グリーヴァス将軍

登録日:2014/07/19 Sat 00:41:10
更新日:2024/01/28 Sun 10:55:19
所要時間:約 18 分で読めます





「我 将軍グリーヴァスは、慈悲の心など持ち合わさんぞ。

お前らに戦士としての死をくれてやろう、覚悟しろ」


グリーヴァス将軍(General Grievous)とはSF映画『STAR WARSシリーズ』の登場人物。
演:カイル・ローリング*1
CV:マシュー・ウッド(EP3、3D版CW)
  ジョン・ディマジオ(2D版CWs2)
  リチャード・マッゴーネイグル(2D版CWs3)
  後藤哲夫(EP3、3D版CW吹き替え)
  菅生隆之(2D版CW吹き替え)




【概要】

銀河共和国からの分離主義運動から誕生した独立星系連合の軍事指導者を務める大物であり、脳と一部の臓器以外の全身を機械化された所謂サイボーグ
白いドクロのようなフェイスと細身でありながら大柄な体、それを覆うケープが特徴。

シリーズの基本となる実写映画9作品の内、登場するのは新三部作のEP3のみ。
ただしEP2とEP3の間を描いた外伝作品『クローン大戦』および『クローンウォーズ』などでは出番が多い。



【人物】

◆過去

「銀河の粗大ゴミ、ジェダイの始末のどこが殺人だ」

本名「カイメイン・ジャイ・シーラル」。
銀河屈指の武闘派として知られる惑星カリーの爬虫類系ヒューマノイド種族「カリーシュ」の出身。生身だったころは、武人気質ながらも戦士としての気高さを持つ、カリーシュの中でも特に名の知れた将軍であった。
かつて隣星のカマキリ型昆虫種族ヤムリ(カリーシュはこれを「ハク」と呼んだ)が仕掛けた侵略戦争において多くのハクを打ち倒し英雄的存在となり、攻め入って来たハクを追い返すことに成功した。
しかし、ヤムリが共和国に援護を要請しジェダイが介入したことで経済制裁を受けた(監視の及んでいない宙域であったため、共和国は先にコンタクトをとったヤムリ側の言い分を受け入れてしまった)。
結果カリーシュは莫大な負債を負い、餓死者も大量に出る事態になってしまった。
このことからグリーヴァスはジェダイと共和国を恨んでいる。

その後、借金を肩代わりすることを条件に分離主義勢力のインターギャラック銀行グループ(IBC)に雇われ、彼らの元で主に借金の取り立てなどの汚れ仕事を受け負っていた。
しかし資金繰りにも一先ずの目処がつき、ハクとの戦争を再開しようとした矢先に運悪くシャトル事故に遭遇。重傷を負ってしまった彼はサイボーグ手術によって全身を機械化され蘇った。
……実はこの事故は、卓越した戦闘能力を持ちながらも扱いにくいグリーヴァスを手元に置くために分離主義勢力が仕組んだものであり、手術と同時に記憶・精神操作を施されドロイド軍の指揮官へと生まれ変わることとなった。


◆現在

「退がれ!! このジェダイ野郎はわしの手で、倒す!!!」

もともと好戦的な人物だったが、サイボーグ化の折りに脳にもチップを埋め込まれるなど手を加えられ、怒りや憎しみの感情を増幅されている。また生身の頃の記憶も改竄され、誇り高かった性格も歪められているため非常に残忍な性格
敵ならば女子供だろうと容赦なく攻撃を加え、時には虐殺などの非道な行為も平然と行う。
気性も荒く、苛つくと部下のドロイドを殴り壊すことも多い。

また、危機に陥れば部下を置いてでも我先にと逃亡したり、部下の援護に頼ったりするのも特徴。
もっともサイボーグ化した後の彼の部下といえばドロイドがほとんどで、それでなくとも司令官である自身の安全を最優先する判断には一理あり、この姿勢はむしろ「戦況を見極めるのが上手く、引き際を弁えている」と評価されることも多い。
それゆえその戦いには勝利しても、グリーヴァスに逃げられることは幾度となくあった。

