ケビンマスク

登録日:2014/08/12 Tue 10:12:22
更新日:2024/03/03 Sun 17:04:26
所要時間:約 20 分で読めます






背中のタトゥーに刻んでほしいのは、お前か


ケビンマスクは漫画キン肉マンⅡ世』の登場人物。
CV:置鮎龍太郎(TVアニメ版)


◆概要◆

所属- 新世代正義超人悪行超人→フリー超人→新世代正義超人(アイドル超人)
出身地 - イギリス・ロンドン
年齢 - 18歳(作中初登場時)
身長体重 - 218cm 155kg
超人強度 - 117万パワー
好物 - フィッシュ&チップス
異名-『難攻不落の鉄騎兵』『鉄面の鬼公子』『d.M.p.最大の禍(わざわい)』etc…
キャラクターソング - GOD SAVE THE QUEEN(歌:置鮎龍太郎)

新世代超人(ニュージェネレーション)の一員にして前作・『キン肉マン』の主要登場人物、伝説超人ロビンマスクの息子。
名門・ロビン王朝(ダイナスティ)を背負って立つ後継ぎとしての期待をかけられ、
幼少期より父ロビンから超人レスラーとしての英才教育を施され育つ。しかし、その教育はロビンの一方的なエゴの押し付けでもあり、
勉強とトレーニング漬けの毎日の息苦しさと家名を背負うことへのプレッシャーに耐えきれず8歳の頃に家出。
堕落した放蕩の日々を送っていたところを悪行超人のスカウトを受け、
あろうことか悪行超人の総本山d.M.p.(デーモン・メイキング・プラント)の構成員となってしまう。

不良時代はストリートファイトを通して相手を痛めつける暴力の快感に酔っていたが、
その内d.M.p.の悪行超人らの理想と己の考えに齟齬を覚えるようになっていき、
行動を共にしていたテルテルボーイMAXマンがd.M.p.の理想に反する醜態を見せながらキン肉万太郎をはじめとする新世代超人に敗れ去る姿を見たことで
愛想を尽かしd.M.p.から脱退。以降は正義でも悪行でもない孤高のフリー超人として独自のスタンスを取るようになる。

しかし、第22回超人オリンピック・ザ・レザレクション開催時にイギリス代表として参加して以降は新世代正義超人に復帰した形となり、
悪魔の種子(デーモンシード)の攻撃でミートが奪われた時には邪悪道から更正したスカーフェイスらと共に『アイドル超人』を名乗り奮戦。
以降も友情パワーを武器に地上の正義と平和の為に闘い続けている。

本作に登場する超人の中では正義・悪行の垣根を越えて最強クラスの実力者であり、
加えて良き友や師とのめぐり逢いを経て心身共に天井知らずの成長を続けるナンバー1超人。
デビュー戦から329戦、一度もタップとKO負けを喫したことがなく「無敗伝説」を持つと語られる
(厳密にはVSデモリッションズ戦で敗れているが、これはタッグマッチなのでシングルとしての戦績は未だ無敗のまま)。
超人オリンピックでは、主人公の万太郎をも打ち破り優勝を果たしており、プレイボーイ版では唯一万太郎に勝利している超人である。
尚、アニメの最終回では万太郎に、Vジャンプ版ではドゥームマンに敗北を喫している。

読者人気も圧倒的であり、人気投票では、第1、2、3回、及びVジャンプ連載の『キン肉マンⅡ世〜オール超人大進撃〜』でも1位の4連覇。
第4回人気投票では2位に転落したが、出番の少なさが響いたとフォローが入っている。
作者・ゆでたまごもこれに関しては「予想以上の人気」と評しており、主人公の万太郎の不人気っぷりを絡めて、
作品タイトルを『鉄騎兵ケビンマスク』に改題するというブラックジョークが振られたことすらある。
その際万太郎に天井からドリフの如く金盥をぶつけられ、「お前にビッグ・ベン・エッジかけたるー!」と万太郎を追いかけた。
アニメ版Ⅱ世EDテーマで『最強のチャンピオン♪』と謳われるのも納得の扱いである。

…その一方で中盤以降は物語の焦点が万太郎&ケビンの動向に傾きがちで、実力的にもこの二人の二強状態が際立ちすぎたために
他の多くのキャラクターが割を食い、『キン肉マンⅡ世』という作品そのもののバランス崩壊を促してしまったという負の側面もある。



