花山薫

登録日:2014/07/22 Tue 03:58:20
更新日:2024/04/14 Sun 03:02:10
所要時間:約 11 分で読めます





たった一夜の宿を貸し一夜で亡くなるはずの名が

旅の博徒に助けられたった一夜の恩返し

五臓六腑を刻まれて一歩も引かぬ

〝侠客立ち〟

とうに命は枯れ果ててされど倒れぬ

〝侠客立ち〟

とうに命は枯れ果てて男一代

〝侠客立ち〟

花山薫(はなやま・かおる)は、板垣恵介のギャグ格闘漫画作品・バキシリーズを代表するキャラクターの一人である。

CV:中田雅之(TVアニメ第一作)/くまいもとこ(同左、少年時代)/江口拓也(TVアニメ第二作)


●目次

【履歴書】

年齢 15歳→19歳
身長 190cm~
体重 165kg~
職業 高校生・花山組組長
特技 スデゴロ(素手喧嘩)
嗜好品 バーボン、チョコレート
好きな食べ物 行きつけの定食屋のオムライス、チョコとナッツのクッキー



【概要】


…履歴書までの時点でもうなんだか色々と雲行きが怪しいが、つっこんではいけない。というか、この程度で突っ込んでいては、バキでは体力が持たない

その正体は、組織暴力団花山組二代目組長…そう、ヤクザ某組長先生とは異なり、正真正銘本物のヤーさんである。
外見も、白いダブルのスーツ・ソフト帽(被らないことが多いが)・刀疵だらけの顔・藤木組のピンバッジ等、一昔前の仁侠映画そのもの。
作者が強さの一つの象徴とみなす「暴力団の黒い暴力」を体現したキャラとなっている。そうした格闘漫画の中でも特異な設定と後述する非常に強烈な個性、
さらに異様なほどの名勝負製造機っぷりが相まって、バキシリーズでも屈指の人気キャラクターとなっている。

というかあまりにも人気が高すぎて、『バキ外伝 -疵面 スカーフェイス-』・『バキ外伝 創面(-きずづら)』という
2本ものスピンオフ作品の主人公まで努めている。
タイトルが被ってて解りづらい。
これらのスピンオフに描かれた内容で花山のデータは大幅に補完された感がある。



モデルは実在した愚連隊史上最強・花形敬。
実際の彼はコイツほどは強くなかったらしいが…って、そんな人間いてたまるか!

またゴツイ外見とは裏腹に、10代の青少年だということも度々ネタにされる。が、地上最強の少年も18歳なので、
友人兼ライバルにするために合わせただけだろう。なお、彼の微笑ましい(?)高校生活は、スピンオフ作品で垣間見ることができる。
学力に関してはお世辞にも優秀とは言えず、通信簿では体育の5と国語の3を除いて全て2と散々ことになってしまい、流石にお目付け役の木崎に怒られてしまった。
数学宿題が片付かなくてチアノーゼのようになりながら立ち向かう花山なぞ、誰が想像出来ただろうか?
(花山は7×6の答えが48だと信じて疑わないのだ…)
刃牙道でも宮本武蔵をあまり知らなかったと本人は時代劇に出てくる侍という認識をしてたなどお茶目な一面が見られる。



【ファイトスタイル】

「強くなるために肉体を鍛えず、己の才のみで戦う」という、どこかで聞いたような設定を持つ。
だが、彼が一味違うのは、そうしたスタイルを(強調)信念にまで昇華している点である。その精神性は、彼を敬愛する不良・柴千春
「あの人を見てたらよう…格闘技をやることすら女々しくなっちまってよう…」という台詞に、見事に表現されている。

そのため格闘技に関しては基本的に素人なのだが、戦闘能力に関してはバキ世界の住人であることを考慮しても、規格外と言えるほどに高い。
鈍重パワータイプキャラにありがちだが腕力・タフネス共に無類(スピンオフでは拳銃*1を15発打ち込まれた上でに跳ね飛ばされても掠り傷)で、
それだけでなく160kgを超す体重で胴回転回し蹴りを放つなど、格闘センスそのものも卓越している。
運動神経は抜群で、泳ぎは素潜りでも巨大なサメの攻撃をかわすほど上手く、
懸垂では鉄棒を引っこ抜き、ソフトボールを投げれば空の彼方に飛んでいく*2…。

