ソウル・チャージ(遊戯王OCG)

登録日:2014/07/30 Wed 09:17:28
更新日:2023/12/10 Sun 10:35:48
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通常魔法
自分の墓地のモンスターを任意の数だけ選択して発動できる。
そのモンスターを特殊召喚し、
自分は特殊召喚したモンスターの数×500ライフポイントを失う。
この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃する事はできない。

ドーマ編においてラフェールが使用したカード。
彼は墓地にモンスターをおかないという信念を持ってデュエルをする決闘者であったが、
オレイカルコスの結界》が齎す心の闇のせいで、《ガーディアン・デスサイス》を強化する為に墓地にモンスターを送り込むような決闘を行ってしまった。
王様とのデュエルを通じて正気にかえった彼は、残る全てのライフをこのカードに注ぎ込みモンスターを蘇生。

「もう、私の墓地にモンスターはいない……これで良かったんだ……」

自らの魂と引き換えにしてでも信念を貫こうとした彼は心の闇を打ち払う事に成功し、《オレイカルコスの結界》に魂を奪われる事無く解き放たれたのであった。

ドーマ編はOCG化不能レベルのぶっ壊れカードを排出しまくったことで有名であり、
このカードもOCG化されることなどなくただ彼の人柄を表すアニメオリカとして放置されていた。


追記・修正は墓地からモンスターを助け出してからお願いします。























だが奴は・・・弾けた





















通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、
このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。
(1):自分の墓地のモンスターを任意の数だけ対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚し、自分はこの効果で特殊召喚したモンスターの数×1000LPを失う。




11年後の2014年
OCG化されました。

海外先行カードを収録したコレクターズパック『伝説の決闘者編』にてOCG化。
通称ソルチャ。

その効果はまさかのライフコストと攻撃制限される範囲を増やしただけでほぼそのまんま。
なおアニメと違って初期ライフが倍なので初期ライフ比で払うライフ比率はアニメと変わっていない。

生贄召喚なり射出のコストにするぐらいしか出来なかった放送当時ならともかく、シンクロエクシーズもとっくに登場している時代にそのまんまOCG化。何を考えてるんだ一体。

真炎の爆発》でさえ蘇生させられるモンスターに厳しい制限があったのに、こっちの方は一切制限無し
青眼の白龍》だろうがチューナーだろうが墓地から特殊召喚出来るカードであれば何だって構わないので、
シンクロもエクシーズも神の生け贄用も何でも御座れの非常に幅広い用途に使えるトンデモカード。

その上最近の蘇生カードにはありがちな攻守が0になるだとか効果が無効化されるだとか特殊召喚出来なくなるとかその辺のデメリットさえも完全に無し

あるのは申し訳程度のライフコストとバトルフェイズ放棄のみ

現在の遊戯王の環境は相手を殺せるならライフの損失なんて7999ポイントまでは誤差とでも言わんばかりのライフ軽視環境であり、ライフコストなぞ実質ノーコストも同然なのである。

しかも厳密にはライフコストでは無く「成功時にライフを失う」なので、このカードそのものを無効化されても損失はこれ1枚こっきり

通してしまえばどんなデッキであろうとも好きな時に1枚消費だけで大量展開が出来る訳で、ゲームバランスなんてこのカードの前では有って無きがものだと予想出来る。

正に引いたもの勝ちのカードである。

誰がどうみてもぶっ壊れ。

先に登場した海外では同時に登場した《マスマティシャン》やハンドモンスターと共に大暴れ。
特にソルチャはほぼどのデッキにも積まれていた。

存在する筈も無い公式で使用出来ませんの一文を探そうとやっきになったり、遊戯王終わったな(三ヶ月振り幾度目)とか呟く決闘者が続出。

来日した時こそ遊戯王と言うゲームの終わりだ――と言わんばかりの騒ぎであった。




追記・修正は遊戯王終わったなと思わなかった人、お願いします。























それっておかしくないかな?












