冴島雷牙(牙狼-GARO-)

登録日:2014/08/06(水)16:07:10
更新日:2023/12/03 Sun 20:33:04
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貴様の陰我、俺が断ち斬る!!

冴島雷牙は、深夜特撮番組牙狼-GARO- 魔戒ノ花の主人公。
名前の初出は、公式外伝『魔戒騎士列伝 鋼の咆哮』。

魔獣ホラーを狩る魔戒騎士の中でも最高位の称号・黄金騎士・牙狼の継承者である。
変身ヒーローものとしては珍しく、オープニングテーマの歌詞のみならずタイトルにもその名前が冠された珍しい人でもある。
(後期オープニング『雷牙〜Tusk of thunder〜』)
演じるのは中山麻聖氏。*1


【概要】


『青の管轄』に属する若き魔戒騎士。
冴島の血と牙狼の称号を受け継ぐ最強の魔戒騎士』。
本作では、魔導具『マ号ユリ型』=マユリと共に古の魔獣エイリスを追う。

父からは強さを、母からは優しさを受け継いだ、笑顔の似合う青年。
普段は再建された冴島邸『雷瞑館』に住み、執事の倉橋ゴンザと暮らしている。
両親はかつてのシリーズで活躍した『あの人』と『あの人』と思われるが、
作品中での明言は避けられている。ファンもとっくにお見通しだが皆まで言うなという奴である。

冴島家は牙狼の称号の継承者を多く輩出した(誤解されがちだが冴島家が独占して世襲しているわけではない)
”ザ・魔戒騎士の家系”ではあるが、回想で描かれる雷牙の少年時代はごく普通の少年のそれに近い。
魔戒騎士を志したのは両親との別離を味わった頃からだと思われ、誰に師事することもない我流の鍛錬でも
熟練の騎士が舌を巻くほどの天才的な技量を身に着けていた。

白いロングコート(魔法衣)を纏い、左手には相棒の『魔導輪・ザルバ』を身につけている。
雷牙の魔法衣は裏地がチェス板のようなセピアと白の市松模様になっているのが特徴で、
毎回のED映像のシメでも法衣の裾が風に翻った時に見えるのが印象深い。

揮う得物は伝家の宝刀・赤鞘の魔戒剣。これは牙狼の象徴でもあり、他の騎士も赤鞘を見ただけで居住まいを正す。


【戦闘力】


最強の魔戒騎士・牙狼の称号を持つに相応しく、若年ながらその心身の精強さは極めて高いレベルで安定している。
戦闘スタイルは迅速にして変幻自在。魔戒剣を振るっての剣術のみならず、
鎧の装着前は徒手空拳によるスピーディーな格闘戦を用いる。特に先代の頃、墓石すら粉砕したザルバパンチを絡めての拳打のラッシュは強力無比。

使う剣技は複雑かつ精妙なものが多く、スタイリッシュな納刀をはじめとした鞘を武器とする戦法(二刀流 など)を駆使するほか、
フィニッシュ時は突きを用いることが多い。
襲い来るホラーをG・A・R・Oの軌道を描く剣閃で次々と斬り伏せる『GARO斬り』など洒落の利いた妙技を披露したことも。
また、周囲の状況やそこにある物を活用した臨機応変な戦法をとることも多く、敵の攻撃すら反撃の手段とする。

第1話『化石』ではホラーの被害者の遺品等からその犯行を察している。これが彼の優れた洞察力のなせる業なのか、
あるいは『闇を照らす者』道外流牙が見せたような超能力の類なのかは明言されていない。

現在雷牙は先代牙狼のように華々しい戦功を挙げている訳ではない。
しかし、その先代から称号と強さ、そして『守りし者』としての意志を受け継いだ雷牙は、
名実ともに最強の黄金騎士になれるだけの資質を秘めていると言えるだろう。


【性格】


爽やかな笑顔の印象的な、優しく穏やかな性格の好青年。クリクリした眼がカワイイ。
マユリクロウといった初対面の(しかも無愛想な)人物にも気さくに接する社交性や、
神出鬼没の元老院の使い・メメにも動じず挨拶する肝の据わり方も持つ。

強い意志を内に秘めており、言うべきことはキチンと言い、貫くべき意志は静かに、そして徹底して貫く。
それは、神官ジィルらがマユリを魔導具として扱っているのに対して、雷牙が一貫して彼女を人間として扱っていることからも見てとれる。
他を圧倒する天才的な資質を持つが、その才に奢ることはなく、言動は礼儀正しく奥ゆかしい。
そんな彼なので、マユリにかける言葉をはじめ、ナチュラルに良いこと言ってたりする。