◆容姿◆
年齢的には18歳の少年なのだが、そこは超人。体格は身長2m・体重150㎏超の筋骨隆々たる偉丈夫である。

◎マスク
ロビン王朝出身の超人共通の特徴として、騎士の兜を思わせる鉄仮面で素顔を覆っている。
ケビンのマスクは濃い青色をしており、父ロビンのマスクに比べより鋭く攻撃的なシルエットが特徴。隙間から覗く眼はロビンがなのに対してケビンはオレンジ
マスクの隙間から長く伸ばした髪がはみ出ているところは悪魔将軍にも似ている。
日常生活においても決して外さず、付けたまま飲食も可能で、マスク越しに水をゴキュゴキュ飲んだり
アニメでは有機的にマスクの口元を動かしてポップコーンを咀嚼するシーンがある。
このマスクは悪魔超人アトランティスとの水中戦で不覚を取ったロビンが、
我が子の代では必ずやその弱点を克服するという固い決意を込めて設計・鍛造したもの。
マスクの裏には酸素を取り込むレギュレーターが組み込まれており、長時間の水中活動が可能となっている。
また、常時このマスクを装着して生活していることで、ケビンの血中酸素の量は超人であることを別にしても非凡の数値に達しており、
高いスタミナに繋がっているほか、輸血にも適している。
マスクに付いている羽飾り(ピアス)にも多少ながら酸素濾過機能は付いている模様。
なおこのピアス、マスクの右側についていることからケビンにホモ疑惑がかけられることも…
…VSアトランティス戦の敗北は単に卑怯な人質戦法にはめられただけな気もしないでもないが、
それを言い訳にしない生真面目さがいかにもロビンらしい。

また、超人オリンピックの決勝戦ではロビン王朝凋落の原因となった一戦、第20回超人オリンピック決勝戦にて
ロビンがつけていたマスク自分のものと同じ形状に改造した上で装着、雪辱を胸に万太郎との試合に臨んだ。
この改造マスクは年季から来る微細な傷や擦り減りに加え、バイザー部分に斜め一文字の大きな傷跡が走っている
(ちなみにこれはロビンがTVカメラのコードに足を引っ掛けてこけた際、コーナーの鉄柱にぶつけてできたものである)。

試合中、万太郎の攻撃でもう一条の傷が入ったことで十字傷となったが、ロビン王朝の怨念が宿ったか
そこを狙ってトゥキックを放った万太郎の足を咬みつくように挟み込み、そのまま持ち上げるというオカルティックな現象を起こした。
ケビンが勝利し、その怨念が浄化された(アニメでは敗北したものの、満足する試合が出来、ロビン家のキン肉族に対する蟠りがなくなった)ことで傷は消え去った。

この他に、悪魔種子編ではタッグパートナーだったスカーフェイスの弔い合戦となるVSデモリッションズ戦で
顔半分だけをスカーフェイスの顔を象ったオーバーマスクで覆って登場したことも。



◎コート
ケープの付いた黒のロングコートを愛用しており、オフの時はほとんどコート姿。


◎歴史の鎧(ヒストリーアーマー)
本気を出して闘う際はリングコスチュームとして一族伝統の『鎧』を身に着ける。
素材は先祖の鎧の破片を少しずつ集め鋳溶かすことで完成した究極の合金鋼鉄?サファイア?であり、
ダメージ軽減・回復効果を持っている。
白銀を基調とした父や祖父の鎧に対し、ケビンの鎧は伝統に反逆するかのようなブラックカラーで、
デザインも肩に棘を生やしたダークヒーロー然とした雰囲気。
肩の棘を相手に突き刺しながら放つ技など、ネプチューンマンのチョッキのような
攻撃的な機能も活用している。
超人オリンピック編以降、完全に正義超人に転向してからは色合いがブルーに変化している。



◎スパイダーネスト・タトゥー
ケビンの背中一面に彫られたタトゥー。巨大な蜘蛛の巣と、そこに絡め取られた無数の超人という悪趣味な図柄で、
彫られた超人は実際にケビンが倒した対戦相手である。ケビンの勝ち星が増えるたびに、その人数は増える。
元は親への反抗の意志の象徴として入れたものとのこと。



◎素顔
究極の超人タッグ編、ジ・アドレナリンズVS世界五大厄(ファイブ・ディザスターズ)のシノバズ・ポンド・デスマッチにて
ロビンからマスクを引っぺがされてモニターに素顔が大写しにされている(顔の上半分は伸びた前髪で隠れていたが)。
外に漏れている髪は金髪(アニメでは暗い緑色)だが、前髪にはメッシュを入れている。
また、アゴヒゲを生やしており、イメージ通りイケメンではあるがタイプとしてはワイルドで男らしい雰囲気のようだ。



◆性格◆
物語スタート時点では甘やかされてダメになってしまっていた主人公の万太郎とは対照的に
エリートの父に厳格に育てられた反抗から不良になってしまったというコンセプトのキャラクター。
そのため基本的に口調もぶっきらぼうでやさぐれたものである。