一方、実力を認めた相手には一対一での戦いを挑む武人らしさもあり、
当初は無機質だったフェイスに手を加え、現在のデザイン(カリーシュの持つ骨マスクを模したもの)にしたりする人間臭い部分も大いに残っている。
トレードマークであるカリーシュ伝統のケープも自身のヒョロ長い機械ボディを嫌ってのもので、直属の高性能バトルドロイドマグナガードにもわざわざ同じものを着けさせている。


ただし、EP3小説版においては上述の通り、これらの感情すら分離主義者ひいてはシス卿が仮の軍事指導者として扱いやすいように電子的に再現・改竄した擬似的な性格に過ぎず、本当の意味での自我はサイボーグ化した時点で完全に喪失させられた存在とされている。

……まあ、映画本編やクローン・ウォーズなどではとてもそうは思えないが。

CGアニメ『クローンウォーズ』で描かれたカミーノの戦いでは、宇宙での陽動を餌にひそかにカミーノのクローン育成施設に攻め込みクローン兵のDNA情報を奪うという任務で「ぶっ壊しちまえば早いのに」と破壊を示唆するアサージに、
「DNAには、多くの可能性が詰まっておる!」と破壊の権化らしからぬ諌言を返したりもした。
肉体を喪っただけに、肉体再生の可能性がある遺伝子情報には思うところがあるのかもしれない。


分離主義勢力においては上記の通りドロイド軍の指揮など軍事面を専任した。
これは対外的な悪印象を与えやすい武力行使にあたって、分離主義の正統性の象徴となっているドゥークー伯爵のイメージダウンなどを防ぐ意味合いもあり、カリーシュの軍事指導者でもあったグリーヴァスは、その持ち前のセンスと経験を活かし前線指揮官として活躍。
3年に及ぶクローン大戦の中、アサージ・ヴェントレス(やソーラ・バルクダージなど)と並んで独立星系連合の軍事指導者として活躍し、その強さや残忍さゆえに銀河中から恐れられた。

グリーヴァス自身は当初ドゥークーに反発していたが、実力やその策謀の深遠さゆえに、ドゥークーやその背後にいるダース・シディアスに対して指導者として尊敬の念を抱くようになっている。
とくにドゥークー伯爵からはライトセーバーによる剣術の指導を直接受けていることもあって、師弟関係を結んでいる。
一方、同僚でありドゥークー門下の姉弟子であるアサージ・ヴェントレスとはライバルのような関係にあった。

「どちらもワシの手で葬り去ってやる!」
「『我らの』手でだろう。ドゥークー伯爵はふたりに命じられた!」
「わかっておる殺し屋! お前と会えるのが楽しみよ!」

とはいえ足を引っ張るほどではなく、苦戦するアサージにわざわざ遠回りして(しかも自分から救出連絡したフシがある)救出したり、任務失敗で憮然とする彼女に黙って運転に徹する場面もあった。


……しかし彼はシディアスがパルパティーン最高議長であることまでは知らなかったため、
面と向かって「覚悟しろジジイ!!とのたまったり、彼がいるブリッジを破壊して宇宙に吸い出させようとしたり、轟沈する宇宙船にほったらかして大気圏で焼き殺そうとしたりしていた。


一方、分離主義の他の幹部(利益目当ての守銭奴)たちのことは、自身がドロイド扱いされたり、軍事的な面で彼らの能力はからっきしなことなども重なって嫌っている。
特にニモーディアンの総督ヌート・ガンレイに対しては「シディアス卿がガンレイの脳味噌を叩き潰す命令を下してくれることを心待ちにする」ほど。
ただガンレイも負けておらず、ドゥークーの死後には「ドゥークー伯爵が死んだ今、お前の言う『安全』など信頼できるか!」と面と向かって罵倒しており、独立星系連合の重鎮たる両者の不仲はかなり深刻であった。
(EP1を見る限りガンレイの軍事的能力は低くなく、むしろ高い方であるが)
ただ同じニモーディアンでも、ラシュロス・ドファインという修羅場でも冷静な指示を飛ばせる人物は好んでおり、自分の右腕として抜擢した。EP3では旗艦「インヴィジブルハンド」の艦長を務めている。
多くは守銭奴の大企業が母体となった分離主義勢力には彼に代わる指揮官やジェダイと近接戦で戦える戦力が少ないこともあり、アニメ『クローンウォーズ』ではドゥークーに対して、「ジェダイを倒せというが、あなたはドロイドしかくれない」とさすがのグリーヴァスも文句を言ったことがあった。


