実は私は(漫画)

登録日:2014/08/11 (月) 23:42:00
更新日:2023/12/04 Mon 23:53:20
所要時間:約 11 分で読めます






ちょいアホ人外ヒロインラブコメ




『実は私は』とは、週刊少年チャンピオンで連載されていた人間と人外による恋愛を描いたラブコメ漫画である。

作者は増田英二氏。全22巻。
近年急速に市民権を得た「人外娘」をテーマとしている。
2015年夏にテレビアニメ放映。

【概要】

高校を舞台とした、人間である主人公・黒峰朝陽と、吸血鬼であるヒロイン・白神葉子の異種族恋愛物語。
吸血鬼に限らず、本作には宇宙人や人狼、文字通り悪魔や天使など、様々な人外たちが登場する。
そんな人外たちと、彼女らに振り回される朝陽たちによるドタバタ劇が繰り広げられる。

大まかなあらすじはある日葉子が吸血鬼であること、
それが知られたら学校に居られなくなってしまうことを知った朝陽が、絶対に秘密を守ることを宣言し、葉子と友達になる。
葉子の秘密を守るため、そして葉子に告白するため、日々奮闘する朝陽。

そんな彼の前に様々な秘密を抱えた人外たちが現れる、というもの。


基本的にコメディ要素が強く、シリアスな展開はあまりない(というよりシリアスになりそうでも、大抵次のページで元通りのノリになる)。
ヒロインたちもアホの娘成分強めであり、作品全体に明るい雰囲気が漂う。というか登場人物のほぼ全員がアホである。
そのためか、作中の人物に極悪人の類はいない(ダメ人間はいるが)。
ヒロインと主人公の関係も初期から良好であり、あまりギクシャクしていないのも、明るい作風に一役買っている。

【登場人物】

本作における主人公で高校二年生。物語開始時点で葉子に惚れていた。
彼女が吸血鬼であると知った切っ掛けになったのは、放課後、彼女に恋文を渡そうと決意したことである。
秘密を守り、葉子を学校に止めようとしたのは、彼女に惚れていることもあったが、葉子が孤独になることを恐れた気持ちが強かったからである。下心もあるが心優しい一面を持つ。
葉子とは当人たちの性格から、始めから親しい関係を築いていた。
そのため、周囲からは「付き合うのも時間の問題」と思われていたが、葉子が朝陽への好意を自覚しきれていなかったため、朝陽からの告白は尽く空振りに終わっていた。
そんな時、華恋によりセッティングされた遊園地でのデートで葉子からキスをされる。
そして修学旅行、朝陽への恋心を抱いた渚により告白を受ける。
修学旅行後、葉子との関係がギクシャクし始めるが、渚の好意を振り切り、遂に葉子に告白。晴れて二人はカップルとなった。
三年に進級した後、進路に悩んでいたが、葉子のような秘密を抱えた者たちを助けたいという気持ちから、教師を志す。
現在葉子・渚・みかんの3人から好意を寄せられている。
家族構成は両親と妹が1人。

思ったことがすぐに顔に出てしまい、隠し事が全くできない「穴の開いたザル」、通称「アナザル」という仇名を持つ。
作中ではよく「ヘタレ」と言われるが、みかんからの告白を「葉子が好きだから」と断るなど、そこまで優柔不断ではない。
むしろ、半ばハーレム状態にありながら一貫して葉子に好意を寄せる姿は十分漢らしいと言える。*1
主人公だが、出番が少ない妹より人気投票の順位が低かった。


  • 白神葉子(しらがみ ようこ)CV:芹澤優
メインヒロイン。実は吸血鬼(厳密には吸血鬼と人間のハーフ)。
関西弁で話す陽気な性格。父親と母親の恋物語に興味を持ち、「吸血鬼であると知られたら高校を辞める」ことを条件に高校へ進んだ。
……のだが、ひょんなことから朝陽にばれてしまい、それが切っ掛けで朝陽と「友達」になる。
恋愛面には疎く、鈍い彼女であるが、いわゆる「ツンデレ」ではないため、朝陽とは初期から良好な関係を築き、その周囲の人物とも早期に打ち解けている。
両親のもとから離れてアパートで1人で暮らしている。

陽気で明るい性格であるが、本人は「クールビューティー」であるように努めている。
しかし、クールとはかけ離れた性格と、ナイスバディであるにも関わらず色気もへったくれもないその姿は、「くーるびゅーてぃー(笑)」と馬鹿にされている。

当初は朝陽の好意には気が付いていなかったが、朝陽に好意を寄せる周囲を見て、胸が痛くなるなど朝陽と両想いであるような描写が多くなってきた。
そんなこんなで周りのプッシュを受けてデートする、勢いでキスしてしまうなどのイベントを経てついに朝陽が告白し、晴れて恋人同士となる。三年になってからは、朝陽同様に教師となることを目指している。
だが、それとともに黒峰朝陽への吸血衝動が抑えられなくなっている描写が多々ある。

