル。
今作のラスボス。
ワイリーマシンの中では最多形態(3形態)を誇り、また一番費用を費やした。
…のだがいざ搭乗すると、ワイリーのサイズが何故かロックマンの頭一個ほどの大きさになっている。
地面を跳ねる弾や追尾性能を持ったミサイルなどを発射する。
一定ダメージを与えると、第2・3段階へと移行していく。弱点はコックピット。
弱点武器はサクガーン
まぁ使用したら、間違いなく自分のライフか武器エネルギーが先に尽きると思うが。
素直にロックバスターを使った方がよい。
尚、この武器でワイリーマシンワールド2号を撃破するとサクガーンに乗ったままエネルギーを吸収する演出が見られるので暇な人は第3形態に移行してある程度体力を減らしてからサクガーンを使って倒してみるといいだろう。
撃破するとロックマンが何故かワイリーマシンのミサイルを入手する。
さらに敗れたワイリーは土下座せずにそのまま逃走、追跡したロックマンは先程入手したミサイルでワイリーのUFOを撃墜させる。
墜落したワイリーはそのまま大気圏に突入、その後いつもの大爆発。
【余談】
本作を制作した会社は、前作を制作したところとは別である。
BGMや操作感覚など前作と雰囲気が大きく異なるのは、これが主要因であると思われる。
このことに関して稲船敬二氏は、「(本作を開発した)外注先があまりロックマンをわかっていなかった。」
(※『R20+5 ロックマン&ロックマンX オフィシャルコンプリートワークス』102ページより、一部抜粋。)
と語っている。
YOU GOT TSUIKI-SHUSEI
- ボス選択画面の曲が酷過ぎる。ワイリー研究所内部の曲も。 -- 名無しさん (2014-08-16 23:52:49)
- 見る限り、いろいろ試行錯誤していた過渡期の作品だったようだな。 -- 名無しさん (2014-08-17 00:05:56)
- 簡単だから手軽に出来る分、ワールドシリーズでは一番やってた。項目にもある通り、ロックマン初心者の入門編にはなると思う -- 名無しさん (2014-08-17 01:50:47)
- 当時「あれっ?」って感じがあった。そして他のワールドの出来が良いからこの作品の「変な所」がクローズアップされてしまう・・・。 -- 名無しさん (2014-08-17 09:26:29)
- ワイリーの眉毛ピクピクと土下座の存在しない初の作品なのだよ。 -- 名無しさん (2014-08-17 09:34:06)
- 誰が何と言おうとワールド2のBGMが大好きだ。特にハードマンステージ -- 名無しさん (2014-08-30 18:09:12)
- クイントはまじで歴代最弱候補だわ。雨降らさないトードマンじゃねーか -- 名無しさん (2014-12-22 16:56:28)
- 音源は酷いけど、BGM自体は良いのが多いと思う -- 名無しさん (2017-12-08 10:34:51)
- オリジナルBGM全体的にいいし、難易度としてもGBロックマンデビューしたい人にはオススメ -- 名無しさん (2017-12-08 12:41:38)
- なんだかんだでクイントの存在はある意味、エックス達の存在を否定する未来に繋がる可能性も秘めているのかもしれない。ゲーム内容はアレだがバックストーリーは結構深いから嫌いになれない。まぁクソ雑魚いのは変わりないんだが -- 名無しさん (2021-07-09 13:32:04)
最終更新:2023年07月28日 01:43