が、実際に来日してみるとその評価は過大過ぎた。
当時の環境ですら、1ターンも放っとけば《励輝士 ヴェルズビュート》が現れてあっさり全て壊すんだされていた。
と言うか《励輝士 ヴェルズビュート》に限らずとも、モンスターを処理するのは非常に簡単なのである。

大量展開が怖いのはそこから総攻撃でワンキルされるからであって、攻撃してこなければ対処する事なんて容易いと言い切れる程にインフレが進んでしまったのだった。

それに特殊召喚とライフを失うのは同時であるため、激流葬》や《奈落の落とし穴》のタイミングも逃さない
汎用召喚反応一枚であっさりと切り返され、失ったライフ分だけ損をする事だってよくあるのだ。
1ターンに1度しか使えないため、もう1枚使って立て直しというのもそのターン中にはできない。

そもそもライフなんてあっという間に消えていくのだから、このカードが必要な時には蘇生させたい枚数だけのライフが残っていない事も珍しく無い。

窮地からの一発逆転!に使うには結構難しいのだ

というかライフロスは誤差とも言ったが、それはあくまで殺られる前に殺ることが出来ればの話である。
バトルフェイズを放棄するため殺られる前に殺ることの出来ないこのカードでは、1枚につき1000ポイントのライフコストは存外に重い。

「発動するターン」という表記のためバトルフェイズを行った後にメインフェイズ2で使うと言う事はできない。
使うターンはどうあがいてもバトルフェイズを諦めメインフェイズ1に発動しなければならない。

窮地から一発逆転をするどころか、うかつにこのカードを使ったせいで逆転大ピンチ!というのも十分以上にありえる

予想以上に莫大なライフコストとバトルフェイズ放棄は噛み合ったバランスのいいデメリットだったのだ。

ついでに蘇生カードなんだから当然墓地が肥えてないと真価を発揮出来ない。
来日する前に騒がれていた程にどんなデッキでもどんな場面でも使えるスーパーぶっ壊れカードでは無かったのだ。

実際に海外では暴れていたが、そもそも海外では汎用罠が殆ど制限を食らっていた。
《激流葬》や《奈落の落とし穴》も《強制脱出装置》も全部制限。《聖なるバリア −ミラーフォース−》や《次元幽閉》ですら準制限。
それらが解放されていて除去の豊富な日本とは環境そのものが違ったのだった。


更にはその少し前に何度でも!何度でも!何体でも!特殊召喚出来るペンデュラム召喚なるものが実装されており、
不死身の大量展開によるインフレ泥仕合が展開される予兆を感じていた決闘者もいた。

そんな時代が到来すれば、今までのデッキなんて過去の遺物と化すであろうが、
このカード一枚あれば墓地からでもペンデュラムに負けない大量展開が出来る

むろんVWXYZとかエアレイドとかの切り札を出すのに大量展開する必要のあったファンデッキにとっても有り難い。

どんなデッキに入る訳でもなく、しかし入るデッキでは素晴らしい活躍をしてくれる、そしてこれからの環境インフレから過去カードを救ってくれるかも知れない、
そんな予想以上の良カードとしてこのカードは認識されることになった。



ちなみにライフを「失う」、なので現在のライフをオーバーする量を失う覚悟で大量蘇生する事も出来る。
負けが確定したときにラフェールのように墓地からモンスターを救い出して自爆する原作再現をするのも悪く無いかもしれない。
ただ、このカードを無効化しようとしたカードを《神の宣告》でカウンターしライフを半分にし、その後の効果処理で自滅するという間抜けな事はしないように注意したい。


追記・修正は希望の未来を信じられる人にお願いします。




















なんてこと言うと思ったか! お前はまだまだだ!



ルーラー「やぁ」



フェルグラ「ちーす」



ロンゴミアント「よんだかい?」




逆に言えば、その1ターンをどうにかする手段があるなら問答無用のぶっ壊れなのである。
出しにくくて相手を封殺出来るカードなんざ遊戯王には結構存在している。
このカードはそれらクソゲーメーカーも簡単に出せるようにしてしまったのである。

前述したが何故か蘇生したモンスターの効果は無効化されないため単にモンスターを並べるだけでは済まず、更に大暴れすることが出来た。
単に制圧系のモンスターを蘇生して牽制したり、除去効果を発動して場を荒らしたり、サーチ効果を発動して場を固めたりなど。
あいつですら蘇生したモンスターの効果は無効化するのに…

そしてタイミング良く(悪く?)切り替わった環境では特殊召喚時誘発が強力なモンスターが跋扈していた。
このカードはそれらの効果発動を手助けするものとして扱われてしまったのだ……。

色んなデッキの役に立つ優良カード、であることは確かだったのだが、
それは要するに理不尽なデッキの理不尽度も上げてしまうと言う意味であったのだ。

相性のいい連中

ご存知満足劇場。インフェルニティガンを代表とする複数体蘇生の本家本元。
インフェルニティ・デーモンを過労死させる回数がそのままバックの厚みに繋がるため、十分にソリティアを繰り返せば1ターンを凌ぎ切る事など軽いものである。
バトルフェイズ放棄のデメリットも昔からZERO-MAXで慣れており、多分このカードの事を知って一番最初に満足したのはきっと彼ら。

