ドミネーター(PSYCHO-PASS)

登録日:2014/08/15 (金) 22:00:00
更新日:2024/04/17 Wed 02:40:41
所要時間:約 2 分で読めます





「携帯型心理診断・鎮圧執行システム『ドミネーター』、起動しました」


ドミネーターとは、アニメPSYCHO-PASS サイコパスシリーズに登場する銃器。
作中における刑事の「執行官」と、それを監視・統括する「監視官」のみ携帯を許される。

まぎれもなく本作を象徴するメカニックで、作品キャッチコピーでも「その銃口(システム)は、正義を支配する。」と謳われている。

なお、「dominator」とは「支配者」という意味。


【概要】


正式名称「携帯型心理診断鎮圧執行システム」
シビュラシステムと直結し、照準を合わせた相手の犯罪係数(犯罪者になる危険性)を瞬時に測定。
銃口を向けた相手の危険性に応じて、3つのモードに自動で変形する。
逆に犯罪係数が一定に満たない相手に銃口を向けると、トリガーがロックされる。

パラライザー

「執行モード・ノンリーサル・パラライザー。落ち着いて照準を定め、対象を制圧してください」
犯罪係数の低い人間に対する非殺傷(ノンリーサル)モード
その名の通り、対象の全身を一時的に麻痺させる。
非殺傷と言いつつ案外強力で、キ○○イ染みたレベルで体を鍛えている狡噛ですら丸一日の入院を余儀なくされた。

エリミネーター

「執行モード・リーサル・エリミネーター。慎重に照準を定め、対象を排除してください」
犯罪係数が300を超える危険人物に対する殺傷(リーサル)モード
着弾した部位を内側から爆破させる。ぼこぼこと膨れ上がっていき最後にバンと破裂するその様はなかなかグロい。
人間相手であれば、一発食らえば基本的に助からない。

デコンポーザー(分子分解銃)

「執行モード・デストロイ・デコンポーザー。対象を完全排除します、ご注意ください」
人間以外の相手(巨大ドローンなど)に対してのみ解禁される、最大威力の完全排除モード。デコポンと略してはいけない。
着弾した箇所、というか空間を跡形もなく消滅させる。篝曰く「ドミネーターの本気」「おっかない」。
だがある回では人間相手にぶっ放された。やってられねえよ。

これらの機能がコンパクトなボディに詰め込まれている。
しかも、あまり鍛えていないであろう常守や監視官時代のギノが易々と振り回せるあたり、銃器としては割と軽いようである。


【長所】

兵器としての強力さだけでなく、かなり合理的な兵器でもある。

簡単・迅速

前述した通り、ドミネーターは対象に向けるだけでその危険性を明らかにし、最適な処置を自動的に取ることが出来る。
しかも常に多数の案件を抱えているシビュラシステムに対し、最優先リンクの権利を与えられている。
つまりなんやかんやの手続きをすっ飛ばして瞬時にシステムの判断を仰ぐことができ、その判断は極めて迅速で正確である。
しかも判断の結果はドミネーターが喋って教えてくれるので、迷う要素はない(ちなみに指向性音声なので、使用者本人にしか聞こえない)。
このため、執行官と監視官は現場でトリガーを引くだけで、何の後腐れもなく任務を果たすことが出来るのである。

安全性

ドミネーターは基本的にトリガーが厳重にロックされており、一定の条件を満たさなければ引くことすらできない。
まずドミネーターは専用ドローンで運ばれてきて、手に取った瞬間に生体認証により適正ユーザーかどうかが識別される。
もし現場で犯人に奪われたとしても、適正ユーザーでなければロックは解除されない。
しかも犯罪係数の低い人間には発砲できないため、無実の者を誤射する心配もないのである。

抑止力

「犯罪係数オーバー120。刑事課登録執行官・任意執行対象です」
「刑事課登録監視官。警告・執行官による反逆行為は記録の上、本部に報告されます」
監視官のドミネーターは、執行官に対する抑止力としても働く。
執行官はシビュラシステムにおける「潜在犯」であり、監視の目がなければ何をやらかすか分からない。
執行官は公安の刑事であると同時に、ドミネーターの「任意執行対象」であり、
監視官は自分の意に沿わない執行官に対し発砲する権利がある(無論好き勝手に撃っていいわけではなく、それなりの理由説明が求められる)。
逆に、執行官が監視官にドミネーターを向けても、犯罪係数が低いのでもちろん発砲できない。
その上反逆の意思ありと本部に報告され、処分を受けることになる。

このように、ドミネーターにはシビュラシステム下の刑事に必要な機能が全て搭載されている。
まさに人々の暮らしを見守るシビュラの「目」であり、犯罪を抑止する大きな力なのである。


