モンスターX/カイザーギドラ

登録日:2014/8/1(Fri) 18:34:00
更新日:2023/06/25 Sun 09:00:49
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モンスターXとは、『ゴジラ FINAL WARS』に登場する怪獣の一体である。


【モンスターX】

全身を骸骨のような鎧で覆っており、人型に近い体型に両肩に半分になった顔、黒い体と、
どちらかというと怪獣よりも怪人よりのフォルムで、他の怪獣とはひときわ浮いているのが特徴。
ゴジラ怪獣というより(モチーフ的にも)ウルトラ怪獣と言った方がしっくりくるかもしれない。
硬い装甲と人型の体格を活かし軽快かつアクロバティックな格闘戦を得意とするが、モスラのラリアットを背中にくらってガイガンと共に仲良くぶっ倒れたりとコミカルな描写もある。

◇スペック

身長;120m
体重:6万トン


◇主な技

・引力光線デストロイド・サンダー
両目と肩の目から放たれる電撃光線。
非常に高い威力を持ち、東京が壊滅するほどの爆破にも余裕で耐えるゴジラ相手に膝をつかせた他、
ゴジラとの熱線の撃ち合いにおいては、数㎞にわたる巨大な爆発を引き起こした。


【活躍】

南極にてガイガンが秒殺されたことを受け、危機を感じた統制官は、最後の切り札として妖星ゴラスを送り込む。

何かを感じたゴジラがこれをハイパースパイラル熱線を使って撃墜。
その余波で東京には巨大なクレーターができ、ほとんど壊滅してしまう。
そして破壊されたゴラスからモンスターXは姿を現す。

ゴジラを上回るパワーとスピードを持ち、劇中ではそれらを最大限に生かした格闘戦を得意とする。

後にX星人との戦闘のために立ち上がったモスラ、それを迎撃するためにX星人によって復活させられた改造ガイガンが戦闘に介入、
東京で四大怪獣(ついでに尾崎と統制官、ゴードン大佐とX星人幹部)の壮絶な戦いが繰り広げられることとなる。

その後モスラを退けた改造ガイガンがモンスターXの援護に駆け付け、悪役丸出しのコンビネーションでゴジラを追い詰めるが、
ゴジラの機転によって連携を乱され、さらに復活したモスラのボンバーラリアットによって改造ガイガン諸共なぎ倒される。
改造ガイガンはモスラの決死の攻撃によって爆砕、モンスターXもゴジラによってマウントを取られ劣勢に陥っていしまう。

その後ゴジラとの熱線の撃ち合いを演じるも、尾崎によって統制官を倒されモンスターXはコントロールを失い、倒れたが……



追記、修正宜しくお願いします。



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●目次







【カイザーギドラ】



しかしここで終わるモンスターXではなかった。

最後の力を振り絞って四つん這いになった後、背中から翼を生やし、
不気味な声を上げながらメキメキと体を変化させ、遂には正体であるカイザーギドラへと変貌した

体色はキングギドラと違い青みがかった光沢のない金色…と思われがちだが、
周囲の物が映り込んでいるだけで実際は光沢のある金に黒の文様(『全ゴジラ 完全超百科』参照)。

そう、モンスターXとはリミッターを掛けられた仮の姿であり、その正体は名前の通りギドラ族の皇帝であった。
統制官の死こそ、リミッター解除の合図だったのだ。

この姿になったことで機動力と防御力は大きく落ちたものの、互角だった戦闘が一変、その巨体と火力に物を言わせた戦法でゴジラを圧倒、
反重力光線デストロイド・カイザーでゴジラを吹っ飛ばしたり、宙に浮かばせた後、頭からビルに叩き落としたりと一方的に攻撃し続け、
弱ったゴジラへ噛みつき、エネルギーを吸収し、ダウンさせた。

またもやゴジラ万事休すと思われたが、ここで覚醒した尾崎が新轟天号を介して放ったエネルギーを受けたゴジラは復活、
さっきの勢いはどこへやらと言わんばかりに逆に圧倒され、熱線によって中央の頭を、自身の光線によって左頭を吹き飛ばされる。
その後は何度も投げられ、地面に叩きつけられ、グロッキー状態になった所を天高く投げられ、バーニングGスパーク熱線にて爆死した。