炎熱伝導場というカードで蘇生対象を簡単に5体も調達できて、元々真炎の爆発を使うデッキのため大量展開できるカードが6枚体制という事になる。
真炎の爆発シューティング・クェーサー・ドラゴンを立てその過程でライブラリアンで引いたソルチャを使って2体目を立てると言う事も可能。
バトルフェイズスキップのデメリットも先攻では気にならず相手にとっては死刑宣告に近い場が完成する。
まあそれ以外だとバトルフェイズができないってのが結構痛く出る場合も多いが。

スネーク・レインという一気に5枚も墓地を肥やせる優良カードを持っているため、
莫大なライフコストさえ覚悟すれば先攻フェルグラドラゴサックなども軽く行ける。
ただし、特殊召喚できる最上級爬虫類はワームを除くと微妙な連中ばかりなので、現実には困難だったりする。

準制限(現在無制限)になったのでソルチャと合わせる事でこの2枚からクェーサーが出ます。
森羅だと先攻フェルグラ閃スタも可能。

  • シンクロモンスター
墓地に行った素材をそのまま蘇生させてシンクロしなおすことで、同レベルシンクロが2体並ぶ。
やろうと思えばクェーサーが2体だって並ぶ。むろんエクストラデッキにそんな空きがあればの話だが。
空きが無かったとしても既に使用したライブラリアンやフォーミュロンを蘇生してクェーサーに繋いだりとかも出来る。


理不尽その1。
素材数によってはヴェノミナーガすら超える遊戯王史上最強の耐性を持つNo.。
素材5体を揃えるのはまともにやると大変なロマンの部類だが、このカードを使えば莫大なライフコストと引き換えに簡単に揃う。
と言うかテラナイトとかなら3体ぐらいまでなら自力で軽く揃えられるので、払うライフコストもそこまで無茶苦茶なものにはならない。
ロマンの三文字何処にやった。

理不尽その2。
特殊召喚時に効果を発揮するテラナイトやセプターと複数体蘇生させられるソルチャの相性は抜群。
セプターのサーチとデルタテロスのリクルートには1ターンに1度制限ついていないため酷い事になる。
スローネが無制限の頃はセプタースローネソウルチャージの3枚からルーラールーラーデルタテロスが並んだりした。
わけがわからないよ。
と言うか手のひら返しの主な原因は多分こいつら


理不尽その3。
光天使ギミック自体がシナジーをそこまで考えなくてもかなり強いためもっと強いデッキに組み合わせた結果こうなった。
ソウル・チャージとスローネ規制まではこれとセプターとスローネを中心に環境が回っていたと言っても過言ではない。
シャドールの場合はミドラーシュを蘇生して牽制したりネフィリムを蘇生してアドバンテージを取れる。
チューナーのファルコンもいるためトリシューラをぶっ放すことも可能。
HEROの場合はランク4を立てまくることができるがシャドーミストがいるためついでにダークロウを立てることも可能。
バトルフェイズができないとはいえアホみたいに行動を縛りつけるモンスターを並べまくった挙句こちらの場を荒らされてはどうしようもない。
上記のテラナイトにも言えるがスローネ規制により光天使が抜けた後にも1枚でアホみたいな展開が可能な為、未だに積まれている。


墓地にオシリス、オベリスク、生贄に出来そうなモンスター3体と手札にラーとホルアクティを揃える。
そしてソルチャの効果で5体を蘇生させた後にラーを通常召喚し、ホルアクティを出すという夢のようなコンボである。
暗黒界】など手札交換力のあるテーマと組み合わせるのが良いだろう。
先攻ワンキルデッキとしてはそこそこの成功率になる。欠点はホルアクティがクッソ高価であること。


テラナイト待望のレベル4の2体によるエクシーズ…と思いきや縛り無しであまりにも便利すぎた為にみんなに使い倒されてしまってるカード。
2体蘇生でも相手ターンにプレアデスをチラつかせつつ上手く行けばインフィニティに成れ、
3体なら即インフィニティに成り相手モンスターを除去しつつ次のターンに効果無効化効果により牽制できる。
2体でも十分すぎる働きをしてくれるため残った素材で更なる牽制モンスターを立ててしまう事も可能。


