超次元(DM)

登録日:2011/01/19 Wed 20:26:34
更新日:2023/08/15 Tue 09:35:17
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超次元とはデュエル・マスターズのシステムである。
初出はDM-36覚醒編(サイキック・ショック)第1弾から。


概要

超次元ゾーンから呼び出されるカードである
などと、それらを超次元ゾーンから呼び出すカードである
などからなるシステムで、覚醒編以前に引退したプレイヤーには信じがたいがサイキック及びドラグハートは全て両面印刷である。

サイキックやドラグハートといった超次元ゾーンから呼び出すカードは、デッキには含まず墓地の右横の超次元ゾーンに8枚まで置くことができる。
1ターン目のマナチャージ前にお互いのゾーンを確認できるので、相手のデッキパターンを読んでマナに置くカードを決める事ができるが、これを逆手にとるパターンもあるので注意。

サイキック・クリーチャーは、超次元呪文を唱えたり次元院クリーチャーを破壊する、あるいは次元流クリーチャーを出すなどの方法で超次元ゾーンから呼び出す。
場に出たサイキック・クリーチャーは条件を満たすと、裏返ってより強力な効果を携えたクリーチャーになることができる。このギミックを『覚醒』と呼び、デュエル・マスターズに新たな戦略を生み出した。

このシステムのおかげでリアルな意味でノンクリーチャーデッキが組めるようになり、《ラッキー・ダーツ》を使いゲーム序盤で極端に言うと1ターン目にW・ブレイカー持ちを場に出すなど、ロマン溢れるプレイングが可能になった時期があった。

勿論、このシステムには利点だけでなく欠点もある。

まず、超次元呪文のコストが元となった呪文より高めということ。
まぁ同時に強力なクリーチャーを出せると考えれば安いものではあるが。

フェアリー・ライフ C 自然文明 (2)
呪文
S・トリガー
自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。

超次元フェアリー・ホール C 自然文明 (5)
呪文
自分の山札の上から1枚目を自分のマナゾーンに置く。
次のうちいずれかひとつを選ぶ。
►自分の超次元ゾーンから好きな数のサイキック・クリーチャーをコストの合計が5以下になるように選び、バトルゾーンに出す。
►コスト7以下の自然のサイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。

次に、バトルゾーンを離れると強制的に超次元ゾーンに戻るため、《スパイラル・ゲート》などで一発で戻されてしまう。
墓地にも留まらないためリアニメイトもできない。(除去された場合、一旦指定された場所に置かれた後ですぐ超次元ゾーンへと戻る)

そして、覚醒すれば強く一部は解除を持っている為場持ちは良いのだが、覚醒条件が満たしにくい。
一部満たしやすい《時空の雷龍チャクラ》等がいるが…

ちなみに、覚醒編第1弾に収録された超次元呪文の中でコストパフォーマンスの最も良いのは《超次元ボルシャック・ホール》で、詠唱の際サイキック・クリーチャーを呼び出すのにかかるコストは実に2である。
逆に、最もコストパフォーマンスの悪い《超次元エナジー・ホール》の場合4となっていて、如何に主人公補正が強力か教えてくれる。

必然的に呪文が多くなる構成にするので折角出たサイキック・クリーチャーを除去されすぎて、バトルゾーンががら空きなんてことも有り得るので注意。
《転生プログラム》《斬隠オロチ》なんか使われたら目も当てられないが一部のデッキでは逆に利用してコストを踏み倒すのもある。

この超次元の天敵は《封魔ゴーゴンシャック》《百発人形マグナム》等のを妨害を仕掛けてくるクリーチャーである。
前者は超次元呪文の詠唱を妨げ、後者はサイキック・クリーチャーが必然的にコスト踏み倒しで出てくるのを突いてくる。どちらもメタデッキによく入るカードなので何かしらの対策が必要である。
また、デッキ内のクリーチャー比率の低さから《ヴォルグ・サンダー》に山札をゴッソリ削られることにも注意。(最もヴォルグ自体サイキック・クリーチャーであるが)

しかし、DMR-01より新たに登場した次元流クリーチャーにより場を増やしながらサイキック・クリーチャーを出せるようになった。
また、次元流ではない《悪魔神ザビ・イプシロン》や、《復活の祈祷師ザビ・ミラ》は単体でも強く高コストのサイキック・クリーチャーが出せるのでこれからの活躍に期待できる。
変化球として、相手のターン中に手札から墓地に送られると《ガイアール・カイザー》を出せる《サイチェン・ピッピー》というクリーチャーも存在する。

さらに同弾からはサイキック・スーパー・クリーチャーと言う大型フィニッシャーが追加された。
特定のサイキック・クリーチャーが場に揃っていて自分のターンを迎えると『覚醒リンク』と言うゴッド・リンクに似たギミックが発動し、2~3枚のクリーチャーが裏返って1枚のサイキック・スーパー・クリーチャーとなる。
覚醒リンク元のクリーチャー達も個々で強力な効果を持つだけでなく簡単に場に並べられるので、逆にリンクさせない方がこちらが有利になる場合が多い。