戦場では、後方より前線に赴くことが多く自ら砲火の中に身を置きたがっている。
ジェダイに対する恨みは(シャトル事故もジェダイのせいと思わされていたこともあり)サイボーグ化後も根強く残っているらしく、クローン大戦中には数多くのジェダイと交戦。
上記のように、増幅された闘争心も影響して、狩猟および戦闘としてのジェダイ狩りも趣味に近いものになっている。
その過程で倒したジェダイのライトセーバーを奪い*2収集することを愉しみにしており、腰やケープの裏地には多数のライトセーバーを勲章のようにぶら下げている。
こういった行いや、千年を超えて生きる超生物の賞金稼ぎであるダージに次いで多くのジェダイを屠ってきた戦績によって、彼は人々から「ジェダイ・キラー」と称された。



【戦闘能力】

「ジェダイの技はドゥークー伯爵からすべて、教わっておるわ!」

生来の戦闘センスに加えてサイボーグ化した体を活かしたトリッキーな戦闘スタイルが特徴。
細身なボディに見合わぬパワーや、それを活かした握力、電磁力も発生できる巨大な鉤爪、さらには軽い変形機構などを備えており、
これらを組み合わせて壁や天井を駆け回ったり、虫のような四足歩行で動いたり、腕を格納して身を守ったり、といろいろできる。
もちろん攻撃力や防御力も高く、その腕は岩を粉砕し金属の塊を投げ飛ばし、蹴りを発すれば人間などはボールのように飛ぶ。
デュラスチール合金製のボディは当然頑丈で、宇宙戦闘機のビームにすら耐えるという。
ジェダイ指折りの実力があるオビ=ワンすら素手の格闘戦では圧倒されており、純粋な力比べではいかなるジェダイもかなわないと思われる。
また、気密性も高く、与圧服などの追加装備なしでも宇宙空間に出て活動することが出来る。


戦闘では主にライトセーバーを使用。セーバー用の剣術はドゥークーに教え込まれた。
本人の剣術のセンスに加えて、上述した機械の肉体ゆえの利点・電子頭脳の補助といったツールも余すことなく用いており、
通常の一刀流・二刀流のみならず、足に握らせての三刀流、両腕を変形・分離させての四刀流、
ライトセーバーを握ったまま手首を高速回転させて盾のような使用、胴体そのものを回転させての回転斬りなど、人間では不可能な芸当をやってのける。
その機械の体を活かした動きを見た視聴者から「何を教えたんだドゥークー」とツッコまれることもしばしば
この手首回転は、実はドゥークーの得意技である「手首のスナップを利かせた曲線的な斬撃」を彼なりに再現し工夫したものである。

多数のライトセーバーを自在に振う戦法は非常に高い攻撃・制圧力を発揮しており、劇中でも複数のジェダイを一人で圧倒する場面が多く、その強さはシリーズ屈指。
ジェダイ評議会メンバーも務めるシャアク・ティキ=アディ=ムンディイース・コスですら余裕で打ち負かす。

EP3小説版によれば、少なくともウータパウでのオビ=ワンとの戦いの時点で、四刀流を駆使して通常1秒間に12~20回の剣撃をタイミングをずらしつつ不規則なリズムで繰り出すことが出来るとか。
速さだけなら超一流のジェダイでも真似出来ない連撃によって、多くの敵を仕留めてきた。

ただし、ジェダイ評議会のトップ層と比較するとまだところどころで粗が目立つようで、EP3直前ごろもドゥークーとの稽古では大体あしらわれている上、
「こんな甘い攻め手がオビ=ワンやシン・ドローリグレベルのジェダイに通じると思えば足元を掬われる」
などと、具体的な例と共に叱咤されることもしばしば。
実際一対一では、実力者キット・フィストーにはライトセーバーを一本取り返されて二刀流対三刀流で圧倒され、アサージにも事実上タイマンではほぼ敗北。オビ=ワンには善戦はすれどいつも押し切れず、ついにEP3では四刀流をあっさり破られた*3
歴戦のジェダイだけでなくアソーカ・タノなどの未熟なジェダイともたびたび拮抗しており、その苛烈な攻撃を活かしきれなければ窮地に追いやられていることが少なくない。
ときおり相手を見くびる悪癖もあり、あるグンガンに致命傷を負わせたまではよかったが、そこで油断しまくったために反撃の槍でぶっ刺されたあげくフルボッコにされて捕虜になるという屈辱も味わっている。