好物はゴンザの作った手料理であり、第10話『食卓』でホラー討伐の前に彼のお手製であるサンドイッチを一口食べただけでもニッコリ微笑むほど。

雷瞑館の椅子の位置を1ミリのぶれもなく等間隔に整えるなど意外と几帳面……と言うか神経質なところもあり(本人は否定)、
ゴンザからはそれを人間らしいおかしみとして見られている様子。

絵を描くのが趣味のようだがその腕前は……「ホラーか?」(byマユリ)。ら、雷牙様の画風はシュールレアリズムなんだよ(震え声);
この時のモデルはゴンザであったが、ポーズをキープするのがかなりキツそうな様子であった。雷牙さん、身内には地味に容赦がない。

この他にも幼少時は天体観測や風鈴作りなど感性豊かな多くの趣味を持ち、
それらの思い出の品が発端となって物語が展開することもある。
母が絵本作家ということもあり、映画や漫画といった娯楽にも理解を示すが、その一方でアートについての批評は辛口で、
信念もなく漠然と流行をなぞったり、世を拗ねた悪趣味な作風をザックリと酷評することも。

前述の通り家族の愛情に恵まれた幼少時代を過ごした経験からか、人々の『当たり前』の生活、『当り前』の幸せの尊さを理解している。
それだけに、『守りし者』としての強い使命感と人を喰らうホラーへの強い怒りを内に秘めている。
特に、家族や情といったものを利用するホラーには
  • 第8話『家族』では「苦しみも、哀しみも、すべて人が生きてきた証だ……それを奪う権利など、お前たちにはない!」と偽りの温もりと情をふりかざすデリィータスを一蹴
  • 第21話『残像』ではホラーと化し家族の目の前で最初に食べた少女「アイ」の幻影を利用し調子に乗るゴギートに「貴様だけは……絶対に許さん!!」と憤怒に任せて命乞いする間も与えず撃破
…といった風に激しい怒りを燃やす。
ホラーと対峙した際には相手を饒舌に挑発することもあるが、いざ斬り合う際には言葉少なに、瞳に強い意志を込めて戦う。


黄金騎士・牙狼


雷牙が魔戒剣の切っ先で頭上に円を描くことで召喚される、ホラーを倒す必殺の『牙狼の鎧』。
装着可能時間はお馴染み99.9秒で、魔戒剣牙狼剣になるのも同様。
鎧そのものは先祖代々受け継いだ同一のものだが、雷牙が纏った際は瞳の色彩がとなっている。

背面のマントの留め金にあたる部位から1対のアンカーを射出する機構を披露しており、建築物などに打ち込むことで立体機動戦闘が可能。
初期の段階で烈火炎装を使いこなしており、第4話『映画』で披露している。
魔導火の色は、歴代牙狼と同じく

第7話『神話』では100体目のホラーを討伐。魔導馬・轟天を召喚する資格を得た。
ただでさえ強力な牙狼だが、今後雷牙と共にどれだけ強くなっていくのか、注目である。


【その絆】


雷牙と関連する人物と、彼との関係。

  • マユリ
雷牙のパートナー。
魔獣エイリスを討伐すべく雷牙に与えられた、マ号ユリ型の魔導具として生きる宿命を与えられた少女。
しかし、雷牙はマユリに徹頭徹尾人間として接している。
共に雷瞑館で暮らすようになり、人間らしく成長していくマユリを雷牙は暖かく見守っている。

第5話『星図』で雷牙と共に戦うことになった魔戒騎士。
秘密めいたところは多い物の、雷牙からは頼もしい仲間として一定の信頼を寄せられており、
戦いの中では見事なコンビネーションを見せる。
当初はあくまで手足となって闘う部下として硬直した姿勢を崩さなかったが、
共に戦う中で態度は軟化していっているようで、双方ともに良好な関係を築いている様子。

  • 倉橋ゴンザ
冴島家の執事にしてこの物語の真のヒロイン
雷牙とは主従の関係にあるが、彼を幼少の頃から見守ってきた親代わりでもある。
ゴンザは雷牙のことを主であると同時に子や孫のようにも想っており、雷牙もまた彼のことを
「厳しい父、優しい母、頼もしい兄、信頼できる仲間、大切な家族」と評している。
雷牙の優しさは、彼の存在あってのものと言っても過言ではないだろう。
ちなみに、ゴンザに休暇を与えた主は雷牙が初めてだとか。酷いな先代・先々代!

