エルガイム/ガイラム

登録日:2014/07/19 (土) 23:12:54
更新日:2023/11/10 Fri 00:51:31
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ドッキングセンサー!



エルガイムとは、アニメ『重戦機エルガイム』前半における主役メカ。
本項目は、このメカの前身にあたるガイラムについても記載する。





◆エルガイム/L-GAIM


《スペック》

分類:A級ヘビーメタル
所属:なし → 反乱軍
開発者:ダバ・ハッサー
頭頂高:20.7~22.5m
全高:24.1m*1
本体重量:19.1t
全備重量:31.1t*2
動力:電力+ソーラーパワー
装甲材質:ジーンプラ
ムーバルフレーム:Mサイズ

《武装》
セイバー
ランサー ×2
アキュート
Sマイン
パワーランチャー
バスターランチャー
バインダー
ランドブースター・ライト
スパイラル・ブースター

《ヘッドライナー》*3
ダバ・マイロード
ファンネリア・アム
ミラウー・キャオ
セムージュ・シャト



《概要》

ペンタゴナワールドでも辺境にある、コアム星の若者ダバ・マイロードが所有するハンドメイドヘビーメタル(HM)。
その実、ダバの正体はかつてミズン星に存在したヤーマン族カモン王朝の王子カモン・ワーラー6世であり、エルガイムの正体もヤーマンが生んだ傑作HM・ガイラムの21号機「アーメス」をダバの養父で技術者だったダバ・ハッサーがカスタムした機体である。

しかしカスタムといっても、機体の出自をポセイダル軍から誤魔化す為の偽装と、いつか訪れるであろう打倒ポセイダル・ヤーマン族復興の日に向けての量産化を意図したデチューンである*4
事実、オリジナルたるガイラムにあった人造人間型コンピューターであるシンボライズド・コンピューター*5や、かのブラッドテンプルに対抗出来たというオリジナル程の性能は無く、同じA級HMで共通点の多いバッシュとの比較では「ヘッドライナーの技量が同じなら必ずバッシュが勝つ」とされる。
また、変わった設定として「マーキングの類が全くない」というものがある。出自を隠す為だろうか?

ただしヤーマン系HM特有の柔軟なフレーム稼働部が生み出す運動性と機動性の高さは抜群。
ランドブースター・ライトを装備すれば飛行も可能となるが、長距離の飛行や移動には有人ランドブースター・スピリットとドッキングする必要がある。


エルガイムは数あるA級HMでも運動性と機動性以外に突出した部分がなく、本編後半では息切れ気味であった。
だが、ダバやアムの愛機として戦いを潜り抜け、難敵を撃破していった姿からも解るように、平凡であるが故に、A級の中でもバランスのいい機体であったと言えるだろう。


そして、このエルガイムを基にして量産化された物が反乱軍の主力となったディザードであり、更にポセイダル正規軍に漏れたディザードのデータから得たヤーマン系の技術とポセイダル軍のガストガル系の技術を合わせて開発されたのがヌーベル・ディザード(クルツ・テンプル)*6、更にヌーベル・ディザードと別部署で企画された同一コンセプトがアモンデュール・スタックで、アモンデュール・スタックを反乱軍が奪って修復・完成させた機体がエルガイムMk-Ⅱなのである。

このように実はMk-Ⅱとは直接的な繋がりはない(修復改造の際に部品は移植されているが)。


ちなみにエルガイムやディザード1号機、エルガイムMk-Ⅱ、ヌーベルディザードなどの操縦にはスパイラル・フローシステムというヤーマン系特有のスパイラル・フロー*7がコックピットに合体してパイロットシートとなる機構が搭載されている。
エルガイムにはフリッカというスパイラル・フローが用いられる。

一応補助操縦システムや別のスパイラル・フローでも操縦は可能だが、操縦性は劣悪になったりスクリーンが一部しか機能しなかったりと非常に不都合。


劇中ではドッキング時にダバが「ドッキングセンサー!」と叫んでいる姿が印象深いが、実はダバ個人のルーティーンであり声紋認証とかそういう機能ではない。



主な装備

◆セイバー
右腕に搭載されたエネルギーの刃を持つ剣。サイズは大小、人間からHMまで白兵戦の基本武器。
所謂ビームサーベルライトセーバー


◆ランサー
柄が長く、両端からエネルギーの刃を発するセイバー。予備のセイバーやレーザー砲としても使える。
バインダーの内側に2基装備している。


◆パワーランチャー
右腕に装備しているレーザーランチャー。
HMの標準的な武装でもある。
プラグ付きケーブルをMH本体に接続してエネルギーを供給するのが特徴。

◆アキュート
前腕部を折り曲げると現れる打撃武器。影が薄い。


◆Sマイン
6つに分裂可能な円盤状の吸着or投擲用爆弾。
化学反応で起爆するので、迎撃されても誘爆の心配がない。


◆バインダー
板状の
内側にランサーやSマインなどを収納出来る。


◆バスターランチャー
HMの持てる最大の火器。
その見た目は巨大なパワーランチャーで威力も半端ないが、両手で携えなければその反動に耐え切れないのが難点。
エネルギー供給ケーブルも3本あり、エルガイムだと腰部の接続ジャック3基を全て使ってようやく運用できる代物。
反乱軍はヘッケラーのバッシュが整備不良で投棄した物とアモンデュール・スタックごとパクってきた物をMk-Ⅱを中心に使い回しており、エルガイムは最終回でギワザを討つ際に使用した。


◆ランドブースター・ライト
背部に装着するブースター。
これを装備すると飛行能力や宇宙空間での高機動能力を発揮出来るようになる。
物語初期は組み立てが出来ていなかったのか、飛行機タイプのランドブースター・スピリッツに掴まって空輸してもらったり、グライアなどが装備している汎用品のスパイラル・ブースターを使っていた。
スーパーロボット大戦に登場するエルガイムはデフォルトでこの姿。