だがなんといっても(握力は天与のものという設定から)握力が異常に高く、握力計では計測不能。
自らの重みで自壊してしまうブラックホールのように本気で拳を握ると拳そのものが壊れてしまうため、
実は劇中で握力を全開にしたことはまだ一度もない
束ねたトランプを摘まんで指の形に引きちぎった逸話は余りにも有名。カステラじゃあるまいし...。
その超規格外の握力を利用したヤクザパンチ(後述する「花山の方程式」を参照)・握撃は花山の代名詞的必殺技である。

格闘技どころかトレーニングすら一切行わず、それでもその戦闘力・筋力は全く衰える様子がない。
これは、花山自身が「強者として生まれても尚も鍛える行為は不正」「格闘技は武器であり、身体能力が桁外れの自分が格闘技をやるのはアンフェア」と考えているからである。
ただ、彼本人は努力を否定したことは一度もない。
また、喧嘩抜きに運動自体は好きなようで、体育の日は「国が決めた日だから」と、ジョギングをしたりしている。
(一方で国が禁止した未成年の飲酒喫煙をしているんですが、それは)


・花山の方程式


「握力 × 体重 × スピード  

破 壊 力 ッッ!!!」

「花山の法則」でも「バキ物理学」でも「板垣物理学」でも好きに呼んでくれ。筆者が勝手につけただけだから。
ネタとしても非常に有名な、花山の代名詞の一つ。
元ネタは大山倍達(古いアニヲタ的には『空手バカ一代』の人だがバキファンなら独歩先生のモデルで通じる)が言ったとか言わなかったとか。
拳の握力が高ければ相手に与えるダメージを増大させることができ、スピードのなさを補えるとかいう理屈。
この物理法則(?)により花山のヤクザパンチは必殺の威力と化す。
上体を極限まで捻って繰り出すその拳は、軌道が丸わかりの「テレフォン・パンチ」であるにもかかわらず
もともとある異常なタフネスと度胸と根性に物言わせて敵の攻撃中であっても、あらゆる受け身や防御だろうと、突き破り、受けた箇所が粉砕骨折するほどの威力を持つ。
スピンオフでは刑務所の扉をぶち抜いていた。

バキ世界の物理学ではスピードは二乗されないらしい。その割に体重の少ない刃牙のダメージが少ない謎…
花山ファンを公言する柳田理科雄センセイ曰く、「速度と体重は勿論のことながら、握力が高ければコブシも硬いだろうから、
当然同じ質量の木で殴るより鉄で殴った方が痛いように威力も上がるだろう」とバキ世界のノリが微妙に投影された科学らしくもない大雑把な肯定をされていた。*3

念のため言って置くと、数学的な意味での計算式というわけではない。
飽くまで、それらの要素が威力の高さに繋がるというだけで、それぞれの数値を掛けるわけではない
例えるなら、『米』×『カレー』×『豚カツ』=『カツカレー』の様なものだろう。


握撃


花山の代名詞としてこちらも有名。握力で握りつぶす、それだけ。
それだけだが、天から与えられた規格外のその両掌ともなれば、危険な龍のアギトと化す。
手足を両手で掴み、強大な握力によって筋肉を挟み潰すことでただ人体が潰れるにとどまらず行き場のなくなった血液が筋肉を破裂させる
その他喉や太股等、綿あめをつまむような単純な一つまみのつねくりでも桁違いの威力になり、その様を自分の目で見たいち警察からも「あれはもう技じゃない」というコメントまでもらっている。
素人のみならず暗黒街の武術家でさえ「人体的にありえん」とか言っちゃうような技だが、やってのけるのが花山なのだ。
なお、最初の犠牲者は今まさに六代目源王会に出入りに赴かんとする父親。死地へ向かおうとしてた夫を止めようとしてた母に張り倒して出ようとしてたのを止めた花山に、全力を出すよう言い我が子の力をその身で感じ取った父は、満足して死地へと歩を進めたのだった。


