シルバーカラス(ニンジャスレイヤー)

登録日:2014/08/03 (日) 19:29:26
更新日:2024/02/29 Thu 23:16:22
所要時間:約 5 分で読めます




「ドーモ、ヤモト・コキ=サン。シルバーカラスです」


◆概要◆


Twitter小説ニンジャスレイヤーに登場するニンジャの一人。CVは藤原啓治
日常生活では偽名として「カギ・タナカ」という名前を使っている。
第一部『ネオサイタマ炎上』内の短編ストーリー『スワン・ソング・サング・バイ・ア・フェイデッド・クロウ』において主役を務める。
上記の話が連載される以前から、主人公の一人であるヤモト・コキが扱う刀『ウバステ』の本来の持ち主として名前
だけは発表されていた。

「ウェルカム・トゥ・ネオサイタマ」やニンジャ名鑑で言及されてから半年、「スワン・ソング・~」でその実態が明かされるまでの間、全くの謎に包まれていたニンジャである。
当初はヤモトにカタナを奪われるだけのサンシタと思われていたが、本編の描写によってあっという間に「抱かれたいニンジャ」のトップランカーに上り詰めることとなった。
凄まじい勢いでの株爆上げであった。
その余波に巻き込まれて、同じシルバーで鍵なのに……と何故か無関係のどこかのニンジャの株が若干下がった。
ちゃんとフォローが入る人徳は流石だが。


◆戦闘能力

ゴジュッポ・ニンジャクランのレッサーニンジャのソウル憑依者。
試作兵器の実地試験を無関係の人間、あるいはニンジャ相手に行うサイバーツジギリと呼ばれる行為を行う一流のツジギリスト。
殺人はあくまで仕事として割り切っており、殺害した相手にネンブツをあげたり、女や老人を標的とすることを嫌がったりと単なる殺人狂とは異なる顔を見せる。
一方で、偶然居合わせた目撃者を躊躇なく殺害するなど、冷徹なプロフェッショナルとしての非情さも持ち合わせている。
トンデモ兵器が珍しくない試作兵器を数回試用しただけで使いこなすという並外れたニンジャ適応力の持ち主。
その仕事ぶりから信頼度は他のツジギリストの比ではなく、ブローカーである”笑い爺”に対しても強気に報酬交渉を行える数少ない人物の一人。
上記のように最新兵器を難なく使いこなす桁外れの器用さを持っているが、本人が実践で信頼しているのは何の変哲もない刀『ウバステ』とそれを用いたカラテ『イアイドー』*1である。


◆人物

愛煙家であり「少し明るい海」という銘柄のタバコを好む。
ニンジャでも治療不可能な難病を患っており、余命が半年もないことを医師から告げられている(オタッシャ重点)。
医師から「なにかやり残したことは?」と尋ねられるが、何も思い浮かばず、空虚さを胸に抱きながら、それまでどおりのサイバーツジギリとしての日常を淡々と過ごしていた。
そんな折、仕事帰りのコインランドリーで偶然居合わせた少女――ヤモト・コキとの出会いが、彼に残された最後の時間を大きく動かしていくこととなる。


◆劇中での活躍

訳あり気味なヤモトに面倒の匂いを感じとり、一旦はその場を離れるものの、ヤモトを追って現れたソウカイヤのニンジャを背後からの奇襲で瞬殺。
その後、ニンジャとして戦うのに必要不可欠なカラテを身につけていないヤモトの身を案じ、彼女を自宅に匿いながら自身のイアイドーのインストラクションを行っていく。
そうしている間にも、病魔は着実にシルバーカラスの体を蝕んでいき、自身に残された時間が数日もないと悟ったのと時を同じくして、笑い爺から一つの依頼が届く。
依頼内容は近隣に潜伏中の女ニンジャ――ヤモト・コキの殺害だった。

残された僅かな時間で何をすべきかを決断したシルバーカラスはヤモトを自宅から逃したあと、ニンジャ装束に身を包み、同じ依頼を受けた二刀流のニンジャ『ソードダンサー』を部屋ごと爆発で吹き飛ばすというダイナミックなトラップで強襲。
その後は二刀流とイアイドーの真っ向からのカラテの競いあいとなり、数度の斬り合いの後、ソードダンサーを切り捨てることに成功。
同様に追手をカギ・タナカから学んだイアイドーにより討ち果たしたヤモトの前に、正真正銘最後のインストラクションを施すため、ヤモト殺害を目論む非常なツジギリストであるシルバーカラスとして現れる。

「ドーモ、初めまして。ヤモト・コキです」
「ドーモ、ヤモト・コキ=サン。シルバーカラスです」

ヤモトの得意なオリガミ攻撃を封じ、刀と刀で切り結び合う中で、ヤモトの確かな成長を感じ取り、メンポの奥で静かに微笑むシルバーカラス。
病魔ではなく自身のイアイドーを受け継がせたヤモトに討ち取られることを望むシルバーカラスであったが、

「なぜ泣く、馬鹿め」

シルバーカラスの正体を見抜きながらも意を汲んで戦っていたヤモトがこらえきれなくなり、泣き崩れたため戦闘は中断。
最後の願いはかなわなかったものの、残った悔いは「少し明るい海」を最後まで吸えなかったことぐらいだとヤモトに告げ、シルバーカラスは静かに息を引き取るのだった。

◆外見

ニンジャ装束時は顔をすべて覆い隠すフルメンポ(某宇宙刑事の仮面にどことなく似ている)に、ステルス機能付きのフード付きコートというダークヒーローなデザイン。
フードをかぶることで自動的にメンポが装着される。