主な活躍

中盤までの主人公機。
より強力なA級が複数現れるようになった中盤以降はMk-Ⅱ製作の為に無断でパーツを取られたり、自爆攻撃で大破したりとあまりいいところが無く、ダバがMk-Ⅱに乗り換え、アムがメインパイロットになってからは更にやられる場面が増えた。
腕がもげたり蜂の巣にされたりする姿は前主人公機の悲哀を感じずにはいられない。

しかし、最終決戦ではアムが13人衆リィリィ・ハッシーのグルーンを撃破、更に最終回のラストで大破・破棄されたMk-Ⅱに代わって再び主人公機に返り咲き、ポセイダルやギワザとの長い戦いに終止符を討った。




◆ガイラム/Gayrahm


《スペック》

分類:オリジナルヘビーメタル
所属:ヤーマン王朝 → サートスター
開発:ヤーマン王朝
全高:22.2m
重量:16.1t
動力:電力+ソーラーパワー
装甲材質:ジーンプラ
ムーバルフレーム:Mサイズ

《装備》
セイバー
アキュート
パドルスピアー
パワーランチャー
グランドバインダー
ランドブースター・ライト

《ヘッドライナー》
フル・フラット
スー・アザン



《概要》

劇中から過去の時代にあった「第一次聖戦(ファースト・セント・ウォー)」の時期にダバの曾祖父であるヤーマン王朝のカモン・ワーラー3世が開発したHM。
かつて存在したHMの中でもブラッド・テンプル、オージェと並ぶ高性能HMとして「ペンタゴナ3大ヘビーメタル」と称された程の名機であった。
ただし、コックピットはヤーマン系のスパイラル・フロー方式ではない。

旧時代の戦争はHM同士の一騎打ちで決着が着く事が多く、劣勢でも一発逆転のチャンスがあった。
しかしポセイダルが率いるガストガルの王朝が開発したHMはより攻撃に特化しており、とりわけ近衛師団テンプルナイツにのみ与えられていたブラッドテンプルは無敵・最強と謳われ、全てを焼き尽くす必殺の火炎放射器フレームランチャーは敵対勢力にとっては恐怖の代名詞であった。

対してヤーマン系のHMは防御・防衛に優れ、恐怖のブラッドテンプルを打ち破るべく開発されたのがこのガイラムである。
その性能もさることながら、ダバの実父カモン・ワーラー5世によって改良が加えられ、新たに大型の盾グランドバインダーとパワーランチャー内蔵の長槍パドルスピアーが追加された。
グランドバインダーで火炎を防ぎつつ、パドルスピアーで死角から突き破る戦法はまさしくブラッドテンプルの天敵であり、実際にガイラムは大いにポセイダル軍を苦しめたという。


だが、ブラッドテンプルと対等に戦えるガイラムの登場はポセイダルに危機感を抱かせてしまった。
第一次聖戦ではポセイダル軍の侵攻を食い止めたものの、続く「第二次聖戦(セカンド・セント・ウォー)」においてポセイダル軍は戦略をHMによる制圧戦から惑星爆撃艦(プラネットボンバー)による衛星軌道上からの絨毯爆撃による殲滅戦に切り替えたことでヤーマン族は都市ごと焼き払われ、却って滅亡までのスピードを早めてしまう結果となってしまった。
結局、ヤーマン族は僅かな生き残りを残して根絶やしにされてしまい、ミズン星に栄えたカモン王朝は逃げ延びた一人の王子を残してペンタゴナワールドから姿を消した。

残された30機余りのガイラムは人工惑星サートスターに保管され、本編終盤で引っ張り出されるまで長い眠りに就いたのであった。


ちなみにエルガイムの原型となったのは先述のようにカモン王朝滅亡時にダバの養父ダバ・ハッサーが持ち出したガイラム第21号機「アーメス」とされるが、そのアーメスのヘッドライナーこそダバの実父カモン・ワーラー5世であったという。
ダバ・マイロードは2人の父の遺産を受け継いでいるのである。



主な装備

◆セイバー、アキュート、パワーランチャー、ランドブースター・ライト
基本的にエルガイムと同じ物だが、本体に合わせて色が薄紫になっている。


◆パドルスピアー
長射程のパワーランチャーを内蔵した長槍。
ブラッドテンプルのフレームランチャーよりも射程が長く、グランドバインダーで防御しながらパドルスピアーで隙を突くのがガイラムの基本戦法だった。


◆グランドバインダー
フレームランチャーをも防ぐ巨大な盾。
設定のみで本編には未登場。



主な活躍

先述したようにサートスターに保管されていた物を、フル・フラットが引っ張り出した。

……が、ぶっちゃけ殆ど活躍していない。
一度ダバのエルガイムMk-Ⅱ&ギャブレーのアトールと戦ったが圧倒的に強かった訳でもなく、最後はガストガルのスヴェートに潜入する際に使われ、物語からフェードアウトした。

ただし、鹵獲されてから50年放置されて全く整備されていなかったものであったにもかかわらずA級HMと渡り合っていたので、そのあたりはオリジナルHMの面目躍如と言えるだろう。







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最終更新:2023年11月10日 00:51

*1 ランドブースター・ライト装備時

*2 スパイラルフロー・フリッカ含む

*3 所謂パイロット。A級HM乗りに与えられる称号

*4 ヤーマン独自規格の部品ばかりでは当然現ペンタゴナでの運用は覚束無い

*5 一時期は『FSS』のファティマとされたが、現在は「エルガイムの世界にファティマは存在しない」とされる。

*6 より直接的にガイラムを開発ベースとする資料もある

*7 エアーバイクの一種