【戦歴】

初代グラップラー刃牙、それも幼年編からの最古参のファイターであるため、数々の戦闘を経験している。
ここからはその彼の戦歴をダイジェスト形式でお届けしよう。

○幼年編

当初の彼は「喧嘩日本一」の肩書きに興味を持たれた刃牙の当て馬だった。
初戦、他の組への出入り(倉庫内で行われるサシの喧嘩。効率重視の結果こうなった)でヤクザの用心棒として雇われた
トミー・カービンというヘビィ級ボクサーを叩きのめす(彼はのちにユリーのかませ犬にもなったため、二重のかませ犬となった)。
次いで(以前に刃牙を撃破してライバル候補の一人だった)ユリー・チャコフスキーの腕を握撃で破壊。そのボクサー生命を絶つ。

その後刃牙に喧嘩をふっかけ、ゲームセンターで死闘が始まる。上記の花山の方程式や握撃も披露し
飛騨山中に棲まうUMA、夜叉猿すら制した刃牙に「夜叉猿よりも強い」と言わしめる程に彼を追い詰めたが「残弾の最後の一発」の僅差で刃牙に惜敗する。
しかし、その喧嘩の後に突如乱入してきたのが地上最強の生物範馬勇次郎だった。勇次郎の挑発に憤る花山は
満身創痍にもかかわらず闘いを挑むも一撃で両脚を粉砕骨折させられ、再起不能となる。
この一戦は強者として生れ落ちた花山の経験した最初の恐怖であり、生涯に亘りトラウマとなる。

なお、この勝負まで花山は「ヤクザの理不尽な暴力」を体現する(というか無口でしゃべらないので何考えてるかわからない)キャラだったが、
この戦いで「漢」として、義に篤い「侠客」として覚醒し、さらに刃牙との奇妙な友情を芽生えさせることになる。まあ理不尽キャラは勇次郎だけで十分だよね♪

その後、刃牙と勇次郎の対戦が決まるも、母親に袖にされた刃牙。このことを花山に愚痴るが、
「ウラヤマしいヤロウだな…」(ボソッ)と一言。激昂するバキに対して、

「お袋が………逝った…」
「癌でな……」
「まだ35だってのによ……」
「こ~~~んなに痩せちまって」(と見事な顔芸を披露)
「90歳といっても信じたろうぜ」

「勝つっきゃねェだろ……なァ」
「おめェにゃチャンスがある」

と激励する。勇次郎戦後のお見舞いのシーンと並び、二人の友情を描いた名シーンである(未成年同士ワイルドターキー酌み交わしてるけど)。

その後、刃牙の勇次郎戦のウォーム・アップで、ユリー・チャコフスキーとともに練習相手になるが、まるで歯が立たず、あっさりかませ犬になった。
(二人とも再起不能だったはずじゃ…←バキではよくあること←「呼んだかね」)


○最大トーナメント戦

その後はそのままフェードアウトするかと思われたが、ひっそりと(読者人気と作者の愛で)最大トーナメントに参戦。

実戦(ケンカ)だったらこの人を外せない!!」
「超A級喧嘩師花山 薫だ!!!」

バキ全編でも最大の山場の一つである最大トーナメント編は、彼にとっても大きな転機となる。

一回戦。初戦の相手は日本拳法の稲城文乃信。直突きの使い手らしいが…
刃牙(デカい……ッ 四年前より)
四年前のあの頃とは違うらしい。ファイトスタイルは一緒だけどね(訂正)。
刃牙の応援に対してはツンデレ発言で返す。
花山にとってこの最大トーナメントは自身の『暴力』で世界中の『格闘技』に挑む戦争であった。

試合自体は得意のヤクザパンチ(右アッパー)一発で撃沈。「武道やらせとくにゃ惜しい男」とリップサービスも見せるが、
ほぼ無傷(鼻血だけ)で花山の完勝。だが、試合終了後に稲城の師が突然闘技場に姿を現す。「わたしと立ち会え」と。
この時の花山の返答のカッコよさはもはや異常である。