◆スペック

身長:140m
体長;150m
重さ10万トン

◆使用技

・反重力光線デストロイド・カイザー
三つの頭部から吐き出す光線。
ゴジラシリーズにおいてもトップクラスの性能を誇り、具体的には
  • 作中多くの怪獣を葬ってきたゴジラの熱線を軽く押し返し、ゴジラをふっ飛ばしてダウンさせる*1
  • 反重力によって相手を拘束し、持ち上げる効果があり、55000tのゴジラも軽々浮かび上がらせてしまうほど。
  • 連射性が高く、長時間にわたる照射も可能。
  • ある程度であれば光線を婉曲させることや、光線の速度を調整することも可能
等々チートじみた性能を持つ。

・エネルギー吸収能力
相手に噛みついてエネルギーを吸収する。
弱ったゴジラにこれを行い、絶命寸前まで追い込んだ。
歴代怪獣はG細胞やゴジラのエネルギーを取り込んできた際には肉体が何かしらの変質を起こしたりしているが、カイザーギドラにはそのような描写は一切なかった。

・前脚キック
蹴り一撃でゴジラを空中に放りあげる威力を発揮していた。
肉弾戦でこのクラスの力を発揮してゴジラと戦った東宝怪獣はチタノザウルスくらいである。
その後、自身は強化されたゴジラには首を蹴られて体ごと吹き飛ばされてしまったが


【余談】

カイザーギドラはその姿自体が企業秘密扱いであり、
公開直前に掲載された『てれびくん』2005年1月号でもモンスターXがカイザーギドラに変身する直前までのシーンしか掲載されていなかった。
しかしモンスターXの技と、両肩にある竜の頭のような意匠、そして二又に分かれた尻尾などの特徴に加えて、「ゴジラシリーズ最終作と銘打ったオールスター映画にキングギドラがいないのは不自然」といった要素も合わさり、「ギドラ族と関係する怪獣では?」と推測したファンは多かったという。

短い尺ながらも、歴代でもかなりハイスペックのFWゴジラ相手に完膚無きまでに叩きのめしており、
ギドラ族の最上級怪獣としての称号に相応しい東宝怪獣の中でも最強クラスの怪獣ではあるが、
人類のアシストによりG細胞が活性化しパワーアップした後のゴジラには一方的に蹂躙されたためか過小評価されがちな怪獣でもある。
本編描写的にはカイザーギドラが弱いのではなく、G細胞が活性化しパワーアップした後のゴジラの強さが異常過ぎたというほうが正しいだろう。

企画段階ではモンスターXがカイザーギドラに変身するのではなく、キングギドラそのものとして登場する予定だった。
その四足歩行移動はデスギドラの意匠も取り入れられているとか。

鳴き声はキングギドラの鳴き声とは全く違うが鳴き方自体は似ており、これに呻き声のような物を追加したような不気味なものに仕上がっている。

設定上はモンスターXの外骨格を失っているカイザーギドラは防御力が低くなっているとのことだが、
ダメージを受ける描写が自身の攻撃とパワーアップ後のゴジラの攻撃くらいのため今一比較できない。
とはいえ、バーニングGスパーク熱線を受けて大気圏外で爆散するまでは肉体は耐えていたため、極端に低くなっているわけではないと思われる。


着ぐるみはスーツアクターが二人で入る『ウルトラマン』のドドンゴ方式であり、黄色い身体に翼がついているのもドドンゴのオマージュである。
ちなみに翼は他のギドラと比べると体との比率で小さめだが、設定上は飛行可能である。

モンスターXのデザインイメージは『ウルトラマン』の亡霊怪獣シーボーズである。


追記・修正はデストロイド・カイザーを受けても平気な方がお願いします。

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最終更新:2023年06月25日 09:00

*1 本作のゴジラの通常熱線はヘドラとエビラと100m以上のビルをまとめて何百メートルも吹き飛ばし跡形もなく消し飛ばす威力を発揮している