  • ザルバ
歴代牙狼と共に戦い抜いてきた歴戦の魔導輪。その知識で雷牙を支える頼もしい相棒である。
一度は記憶がリセットされてしまったが、そこからさらに戦いの年季を積んだためか
本作では1期の頃に近いややニヒルで落ち着いた性格に戻りつつある。
第15話『紅茶』でゴンザを叱った時の「こいつは前代未聞だぞ!」は第3期の視聴者を苦笑いさせた。

  • ジイル
『青の番犬所』を司る神官。
マユリを魔導具として扱うと言うスタンスを取っているため、雷牙との関係は微妙。
とはいえ、第22話『番犬』にて雷牙の「エイリスの封印を果たしたら、マユリを自由にしてください!」という懇願を聞き入れ、
彼の想いを受け止めたのを見ると、第1期の黒幕たる三神官(=ガルム)に比べればいい方かもしれない。

  • 四道
魔戒医学の最高権威であり、マユリの管理者でもある魔戒法師。
ホラーを封じるマユリに向き合おうとしなかったが、決して諦らめず彼女を救おうとする雷牙の姿に希望を見出す。

  • 媚空
闇に堕ちた騎士(暗黒魔戒騎士)や法師の内部粛清を請け負う『闇の狩師』。
雷牙の実力を試そうとする彼女と対峙し、実際に一度の刃を交わすこともなく達人同士のイメージ上の試合で勝利を収め、共闘する。



ザルバ「ここから先、ネタバレだ。未見のヤツは、今すぐブラウザバックしな!」

































  • 英霊牙狼
第7話に登場した、歴代牙狼の英霊の1人。声は雷牙のおじいちゃんに当たる人。
深紅の瞳の牙狼の鎧を纏っている。
ザジとの戦いの中で雷牙が轟天を召喚する資格を得たこと、そして「強くなれ」と言う雷牙の父ももらった言葉を伝える。


  • 雷牙の両親
雷牙に『強さ』を与えた父(先代牙狼)と、『優しさ』を与えた母。
幼いころから魔戒の世界に生きている魔戒騎士・法師も少なくない中、雷牙が普通の少年のような幼少期を過ごせたのはこの両親(特に母)によるところが多いものと思われる。
そんな母は雷牙が6歳の頃に、彼の目の前で異空間へ飲み込まれて行方不明になり、父も母を助けるために、幼い雷牙を残して旅立ってしまった。
その後の消息は詳しくは不明だが、第7話の回想にて、雷牙が牙狼の称号を受け継ぐ際、雷牙は英霊たちから父が別の世界で生きていること、
そして牙狼の称号を息子に継がせる意志があることを教えられた。
第24話『稀人』にて、雷牙が『メシアの涙』と呼ばれる魔獣エイリスの胎内での死闘の最中、両親が異空間に消えたのもエイリス復活による時空間の歪みによるものだと知り、激怒する。
その名は明言されていないが、おそらくはこれまでシリーの主人公冴島鋼牙とヒロインの御月カオルであると思われる。


17話『少年』の回想シーンに登場した、雷牙の師匠。アラサーのおじさんになってヒゲが生えている。
かつて先代牙狼と肩を並べて戦った百戦錬磨の魔戒騎士で、雷牙とは旧知の仲だった。
雷牙の父との約束により、雷牙が10歳になった時から魔戒騎士の修行をつけはじめ、彼を一人前の魔戒騎士に育て上げた。
雷牙の戦い方や戦闘時の振る舞いには、至る所に零の影響が感じられる*2
修行を終えた後は「少し旅に出る」とゴンザに伝えており「みんなで無事に帰ってくる」旨の発言をしていることから、彼も雷牙の両親を助けるために次元の裂け目へ向かったと思われる。


  • アカリ
17話『少年』の回想シーンに登場した女魔戒法師。
10歳の誕生日の前日、丸太を相手に修行する少年雷牙の前に現れ、術で彼の左腕にできた打撲を治療した。
後に雷牙が彼女に魔戒騎士になる事を伝えた時、「絶対死んじゃだめ」といとおしく抱きしめ、やがて恋人(毒島エイジ/邪骨騎士・義流)が危険な旅から戻って来るのを願っている事を伝える。
その憂い顔を見た雷牙は彼女に怪我の手当のお礼ついでにシャツに施された赤い紐の鈴を手渡し、微笑んだ彼女に「あなたはきっと誰よりも優しい魔戒騎士になるわ」と言われ、やがてそれが現実のものになる。
後にアカリは不治の病でエイジに看取られて死ぬが、彼女が雷牙にかけた言葉と鈴にこめられた想いは、闇に囚われかけた雷牙を救う兆しとなる。