「やってるこたァたかが喧嘩だ 意義もクソもねェもんだ」
「やりてェ奴アやりてェ時にやったらいい 受けるほうはいつだって受けたらいい」
「喧嘩ってのはそんなもんだぜ」
「こちとら喧嘩師いつだってたぎってる 好きなときに来な」
「寝込みでも…女喰らってる時でも…」


二戦目の相手は空手道・神心会の新星愚地克巳。「空手会の最終兵器」とも呼ばれる強敵との対戦に、観客(と読者)の期待が高まる。
なお、この勝負については対戦相手の項目に気合の入った文章があるので、詳細はそちらを参照されたし。
漢・花山薫と、史上最強のかませ犬(笑)・愚地克巳とが完成した歴史的名勝負であり、永きに亘るバキ全編、
こと名勝負揃いの最大トーナメント戦においてさえおなベストバウトに挙げるファンは数多い。

試合後、突如現れたアレクサンダー・ガーレンのスープレックスでノックアウトされたことは…、うん、なかったことにしよう。
黒歴史だしね。…刃牙に噛まれずに終わった闘士など、オーガを含めて存在しない。
もし噛まれずに済んだのなら、それはかませ犬にする価値すらないということなのだ。邪ッッッ!!!




○最強死刑囚編

「バキ BAKI」突入後の最強死刑囚編でも続投。
最強死刑囚と戦う五人の精鋭のうち一人に選ばれた。
最大トーナメントでの戦績は微妙だったが、最強死刑囚との戦いは、トーナメントの試合とは違う何でもありなノールールでの戦いとなるため、極道という身分による適正を評価され「実戦に強いタイプのもののふをセレクトした」という
ミッちゃんのフォロー(とやっぱり作者愛と読者愛)もあって参戦。
(なお、試合では彼に勝利したはずの愚地克巳はメンバーに入れてもらえず。そして、この判断が正しかったことを何度も証明することになる)

闘技場での試合とは異なり、武器すら使用する死刑囚五人に対し、場所もタイミングも状況も一切考慮しない街頭ルール下での死闘。
花山は真っ先にスペックと対峙する。
最初は(梢江とキャッキャウフフしている最中の)刃牙をストーカーしていたスペックだが、
太字「馬に、…じゃなくて俺に蹴られろ!」とでも言わんばかりな花山の乱入により標的を花山に切り替える。
スペック曰く、「見かけは若いが、アンタはこっち(裏社会・暴力の世界というニュアンス)より」だそうだが…

これが、

名勝負であるッ!!!

又か、とか言わない。本当にそうなんだから。
この試合も、バキ全編通してのベストバウトに数えられている。

まず公園での第一ラウンド。
得意のヤクザパンチのド迫力と、「まだ…やるかい…」のインパクトの凄まじさは必見。
一度はスペックを倒して自ら警察署に連れて行った後でのさらなる第二ラウンド。
ルール無用の「バキ BAKI」に則って、スペックは凡ゆる道具を使った卑劣な反撃を仕掛けてくるが…最終的にはスペックに勝利する。

警官A「そう あの事件がきっかけです」
   「わたしも個人的には賛成です」
   「例外的にという条件付きですが警察官にも機関銃の装備を認めるべきです」

「え、なんで、いきなりモブキャラが?」とか言わずに、黙って聞け! 彼が今からいい話をしてくれるんだから。

ここで以下彼の話の全てを転載したい…ッが、そんなことをしたらページがいくらあっても足りないッ!

筆者にはダイジェストする自信もないので、詳細は是非単行本でご覧いただきたい。
ただ、彼の台詞、「警察官のワタシがこう言うのもなんですけど……チョット憧れちゃいますね 男として……」には
読者諸兄も激しく納得していただけるだろう(個人的には「チョット」どころか「物凄く」!)。


なお、格闘の当事者とは関わりのない第三者が後日談としてインタビューに答えるというスタイルは、
作者の圧倒的な画力も相俟って読者の好評を博した。…というか、好評を博しすぎたみたいで、これと同じ様式で描かれるケースが急激に増えた。
はっきり言って粗製乱z…、ゲフンゲフン、なんでもない。