長ったらしい説明だが単純に言うと強い。

ドラグハート・ウエポンドラグハート・フォートレスドラグハート・クリーチャーは、ここまで記載したサイキック系とは同じ超次元ゾーンに置かれるカードでありながらギミックは大きく異なる。

ウエポンは、専用種族ドラグナーの効果で超次元ゾーンからこの状態で場に出てドラグナーに『装備』される。
どのウエポンもドラグナーに様々な効果を与えるが、特定の条件を満たす事ができれば『龍解』が発動し裏返ってドラグハート・フォートレス、またはドラグハート・クリーチャーという独立したクリーチャーとなる。
ドラグハート・フォートレスはクリーチャーにクロスしてないクロスギアのようにバトルゾーンに置物として扱う。自分や相手のクリーチャーに様々な効果を与え、ウエポン同様特定の条件を満たすとドラグハート・クリーチャーに『龍解』することができる。フォートレスからウエポンに龍解するものはない。

龍解後のドラグハート・クリーチャーは現時点ではどれもコマンド・ドラゴンであり、《古代王 ザウルピオ》の収録でエピソード1から始まって以来の自然単色初のビクトリーが登場した。

こちらの強みは、エピソードシリーズまでの踏み倒しメタがほとんど通用しない事にある。
ウエポンはクロスギアではないので《百発人形マグナム》の効果の破壊対象にならず、龍解しても場に出た扱いにはならないので《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》の置き換え効果をもすり抜けられる。
また、ドラグハート・フォートレスはバトルゾーンにおける『クロスギアでもクリーチャーでもないカード』なので破壊したければクリーチャー除去ではなくカード除去でないと退かすことができない。
なお、ウエポンを装備したドラグナーが進化した場合にはそのまま進化クリーチャーに装備が引き継がれるため、《黄金世代 鬼丸「爆」》が2回攻撃可能になったり、《零次龍程式 トライグラマ》がブロッカーにもなる。

注意点として、装備してから同一ターンに龍解した場合には覚醒とは違って即座に攻撃できない。
装備されたターンに龍解できる可能性がある《熱血星龍 ガイギンガ》と、《猛烈将龍 カリバーン》の決定的な違いはスピードアタッカーの有無による速攻が可能か否かの差であり、これだけの差でも使用率は大幅に異なってしまう。
また、ウエポンはドラグナーに装備されていないと場に留まれないので、ハンデスや除去を繰り返すコントロールデッキに弱い面はサイキック系と共通している。

歴史

覚醒編エピソード1

圧倒的なコストパフォーマンスを携えて、超次元呪文とサイキック・クリーチャーが登場。
当時の環境では遊戯王のエクシーズモンスター並に必須だと言っても過言ではなかった。

カードプールの増加に伴い、覚醒させやすく強力なサイキッククリーチャーが多数登場した。(《時空の支配者ディアボロスΖ》《超時空ストームG・XX》)
しかし、上記のカードは強力なだけあって高レートで取引されており初心者などは手が出しにくく、資産ゲーを助長したのも事実である。

ネタ要素として、ストロングな金属製カードやらカレーパンやらが出現したが、一部がネタから即死コンボデッキになってしまったのは別のお話

余談だが、《ボルシャック・ドラゴン》《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》《邪眼皇ロマノフⅠ世》など懐かしいクリーチャーが覚醒しているのも特徴。これは背景ストーリーに密接しているからである。

エピソード23

従来のコスト論を大きく逸脱したサイキックは激しいインフレを巻き起こし、サイキックが終わった次のシリーズであるE2はサイキックメタなクリーチャーが多数登場。
サイキックのカードパワーに負けぬようゼニス等大型のクリーチャーが多数出現した。
サイキックの残した爪痕は深く、それは関連カードの殿堂入りの多さからも伺える。

サイキック・クリーチャーが起こしたインフレはE2で超次元の次のコスト帯であるファッティを強化することで一応の収まりがつき
E3はデフレ期とされていた。しかし、そのE3の末期にある噂が起きる。「次のシリーズは超次元が復活するらしい。」
インフレを懸念するプレイヤーは嫌な予感を感じながら時は進む。そして案の定というべきか登場したのが下記のドラグハートである。

ドラゴン・サーガ革命ファイナル

案の定というべきかガイギンガが第1弾の時点でトップメタに食い込み、直前に殿堂で環境デッキを軒並み規制したこともあり環境を激変させた。
それ以降も枚弾のようにぶっ壊れを輩出しDS限定戦のデッキが通常環境とほぼ同じというレベルにまで環境を染め上げた。
ループに使われたためか、サイキック・クリーチャーとは違いドラグハート本体のみが2016年10月現在殿堂入りさせられている。
この猛烈なインフレに対し、革命編~革命ファイナルでは早さでもってドラグハートが場に出る前に決着をつけるという方向性で対抗することになる。(更なるインフレの加速でもある)