本編内で素顔の描写は一切なされていないが、そのハードボイルドな活躍ぶりからヘッズからは当たり前のようにイケメン青年~中年のイメージを持たれていた。
実際、物理書籍版のわらいなくverでは30代くらいの鋭い目つきのワイルドな風貌で描かれており、あのグッドルッキングverにおいてヤモトの回想で登場した際も物理書籍版と概ね同じデザインで登場。そのイケメンっぷりにヘッズを興奮させた。


◆人間(ニンジャ)関係◆

ヤモト・コキ
ソウカイヤから逃走中の女ニンジャ。
時系列的に初登場である『ラスト・スタンディング・ガール』から間もない話であるため、戦闘はジツ頼みでありニンジャとしての実力はサンシタ以下。
逃亡生活を始めてから初めて親身にしてくれる人物に出会ったせいか、何かと涙もろくなっている。
強力なシ・ニンジャのソウルを身に宿しているためか、シルバーカラスに師事したわずかな期間の間にカラテの腕前が急上昇。
大半のニンジャと互角以上に渡り合えるまでに成長した。
シルバーカラスが息を引き取ったあとは彼の愛刀『ウバステ』を形見として持ち去り、以降はウバステによるイアイドーとオリガミジツの組み合わせがヤモトのスタンダードな戦法となる。
シルバーカラスのカラテはヤモトの中で生き続けており、それはやがてシルバーカラスも想像しなかったであろう領域へと開花していくことになる。

『スワン・ソング~』のエピローグでは彼が最後まで吸えなかった「少し明るい海」を口にした。
――が、いくらニンジャとはいえ体が受け付けなかったようで激しく咳き込んでいる。

なお、シルバーカラスには完全に異性として見られてなかった模様。

◆笑い爺
ソウカイヤと繋がりの深いサイバーツジギリのブローカー。
腰の低い口調とは裏腹に、無茶ぶりとしか思えない依頼の数々をシルバーカラスに持ち込んでくる。

◆ノナコ
シルバーカラスと肉体関係を持っている馴染みのオイラン。
シルバーカラスが余命いくばくもないことを最後まで信じなかった。

◆タオシ・ワンツェイ
ネオサイタマでドージョーを営んでいたシルバーカラスのイアイドーの師。
シルバーカラスには目をかけていたらしく、ニンジャへと覚醒したため、イアイドーを極める意味を見失いドージョーを辞めた際には「イアイの何を教えていたのか」と自身の教えの至らなさを嘆いていた、「願わくは、オヌシ自身の中のイアイドーが、いつかオヌシを促さん事を」という言葉を残す。

◆ナッツクラッカー
コインランドリーでヤモトに襲いかかったソウカイヤのニンジャ。
ヤモトを追い詰めたまでは良かったが、よせばいいのに命乞いを強要するのに夢中になったため、背後に迫ったシルバーカラスに気づかずアンブッシュの一撃で殺害されたサンシタ。

◆タダシイ
チャンピオンシップへの夢に燃える非ニンジャのカラテカ。
ジョギングしながら通りすがりの人を見境なくぶん殴るカラテジョギングなるタダシさの欠片もない横暴トレーニングを行っている最中に、新製品のテストのためカラテができる奴を探していたシルバーカラスと遭遇。
ツジギリ相手に先手を取らせる流儀のシルバーカラスに殴りかかるも、あっさりいなされ、パンチ強化グローブ「セスタスガン」の餌食となり頭を粉砕されて死亡。
実際横暴なジョックではあったが、ここまでされる謂れは無い!と地の文=サンにはその末路を哀れまれたが、ツジギリの凶悪殺人よりジョックの理不尽イジメの方が身近に感じる読者の大半からは「インガオホー」と冷淡な反応を返されるのだった。
ちなみにドラマCD版『スワン・ソング~』では登場シーンそのものがカットされてしまったことから、ヘッズ界隈ではシーンを割愛することを「タダシイする」というスラングで評される。

◆バズキル
◆エレクトリックイール
タケダチック・アガキ社に所属するニンジャ。自社のサラリマンを襲ったシルバーカラスを、敵対企業の関係者と勘違いして襲ってきた。
最新のニンジャ兵器で武装しているが、それらは過去にシルバーカラスがテストを行ったものであり、その性能と弱点を熟知しているシルバーカラスの敵ではなかった。

◆ソードダンサー
ヤモト殺害を請け負ったニンジャ。
オセアニアの呪術仮面のような異様なメンポを装備した二刀流の使い手。
その異形とは裏腹に思考は冷静沈着であり、シルバーカラスの裏切りによる衝撃から即座に立ち直ると、同じ剣使いとしてシルバーカラスと真正面から斬り合った。


◆余談

そのハードボイルドな生き様と人気キャラクターであるヤモト・コキの最初の師匠として高い人気を誇り、物理書籍発売後の第一部エピソード人気投票では『スワン・ソング~』が2位を大きく引き離して首位を獲得した。その後、物理書籍版最新刊の特典として『スワン・ソング~』のドラマCD化が発表されている。

なお、連載当時はよりにもよって第一部最狂エピソードとして名高い「アトロシティ・イン・ネオサイタマシティ」との同時連載であり、ヘッズは涙腺崩壊とTRS(テング・リアリティ・ショック)の同時攻撃に頭を抱えることとなった。


また、上記の物理書籍版・第1部エピソード人気投票においても2位につけているのは「アトロシティ・イン・ネオサイタマシティ」。
危うく天狗が1位になりかけたのだった。ちなみに175票と301票と差はある。


俺のことがわかっちまったら追記修正にならねぇんだよ

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最終更新:2024年02月29日 23:16

*1 忍殺世界では抜刀術のことではなく剣術全般の総称として使われている