こうして希望のカードかと思われたソウル・チャージは、
当然のようにぶっ壊れの絶望のカードになってしまった……。

やっぱりファンデッキの味方なんていなかったんだね。

このカードは日本と海外でほぼ同時に登場した為、その年の世界大会では使用可能であった。
世界大会では独自の制限リストが適用されており、日本と海外の制限リストを合わせ厳しい規制の方を適用すると言った形である。
例えば日本で制限、海外で禁止の死者蘇生は規制が厳しい海外の方が適用され禁止カードとなっている。
当然どちらかの国で登場してないカードは使用不可能。当時で言えば日本では発売済みのシャドールやクリフォートは使えなかった。
その中でこのカードはぶっ壊れたカードパワーながらも両国のリストで無制限だったためデフレしきったカードプールの中でかなり浮いた存在になり使われまくった。
ソウル・チャージの世界大会とでもいうぐらいの大活躍をした。

世界大会でも(死者蘇生が無かったので当然と言えば当然)使われまくったせいか、2014年10月からは制限カードとなることが決定。
これからは一枚だけのこのカードをどう通すか/止めるかという駆け引きが重要なデュエルの一要素となるだろう。
しかし1枚になっても相変わらずのカードパワーであることには違いはない。

上記ペンデュラムデッキの不死身の暴走の兆しは既にクリフォートが見せている。
その時が来るまで果たしてこのカードは必要悪として生き残れるのか、それともどこかでやり過ぎて歴史の闇に消え去ってしまうのか……

制限カードになった直後はこのカードと似たような事をするペンデュラム召喚が大幅に強化され、それを主体とするデッキが大暴れする様になった。
公式がペンデュラム召喚をプッシュしていることから自然と相性のいいデッキが減って行き、1枚になったことで引けたらラッキーぐらいの立ち位置になった事もあり目立たなくなっていった。
それでも【青眼の白龍】や【シンクロダーク】で使われ、発動されたらほぼゲームが終わる程度のパワーがあったのは相変わらずなのだが…

追記・修正はこのカード意外とすぐに禁止にならなかったなと思ったらお願いします。

























時は流れ10期














リンク召喚始動









上述の通り制限になってからは相性のいいデッキに恵まれなかったこともあり、カードパワーの割に制限で生き延びていた。
そのまま10期を迎え大幅なルール変更として新マスタールールリンク召喚が導入される。
詳しいシステムの説明は割愛するが特定の分類のモンスターを必要とせず、素材縛りも緩め、素材に使ったモンスターは即座に墓地へ送られるとシンクロ召喚とエクシーズ召喚の良い所取りの様な召喚方法。
9期と導入されたペンデュラム召喚とは相性が悪かったソウル・チャージだが、とにかく数を並べる事が重要なリンク召喚とはこの上ないぐらいに相性が良い。

最初こそリンク召喚関連のカードの性能は自重していたがSPYRALの登場でぶっ壊れ初め、「LINK VRAINS PACK」の登場で完全に突き抜けた。
特にリンク召喚を大幅にプッシュしていた10期の1年目後半から2年目辺りは、先攻1ターン目からソリティアで返す事が不可能な盤面を作るのは日常茶飯事、少しの手札誘発ぐらいなら貫通されてしまうという世紀末状態。
バトルフェイズできないデメリットがよりないも同然の存在となっていった。
手札誘発などの妨害を受けきった後に発動したり、盤面を崩された直後に撃つと簡単に再展開出来てしまうことからソウル・チャージはリンク召喚主体のデッキで再び良く使われるようになった。

【SPYRAL】【ABC】【植物リンク】【剛鬼】などのデッキで使われ続けいつ禁止になってもおかしくない理不尽カードとして猛威を振るっていた。
それでも素引きでしか使えないパワーカードのためか制限カードに踏みとどまり続けていたが、このカードを直接サーチできてしまう塊斬機ダランベルシアンの登場や展開しながらドローと墓地肥しを繰り返し強引にソウル・チャージを引き当てに行ける未界域】の来日がトドメとなったためか2019年10月改訂でとうとう禁止カードとなった。
相性の良いデッキに恵まれなかった事情があるにしろ、この性能でよく約5年も生き延びられたと言われる事も多い。


ただ一つ言えるのは、この展開はラフェールにも予想外だったと言う事だけだろう。
かなり極端な言い方をすればアニメでは自滅するためだけに使っただけのカードなのにとんだ大出世である。

追記・修正は己の信念の為にこのカードを使ってからお願いします。

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最終更新:2023年12月10日 10:35