「おかげさまで腕が上がりました。ジェダイを何人も倒せました」
「たまたま小物を倒せたからといってのぼせるんじゃあない。
教えたことを忘れるな。トップクラスのジェダイとまともに戦って勝とうと思えば、相手が恐れおびえるほどの、威圧感を備えておらねばならん。それほどの力がないのなら、戦わずに逃げたほうがよい。
奴らを倒す手は一つだ。戦いに持ち込まずに不意を突け。そうすれば勝てる」

稽古の場面だけ見てると凄くいい師弟関係に見えてくる。実際この稽古の場面では直後に現れたシディアスもその指導を褒めているし
なおこの後のコルサントの戦いではその教えを忠実に守っており、その成長もちゃんとうかがえる。

戦うほどにジェダイの剣術や太刀筋のデータを電子脳に蓄積し、リアルタイムに分析・習得する能力も備えており、不規則な動作で知られる「ヴァーパッド」も、不完全ながらも初見で太刀筋を再現する芸当も披露した*4
相手の剣技をその場で模倣する戦法はその特性上防御主体のフォーム「ソレス」とは相性が悪いと言われているが、経験値を蓄積できることはすなわち彼がまだ伸びしろのある、発展途上の剣士でもあったことを意味している。

また、機械の身体はフォースを扱ううえで相性が悪く、フォースの加護や耐性は常人以下にまで落ち込んでいる。
そのためフォースの技は使えず、電子脳によりブラスターの射線を見切って防御くらいはできても、そこから反射させての攻撃などは出来ない。(その意味では、程度は違えど同じくサイボーグ化したダース・ヴェイダーのフォースがいかに強力であるかを思い知らせてくれる存在でもある)
重量に加えて堅牢な鉤爪を持つ彼をフォースで吹き飛ばすにはジェダイの側もそれなりの力量と精神集中を要するが、これらフォースへの耐性の低さは対ジェダイ戦では状況を打開される原因になることも。

しかし電子脳で補助されているとはいえ、元来ある程度フォースの加護が前提となるライトセーバーの使用をフォース抜きで行っていることは、彼が生まれ持った武芸の才能の高さを証明していると言えるだろう。


ライトセーバーの他にも、武人としての経験や電子脳の補助により、ブラスターやエレクトロスタッフ、スターファイター、ホイール・バイクなど多彩な武器・兵器の扱いに長ける。
ブラスターを握らせれば、鍛えたジェダイですら手が滲んで見える速度での早撃ちをやってのけ、時にはライトセーバーとブラスターを併用しての不意打ちといった生粋のジェダイやシスならば到底行わないような戦法を躊躇いなく実行してのける。
こういった勝利のために手段を選ばぬ戦法により、グリーヴァスは歴戦のジェダイたちでも手を焼く難敵として銀河で大暴れするようになった。


尚、グリーヴァスが使うライトセーバーは前述の通りジェダイから奪ったものをそのまま使っているらしく、色も青や緑のジェダイカラーであるが、この点についてはライトセーバーに関する後年の設定変更と矛盾していると指摘されることもある*5
また、ライトセーバーを腰やケープにぶら下げるのはいいのだが単に引っかけたりポケットにつっ込んでいるだけであるため、フォースの念力であっさり奪い返されてしまうこともしばしば。



【クローン大戦中の活躍】

エピソードⅡ

クローン大戦のはじまりとなった、ジオノーシスの戦いにもいたらしいが、彼と戦ったジェダイが全員戦死したために報告がされずクローン大戦当初その名はあまり知られていなかった。