ドライな個人主義者で馴れ合いを好まない一匹狼気質の持ち主。
自由を尊び誰の指図も受けず、超人としての属性や派閥にもさしたる関心は無い。
中身の無い建前や権威・伝統といったものに対しては常に反抗的で、
正義超人入りした後も自身のMVP表彰の長い前置きに閉口してチンピラのように野次を飛ばすなど、大人げない行為が目立つ。

ただし、ケビンの非行はあくまで父・ロビンマスクの存在を前提にし、
それに反抗するだけの主体性の無いファッション的なものであり、
大多数の性根の腐った悪行超人のように心の底から悪事を楽しんでいるわけではない。
悪行超人時代のケビンは箱入りのお坊ちゃんが未知の刺激に触れてハイになってるだけの状態ともいえる。…というか苦手なのはロビン個人だけで、家族や実家のことは大切にしているように見える。

芯の部分では人並み以上に負けず嫌いで血気盛んな若者。正義感も強く卑怯な振る舞いや筋の通らないことは大嫌い。
リングの中では残虐ファイトも躊躇いなく実行に移すが、試合のルールそのものを破ったことは一度も無い。
また、常に『最強の超人になりたい』というストイックな意志を抱いており、
自己実現のための努力は惜しまない。
また、恐山で死に別れた我が子を偲ぶ母親を見て墓前にテディベアを手向けるなど
他者に構われるのはあまり好まないが決して人情の機微が理解できない冷酷な男ではない。

人生の師であるクロエに出会ってからは、かつての頑なさが氷解し、
相手の気持ちを思い遣って飾らない優しさを見せたり、最良の結果の為にプライドを殺して頭を下げるなど、
精神的にも大きな成長を遂げている。




必殺技

初代に比べ格闘技漫画として大幅な進化を遂げ、決め技となる『フェイバリット・ホールド』以外にも
必殺技が細分化した『Ⅱ世』作中でも特に多彩な技と戦術の持ち主であり、その総数は膨大な数に上る。
ロビンの英才教育で叩き込まれた正統派テクニックに加え、d.M.p.時代に残虐ファイトのノウハウをも取り込んだことで
いかなる属性の超人を相手にしようと一切の死角を見せぬボーダレスな強さを発揮する。

当初は父へのコンプレックスからロビン王朝の伝家の宝刀である『タワーブリッジ』を使うことに抵抗を覚えていたが、
クロエの説得を受け、一転して意欲的に父の畢生の大著『ロビン・ザ・フェイバリット』から数々の高等テクニックを吸収。
超人オリンピックではロビンマスクウォーズマンという2大レジェンドの全戦力を受け継ぐこととなった。

また、一匹狼な気風とは裏腹にタッグマッチにおいても柔軟な立ち回りを見せ、即興で複雑なツープラトンを見せている。

打撃系


◎カーテンコール・キック
相手の頭上から速射砲の如く両脚で踏みつけ気味の連続蹴りを放つ。


◎ハートアタックスティンガー
相手の体勢を崩したうえ、コーナートップでバック宙し、相手の心臓めがけて放つニー・ドロップ。


◎ケビントルネード
ブレイクダンスのヘッドスピンの要領で逆立ちして高速回転し、竜巻のような連続蹴りを繰り出す。


◎超人削岩機(マッハ・パルバライザー)
戦略No.38。両手を前方に伸ばした状態で矢のように錐もみ回転しながら突撃する。
その実態は『ベアークローの無いスクリュードライバー』だが、コーナーポストの鉄柱を粉々に破砕するほどの威力を持つ。


◎暴風雨(ストーム)エルボー
戦略No.10。立った相手の肩に乗った状態から、無防備な頭部にエルボーパッドの嵐を見舞う。
かのウォーズマンが超人オリンピック・ザ・ビッグファイト決勝戦でキン肉マンをKO寸前まで追い詰めた戦慄の技だが、
ケビンが使用したものは立った相手に三角絞めを極めながらエルボーを放つという更なる改良が施されている。




関節・寝技系


◎OLAP
戦略No.THE END。相手の背後から両足を内側から引っ掛け、両手をチキンウイングにかける、
ウォーズマンの必殺技『パロ・スペシャル』と対をなす究極の関節技。
ビッグベン・エッジと並ぶケビンマスク最大の奥義でもある。過去に父・ロビンマスクが開発したものの、
非常に難易度が高く実戦では誰も使いこなせず、長らく未完の技となっていた所をクロエのコーチにより極める。
第22回超人オリンピック決勝でフィニッシュに使われ、火事場のクソ力を発動した万太郎でさえもクラッチを外すことはできなかった。

