兜甲児

登録日:2010/12/07 Tue 12:46:55
更新日:2024/02/22 Thu 21:45:50
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マジーン・ゴー!!


兜甲児は、永井豪原作のアニメ作品『マジンガーZ』の主人公。
CV:石丸博也

この項目は『マジンガーZ』とその続編、及び『マジンカイザー』、各種漫画版での兜甲児について記述している。
真マジンガー』シリーズでの甲児については兜甲児(真マジンガー)の項を参照。


概要

ご存知マジンガーZの操縦者にして永遠のヒーロー。
元々は何の変哲もない普通の少年(一応の基本設定)だったが、祖父である兜十蔵から「神にも悪魔にもなれるスーパーロボット」ことマジンガーZを託された事で、Dr.ヘル率いる機械獣軍団と戦う事になる。

バイクの腕前は一流で、オフロードだろうがオンロードだろうが難なく乗りこなし、
その腕前はマジンガーZの操縦や弟のシローの学校への送迎においてもいかんなく発揮される。
どこが普通の少年なんだ……?

光子力研究所の所長である弓教授の実娘・弓さやかとは友達以上恋人未満のパートナー(たまにくっつく)であり、
時に衝突しながらも互いに仲を深めていく。
……というのがほぼ共通の設定。

元祖スーパーロボットアニメの主人公だけあり、その知名度は非常に高い。
媒体によってかなり描写が異なり、単純熱血バカとして描かれる事もあれば知的な青年として描かれる事もあるなど、非常に幅広いキャラクター性を持つ。
ここからは他メディアでの甲児の活躍を見ていこう。


マジンガーZ

もちろん主人公として活躍。16歳。
その本質は他のマジンガーシリーズと同じだが、戦いに恐怖したりする繊細な面もある。
江戸っ子気質でノリがいいのはアニメ版での甲児の性格。

力で押すよりは、機転を利かせて勝利する事が目立つ。
しかし頭脳派というわけではなく、挑発にホイホイ乗ったり、無策で突っ込んでピンチに陥る事も多々ある。

さやかとはパートナー同士であるが、2人の性格の違いにより衝突が多い。
さやかの方は恋愛感情を抱いているが、甲児の方は恋というには弱い程度なので、すれ違いが衝突の原因になることも。
ミネルバXへの態度は、それを顕著に表した好例。

「ンロケットパァーンチ!」などの独特の発音は石丸博也による独自の開発。以降の熱血ロボットアニメ主人公の雛型となった。

最終回ではミケーネ帝国の戦闘獣にマジンガーZを完膚なきまでに破壊され、リタイア。
その後、父・剣造の計らいでアメリカに留学する事となる。


グレートマジンガー

ストーリー終盤で戦線に復帰。
当初はブランクがあったものの、最終話では甲児への嫉妬から剣鉄也グレートが上手く連携出来ない間に鉄也も戦闘不能となったことから孤軍奮闘。
しかも、ミケーネの将軍達を単独でフルボッコにしてしまう。
このため、グレート終盤の主人公の座を奪ってしまったと言われる事も。

『グレート』では死んだと思われていた父、剣造ともやっと再会したが、上記の鉄也との確執を原因とする連携ミスによる危機を打破する為に特攻して果ててしまう。
しかし、このことが甲児と鉄也の二人の息子の認識を改めることとなり、以降は義兄弟の絆で結ばれたのだった。


UFOロボ グレンダイザー

序盤からレギュラー。自作の地球UFO・TFOを操り円盤獣の前に姿を晒してはピンチになる役。
名実共に大介の良き相棒だが、3枚目的役割も多く、大介を主人公の座から引きずり下ろしたりはしない。
ただし、この扱いには当時から批判も多かった、カミソリが送られてきたとか。

後半の路線変更からは活躍が増え、
マリアに好意を寄せられたりとマジンガーZに乗っていないのだけが惜しいというくらいの扱いに。
グレートマジンガーに乗った映画的に、乗ってたらやっぱり不味かった説も根強いが。

3枚目的演出をされたのは現在では珍しくない複数主人公体制を東映アニメーションが危惧したため。
もちろん、『グレートマジンガー』終盤の主役交代問題も強く影響している。

奇抜な戦闘服も目立たせない処置……だったのだが奇抜すぎて逆に目立つ結果に。
アニメシリーズ以降は結局はシリーズ通しての主人公として扱われるようになり、
リメイク作品やスーパーロボット大戦シリーズでも基本的に主役として扱われている。