クローン大戦

スター・ウォーズ クローン大戦

初登場作品。
工業惑星ハイポリの戦いにおいて、ジェダイ・マスターのバレック将軍を殺害後、評議会メンバーキ=アディ=ムンディシャアク・ティを含むジェダイ六人を一人で圧倒
そのうち二人を殺害、三人に重傷を負わせ、ムンディも殺害寸前まで追い込む。*6
フォース攻撃にも高速移動で回避する・足でもライトセーバーを扱う・胴体丸ごと回転させてのライトセーバー回転攻撃など変幻自在の動きを見せた。
ムンディを打ち取る寸前に駆け付けたクローン部隊に対しては、ガンシップやトルーパー部隊の集中砲火も難なく逃げ切る機動力も披露する。
最初の二人は個別に撃破していたが、残る五人のジェダイは一度に相手をしており、そのすさまじさを見せつけた。
なお、この時はまだ4刀流(というか3.4本目の腕)を見せておらず、本気ではなかったこともうかがえる。

この戦いで実力を示したグリーヴァスは、生還したムンディの報告で共和国軍にもその存在を知らしめた他、独立星系連合内部でも伝説の賞金稼ぎダージ、ダース・ティラナスの弟子アサージ・ヴェントレスを倒し、正式にドロイド軍の最高司令官として活動するようになった。
ただ、別の作品だとグリーヴァスは戦士として以上に軍隊・戦争全体を俯瞰する「指揮官」としての能力を買われていたとされているため、両名との試合はあくまで腕試しに過ぎなかったと思われる。
(アサージもダージも、戦士としてはともかく軍団の指揮官としては経験もないのであまり向いていない)

コルサント急襲時もマグナガードを伴ってパルパティーンの誘拐に赴き、地の利を生かされて逃げ回られながらもマグナガードとの連携で少しずつ追い詰めていく。
護衛の三人のジェダイが分散するよう仕向け、パルパティーンたちの逃げ先へと先回りしジェダイ・マスターの二人を一蹴、
時すでに遅しながらも追いついてきたシャアクを見せしめに生きたまま残し、パルパティーンを連れ去った。
しかし、何とか追いかけてきたメイス・ウィンドゥのフォースによる攻撃で胴体部にダメージを受け呼吸器の一部を損傷。映画本編の咳込みの原因となった。
(本作は現在、『レジェンズ』扱いとして正史扱いされていない。ただし一部のカノン作品で、本作の設定やシーンに触れられる場面がある*7

『クローンウォーズ』

独立星系連合ドロイド軍を率いて数々の戦いに参加しジェダイと対決。
シスが二人しかいないなど、ジェダイと戦える敵キャラクターの少なさも相まって、時には自分の艦を撃沈されたり、自宅で襲われたり、グンガンにフルボッコにされ捕虜になったりしながらもしぶとく生き残り、共和国を脅かし続けた。
また、その中でオビ=ワン・ケノービと幾度か刃を交えライバル的存在となった。
一方偶然が重なりアナキン・スカイウォーカーとはEP3まで直接の面識は無かった*8

「クローン大戦」とは異なり、コルサント戦以前から咳き込んでいる*9*10
剣術の師であるドゥークー伯爵からもだまし討ちのような形で試練を受けさせられて、伯爵に対して憤慨したりと危うさを見せる場面もあった。
凶暴なログウォートを「ゴア」と名付けてペットとしてアジトで飼ってかわいがりその死を嘆く一面もある。

「クローン大戦」ほどの圧倒的な格差はないが、並みのジェダイでは手に余る実力者であることは確か。特に指揮官としてマグナガードやバトルドロイド達の支援攻撃も有効的に用いてくる。
ジェダイ評議会メンバーでもあるイース・コスに対しても、彼の負傷を差し引いても終始圧倒し、背後のマグナガードに挟撃させてあっさり生け捕った。
この一戦ではフォースの衝撃波で吹っ飛ばされる一幕こそあったものの、得意の四刀流もいつもの猛攻もかけず、全体として余裕綽々だった。
キット・フィストーとの対決では、四刀流を駆使するが殺害したナダールのライトセーバーをフィストーに奪われて二刀流vs三刀流となり、フォースの吹き飛ばしなど翻弄されつつもマグナガードの支援も得て彼を追い詰めようとしたが、ジェダイスターファイターを呼び寄せていたフィストーに最終的に逃げられた。
アサージとの一騎打ちでも決闘では負けたが、バトルドロイド達の支援攻撃でアサージを撤退に追い込み戦略的には処理している。
また、よく腕を落とされたりして度々修理が必要になるので指の数も映画と異なったりしている。
修理以外にもしょっちゅう体を改造しているらしく、改造用ドロイドに嫌味を言われた際には「改造はワシの趣味だ」と言い返している。