技名の由来は作中の「パロ(PALO)・スペシャルのリバース技」であることから。
ただし実際のプロレスラー、ジャッキー・パロが使用した「パロ・スペシャル」はOLAPと同じフォームであり、
ウォーズマンの使っている方が『裏パロ・スペシャル』というのが正しい。

究極の超人タッグ編では、ロビンマスクが開発したのではなく、ロビン王朝に伝わる技となっている。
また、ウォーズマンにも伝授したが難易度が高く習得できなかったと語っている。
『キン肉マンII世〜オール超人大進撃〜』では「ORAP」との表記もある。


◎タワーブリッジ
ロビン王朝の至宝たる必殺技。フォームはアルゼンチン・バックブリーカーだが、
ギブアップしない相手はそのまま背骨をへし折り真っ二つにしてしまう程の恐るべき威力を誇る。


◎ロイヤル・ストレッチ
リングロープを利用した関節技。ロープを隔てて逆さまの状態となり、相手の脚を両脇に挟み、両脚を相手の脇の下に通して固め、
身体を反らせて締め上げる。現実にも同名のプロレス技があるが内容は大きく異なる。


◎S・T・F
現実のプロレス技では『ステップオーバートゥホールド・ウィズ・フェイスロック』(Ⅱ世ではセイウチンも使用)の略称だが、
ケビンの場合は一捻り利かせて『ステップオーバートゥホールド・ウィズ・フルネルソン』の略となっている。




激突系


◎ビッグベン・エッジ
ケビンマスク最大最強の必殺技。
空中で逆さの体勢になった相手の腕・足・頭を側面からロックして脳天からリングに叩きつける。
技名はそのフォルムがウェストミンスター寺院の時計塔ビッグ・ベンのような重厚さを醸し出していることからつけられたもの。
超人オリンピック決勝戦ではダメ押し気味にOLAPで無力化された万太郎に放ち、勝利を確実なものとした。
その際、「今までで一番手ごたえがあった」と言っている。

アニメではOLAPの影響で肩と腕の関節が緩んでいたため、万太郎に脱出を許してしまった。

なお、相手を上空に吹き飛ばすための前工作として受け手の両腕をゴム飛行機のプロペラのごとく捩じり上げる独特のムーブがあり、
悪行超人時代、野試合でガゼルマンと交戦した時はこのムーブまで仕掛けたもののビッグベン・エッジ自体はかけず、
そのまま落ちてきたガゼルマンを足の甲で優しくキャッチしてあげている。
ゲーム『キン肉マン マッスルグランプリ』ではこの一連の動作を
相手の技ゲージを0にする屈辱技『プロヴァケーション(挑発)トゥキック』として採用している。

また、現在WEB連載中の最新作『キン肉マン 完璧・無量大数軍編』でロビンマスクがこの技に酷似した
ブリティッシュ・スティール・エッジなる技を放っているが、関連は不明。
また、ロビンいわくあくまで『暫定』超必殺奥義であり、この時点ではまだ未完成であったことが察せられる。

なお、現実のプロレスでもこの技を再現した選手がいる。
かつてNOAHに所属していた鈴木鼓太郎が、ファン感謝祭でケビン・マスクに扮して*1披露した。しかし流石に原作のような高度での再現ではなくまた非常に受け身の取りづらい形になったためか、暫くの間封印していた。

◎ロビン・スペシャル
タワーブリッジと並ぶ父・ロビンマスクから受け継いだ必殺技。
空中に投げ上げた相手の首に両脚を引っ掛けて落下し、逆立ちで着地することで首四の字を極める激突技だが、
ケビンは空中で仕掛けた時点で首四の字を極めてしまうというアレンジを行い、より隙のない仕上がりとなっている。


◎ロメロ・スープレックス
ロメロ・スペシャルの体勢から飛び上がって相手の頭部をマットに叩きつけるスープレックス。


◎トルネード・フィッシャーマンズ・スープレックス
フィッシャーマンズ・スープレックスの強化版で、相手を抱えたまま高く舞い上がり大きく捻りを加えて落下する。


◎ビッグ・プロブレム・スープレックス
肩固めの体勢から上体を反り返らせてそのまま相手にスープレックスを敢行する。




ツープラトン


◎戦術(ストラテジー)B~G
スカーフェイスとブラッド・エボリューションズを結成した際に披露したツープラトンの数々。
d.M.p.時代から使い込んできた技なのか、ツーといえばカーの呼吸でスムーズに繰り出せる。
九龍城落地とブレーンバスターを組み合わせたようなフォームの戦術Gなど、
どれも豪快かつ強烈な技なのだが、チートじみたタフネスと回復力を誇る
再生アシュラマンボルトマンの怪物タッグ、ザ・デモリッションズの前にはどれも決定力不足だった。