永井作品のヒーロー達の中でも不動明と並ぶ存在であり、
豪ちゃん的には『マジンガーvsデビルマン』が自身の漫画世界の最終構想だと語っていたこともある。


漫画版

TVアニメに比べて、熱血な面がより強調されている。
また、様々な面で努力を重ねたTVアニメとは違い、天才肌なところがある。
寝る前に宿題をきちんと終わらせたり、まだ小さい弟に代わって家事を切り盛りしたりとマメな一面も。得意料理はコロッケ。

さやかとの関係も異なり、お互い素直に好意を表している(特にさやかが素直な性格に描写されている)。
せわし・もりもり・のっそりの3博士に(ビューナスA製作のためという名目で)無理やり脱がされそうになったさやかを助け出した後、
「他人にさやかの裸を見られたくない」と発言した事も。

ラッキースケベの気があるのか、さやかの裸を見る場面が多い。
自身も、さやかの目の前で全裸のまま大股を開いて飛び上がり、イチモツをさやかの眼前に晒すというトンデモ行為に及んでいる。

『マジンガーZ』は当初週刊少年ジャンプで連載されていたが、Dr.ヘルの本拠地に乗り込む場面で終了。テレビマガジンに移籍後、アニメと同じ結末を迎えた。

『グレートマジンガー』では鉄也との仲は良好。グレンダイザーより早くTFOも披露した。

『グレンダイザー』ではTV版と変わらず大介の相棒。
何故かフリード星王家の人間しか操縦できないグレンダイザーを操縦する場面がある。甲児パネェ。
短編『双魔神の恐怖(グレンダイザー対ダブルマジンガー)』ではマジンガーZにも搭乗。
敵に洗脳されてしまい、同じく洗脳された鉄也のグレートと共にグレンダイザーを襲撃した。
ボロットの活躍によって洗脳が解けてからは、現れた円盤獣をトリプルマジンガーで袋叩きにし、撃破している。

永井豪にとっては主人公=甲児であったため、マジンガーシリーズの中心に甲児が置かれる描写になっている。
尚、モデルとなったのは作者の以前のヒット作である『ハレンチ学園』の主人公の山岸八十八。

勘違いされやすいが、トリプルマジンガーが公式で揃ったのはこれだけである。


桜多吾作の漫画版『マジンガーZ』でも基本的な立ち位置こそ変わらないものの、
「Dr.ヘルとの戦いに動員されたせいで出席日数が足りなくなり高校を留年」などという
作者特有のシニカルさを由縁とする描写が挟まれ、甲児自身苦悩する事も少なくなかった。
最終話ではDr.ヘルとの最終決戦で重傷を負いながらもグレートマジンガーに救助され、身体の大半をサイボーグ化して生き延びる。
が、以降の同著者による『グレート』『グレンダイザー』ではこの設定はほぼ顧られていない。

同じく桜多吾作版『グレンダイザー』でも概ねTVシリーズと共通の立ち位置であったが、
こちらは甲児以外のキャラクター、そしてシナリオが大暴走するという事態になってしまい、
最終的にはグレンダイザーと兄弟機ラーガによって永劫の眠りに付かされたデューク、マリア、そしてさやかを遠い未来で迎えるべく、
全ての文明が滅び去った地球でひかると共に世界の再建を誓う……という、ものすごい結末を迎える事となった。


漫画版(『グレンダイザー』以降)

マジンサーガ』では超精神物質の鎧・マジンガーZを父から受け継いだ青年として登場。
火星へと渡り、人類の救世主となる。詳しくは項目参照。

『Zマジンガー』ではサッカー部のキャプテンを務める高校生。茶髪。
機械神・ゼウスの意思を継ぎ、地球支配を企むオリンポスの神々と戦った。

バイオレンスジャック』では幼い少年として登場し、機械道空手を操る盲目の戦士ジム・マジンガの“目”となって彼をサポートする。


マジンカイザー

上記の永井豪による漫画版を元にした描写になっており、訓練を積んだクールなプロフェッショナルタイプの鉄也に対して
熱血漢ながら頭脳も回る天才肌として描写されていた。
鉄也の性格設定の変更からか、兄貴分として最初から絶大な信頼を寄せるなど、旧シリーズに比べて関係性が良い。
その他の登場人物との関係は漫画版に準拠。