なお、刃牙と梢枝との関係も気にかけており、「オンナだったらいくらでも世話するぜ」
(死刑囚は恋人のような身内を平気で狙ってくるゆえそうした関係は持たない方が望ましい)と両者の怒りを買うようなお節介を焼くシーンも。
最終的に愛する人を守る刃牙の心意気を認め、梢枝も含めてふたりで決めたらいい、と引き下がる。
ちなみにその時梢枝の投げた小石が顔に当たり地味に痛がっている、地味に驚くべき事実がわかるシーンがある。…痛覚、あったんだ。

ちなみにスペック戦で銃弾を口に突っ込まれて爆破されたことで頬の皮膚が盛大に破れている。そのため以降に登場する際にはマスクで口元を隠している。



○ピクル編

その後はしばらく出番なし(チョイ役だけ)だったが、ピクル編で登場。
通称"史上最大の夜這い"には参加しなかったものの、刃牙が来るまでの時間稼ぎと足止めのためピクルと軽く接触。
本人曰くただの押しっくらだったが、組み合ったピクルがトリケラトプスを彷彿とさせる程の力を発揮し、自身を押したピクルを逆に押し返すなど、真っ向から渡り合い、ピクルからも「己の全てをぶつけられる実力者」と認識される等、強キャラ振りをアピールした。
ただ本人が拘るのは「強者」ではなく「喧嘩屋」としてのため戦闘は行わず。
後に花山本人からピクルとの押しっくらの話を聞いた徳川のじっちゃんも「見たかったのお~~」と実に残念そう。お察しします。ピクルの押しっくらで自身が感じたピクルについて自身が思った感想をじっちゃんに述べている。

烈海王と共に刃牙-ピクル戦を観戦する。実況解説やリアクション要員としてかなり表情豊かで多弁な描写をされ、ここら辺からかなりキャラ崩壊…というかスピンオフの『剽軽な薫ちゃん』が逆輸入されてくる。

○史上最大の親子喧嘩編

バギと勇次郎の親子喧嘩について、当初は「放っとけ」とつれない態度だったが、なんだかんだで柴千春と並んで徐々に列の前に出て行き、最後は最前列で観戦。興味津々である。

○刃牙道

史上最強の親子喧嘩という最大の修羅場を見てしまった結果、たいていのものに退屈さを感じ、目の前で拳銃を突きつけられようとあくびがでるほど体がヒマでヒマでしょうがないので、退屈さを紛らわせようと唐突に地上最強の生物に喧嘩を売った。
雑魚狩りに精を出したり、理由つけてはダラダラ戦いを先のばすのが多いこの世界では珍しいと言える行動である。
街中で彼に出くわすと、しばし一緒に散歩しながら歓談。スピンオフのようなコミカルなノリになりかけるも、軌道修正し路上で勝負開始。

しかし、溜め有りの全力突進顔面パンチが大して効かず、(勇次郎は自身に鼻血を出させた事に満足していた)逆に細胞が怖じけて空振りを連発してしまう(勇次郎には笑われていた)。
その後、怒りながら全力突進顔面パンチを打ったのだが、それに合わせた勇次郎の掌でのカウンターで吹き飛び気絶する結果に。

コンビニのガラスを突き破り、棚をなぎ倒す凄まじい威力にノックアウトと完敗だったが、
自身の退屈さを吹き飛ばす勇次郎の一撃に満足したのか実に良い笑顔でダウンしていた。
この一件を聞いて、徳川のじっちゃんから映像を見せられた刃牙――花山と同じく並の戦いやトレーニングでは満足できず退屈していた――はその様を「羨ましい」と語るのだった。