◎NIKU→LAP
万太郎とのタッグ、ザ・坊ちゃんズを結成した際に即興で完成させたツープラトン。
『にく・らっぷ』と読む。その名の通り、キン肉族の至宝・キン肉バスターロビン王朝幻の奥義・OLAP
ひとつの相手に同時にかけながら落下・激突させるという超絶必殺技。
ザ・デモリッションズへのリベンジ戦で怪物ボルトマンをKOした。


◎マッスル・キングダム
究極の超人タッグ編のフィナーレを飾った驚天動地のツープラトン。
特訓の末に万太郎が会得したマッスル・スパーク『地』(旧作のアタル版マッスル・スパーク)と
ケビンのビッグベン・エッジを組み合わせ、対戦チームを2体同時にKOする。




特殊系



◎高貴な構え(ノーブルフォーム)
戦略No.32。相手の攻めを待ち受けたうえで後の先を取りカウンターをヒットさせる防御重視の構え。
水の如く全身の力を抜いた隙の無いフォームを取ることにより、相手に先手を取られても、それより先に攻撃動作が完了する。


◎野獣構え(ビーストフォーム)
戦略No.33、またの名を『先手千万殺』。ノーブルフォームとは逆に、自ら積極的に相手を攻め立てる攻撃重視の構え。


◎大渦(メイルストローム)パワー
あえて過酷なトレーニングで心身に強い負荷をかけることで覚醒したケビンの潜在能力。
言うなればロビン王朝版・火事場のクソ力とでもいうべきもので、ピンチになるほどその力強さを増す性質を持つ。
旧作の王位争奪編でロビンがロビンパワーなる謎の力でガラスの破片からベル(風鈴)を創り出したことがあり、
それと関連付けるファンもいる。


◎ユニコーンヘッド
本来はロビン家の秘宝・アノアロの杖をマスクのバイザーに装着した形態を指すが、
ケビンの場合はマスクに出来た傷にの破片を捻じ込むことでそれを再現したもの。
究極の超人タッグ編で過去にタイムスリップした際に使ったので、未来の技を前倒しにした形になる。




◆人間関係◆


◎キン肉万太郎
当初は個人単位ではさしたる興味を持っていない様子だったが、
超人オリンピックではその実力を評価すると同時に、親や師匠の代からの因縁を意識するあまり、
怨念めいた苛烈なライバル意識を抱くようになった。無慈悲な猛攻で万太郎を降すが、
勝利(アニメでは敗北)した後は憑き物が落ちたかのように感謝の気持ちを伝えた。
以降も(主に万太郎が原因で)関係に角が立つことはあっても、基本的に「雨降って地固まる」の繰り返しで友情を深めている。
キン肉マン曰く「プライベートでそりがあわない奴ほど強いタッグが組める」との事で、まさにその通りである。


◎スカーフェイス
本名である『マルス』で呼ぶことも多い。d.M.p.時代に同じ釜の飯を喰った仲であり、
地獄の特訓で脱落して死にかけていた所を助けてもらった恩義から(同時にガチスパーリングでしょっちゅう半殺しにもされていたらしい)、
彼が名を変えてジェネレーションEXに潜り込んでいた事実に気づきながらも告発できないなどの負い目を見せていた。
マルス自身は「恩を売っておけば後々利用できるだろう」というド汚い打算でケビンを助けたにすぎなかったのだが、
改心後は共に『アイドル超人』を名乗りタッグチーム『ブラッド・エボリューションズ』を結成するなど
良好な関係を築いている。


◎クロエ
復活超人オリンピック編でケビンのコーチとして現れた謎の超人。
その正体はロビンマスクへの恩返しを望む伝説超人・ウォーズマンである。
ケビンもギリギリまでその正体に気付くことは無く、正体判明後もあくまで『クロエ』として認識している。
最初は反抗的な態度を取っていたが、その的確な指導から次第に師匠として尊敬と感謝の念を抱くようになり、
いつしかケビンの中でも最も大きなウェイトを占める人物の一人となっていた。
ケビンは気付いていないが、悪魔種子編で無茶な特訓をして傷ついたケビンを介抱し、
打倒ボルトマンの秘策を授けてくれた謎の仏師もウォーズマンの変装である。