本人は完全シリアスな立ち位置ではあるのだが、周りの安物ドロイドがボケを乱発するため必然的にツッコミをくらわすことも。
とある星に不時着した際に稼働用電池を節約するためグリーヴァスだけが動物に乗っていたら電池切れそうなバトルドロイドが愚痴るなど。


エピソードⅢ

冒頭から登場。惑星コルサントからパルパティーン議長を誘拐し、コルサント上空の宙域で艦隊旗艦プロヴィデンス級「インヴィジブルハンド」のブリッジで共和国軍との艦隊戦を指揮していた。
混戦の中でも随時命令を発して対応していたが、艦に突入してきたオビ=ワンとアナキンによってパルパティーンを奪還されたうえにドゥークーは戦死。
なんとか逃亡しようとした三人を捕らえたものの、ジェダイ二人の抵抗でブリッジ内での戦闘となり、止む無くグリーヴァスは旗艦を放棄。
三人を艦諸共コルサントの大気圏に落として抹殺しようと目論み、自身は脱出ポッドで戦闘から離脱。
独立星系連合の拠点である惑星ウータパウへと帰還する。

その後、シディアス卿の命を受け他のガンレイをはじめとした他の幹部たちをムスタファーへ送り出すが、直後基地に潜入していたオビ=ワンが登場。
真正面から姿を見せたうえに護衛のマグナガードを軽くあしらって見せたオビ=ワンに対し、グリーヴァスも四刀流を以て一対一の勝負を挑むが、ソレスに熟達した彼の剣に押され左右の手を一本ずつ切り落とされ苦戦。
更にトルーパー部隊の登場もあって状況を不利と見たグリーヴァスは、ホイール・バイクで隠していた専用のベルバラブ22・スターファイターに向かい逃亡を試みる。

しかしボーガで追跡してきたオビ=ワンと激しい攻防を繰り広げ、なんとかスターファイターまでたどり着くも格闘戦で胴体装甲の一部を引っぺがされる。
それでもパワーと耐久力に物を言わせてオビ=ワンを吹っ飛ばすが、追い詰めすぎて『ブラ=サガリ』の体勢を与えてしまい油断して堂々と接近してしまったが故に、剥き出しにされた生身の内臓部分を自分が落としたブラスターで打ち抜かれてしまう
そのままブラスターを数発打ち込まれたグリーヴァスは内部から炎上。
胴体や頭部の生体部分から炎を吹き出しながら死亡するという壮絶な最期を遂げた。

オビ=ワンは、ただでさえ剣術でグリーヴァスを上回っていたこと、何度も戦っていてグリーヴァスの手の内を知り尽くしていたこと、グリーヴァスのコピー戦術と相性の悪いソレスの達人であることなど、マイナス要素の塊のような相手といえる。彼がオビ=ワンに敗れたことは、ある意味必然だった。

この時シディアスが考えていたのは「アナキンを引き込むにあたって一番の障害になるオビ=ワンを、コルサントから一定期間遠ざけること」だったとされ、グリーヴァスの生死に関係なく戦いが始まった時点でシディアスの目論見は達成されていたと言える。
しかしグリーヴァスが使おうとしていたスターファイターはオビ=ワンのウータパウ脱出に利用され、結果的に彼の手助けをすることになる。

レジェンズ設定では、死後、カリーシュが祀る神の一柱に加えられたという。


【余談】


◇逃げ方
シリーズ中ボス級キャラとして描かれているグリーヴァスだが、実写・アニメ問わずライトセーバーで圧倒してもフォースでぶっ飛ばされて撤退を強いられることが非常に多く、その度に巨人小笠原めいたシャカシャカゴキブリ走りで逃げるのがお約束となっている。