心滅獣身・牙狼

牙狼最強にして禁断の形態。エイリスとの戦いで、彼女の接吻によって鎧の装着時間を吸収されて強制的に発動させられてしまい、クロウと救援に駆けつけた毒島エイジに襲い掛かる。
第1期で零が鋼牙を救ったように、クロウとエイジも共同で紋章を突こうとするが、圧倒的な力の前に成す術なく捕らえられてしまう。しかし…



光覚獣身・牙狼

最終話『天命』にて、雷牙がエイジの恋人・アカリに託した鈴の音色によって、心滅獣身を克服して発現させた奇跡の形態。
背面に装備が追加されるだけだったこれまでの形態とは異なり、肩の棘や脚部の装甲に尻尾など、鎧そのものの形が大きく変化した姿になっている。
牙狼剣も先端に牙狼の顔を模した装飾が施された、大牙狼斬馬剣を思わせる大剣となり、エイリスを一撃で戦闘不能に陥れた。

心滅獣身を乗り越えたものの暗黒騎士となったバラゴとは異なり、闇に飲み込まれずにこれを克服した末に発現したこの形態は、雷牙が「最強の魔戒騎士」となり得ることを示した答えのひとつと言えるだろう。


【余談】


雷牙役の中山麻聖さんはブログで牙狼関連の記事もアップしており、競演者やスタッフに関する裏話も作りこんでおり、「魔戒ノ花」の後番である「炎の刻印」も放送開始からチェック、twitterでも定期的に感想を投下していた。
特に、ララの死亡回である第17話「雪夜−SNOW FALL−」を見た後、
「心を強く持て!レオン!!」
と黄金騎士の先輩らしく主役のレオン・ルイスを激励した。

ちなみに、中山さんの画力ははっきり言って画伯クラス。
ファミリー劇場で放送された「魔戒居酒屋」*3にて「牙狼の絵をみんなで描いてみよう!」という企画があったが、牙狼のフィギュアを見ながらスラスラ描ける雨宮監督と桂先生はともかく、中山さんの描いた牙狼は猫にしか見えなかった。

雷牙の母「同じ画伯の子として、これでは困るわ!」

2014年11月23日にファミリー劇場とニコニコ生放送で同時放送された『金狼感謝際2014』にて、中山さんの画力を向上するための企画が行われた。
御月カオル役兼雷牙の母役の肘井美香さんのナレーションを交えて、雨宮監督と桂先生の母校たる阿佐ヶ谷美術専門学校を見学した後、講師を交えながら画力向上のレッスンを受ける。

雷牙の母「先生、うちの息子をよろしくお願いします!」

もやしを葉や茎などをしっかり観察してから描く、さんまのパーツを少しずつ見ながら描く、といったプロセスを経て牙狼の鎧がアトリエに降臨。
全神経を費やした結果、画力は見事に向上。
雨宮監督公認の直筆イラストは『金狼感謝祭2014』公式サイトでスマホの壁紙としてダウンロードされた(現在はダウンロード不可)。

そして2015年10月9日に開始した牙狼アニメシリーズ第二弾「牙狼 紅蓮ノ月」では主人公・雷吼の声を演じ、レオン役の浪川大輔さんと共演することになるがそれは別の話…。


「確かにそうだ。しかし、俺も、この先に追記・修正する者たちの言うことは変わらない」

「わが名は牙狼。黄金騎士だ!」












【そして……】



歴代最強

黄金騎士
ガロ

冴島雷牙劇場版

制作決定


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最終更新:2023年12月03日 20:33

*1 必殺仕事人シリーズの飾り職人の秀でお馴染み三田村邦彦氏のご子息。作中でもそんな父親譲りともいうべき殺陣と空中戦を存分に披露している

*2 特に魔戒剣と赤鞘を用いた擬似的な二刀流は、零の戦い方によく似ている。

*3 魔戒指南の別Ver。とある居酒屋で中山さんがゴンザ役の蛍雪次朗さん、雨宮慶太総監督と専門学校の後輩である桂正和先生を交えたトークが行われている。