劇場版 マジンガーZ / INFINITY

CVは石丸氏でも赤羽根氏でもなく、森久保祥太郎氏が担当。
一番、当時の石丸氏の声質に近いということで選ばれた。
Dr.ヘルやミケーネ帝国を打倒してから10年後、28歳になり科学者としての道を歩んでいる。
最早熱血オタンコナス要素は微塵もなく、冷静沈着ながら悪を憎む気持ちはだれよりも強いパーペキ超人である。
本人も自分が早々に戦線を離脱したことに関して後悔は無く、「俺がいつまでもヒーローでいたら、第2のヘルになっていたかもしれない」と言っている。
ただ、恋愛面はかなり天然であり、大人になってスケベ要素が皆無になったのもあってまだるっこしさに拍車がかかっている(苦笑)。
また、鉄也をさん付けでもくん付けでもなく「鉄也」と呼び捨てにしている(この経緯については漫画『インターバルピース』参照)。


ゲーム『スーパーロボット大戦』シリーズ

昔のウインキーソフト製時代では長らく無神経な発言をしたり、熱血バカ、単純バカとして描写されてきたが、
スーパーロボット大戦α』以降ではそう言った面が減少し*1、悪を許さない仲間想いの熱血漢の面が増大し
スーパーロボット大戦MX』でグレンダイザーの設定を踏まえた「賢い甲児」が登場して以降、
勇気と頭脳と熱血を兼ね備えた兜甲児として登場する事が多くなった。
敵の罠にホイホイ引っかかってピンチに陥る描写も、インテリ甲児になって以降はほとんどなくなり、寧ろ落ち着いたキャラクターに。
……実は、こっちの方が原作版に近く、科学者設定でない場合もバカキャラではなくなった。

『魔装機神』のマサキ・アンドーとは凸凹コンビとしてお馴染みだが、
マサキからもらったエーテル通信機を「耳掃除中に取れたでっかい耳クソを見せる」ために使い、取り上げられたのは有名なエピソード。*2

インテリ甲児になってからは多次元宇宙化した世界等、めちゃくちゃになった世界の事情を解りやすく解説してくれる役回り。
子供達からもお手本にされたりと甲児兄ちゃんすげぇ。
『α』シリーズでは、途中から賢い甲児になったために、ストーリーの事態が飲み込めず質問する側だった豹馬にツッコまれる場面があった。
アンソロコミックでも盛大にネタにされ、「俺が賢くちゃ悪いか!?」「俺だって科学者の孫だぞ!」と怒ったり反論するネタが多数載った。*3

空気参戦にも関わらずメイン級の描写をされる事も多く、鉄也やデュークは脇に追いやられるなど、
ある意味00年代以降のリメイク作品を彷彿とさせるバランスになっている。
ちなみに空気参戦=原作終了後であるため、作中では歴戦の英雄扱いである事が多い。

特にその傾向が強いのが、10年来の歴戦の勇士である設定の『INFINITY』準拠で登場した場合であり、
Dr.ヘル以降も絶えず地球圏を脅かす勢力に立ち向かう中で、流竜馬アムロ・レイを始めとする他作品の人物とも面識を結ぶなどのクロスオーバーが用意され、
30』で地上ルートを選んだ場合は、艦長のミツバと並ぶ事実上の自軍部隊のまとめ役としての立ち位置を担う事に。

また『Card Chronicle』ではOVA版世界の甲児が『真マジンガー』世界の自分と対面。マジンガー乗りの先輩として共闘。
また『X-Ω』ではシナリオ上での直接的な絡みこそないもののOVA版準拠の甲児と東映版の後日談である『INFINITY』の甲児、更に『ロボットガールズ』のZちゃんも交えて共闘させることができる。


名台詞


「パイルダー、オーン!」

「マジーン・ゴー!!」

「スクランダー・クロース!!」

「ロケットパーンチッ!!」

「兜甲児は不死身だぜ!」

「俺はDr.ヘルの野望を叩くために、このマジンガーZを正義のために使う事を、今ここに誓う!」

「平和なんてものは人々が少しずつ犠牲を払って作り上げるものなんだ。ただ、僕らはちょっぴりそれが多いだけさ」

「戦って、戦って……それでも敵わぬ時は、マジンガーZと共に死ぬだけです!!」

「で……その導き手になるってのはさやかさんとデートする事より楽しいのかよ?」

「ボスと学校でバカやって、シローをバイクに乗せてツーリングしたり、鉄也さんやジュンさんとカラオケするより楽しいってのか?」

「ああ……くだらないモノを……オレにとっては何にも変えられねぇ大切なくだらないモノを守るためにカイザーはある!」

「人類の導き手……? ……へっ、ガラじゃねーよ」

「『神にも悪魔にもなれる』。昔、マジンガーに乗る前にさ……マジンガーを作った俺のじいさんにさ、そう言われたんだ。どちらを選ぶのかって、すごまれてさ。けど、そんなもの選べやしない。ただ、悪魔にもなれない……そう思って俺は載った。戦いが終わって、俺は研究者になった……もう戦闘には、二度と参加しないつもりだった。それなのに……久しぶりに戦場に立って、正直、高揚した。その感覚を悪魔と呼ぶなら、俺はそれを否定できない」