その後暫くしてからまた再登場し、警視総監の内海に宮本武蔵討伐を依頼される。ヤクザと敵対関係にある警察からの依頼ということで初めは難色を示すも、警視総監である内海が土下座までして自分に頼もうとしたため流石にこれを制止し、更に烈海王が武蔵に斬殺されたことを聞いて敵討ちということで結局承諾した。
宮本武蔵との戦いでは、花山から放たれる底知れぬ才能に見惚れた武蔵の隙を突いて3発も全力パンチを顔面にクリーンヒットさせたが武蔵に何故かあまりダメージを与えられず、武蔵が本気を出した後は真剣の威力とスピードに翻弄され始める。
それでも斬撃があまり通らない脅威的な骨格による頑丈さで拮抗し、ついにはマウントポジションで握撃を活かしたアイアンクローを仕掛けるところまでいったが、武蔵が自身の頭蓋骨を破壊する程の威力がある事から受けられないと筋肉の層が薄い脇腹を斬られてしまいついに形成逆転を許す。解説シーンまであるなど持ち上げられてはいたがアイアンクローは普通に愚策だったのではないだろうか
その後サラシでの脇腹の緊急処置や刃牙による激励があったものの、武蔵に一撃も当てられずに身体中に数多の斬撃を浴び、最後はわざと武蔵に背中の侠客立ちに渾身の一太刀を浴びせることで決着となった。
ここまでしても完全な身体の切断をなし得なかったほどの頑丈さを見せたことから武蔵に興味を持たれてしまい、トドメを刺されそうになったが、刃牙の介入により事なきを得た。内海には全力でやったが負けて申し訳ないと詫びたが、内海からは「充分過ぎるほど約束を果たしてくれた」と土下座までして感謝を示され、戦いを見守っていた警官らによって迅速に搬送された。
パッと見惨敗に見えるが、刃牙の見立てによるとあと一発当てれば武蔵を完全にノックアウトできるくらいまで追い摘めていたことから、真剣武蔵相手に唯一白星をあげた本部以蔵に次ぐほどの善戦と言えなくもない。
その後鎬紅葉による1000針もの縫合とバスタブ一杯分の輸血という、規格外にもほどがある手術で一命を取り留めたが、後のバキ道の描写から武蔵に斬られた左目は失明してしまった模様。*4

○バキ道

一命を取り留めた後は元の生活に戻っていたが、徳川のじっちゃんから誘われ気まぐれで地下闘技場戦士の代表の一人として、前頭筆頭・鯱鉾(しゃちほこ)と対戦する。
試合早々ヤクザパンチ一発でダウンさせるが止めを刺さずに鯱鉾が立ち上がるのを待っており、鯱鉾の怒涛の連撃を防御もせずに受け切って、鯱鉾から好きなだけ攻撃するよう言われると、鯱鉾の覚悟に答えるべく全力のヤクザパンチとアッパーで再度鯱鉾をダウンさせた。ダウンした鯱鉾にまた止めを刺さずに髪を整え眼鏡をかけタバコを吸おうとしてまで鯱鉾が起きるのを待っており、それを見た鯱鉾は自身の完敗を認めた。

【人間関係】

根が寡黙なためもともと交友範囲は広くない。
しかし放浪癖があるらしく、メイドカフェで食事をしたり電車で子供たちの興味を引きまくったり、活動圏は意外と広い。
行く先々のみんなにはとっても慕われているので、コミュ障…ではないはず。

外伝ではクラスメイトとも仲が良く、教師からも学業こそ苦言を呈されつつも、社交性の良さは高く評価されている。

上述の通り刃牙とは最初の死闘以来、親友といっていい間柄。
トラウマの勇次郎は、最敬礼の相手であり敬語で話す(『刃牙道』調べ)。
その他はどちらかというと武闘家タイプが多いため、交流は少ない。

他に彼を巡る人間関係で特筆すべき人物は、やはり舎弟…みたいな感じの柴千春だろう。
暴走族の頭である柴にとって花山は「あんなふうになりたかった」という憧れの対象であり、
花山にとっても柴に対し「不良の鑑だ…」と賞賛するなど、なんだかんだで可愛い様子。
刃牙の勇次郎戦の練習相手として柴千春をけしかけたのも花山である(いやそれ、最初から無理ゲーなんじゃ…)。
ちなみに2人の関係とは逆に、千春のが年上。
また側近の木崎は常に彼の行く末を見守り、慕うまさに忠臣。どこからともなくバーボンのボトルを取り出す
(花山はボトルの口を素手で折って一気飲みするのがデフォ。ゆえに消費スピードが尋常でなく速い)手並みはまさに名人級。
意外にも国立大出のインテリであり、宿題から通知表のチェックまで、花山の私生活の面倒を見る親代わり。
説教モードの木崎には、花山も頭が上がらない。

