西宮母(聲の形)

登録日:2014/07/17 (木) 22:09:46
更新日:2024/04/06 Sat 20:43:47
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西宮八重子、通称西宮母とは『聲の形』に登場する、西宮硝子結絃姉妹の母親
アニメ映画での声優は平松晶子。

夏休み期間中に44歳の誕生日を迎えたことが明らかになっている。

原作連載時は下の名前が決まっていなかったが、映画化の際に八重子という名前が決まった。
劇場版スタッフと大今良時が打ち合わせを行って決めたので、一応公式設定と考えて良いだろう。

読者からの愛称は母宮、ママ宮など。


【性格】
かなり独善的で余裕がなく、苛ついた表情か無表情であることが多い。基本的に笑うことはなく、常に強気な態度を見せている。
そんなんで家庭は大丈夫なのかと思うほど、ぱっと見た感じの振る舞いは酷い。

小学生編では本人の意思に関係なく硝子を無理矢理ボーイッシュな髪型にしようとするなど、身勝手な行動が目立つ。
高校生編では身勝手さがより増しており、将也が届けた小学校時代の筆談ノートを川に投げ捨てようとした。


過去のいじめを詫びた将也に対しても、問答無用でいきなりビンタを食らわせている。詫びた途端の不意打ちビンタである。

結絃を探す硝子が帰ってこなかった時は自分から将也の家を頼っておきながら、
彼が結絃と共に探し出しても感謝や迷惑を掛けた謝罪をするどころか過去のいじめの事を蒸し返して揚げ足を取るという不誠実さを見せた。


【家族関係】
父のいない西宮家で実母と二人の娘の家族をまとめている。娘達とは外見も性格も似ていない。
娘たちとの関係はぱっと見険悪であり、特に結絃からは身勝手な母親であるとして反発されている。
手話が出来ないため、通訳は結絃にまかせっきり。


しかし娘達を想っていないわけではなく、硝子は特にこの母親に対して大きく反発するような態度を見せたことはない。
意思疎通が難しいにもかかわらず硝子は普通に母親として慕っており、こっそり母の誕生日パーティを計画していた。

一方、結絃からはかなり反発されている。結絃は鉄面皮な態度を嫌がり、無理解で冷たい母親だと思っている。
何度も家出しては戻ることを繰り返すため、この母は結絃が家出しても殆ど無関心を貫いている。


【来歴】
鉄面皮で強気な態度には、硝子の障害を理由に離婚をたたきつけられた過去が大きく影響している。
夫は硝子が3歳のときに聴覚障害が発覚すると、予防接種などで先天的な疾患への対策を怠った妻に全責任を押し付けてきた。
更にこの男の両親も障害を持った孫は要らない、出産に関して責任逃れをする世間知らずな親の子はきっと世間知らずに育つと言い、
不満があるなら1人で育てろと言って障害児である硝子とそれを産んだ母親(西宮母)を激しく毛嫌いした。

硝子は障害を持って生まれ、不自由な人生を約束されているとは言えど、大事な娘である。
養育に苦難を伴うことが分かっていても見捨てられるはずはなく、絶望に駆られ涙を流しながらも母親としてしっかり育てていくことを決意した。
実母によればこのときもう泣かないと決意し、娘の前で弱みを見せないで生きていくことにしたらしい。
頼りない母親では娘が強くなれないと考え、厳格な態度を取ることで強くなってもらおうとした。


更にこの絶望していた時期に第二子の妊娠が発覚。
結絃が生まれ二児の母となり、同居する実母の助けを借りながら18年間子育てを行ってきた。

一家の稼ぎ手でもあるため、実母の助けがなければ幼い娘達を育てるのは時間的にも経済的にも苦しかったであろう。
特に硝子は重度の難聴で言語習得が普通の子供より難しいため、
人並みの子に育ってもらうには徹底した支援が必要不可欠となる。ばあちゃんの力は偉大である。


【まさかのツンデレ化】
隙がなく刺々しく鉄面皮に見えるのは先述の理由により隙を見せたくないと言う思いがあるためで、
どちらかと言えば不器用で誤解を生みやすい性格であると言える。

例えば筆談ノートを捨てたのは、いじめられた苦しい思い出しか呼び起こさないものであるためで、実際それほど大事にする意味は無い。
硝子は将也が持ってきてくれたから大事にしようと思っただけで、そのような事情は遅れてやってきたこの母親に分かるはずもない。


ビンタに関しても、将也から今更のように謝られて納得出来ないのは当たり前の話である。
親の立場なら娘に近寄ってほしくはないのは普通だろう。

硝子探しに協力してもらったときも、将也の過去のいじめが悪質極まりないものであったことを考えれば、「ありがとう」と素直に言えないのも無理はない。
この一件だけで許すと言うのはあまりにも都合の良い話である。
かと言って感謝の意思を示さないのも不誠実であるため、ここでは黙ってを貸している。
(なお、将也は後日、硝子を通じてちゃんと傘を返しており、痛い過去を蒸し返されてもなお誠実な態度を見せている。)