◎ロビンマスク
ケビンはダディと呼ぶ。当初はハッキリと嫌っていたが、
原作では面と向かい合って口論・戦闘するようなシーンは無く、
苦手意識から避けているといった印象が強い。
超人オリンピック編で心境の変化が起き、ロビン家の威信を背負う意識が芽生え、
徐々に親子仲は修復されていった。
タイムスリップで過去に向かった際、若かりし日のロビンと邂逅したが、
伝説・新世代間の誤解や軋轢を乗り越えるのもロビンが最も早かった
(ケビン以外にもテリー・ザ・キッドをタッグパートナーに選んでいる)。
ゲーム『キン肉マンジェネレーションズ』では対戦させると無言で睨みあうという険悪な専用デモが流れるが、
同時にタッグ『ダイナスティーズ』を結成すると専用ツープラトン『テムズの激流』感動的なドラマが見られる。


◎アリサ
旧姓マッキントッシュ。現在はアリサ・ロビン。
前作から登場しているロビンの妻でケビンの母。こちらは決して嫌っているわけでは無く、今でも大切に思っている。
世界五大厄(ファイブ・ディザスターズ)の魔の手にかかり彼女が瀕死の重傷を負った時は、
己を省みない捨て身の献身で輸血を成功させ、命を救ったばかりかロビンの信頼をも勝ち取った。
ちなみに彼女は普通の人間なので、ケビンは血統的には超人と人間のハーフということになる。




◆劇中の活躍◆


【序盤】


d.M.p.と手を切ってからのフリー時代は言い換えてみれば正義VS悪行の構図から外れるということであり、
必然的にケビンの活躍場面は少なく、リングの外で傍観者に徹している感が強い。
伝説超人ブロッケンJr.弟子ジェイドをはじめとするヘラクレス・ファクトリー2期生と万太郎ら1期生の
地球駐屯を賭けた入れ替え戦ではスカーフェイスの正体がマルスであることに気付くも、
義理と人情の板挟みに合い苦悩する。しかし、ブロッケンの忠告を聞き入れ、ついにスカーフェイスの正体を告発。
死闘の果てにマルスが万太郎に敗北した時は、これを機に悪行超人の汚い世界から足を洗ってくれることを祈っていた。

万太郎が火事場のクソ力チャレンジに挑んでいた時は表舞台から姿を消していたが、
長野の山中に籠って特訓の日々を送っていたらしい。




【第22回超人オリンピック】


ケビンが本格的に強豪超人として歯止めのきかない大暴れを見せ始めるのは
第22回超人オリンピック ザ・レザレクション開催が決定し、イギリス代表選手として参加してからである。

コーチ兼セコンドである『漆黒の脳細胞』・クロエのサポートを受け飛躍的な成長を遂げたケビンは
大会予選を好成績で軽々とクリア、決勝トーナメントでは一度は決まりかけていたシード枠を自ら蹴って
1回戦から堂々と勝ち抜き優勝するという意志を示した。

トーナメントでは韓国のチヂミマン、オランダのレゴックス*2に圧勝。
それと並行して新たなる力『大渦パワー』の調整を行っていた。
準決勝戦ではロシア代表イリューヒンに同郷の誼からクロエ=ウォーズマンのアドバイスが滞ったことで窮地に陥るも、
クロエが迷いを振り切ってからは猛烈な逆襲を開始、隠し玉の超必殺技『OLAP』で両腕をもぎ取り、
高所から投げ落とすという容赦のないトドメを刺して勝利を収めた。

このように、当初は正義超人として参加したのは形式のみで、勝つために無慈悲に徹するヒールとしての要素も強く、
アニメでケビンを演じた置鮎氏はこの頃のケビンを「かなり悪い奴」と評しており、
同時に残虐シーンを演じるのを楽しみにしていたと語っている。

決勝戦ではケビンは父・ロビンへの蟠りを捨て、実家から持ち出した傷の入ったマスクを改造し装着。
試合は序盤ケビンが優勢になるも、万太郎もケビンのマスクに新たな傷を入れるなど譲らず、
闘いは大渦パワー火事場のクソ力のぶつかり合う一進一退の攻防となるが、
万太郎の必殺技『マッスル・ミレニアム』を秘策・戦略№スペシャル0で回避したケビンは反撃のOLAPで万太郎の両腕を破壊。
とどめのビッグベン・エッジで勝利し、超人オリンピックの覇者となった。

試合後、ケビンは自分の能力以上のパワーを出し戦えたことを万太郎に礼を言う。
同時にキン肉族打倒を果たしたことによりマスクの傷は消えた。

なお、アニメでは超人オリンピックで完結のため、「主人公が負けて終わるのもどうか」ということで、ミートくんが間に合い、『マッスル・G』を編み出して万太郎が勝利して終わる形に内容が改変されている。
試合後、互いに健闘を称え再戦を誓い、それに呼応するかのようにマスクの傷が消えるというところは共通している。
ゆでの方も、「決勝は万太郎とケビンどちらに勝たせるか相当に迷った*3」そうなので、アニメにて万太郎勝利案を採用したと言えるだろう。