余談だが、『龍が如く ONLINE』とのコラボシナリオでは元同業者の春日一番には未成年と明かされた時には「未成年とかウソだろ!?」と至極ご尤もすぎるリアクションをされ、配布版の加入セリフではお勤めを終えて出所したばかりの春日に気前よく出所祝を差し出していた。
因みに、2001年に濡衣を自ら被ってお勤めに出た春日が出所した頃には東城会が消滅していたため、初めてもらった出所祝である。なんてこった。




【侠客立ち】

握撃に並ぶ花山薫のもう一つの代名詞。
「釣鐘を背負った鬼」という絵柄の刺青で、花山家に代々受け継がれているもの。
(絵があちこちズレてピカソみたいな感じになっているのは、負った刀創によるもの。これは逃げたからではなく「斬られてないのは侠客立ちじゃねえ」という彼独自の信念が故。それ故に侠客立ちを彫られた直後に侠客立ちを完成させるために父の仇の組織に単身で向かい殲滅させた際にワザと斬らせた。どこぞの龍とはまた違う信念である。)

その彫り物の由来は、平たく言うなら「花山のおじいちゃんのおじいちゃんのそのまたおじいちゃんが知らないおじちゃんに助けてもらった図」。
…コレデ、間違ッテナイヨネ?
だが、愚地克己戦ラストの侠客立ちは、戦慄的なほどにカッコイイ!
是非一度ご覧あれ。

余談

花山が愛飲するワイルドターキーは多少癖のあるウイスキーであるが、バーボンらしく甘い香りが特徴であり、スピンオフの『創面』及び『疵面』での甘党らしき一面はここから考えられた可能性がある。
ちなみに、未成年の刃牙は「辛い」と咽ているが、ワイルドターキーは年代によっても味わいが変わる。
なお、刃牙道にて刃牙が口に含んだのは『12年物』で、花山がよく飲んでいるのは『8年物』であり、8年物はスタンダードの場合はアルコール度数40.5%であるが、12年物は50.5%と高いので辛口と言える。*5

似た名前かつ比較的男性的な名前のキャラで龍崎薫が比較対象に挙げられる事があるが、知らない人が見ると「名前が逆なのでは」と間違われる事も。

名前に『ちゃん』を付けるだけで、文面だけ見たら美少女か何かに見える事からネタにされる事がある。
【例】
  • 花山薫ちゃん15歳(19もしくは20歳)
  • 好きな食べ物はチョコとナッツのクッキーやオムライス
  • メイド喫茶でメロンフロートを飲んだり、アイスクリームを自作する
  • 友達の名前は千春ちゃん
  • 長身で物静かで眼鏡っ子
  • お金持ち
  • 世話役に実の母親の様に面倒見の良い苦労人の木崎さんがいる
  • 勉強が苦手で九九の七の段をよく間違える
  • お母さんに薔薇の香水を手作りする
  • ゴキブリやお化けが苦手
  • 品行方正で横断歩道のお婆さんを助けたり先生に通知表の所見欄で褒められる
  • 折り紙が得意で、薔薇の造花は芸術品レベルetc...
嘘は言ってません。


「原文 × 追記 × 修正 =良項目ッッ!!」

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最終更新:2024年04月14日 03:02

*1 作中で「鶏だってバラバラになってたじゃねえかよ」「そんなもんアテになるかよ、熊とかで試し撃ち出来ないのか」などという台詞がある。

*2 ちなみに刃牙も死刑囚編で同様のことをやったが、角度がヘンだったせいではるか上空まで飛んだは良いがヨコの距離は10m強だった。

*3 好意的に解釈するなら、柔らかい物体では衝撃が吸収され破壊力が弱まってしまうが、硬い物体ならよりダイレクトに衝撃が伝わる……といった意味合いかと思われる。同じ木と鉄の喩えで言うなら、木製バットと金属バットの違いをイメージして頂ければ分かりやすいだろうか。

*4 左目の瞳の色が白化しているのがうかがえる

*5 刃牙が勇次郎と飲んだドライシェリーは15~22%程であり、こちらは刃牙も美味いと評した