The Elder Scrollsシリーズ

登録日:2014/07/26 (土) 14:34:12
更新日:2023/12/07 Thu 18:16:52
所要時間:約 8 分で読めます





美しい世界を望むか? 広大な世界を望むか? 自由な世界を望むか?

万引きをしてみたいか? 暗殺者のギルドに入ってみたいか?

自分だけの魔法を、アイテムを作ってみたいか?

広大な森を散策し、ひっそりと佇む遺跡を探険してみたいか?

海岸を歩き、素潜りをして貝殻の中に潜む真珠を見つけてみたいか?

ヴァンパイアに血を吸われ、自分もヴァンパイアになって吸血してみたいか?

魔物に苦戦している時に通りすがりの旅人や街道警備の衛兵に助けられてみたいか?

幾つもの街があり、幾つものダンジョンがあり、数限りないクエストがある。

様々な種族があり、さまざまな人がおり、様々なモンスターが、様々なイベントがある。




「全て」が、君のすぐ目の前にある。




あとは、好きにするがいい。







The Elder Scrolls(略:TES)シリーズは、ベセスダ・ソフトワークスが開発したコンピュータRPG。





◇概要


長大な歴史に彩られた正統派ファンタジー作品。
我々の生きる次元とはまた違う「ムンダス」と呼ばれる次元宇宙に存在する惑星「ニルン」、そこにある「タムリエル」と呼ばれる大陸とその周辺の小大陸、島を舞台に様々なストーリーが繰り広げられる。

シリーズは特徴は何と言ってもその圧倒的自由度。 
広大な世界の中を自由に冒険できる一人称型のオープンワールドRPGであり、物語の本筋であるメインクエスト以外にも様々なサイドクエスト、突発的なイベントがあり、決してそれに縛られないのもまた魅力の一つ。
そのクエスト進行だけでなく、プレイヤーの行動に応じて成長するスキルレベルシステムも自由度が高く、バリバリの脳筋戦士や魔法をと知恵を駆使する魔術師、果てや犯罪上等のアウトロー等様々なロールプレイを楽しめるように作られている。その骨子は初代Arenaから最新作まで変わっておらず、時代を経るごとにシステムやグラフィックが強化されている。

また世界観にも北欧やギリシャ、ファンタジー界お馴染みのクトゥルー等様々な神話がベースとして散りばめられていて、作品への没入感に一役買っているのも人気の理由の一つだろう。

…と、こう書けば「良くあるRPGじゃん」と思う人もいるかもしれないが、裏を返せばそれだけ「コンピューター・ロールプレイングゲーム」と言うジャンルを忠実に突き詰めたシリーズであるが故に、言葉で伝えきるのは非常に難しいのである。

もし興味を持ったなら、是非ともプレイしてほしい。
冒頭の言葉の数々が、全て真実だと分かるだろうから。




◇シリーズ紹介



The Elder Scrolls: Arena (1994年・MS-DOS)

第三紀389年のタムリエル全土が舞台。

記念すべきシリーズ一作目。
既にこの頃から後のシリーズに通じる自由度の高さは確立されていた。

実は開発当初は世界最強を目指す剣闘士となって各地のアリーナを転戦するといった内容で、RPGというよりスポーツやアクションの要素が強いゲームだった。
しかし、それが徐々に方向転換していき今のような形になったのだという。 タイトルの副題がArenaという、The Elder Scrollsとはまったく関係がなさそうな単語なのは、こういった経緯が理由の一つ(後にこの頃のタムリエルは全土で血で血を洗う内乱が起きていた為、その様相を闘技場に例えアリーナと呼ばれたと言う後付けがされた)。
ゲーム性としては荒い作りからセールスとしては初動数千本と苦戦だったが、一部のファンの間で噂を呼びカルト的人気を得た。

◇あらすじ

時は第三期389年。
シロディール第三帝国の皇帝ユリエル・セプティム七世が、王宮魔闘士のジャガル・サルンによって別の次元に幽閉された。サルンは魔法を用いて皇帝に成りすまし、その後10年余り帝国を支配した。
その元部下で陰謀に加わらなかった為に殺害されていたレマン・シロディールは、しかし自身の霊を世界に繋ぎ止め399年に帝国獄舎から主人公を助け出した。

主人公はレマンの話に従い、ジャガルを打倒し皇帝を救出すべくその鍵となる「混沌の杖」ーータムリエル全土に欠片として散らばったをそれを集めることになる。

尚「主人公が出自不明の囚人」と言うのも、此処から後のシリーズまで続く伝統である。


The Elder Scrolls II: Daggerfall(1996年・MS-DOS)

第三紀405年、ハイロック及びハンマーフェル地方が舞台。

シリーズの第二作目、Daggerfall(ダガーフォール)とはハイロック地方の主要都市の名前である。
この頃からベセスダのRPGは広大なオープンワールドを持ち味にしており、ダガーフォールのマップはTESシリーズ最大の広さを誇るどころか、これまで発売されたオープンワールド系ゲームの中でも最も巨大で、その広さは6万2千平方マイル(何とイギリスとほぼ同程度の広さ!)にも上る。

またシリーズでは初のマルチエンディングシステムを採用しているのも特徴…だったのだが、そのお陰で次回作(TES3)を制作する際にどのエンディングを正史にするかスタッフ間で大いに揉め、結果が後の世で語られる「西の歪み」と言うドンデン返しを超えた何かと言う結果になってしまった。
以来マルチエンドは採用されていない…またそうなったら「○○の歪み」になりそうなのは明白だが。