朝陽のクラスの委員長。本作屈指のアホ。
実は小型の宇宙人で、普段の姿は活動用のロボット(見た目は頭のアンテナ以外ほぼ同じ) 地球の調査をする傍ら、学校生活を送っている。
「アイアンレディ」と称されるようにドがつくほどの真面目キャラだが、ダメ人間である兄・涼の影響もあって、けっこうずれた真面目さを持つ。
「傷は浅い方がいい」と、本編の一年前に、自分に好意を寄せていた朝陽を告白される前にフる(かなり情け容赦のないフり方で)。
しかし、その後葉子の秘密を知り、その過程で朝陽とも親交を持つことで、朝陽に片思いをすることとなった。

葉子とは親友と呼べる間柄になり、朝陽と葉子の関係を考え自分は身を引こうと度々努力するが、結局朝陽への恋慕を捨てられず、踏ん切りが付かないでいる。
マンションに1人暮らししており、隣の部屋に獅穂が住んでいるため校内・校外問わずちょくちょくセクハラされているが、お互いの正体については知らない。
人気投票では第一位を獲得した。

朝陽と葉子が恋人同士になったことを知りながらも自らの想いを諦められない乙女。
日が経つごとに、朝陽への未練は募っていく一方で、胸の痛みに苦しんでいる。頑張れ。

朝陽の幼馴染で、新聞部部長である。
「外道クイーン」の異名を持ち、その苛烈なまでの取材によって新聞部を廃部寸前から立て直すほどの手腕を持つ。
その他にもとんでもないものを混ぜ込んだ「ロシアンシュー」なるシュークリームを作ったりしている。
「外道」と称されるが、そこまで非道な人物ではなく、むしろ常識的な性格をしている。
初期こそ「外道」な一面が強調され、朝陽の天敵として描かれていたが、朝陽へ好意を抱いていたことが明らかとなり、あるきっかけで朝陽に告白する。
それ以降は、朝陽に極端ながら奥手にアタックし続けるヒロイン格の一人となっている。
家が余り裕福でないため、ケーキバイキングの店でアルバイトをしている。
家族構成は弟が2人おり、昔から黒峰兄妹を含めた5人でよく遊んでいた模様。

ちなみにいつもかけている眼鏡は伊達で、本人曰く「外道スイッチ」。
元々は幼いころ朝陽からもらった品であり、大事にしていた。
その縁から、その眼鏡には自称「福の神」なる意思(通称フクちゃん)が宿ることとなった(みかん本人は「疫病神」扱いしている)。

朝陽と葉子が付き合い始めても」なお自分の好意を諦めるつもりはなく、最後に勝てば良いとどこぞの世紀末覇王のような心境に達している。
そして、謎の女(頭にダンボール箱を被った)から、「未来での朝日の嫁は、白神葉子ではない」という事実を告げられ……。

  • 紫々渡獅穂/紫々渡獅狼(ししど しほ/ししど しろう)CV:内田彩(獅穂)
葉子の幼馴染で、「痴女」を自称するグラマーな女性。実は狼男
月(写真でもOK)を見ると、狼男である「獅狼」と入れ替わる。
つまり一般的な狼男のように「狼と狼男」が入れ替わるのではなく「女性と狼男」が入れ替わるという変な狼男。
基本の人格は獅穂にあるらしいが、お互いに会話することも可能。なお強靭な意志があれば、体の一部だけ人格を変えるという奇妙な技もできる。
獅狼は葉子の父に命じられ葉子を連れ戻しに来たが、獅穂は中立に徹しており、葉子を見守っている。
当初は桜田たち同様に、朝陽たちの恋模様を見守る立場だったが……?

獅穂はかなりのオープンスケベで、しょっちゅう脱いだり胸を押し当てるなどして朝陽に鼻血を噴かせているが、それを除けば面倒見のいい姉御肌の人物である。
母親は「カリスマ痴女」と呼ばれ、声だけで鼻血を出させることが可能。獅穂にとって超えるべき壁であり、コンプレックスの対象でもある。
獅狼は硬派な性格で、朝陽同様葉子に惚れている。良いやつではあるのだが、大抵獅穂に弄られたり、凄まじい格好で交代させられたり、そもそも出番が少なかったりと中々不憫。

  • 鬼龍院凛(きりゅういん りん)
朝陽の孫を名乗る少女。実は未来人。腰に剣を挿しており、台詞回しが中二臭い。
自分と同年代の朝陽に会うこと、そして「カリスマ痴女2世」によって乱れた未来を救うことを目的として過去の世界へやってきた。
痴女ではないレジスタンスの証として、スカートの下にスパッツを穿いている。
ちなみにタイムマシンは何故かドラゴンであり、同時に彼女の居住スペースも担っている。しかも賃貸

無口に見えるが、案外口が軽く、機密事項をべらべらとしゃべってしまう迂闊な子。
未来のことを話してしまうことで、未来に帰れない期間が延びてしまう。
みかんのことを「おばぁちゃん」と慕っているが、本当の孫なのかは不明。