しかしこの辺りから徐々に、高校生となった将也の態度が誠実であることを理解しており、
将也が結絃を連れて葬式会場に現れたときは、淡々とした態度を取りながら将也と結絃のお茶を用意していた。
更に結絃と良く絡むことについて素直に礼を述べている。
結絃は男の子のように粗暴で活発だが不登校であり、交友関係が狭いため、そんな娘に心の拠り所を与えてくれる将也は親としても嬉しい存在だろう。


更に娘と共に誕生日を祝ってくれたときは、娘達が男の子を家に上げた、娘達の大変な時期に勝手に家に上がってきたとして最初は怒ったが、
結局なんやかんやで誕生日パーティを受け入れ、「食べられないことはないわね」と言って娘の作ったケーキを食べていた。

その後将也が西宮家全員を花火大会への誘った際には殆ど無表情で「何?もちろん行くわよ」と普通に誘いを受け入れた。
花火大会では花火を眺めつつ、「石田君の家からも見えるかしら」と言っていた。ちなみにこのときは硝子と一緒に浴衣姿だった。


鉄面皮な態度とは裏腹に素顔は割と普通の母親である。
読者視点からすれば初登場時は性格の悪い短気な母親と言う感じだったが、
物語が進んで行くと短気な態度を取りつつなんやかんやで将也のことを認める立場になっており、最早完全にツンデレである。


【更にネタキャラ化】
『聲の形』と言う作品は基本的に漫画的なギャグを殆ど用いないのだが、この母親は俊敏な動きがしばしばネタにされる。
将也をビンタしたときはコマの間でいつの間にか近寄っており、瞬間移動かと思うほど移動距離も長かった。

また、将也が硝子ともう一度会いに行っていいものかどうか真剣に悩む場面でも、それをコミカルに表現するためのイメージとして用いられた。
  • 硝子をお茶に誘う→多分西宮母にビンタされる→どうしよう!
  • 硝子にお詫びを持っていく→多分西宮母にビンタされる→どうしよう!
  • 硝子と普通に話す→多分西宮母にビンタされる→どうしよう!


さらに硝子が自殺未遂で騒ぎを起こした際には、瞬間移動かと思うほどの俊敏な動きで石田母に近寄って土下座をしている。
石田母の前にたどり着くのと同時に土下座をしており、石田母は土下座に移行する動きを認識できていなかった。
また、この回のラストには瞬間移動ビンタで植野を引っ叩いている。
今度は誰にも気付かれずにいつの間にか現れており、将也のときよりも更に不意打ちのビンタであった。


その後は植野と掴み合いのバトル喧嘩に発展。
硝子の髪を掴んで散々ビンタした仕返しと言わんばかりに植野の髪を掴み、無表情で何も言わずにひたすらビンタし続けた。
植野も相手を罵る、突き飛ばす、顔を掴む、ビンタで反撃など抵抗していたが、
西宮母は動じる様子もなく掴んだ髪を離さずにひたすらビンタを返し、優位を保ち続けた。
このときの擬音や集中線の描写から、西宮母のビンタは全て正確にヒットし、植野は上手くヒットしていなかったことが分かる。
かなりシリアスな場面なのだが、バトル漫画かと思うほどガチでやりあい、相手を張り倒そうとしていたためネタにされている。

喧嘩を止められた後の2人を見ると植野は鼻血が出ていたが、西宮母は顔が腫れる程度で済んでいた。
先述のように硝子も植野からビンタを食らっているため、
この騒動の結果女3人だけが傷だらけの酷い顔になると言う珍しい光景となった。


【まさかまさかのスピンオフ短編】

アニメ映画化の際、来場者特典で原作者書き下ろしの短編が配布されたのだが、なんと西宮母が主役のエピソードであった。
ストーリーは母の視点から硝子の成長物語を描くというもので、硝子が八重子のために毎年ケーキを作り、
八重子はまだ上手くなる余地があるからと毎年「イマイチの出来」と評していた。要はいつものツンデレ。
しかしあるとき、八重子が亡きいとに捧げるケーキを作ってみると硝子よりもケーキ作りが下手であることが判明。
カッコ悪い自分の姿に苦笑しつつ、たまには硝子のケーキを褒めなければと思うのだった。
そして幼き日の自分が、母のために誕生日ケーキを作っていたときのことを思い出していた。
珍しく明確なデレ要素を見せた貴重なシーンである。



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最終更新:2024年04月06日 20:43