これ以降ケビンの言動からは刺々しさが抜け、本格的に正義超人としての道を歩み始めることになる。




【VS悪魔種子】


恐怖の将・悪魔将軍の復活を目論む新世代悪魔超人軍・悪魔種子(デーモンシード)の
待ち構える闘技場『ジェネラル・パラスト』邪心を抱いた超人でなければ入場できないという制限があったために元悪魔超人のバッファローマンが悪魔化することで通過、チェックメイトがバリアに阻まれる中、ケビンは脛に傷持つ仲間(スカー、ハンゾウバリアフリーマンイリューヒン
と共に『アイドル超人』(7人の悪魔超人に挑んだスグル達がそう呼ばれていたことにちなむ)を名乗り参戦する。こいつら改心してるんじゃないのか。いつものゆで

同じく強豪のスカーフェイスと共にタッグマッチに挑み、人気キャラ同士ゆえ勝利確定かと思われたが、
対戦相手のザ・デモリッションズジェネラル・ストーンの力で若返り全盛期の力を取り戻したアシュラマン・再生(リボーン)の率いる
規格外の怪物タッグであり、叩きのめされた挙句スカーは消滅完全敗北を喫してしまう。

しかも超人オリンピックでの敗北のショックを引きずるあまりケビンに対して卑屈な嫉妬心を捨てきれない万太郎
『スカーフェイスを見捨てた』というあらぬ言いがかりをつけられたことでケビンも反発、最強タッグ結成は絶望的となってしまう。

しかし、謎の仏師のアドバイスからボルトマン打倒の秘策を見出したケビンは万太郎と合流、
ザ・坊ちゃんズ」とデモリッションズに揶揄されるが、当初はバラバラだったチームワークも
身を呈して万太郎の窮地を救い、タッグに必須な『勝利に貢献する心』を説くことで回復にこぎつける。

体内の電子レンジで相手を焼殺するボルトマンのエレクトリックパワーを
自身の肉体に金メッキ(原料:サンシャイン)を施すことで破り、万太郎との合体技・NIKU→LAPで撃沈。
これを最後に力尽きてしまうが、万太郎がアシュラマンに勝利したことで
再生ダイアモンドの効果によって復活を遂げた。




【究極の超人タッグ編】


そもそもこのシリーズ自体が、過去にタイムスリップした敵がロビンを殺害したために
タイムパラドックスで消滅の危機に陥ったケビンを救うべく正義超人が時を超えるという流れなので、
終盤までケビンは助けを待つヒロイン状態である。

ロビン殺害は阻止できたものの、今度はアリサさんが重傷を負わされてしまったので
結局元の木阿弥。黒いビキニパンツ一丁でX字型のクリアベッド(水槽)に閉じ込められ培養液漬けにされるという
変態的なビジュアルのまま延々と昏睡状態で生死の境を彷徨い続ける。

しかも見張りをしていたイケメン・マッスルが持ち場を離れたことにより、
世界五大厄(ファイブ・ディザスターズ)に連れ去られ人質にされてしまい、いよいよ囚われのプリンセス(ただしガチムチ)めいたポジションに。
…余談だが、このシリーズはイケメンの父親であるハラボテの強欲さ・醜悪さがこれでもかと描かれており、そこにきてこのイケメンの愚行でいらんピンチを招いてしまい、
ただでさえ低いハラボテ一族の株がますます下がりまくっていた。

予断を許さぬアリサの様態に左右され、ロウソク・ビフォア・ザ・ウィンド状態だったケビンだが、
ポンコツウォーズマンのデバイス提供によって彼女の様態が峠を越したことでついに復活、
控え室のクリアベッドから脱走して満足に動けない身体で樹海をさ迷っていたところを
キン肉マンテリーマン・ロビンマスクの正義超人三馬鹿三羽カラスにより発見され、彼らによりリハビリ及び特訓が行われる。
ちなみにその時「ギタギタ」などと、正気を保っているのか分からない言葉を発していた。
その後、本来のパートナーであるカオス・アヴェニールを失い一人で世界五大厄と闘おうとする万太郎の前に、
カオスも纏っていたキン肉マングレートのマスクとコスチューム姿で現れる。
…ちなみにマスクは、鉄仮面の上から被っている。モップを被ってバラクーダに化けた親父にそっくり。