◇サイボーグ技術
グリーヴァスの死後サイボーグ化されたヴェイダーにはグリーヴァスに使われた改造技術の一部が使われている。
ただし、あちらはシディアスの意図でわざと粗悪な改造が施されているため純粋な機械体としてのスペックはグリーヴァスが勝っている。

◇せき込み声
エピソードⅢで咳込んでいる声はジョージ・ルーカスの声を加工したもの。

◇デザイン
エピソード3に登場する敵役としてデザインされ、インスピレーションを得たデザイナーが描きあげたもの。
サイボーグというのはダース・ヴェイダーを意識しつつも対照的な白色でまとめられ、ルーカスも気に入っていた。

◇殺陣
作中ではグリーヴァスの四刀流はオビワンによって容易く破られてしまったが、これは
「実写にCG加工を加えて剣戟戦をやらせる上で、四刀流は再現が極めて難しく、スタッフが長時間これを描写するのは無理があったから」
という大人の事情故。
実写よりは制約が少ないCGアニメ『クローンウォーズ』でも、基本は二刀流だったり、四刀流でも相手のライトセーバー1本の攻撃を2本で受け止めたり(逆に2本で攻撃しても1本で受け止められたり)と、1対1ではライトセーバー4本vs1(2)本の描写をさせるには無理が多いため殺陣の大変さがうかがえる描写がある。

◇2Dアニメ「クローン大戦」
2Dアニメ「クローン大戦」の制作陣はグリーヴァスについて「見た目」と「ジェダイから恐れられるジェダイキラー」という情報しか与えられていなかったという。
その結果、腕を体ごと360度ぶん回したり高速で走ったりと映画本編では見られなかった滅茶苦茶に強いグリーヴァスが描かれている。アニメ媒体なので、↑のような撮影上の都合が無かったのも幸いした。
CG版ではどうしてこうならなかったのか




追記・修正はジェダイのライトセイバーを集めてからお願いします。


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最終更新:2024年01月28日 10:55

*1 CGキャラのアクターを多く務めている。他にはマグナガードや、剣劇シーンのドゥークー伯爵・シディアス卿(後でCG合成で顔だけ差し替え)など。

*2 パダワンの場合パダワン・ブレードも

*3 これは実写では四刀流の撮影が非常に手間がかかるという裏の事情も大きく、二刀流まで減ってからはある程度拮抗していた

*4 これは小説「悪の迷宮」のみの描写。カートゥーンアニメ「クローン大戦」ではメイス相手に一太刀も切り結んでいない。逆に「クローン大戦」ではメイスに胸を潰されるが、これは「悪の迷宮」にはなく、咳き込む理由もない。

*5 剣術を習っただけでシスになったわけではないことや、先述の通りサイボーグ体のグリーヴァスはフォースを扱えないため、ジェダイやシスのように「フォースの導きに従ってオリジナルのライトセイバーを手作りする」という行為が不可能である、などの理由が考えられる

*6 劇中ではムンディ、アイラ、シャアク以外は死亡とされているが、倒されたうちの一人ククラークは強靭な耐久力で生き残り、後にジェダイとして復帰している

*7 本作で登場する、ライトセイバーとエレクトロスタッフを同時に構えるシャアク・ティ、グリーヴァスに討ち取られたロロン・コロブなどがカノン作品の資料集に記載されている。ハイポリの戦いもほのめかすレベルながら触れられている。

*8 というのもEP3本編中にお互い見た目の第一印象について皮肉を言い合い初対面であることを示すやり取りがあったせいで、それ以前の時系列の作品ではニアミスこそすれ直接対面は設定上絶対に出来なくなったため。

*9 これは「『クローン大戦』のレジェンズ分類」とは関係がない。SW作品群がカノンとレジェンズに分裂したのは2014年のことだが、クローン大戦およびクローン・ウォーズは2008年に公開されており、設定が合わないのはレジェンズとは無関係である。

*10 もともと「クローン・ウォーズ」は他のスピンオフ作品とは設定を一部変えている。例えばイース・コスは本作以前の設定では「ジオノーシスで戦死」扱いだった。しかし本作制作時、「死んだことは知っているが、あえて設定を変えて登場させた」という。