追記・修正お願いします。

































「こうなっちまったらドミネーターは只の鉄屑だ、文鎮の代わりにしかならねぇ」

「犯罪係数98って、この女潜在犯みたいなもんじゃねえか!まとめて制圧できねえのか!?」
「そんな大雑把なことできるか!!」

「あの男は…ドミネーターで裁けません…」

「やってらんねえよ、クソが」



ここまでシビュラシステムの検閲の下、ドミネーターの長所だけを列挙してきた。
だが作品を見る限りこのドミネーター、

肝心なところでクソの役にも立たない


クソの役にも立たない


ク ソ の 役 に も 立 た な い


所が目立つ。大事なことなので3回言いました。
まあ作品のテーマ的に役に立たない場面が目立つのは当然だが


【短所】

電波を遮断されると無力

ドミネーターは、無線通信でシビュラシステムとリンクしている。
犯罪係数の測定はあくまでシビュラが行っている為、シビュラと銃とのリンクを断たれると測定はできなくなる。
そうなってしまえばトリガーのロックは絶対に解けず、ただの文鎮になる。
作中では電波暗室の中や廃墟、ジャミング装置の下などでは文鎮になっていた。
一応これに関しては、中継局機能のあるドローンを持って来ればある程度解決できる。

人質作戦に弱い

ドミネーターは犯罪係数の低い者を感知すると、誤射や巻き添えを防ぐためトリガーをロックする。
そのため、犯人が犯罪係数の低い者を盾に使えば、犯人に発砲することが出来ない。
その結果、人質がパニックから犯罪係数を上げ、犯人もろとも制圧しなければならないという最悪の結末を迎えることもある。

基本的にこれ以外の武器を持ち歩けない

正確にはドミネーターというよりこれに関する法律の問題点。
刑事、特に潜在犯である執行官は、基本的にドミネーター以外の武器を持つことが出来ない。
そのためいざという時に手持ちのドミネーターが文鎮になると執行官はほぼ丸腰になる。
その場合は、これまた殺傷力の無いスタンロッドを使うか、それもない場合には拳ひとつで勝負する必要がある。


そして最大の欠点

犯罪係数が低ければ、現行犯でも撃てない

槙島のような免罪体質者(何をしても色相が濁らない)や、驚異的なメンタル美人に対してはまったくもって無力である。*1
作中では槙島がこれを利用してドミネーターを欺くとあるアイテムを開発、未曽有の大パニックを引き起こすことになるのだが…
詳しくは本編を見てもらいたい。

シビュラシステムが自由にロック解除できる

シビュラシステム側が必要と判断した場合、強制的にロックを解除し、犯罪係数を無視して超法規的に任意のモードが使用可能。
これにより、シビュラシステムに都合が悪い存在とみなした相手を恣意的に抹消することが出来てしまう。
とはいえこれにより上記のような通常ドミネーターが使用できない相手にもロックを外して発砲することもできるため、一概に欠点とは言いきれない側面もある。


【派生・その他】

強襲型

『2』から登場した屋内テロ鎮圧用のモデルで、人ひとりぶんのサイズとバカデカいがおおよそ狙撃銃に近いデザインとなっている。
視界を遮る障壁があってもその向こう側にいる人物の犯罪係数を測定できるようになっており、屋内に隠れる潜在犯を外部から執行することが可能。

だが個人を特定するようなスキャン機能も熱探知機能もなく(少なくとも使用者に提示されない)、犯罪係数の大きさだけが判断材料になるという大きな欠陥を持っており、デビュー戦となった事件に於いて大きな悲劇を生む結果となった。

SG型プロトタイプ

『3』の実質的な最終章である劇場版『FIRST INSPECTOR』に於いて登場したショットガンタイプの試作モデル。
刑事課長となった霜月美佳の提案で開発されたが、余りにも危険とのことで局長が試作段階で開発をストップしたという曰く付きの代物。

最大6人の潜在犯を一度に執行できる画期的な得物だが、一回発射するたびに冷却が必要でパラライザーモードの使用のみでも充電が必要となるなど、やはり使い勝手に難がある代物となっている。

本編ではパラライザーモードでしか使用されておらず、エリミネーターやデコンポーザーが実装されているかは不明。
提案者の霜月によるとデコンポーザーを使えば(当時中にいた)ビルごと消滅するらしい。

スローター

本編の前日譚『PSYCHO-PASS GENESIS』で登場する、ドミネーターの原型となる武装。
サイズはドミネーターと同様のようだが、色は白色でデコンポーザーは実装されていない。


余談

倫理観や善悪など個人的な基準に依らず、鎮圧執行のための装備として合理性を突き詰めたドミネーターだが、シリーズ自体が「システムによる管理社会での正義の在り方」を描いたものである関係上、シビュラに盲目的に従うことを良しとしない朱や灼といった主人公たちからは不評の傾向にある。
特に灼からは明確に「嫌い」と断言されたほど好かれておらず、征陸のように「ドミネーターを用いた社会秩序の維持」に疑問を持つことによって潜在犯化してしまう人物も登場している。

いずれにせよ本作において象徴とも言うべきアイテムで、ドミネーター、ひいてはシビュラシステムそのものの是非を問うシーンは1期1話から一貫して描かれ続けている。




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最終更新:2024年04月17日 02:40

*1 一応、近くの凶器・兵器をスキャンして無理矢理ロック解除も出来るが、自分の判断で撃つ相手を決めること自体が殆どの刑事には不可能。