「今の俺には、お前を造った人がお前をただの機械にしなかった理由が何となく分かるよ。人は、神でも悪魔でもない……その両方を持ち合わせている。あの強大な力を預けるには、お前みたいに感情がなくちゃダメだ!そう考えたんだろう。そういう意味では、お前と俺は、同じなのかもしれない」

「もしも俺が、研究者にならず、そのままマジンガーに乗っていたら、あそこにいたのは鉄也じゃなく、俺だったのかもな……そう思うと、ほっとく訳にもいかない!」

「大人になったら、もう少し分別がつくかと思ってたんだけど、そうでもなかったってようやくわかったよ。慈善じゃなく、やはり最善を手に入れたい。だから……この戦いが終わったら、話がある」

「くそったれで、ろくでもないことがたくさんあるけれど……それでも……それでも!俺は、この世界を肯定する!!」

甲児「少し、わかった……家族ができるって気持ちが。この世は生きるに値するものだと、強く感じた。」
リサ「……私もです」
甲児「……また会おう」
リサ「うん。……お父さん」

「……さやか。子どもを作ろう!」


スーパーロボット大戦シリーズの名台詞

マジンガーシリーズが版権スパロボのほぼ全作品に皆勤していることに加え、マジンガーZも作中のCGムービーで主人公チックな扱いを受けていることも踏まえてか、
甲児自身も優遇され、声付きでの熱い台詞が非常に多い。
TV版の甲児に多いが、α以降も微妙にメタネタを口走ることも多く、喋った相手次第ではネタに反応するキャラも多い。

「なんだよバーニィ、お前まだザクなんかに乗ってるのか?」(スパロボEX)*4

「なに言ってやがる。お前が老けすぎなんだよ、アムロ。ちょっとの間におっさん臭くなっちまってよ」

「マ、マップ兵器!?ボロットがマップ兵器を!?」(新スーパーロボット大戦のメタ台詞)

「うへっ、なんてカラーリングだよ!」(第4次にて、ダイモスを初めて観た時の感想。あんまりだ)

「マジンカイザー……お前は……俺が来るのを待っていてくれていたのか……? 何千年も……何万年も……この俺を……」

「クイズ番組かよ!」「魔法少女かよ!」(Wにて、ビルヴェルビントを「くるくるヒント」「ぷるぷるミント」と言い間違えたカズマへのツッコミ)

「この前よ、耳そうじしてたら、でっけえ耳クソが出てきたんだ。あんまりでっけえから、誰かに見せたくなって……」

「よくも、好き放題にやってくれたな……!ここからはこのマジンカイザーが相手だ!覚悟しやがれ!!」

「来いよ暗黒大将軍!七大将軍なんか捨ててかかって来い!」(ゲームアプリ版『CC』にて。もちろん元ネタはこの人)


追記、修正しやがらねぇ奴はすっこんでろ!

マジーン・ゴー!!

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最終更新:2024年02月22日 21:45

*1 戦い続きで学校の勉強が遅れてるのを気にしてる描写すらあった

*2 あまりにひどい描写だったせいか、リメイクのFでは普通に呼んだのにマサキが迷子になって来ないという形に変更されている

*3 α~Dの間のアンソロでも原作の甲児を知ってる世代のアンソロ作家が馬鹿じゃない甲児を描いてギャップで驚かれるというネタを度々描いてたりする

*4 コレに対するバーニィの反論が「良いじゃないか、好きなんだから」である。バーニィがザクに言及するのはコレが初めてなので、ある意味でバーニィのザクオタクイメージが付いた発端と原因でもある。どうでもいいがバーニィ自身はDCからの投降兵で階級も低く別にベテランでもエースでもないので、投降した際に持って来たザク以外乗せてもらえない可能性が高く、シナリオ上でもずっとザクにしか乗せてもらえてないのが前提でテキストが書かれてる可能性がF完の補給イベントで示唆されている