  • 紅本茜(こうもと あかね)CV:M・A・O
朝陽たちの高校の校長。見た目は少女だが実は悪魔
幾千年の時を生きているらしく、悪魔らしく絶大な力を誇る。しかし、精神的には完全に子供であり、お菓子が大好き。
葉子とはよく大人げない争いを繰り広げており、周囲を呆れさせているが、時には年長者らしくアドバイスすることもある。
葉子ら人外が入学できたのも、彼女の力に依るものが大きい。
威厳は無いが、その気になれば地球を滅ぼすことも可能だったりする。

後述する玄孫である明里に対してはからかいつつも全く頭が上がらず、よく悪ふざけをしては明里にお仕置きされるということを繰り返している。

  • 紅本明里(こうもとあかり)CV:新田恵美
朝陽たちの担任にして、茜の玄孫。悪魔を親族に持つが、その血は薄く、ほぼ人間である。
しかし、悪魔である必要が無いくらい直接戦闘力が高く、茜も彼女に対しては頭が上がらない。
茜の身内であるため、葉子らの事情も把握している。作中で最も大人な人物であるが、葉子や茜同様に全く色気がない。
ある時誘惑された朝陽の血の気が引いていたほど。

独身であることを気に病んでおり、かつては彼氏探しをしている中不良校を百も叩き潰しており、「百度参りの亜華里」などの異名を持つ。
獅狼はその武勇伝に憧れているが、当の本人は黒歴史としている。
彼氏探しは今でも継続中で、初詣で思いっきりその旨を叫んだ(しかも泣き顔)。

  • 銀華恋(しろがねかれん)
高校の生徒会長。実は悪魔…ではなく天使。羽根の数からそれなりに高位天使な模様。
かつて茜のイタズラで天使の証である頭の輪を生徒会室の蛍光灯にされ、
以来堕天使を名乗り悪魔のような活動を続けているが、元が天使なので全く悪事が出来ないとても良い人
しかし、善意が完全に裏目に出ることもしばしば。
茜に対抗意識を持ちつつも徹底的にいじられているが、明里曰く茜が唯一食事をおごるほど仲が良い。

20年以上無選挙で生徒会長をやらされており、葉子の両親である源二郎や桐子とはその当時からの友人。
正体を知られて学校を去った源二郎を今でも気にかけている。

ちなみに書類仕事の際は眼鏡をかけるタイプ。

  • 嶋田・桜田・岡田
朝陽の悪友たち。朝陽の恋模様を時に温かく、時に面白半分で見守る。
嶋田(通称:嶋)はスケベな性格で、4人の中で最も扱いがぞんざい。実は留年生
桜田(通称:さくらさん)は一見高校生には見えない髭面のオネエであるが非常に人格者である。しかし、実は元ヤンキー
岡田(通称:岡)は朝陽を度々からかうが、時に助言をしたり、葉子と近づくきっかけを作ったりするなど、良き友人である。
…が、実はみかんのことが好き、そして、実は心を読む事ができる。

葉子の父親。娘からは「おとん」と呼ばれる。
巨大な体躯をしているが、若い頃は普通の体型だったらしい。
かつては今の葉子のように正体を隠して高校に通っていた。
朝陽・葉子と同じような経緯で正体を知られた人間の桐子と付き合いながら、
当時から在学していた茜や華恋とも仲良くやっていたのだが、あるきっかけで正体が全校にバレてしまい退学した苦い思い出がある。

娘の葉子が同じ轍を踏まないように(それ以上に悪い虫がつかないように)獅狼や華恋を派遣して監視しているが、なにぶん2人がポンコツなため、
そして源二郎自身もだいぶアホなために未だに朝陽が葉子の事に気づいていること、そして2人が付き合い始めたことの確証を得られていない。

そんなこんなで朝陽達が3年生に進級した日、業を煮やした源二郎は茜の手を借りとんでもない手段で乗り込んでくるのだった。

  • 緑苑坂 弓
3年生になった朝陽達の学級副担任。
和服を着たまさしくクールビューティー美女。
実は吸血鬼……どころではなく……

  • 白神 桐子
葉子の母親。
黒髪な以外は葉子にそっくり。
穏やかな性格だが夫を完全に尻に敷いており、いざ彼が暴走すると日本刀やバールのようなものを手に制裁を下す。
葉子と朝陽の関係は純粋に応援している。

【余談】

本作の「不思議な確信があった…皆同じ言葉を思い浮かべたと。そして…その言葉を絶対口にしちゃいけないと。ここは耐えるしかない。こらえるしかないんだ!!」という場面は、
SNSでツッコミたいけど空気読んで沈黙している意思を示すのに使われたり、ツッコんだら死亡フラグになるような投稿への返信としてよく引用される。


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最終更新:2023年12月04日 23:53

*1 吸血鬼すぐ死ぬとのコラボ時には当時の週チャン一のモテ男と目されていたことからそのモテ力を求めたドラルクに血を狙われた事も。