超次元ゾーンに新要素が追加されると、後述する背景ストーリーみたいに一波乱が起こってしまうようだ。

新章デュエル・マスターズ超天篇

2017年4月、デュエマは「原点回帰」を打ち出し、カードフォーマットを一新した「新1弾」として展開することになった。
公式は複雑になりすぎたデュエマをいったん仕切り直すため、またもや超次元ゾーン関連を締め上げることにしたらしく
コストを踏み倒して出てきたクリーチャーと強制バトルできる2マナ13000のクリーチャー、召喚以外の方法で出たクリーチャーをバウンスするP2000のアンタッチャブル、召喚以外の方法でカードを出すことを完全に禁止する小型クリーチャーなど露骨な超次元メタカードを三種類も収録した。
その上で、超次元ゾーンに頼らず普通にマナ貯めて普通にコスト下げて普通に召喚して普通に殴ってそれでいて色事故を起こさないからやたら強いというロックな新種族を推していく方針のようだ。
インフレ対策の癖がすごい。

超次元関連の新カードは大幅に減少して「デュエキングパック」などで少数登場するのみに留まり、超天篇では超GRゾーンとGR召喚という新要素に取って代わられあちらも超インフレと資産ゲー化を体現した。

十王篇王来MAX

超次元ゾーンを利用する要素は通常パック外の商品である「クロニクル最終決戦(ファイナルウォーズ)デッキ」での登場に留まったが、いずれも強力なカード揃いであり【連ドラグナー】などで環境入りした。
その後、2020年10月30日に超次元ゾーンやゲーム開始時に場に置くカードを使用しない新フォーマット「オリジナル」が発表。新ゾーンの導入に伴う過度のインフレと資産ゲー化の加速に一旦の終止符を打つ結果となった。

一方で、王来篇では「裏の章 パラレルマスターズ」で久々に超次元要素がピックアップ。ルール・プラスという新カードタイプや、MTGでいう追放領域として超次元ゾーンを扱うカードなどの様々な形で新規関連カードが登場した。

ゴッド・オブ・アビス

通常パックでは扱われない路線は継続しているが、特殊パックである「デュエキングMAX 2022」では新たなサイキックとしてサイキック・クロスギアが登場。ドラグナー同様にクリーチャーが呼び出す場合もあれば、クリーチャー側で呼び出したものが条件を満たすとクロスギア側に裏返る場合もある。しかし踏み倒し手段の少ないクロスコストが一部新規カードを除き据え置きのため、根本的な改善には繋がらなかった


ゴッド・オブ・アビス時点での超次元関連のプレミアム殿堂カードは
ヴォルグ・サンダー/雷獣ヴォルグ・ティーガー
爆熱剣 バトライ刃/爆熱天守 バトライ閣/爆熱DX バトライ武神
殿堂入りカードは
《次元流の豪力》
《超次元バイス・ホール》
《邪帝斧 ボアロアックス/邪帝遺跡 ボアロパゴス/我臥牙 ヴェロキボアロス》
といった顔ぶれ。

背景ストーリー

※以下、背景ストーリーのネタバレ注意。

神化編終盤、《超神羅ロマノフカイザーNEX》オリジンの拠点であり、爆弾と化した《黒月の古城オリジナル・ハート》に特攻。
NEXとオリジナル・ハートは爆発し、世界に平和が戻ったが爆心地には「超次元の穴」が生まれた。

しばらくして、闇文明の《時空の賢者 ランブル》がこの穴を研究し、覚醒の力を手に入れた。これにより、闇文明が世界に反逆する。
その後、残りの四文明が連合を組み対抗していくが、その裏では光文明が闇文明に手を組んでしまう。それでも反旗した一部の光・闇文明と連合軍によって闇文明を操っていた黒幕のΖ軍を追い詰める。
後がないΖ軍は、最後の切り札として一度封印されたディアボロスΖを復活させるが敗走する。


これで世界にまた平和が来ると思いきや、超次元の奥にあるパンドラ・スペースに潜んでいたエイリアンが新たに五文明をこちらのクリーチャーを侵食しながら侵略を開始。
被害を被ったハンターもまた超次元を利用するようになり膠着状態に陥るが、パンドラの若き姫が保護された事で両軍は和解。黒幕であるアンノウン打倒を決意する。
ところが、その直後にアンノウンは両軍の生命線である超次元を無力化してしまう。これにより両軍は敗走し、世界はアンノウンの物と化してしまった。


それから一万年以上経過した別世界。失われた超次元から龍の力が封じられたドラグハート・ウエポンが飛来する。
多くの者はウエポンを手にした瞬間に消滅してしまったが、一部の選ばれた者はウエポンを使いこなすドラグナーとなった。

ドラグナーとドラグハート・クリーチャーの登場により、この世界の支配者であった《龍世界 ドラゴ大王》は失墜。
これにより火文明と他の文明とのパワーバランスが大きく崩れ、火文明はこれまでにない危機に陥るがとある青年が龍解に成功した事で何とか持ち直す。

その後、五文明を又にかけたとある過酷なレースの開催によって戦況が大きく変わる事になる。

十年に一度行われるそのレースの名は…『デュエル・マスターズ』!!



追記・修正は超次元ゾーンから呼び出してからお願いします。

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最終更新:2023年08月15日 09:35