◇あらすじ

時は第三期405年。
恩赦により牢獄から解放された主人公は、引き換えに皇帝の指示で工作員としてハイロック地方の都市ダガーフォールに送られた。
課せられた任務はかつて無念の死を遂げた古代の王、ライサンダス王の亡霊が最近になって夜な夜なダガーフォールに現れては「復讐を!復讐を!」と叫びながら人々を襲うと言う、その理由の調査。
及びダガーフォールの女王に当てた手紙の行方を調べることだったが…


The Elder Scrolls III: Morrowind(2002年・PC,Xbox)

第三紀427年、舞台はシリーズに登場する種族の一つ「ダークエルフ」の故郷モロウウィンド。

シリーズ第3作目。
前作から実に4年以上の歳月を経てリリースされた本作は、TESシリーズでは初めてコンソール機でも発売され、400万本以上のセールスを記録しGame of the Yearをはじめ60以上の賞を獲得した大ヒット作となった。
リアルに作りこまれたオープンワールドとどこまでも自由なプレイスタイル、そしてPC版ではMOD作成ツールが公式に登場したことでMODコミュニティを見事に形成し、以降のシリーズの形を決定付けた作品でもある。
しかし、日本では未発売だった(現在はSteam等で購入できる)為、往年のシリーズ経験者以外には殆ど知られなかったのが残念。

◇あらすじ

囚人船に乗せられ、島に連れられた主人公は皇帝ユリエル・セプティム7世の恩赦により条件付きで釈放されることに。
その条件とは密書をバルモラにいる帝国の工作員カイウスに渡し、その後指示に従うことだった。
街の外れのあばら家に不審な男が一人。その男こそが帝国の工作員であり、皇帝直属の諜報組織であるブレイズの現地指揮官であるカイウス。そのままブレイズに入隊し諜報活動に従事することになった主人公は、数々の任務をこなしていく中で帝国のある思惑、そして己の運命を知ることになるのだった…


The Elder Scrolls IV: Oblivion(2006年・PC,Xbox360,PS3)

第四紀433年、舞台は帝国の中心シロディール。

既に個別記事がある為、詳細はOBLIVION(ゲーム)へ。


The Elder Scrolls V: Skyrim(2011年・PC,Xbox360,PS3)

第四紀201年、舞台はタムリエル北方の地スカイリム。

スカイリムを舞台としたシリーズ第5作目。
2011年度のGame of the Yearを獲得し、Morrowind、Oblivionに続いてこれでシリーズ3連続の受賞。更に発売から約1ヶ月で1000万本を出荷するなどシリーズ最高の売り上げを誇っている。
今作はベセスダが独自に改良したゲームエンジンCreation Engineを使用。これは同社がオープンワールドを構築することを目的に改めて開発したエンジンであり、前作よりもよりリアルで壮大なオープンワールドを作り上げることに成功している。
前作ではコンソール機のみの対応だった日本語ローカライズだが、今作ではPC版も対応し国内でのメディア展開も拡大された。

しかしながらそのハードスペックを骨の髄までしゃぶり尽くすようなシステムはコンシューマ版、特にPS3との相性が悪く、今はアップデートにより大幅な軽減がされたとはいえ、長時間プレイだとSSD換装を行ったPS3であっても処理落ちやフリーズの起こる確率が高い為注意。

現在はPS4、xbox one、Nintendo SwitchでDLC全部込みのスペシャルエディション(SE)*1、それに加えてPS5、xbox x/sでMODとはまた別のユーザー作成コンテンツであるCreationclubへのアクセス権込みのアニバーサリーエディション(AE)も発売中。
特に外部アセットを利用したMODが基本不可のPS4/5ユーザーではAE版は事実上の外部アセットMOD解禁とも言えるので、これを機会に再びタムリエル北部の地を隅々まで巡る冒険に出てみよう。

Steam版ではValve謹製の公式コラボMODがSteam Workshopに存在し、導入すると序盤の何処かで宇宙コアが登場するようになる。
Switch版はゼルダの伝説 ブレスオブザワイルドのコラボとして、マスターソードなどの装備がどこかに(あるいはamiibo特典として)隠されている。

◇あらすじ

タムリエルに君臨していた帝国は窮地に立たされていた。
先のオブリビオンの争乱で弱体化著しい帝国に対し、戦争を仕掛けて勝利を収めたハイエルフ族の過激派「サルモール」が率いるアルドメリ自治領との間で結ばれた停戦の条約「白金協定」
それにはスカイリムの民の大半を占めるノルドにとっては絶大な信仰を、ハイエルフにとってはかつて自分達の祖先に苦渋の限りを舐めさせ憎しみを集める神「タロス」の崇拝を禁じる事が含まれていた。
時同じくしてスカイリムの王トリグが協定の中身を巡り、盟友であったウルフリック・ストームクロークに殺され王位継承の為の同盟が形成された。
しかし王の座を巡り自分が今やスカイリムの王であり、白金協定など認めないと主張するウルフリック、及び彼を支持するノルド至上主義の一派「ストームクローク」と帝国側との内紛が起こり、結果ウルフリックは捕らえられ処刑される事となる。
ーーこの時乗せられた馬車には、無実の罪で捕らえられた主人公の姿もあった。

やがて馬車は処刑が行われる町ヘルゲンへ到着し、下ろされた囚人達には容赦無く刑が執行されていく。
そして遂に主人公の番が来た時ーー「それ」は現れた。
太古の邪悪なるもの。 永くエルダースクロールに綴られることの無かった伝説の存在「ドラゴン」がタムリエルの地に姿を現したのだ。

謎の黒いドラゴンはその圧倒的な力で瞬く間にヘルゲンを阿鼻叫喚の地獄絵図へと変えるも、その混乱に紛れて主人公は脱出しどうにか自由の身となるが…







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最終更新:2023年12月07日 18:16

*1 Switch版はSEとは付かないが、DLC3作全て込みとなっている