最初万太郎はカオスが復活したと思っていたが、世界五大厄に正体を見破られてしまう。
自分のパートナーはカオスだけという考えからケビンとの共闘にわだかまりのあった万太郎だが、
カオスが起こした奇跡とケビンの心からの懇願(DO・GE・ZA)によりわだかまりが解け、共に世界五大厄に立ち向かう。

チート使用でライフゲージが一向に減らない五大厄だが、サンダー&ライトニングの心の綻びを衝くように
奇跡のツープラトン『マッスル・キングダム』が炸裂、ついに勝利する。

優勝した万太郎とケビンはトロフィーを引き抜き、諸悪の根源である完璧球根(コンプリートバルブ)を抹消。
トロフィーをマシンガンズに返還し、仲間たちと共に未来へと帰還した。






◆余談◆

★ケビンという名前は実在のプロレスラー『ケビン・フォン・エリック』から。
作中では両親が恋人時代によく通っていたパブ「Kevin's bar」から名づけたと語られている。
なお、勝利時に特徴的な開脚ジャンプを見せることがあるが、これもケビン繋がりで
格闘家『ケビン・ランデルマン』のムーブから来ている。
アニメでは万太郎と再会した際、「ビンマスク」と名前を間違えられ、
「誰がシビンだ!俺の名前はケビンマスクだ!バカタレ!」
と激怒したことも。
アニメオリジナルのギャグシーンとはいえ、ダディから貰った自分の名前は大事なようだ。
「尿瓶」などと言われたくはないだろう。

★実は初出は『Ⅱ世』ではなく、キン肉マンの後日談を描いた特別編『マッスルリターンズ』。
時系列的には王位編終結から5年後を描いた作品だったが、当時は続編の構想など影も形もなかったため、
ケビンもロビンマスク似でスラリとした少年のような体格にデザインされ、とても礼儀正しいキャラクターになっている。
Ⅱ世発表後は時系列に合わせた形で再筆され、頭身が縮んだうえにマスクのデザインも現在と同じものに変更された。
(また、同様の理由で成長後のミートがジェロニモに差し替えられている


★悪行超人時代、人間のプロレス試合に乱入しプロレスラーS(スタン)・ハリスンにビッグベン・エッジをかけ殺害している。
ファンにとっては完全に黒歴史。まあ、ゆでだから仕方ない。


★人気投票トップ常連のケビンだが、実は第3回人気投票時はクロエの正体はウォーズマンだと
大部分の読者にバレていた頃行われたものであり、クロエウォーズマンそれぞれの名義で別々に票が入った結果、
2位クロエ9位ウォーズマンとなり、これらの票を合計すると1位はウォーズマンということになる。
おそるべし、ファイティング・コンピューター人気!!

★実はケビンのビジュアルは、王位争奪編連載中にジャンプ誌上で行われた
キン肉マンのリングコスチューム募集イベント神奈川県・今井隆くんから送られてきた
ロビンマスクの強化案『ロビンマスク・スーパー』が時を超えたモデルとなっている。
万太郎やテリーマンの息子テリー・ザ・キッドの服装もこのコスチューム募集で
キン肉マン・テリーマン用に送られてきたものが参考にされており、読者からのアイデアを無駄にしない
ゆでたまご両氏の熱意を感じられる。




追記・修正?勝手にやりな

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • キン肉マン
  • キン肉マンⅡ世
  • ロビンマスクⅡ世
  • 超人
  • 悪行超人
  • 正義超人
  • アイドル超人
  • 新世代超人
  • ロビン王朝
  • 覆面レスラー
  • 不良
  • 最強
  • 最強候補
  • チャンピオン
  • 真の主人公
  • チャンピオン
  • 家出息子
  • 鉄仮面
  • 鉄面の鬼公子
  • 難攻不落の鉄騎兵
  • キン肉マングレート
  • ライバル
  • ダークヒーロー
  • 残念なイケメン
  • 無茶特訓
  • 奇行子
  • d.m.p
  • ケビンマスク
  • ブラッド・エボリューションズ
  • ザ・坊ちゃんズ
  • ヤング・マスターズ
  • 置鮎龍太郎
  • 超人レスラー
  • ニュージェネレーションズ
  • イギリス
  • 毒親育ち
  • 結構重い過去持ち
  • 本当は優しい人
  • 父との不和

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月03日 17:04

*1 興行がハロウィンの時期だったこともあり、選手は勿論、観客・実況アナ・中継スタッフに至るまで全員なんらかのコスプレか覆面を被って参加するという試みだった。

*2 アニメではブロックス

*3 結局、「万太郎には一度挫折を味わわせた方がいい」とケビン勝利案が採用されたとの事。