ベルゼルート

登録日:2014/07/14 Mon 11:13:04
更新日:2022/06/15 Wed 15:38:01
所要時間:約 15 分で読めます





ベルゼルートはゲームスーパーロボット大戦J』に登場するオリジナルメカ。
後に『スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ』にも登場。
本項目では後継機『ベルゼルート・ブリガンディ』についても記載する。

メカニックデザインは谷口欣孝氏(Jでは『たにめそ』名義)。

◆概要◆

分類:人型機動兵器
全長:21.0 m
重量:30.0 t
補助MMI:サイトロン・コントロール
動力:オルゴン・エクストラクター
開発:フランツ・ツェッペリン(旧アシュアリー・クロイツェル社)
パイロット(どちらかのみ): 紫雲統夜(J),カルヴィナ・クーランジュ(J及びOG)



白地に青を基調としたカラーリングが施された細身の機体。
機体カラーに加え緑のゴーグルアイを持つ顔は前作『スーパーロボット大戦D』の主人公機のひとつ、エール・シュヴァリアーにも似た印象を持つ
(ただし、多彩な射撃武器で戦うピーキーな機体という点ではむしろ本機はもうひとつのDリアル系主人公機ブランシュネージュに近い)。

一応一目で人型兵器とは解るものの、各パーツのバランスはかなり極端なメリハリが利いており、
特に膝から下の脚部は『細い』というより『薄い』、ほとんど板としか思えないほどの虚弱なシルエットをしている。
華奢な外見からも判るように、運動性には非凡なものを持つ反面耐久力は無きに等しく、たった1発の被弾が命取りになりかねない。

武装は全て射撃系で統一されており、格闘用の武器は護身用のナイフ1本とて装備していない。
脚部に内蔵したミサイルや両腰にマウントした『ショートランチャー』など豊富な火器を装備しているが、
メインウェポンは身の丈とほぼ同じサイズの多機能大型狙撃銃『オルゴンライフル』。エネルギー弾と実体弾を撃ち分けられる機能を持つ。
オリジナル系メカでは恒例の馬鹿デカイ得物(銃)であり、ビームと実弾を撃ち分けられるという機能もいろいろなところで目にする
(ただし、白騎士オクスタンランチャーと違い、オルゴンライフルの射程は実弾>ビーム)。


製作者はアシュアリークロイツェル社(以下AK社と表記)のフランツ・ツェッペリン。
彼及びAK社はれっきとした地球人/企業だが、月の民・フューリーが地球人の施設を利用し手駒となる兵器を生産させるために接触した結果、
彼らの文明由来のオーバーテクノロジーが導入され、地球製のフューリーのマシンとして完成した。
本機のみならず主人公機は全てフューリーの離反者、エ=セルダ・シューン(統夜の父)の機体
ラフトクランズ』の中枢システムを移植されており、
フューリーの時間兵器『ラースエイレム』に対するカウンターとしての機能を持たされているという設定。
中枢システムはひとつゆえに、選択されなかった主人公機は開発されなかったというのが正史となる。


ゲーム開始時に選択する3体(周回後は4体)の主人公機のひとつ。
とにかく回避とにかく射撃というスパロボが永きにわたり造り上げてきたリアルロボット系のバイアスをそのまま具象化させたような機体。
そのアンバランスでピーキーなイメージとは裏腹に、統夜カルヴィナいずれを選んだとしてもベストと言えるほどの相性の良さを発揮する。
元々飛行可能高移動力長射程を併せ持ち、そこにリアル系選択時習得している技能の『ヒット&アウェイ』ががっちりと噛み合う。
さらに統夜は『突撃』、カルヴィナは『狙撃』と長射程ユニットと相性のいい精神コマンドを覚える。
基本ステージが無駄にだだっ広くやたら離れたところに敵増援が来るJにおいてこのフットワークの軽さはかなり有難い。

パートナーは運動性・射程の伸びるカティアかリアル系ゆえの火力不足を補いなおかつ『必中』を覚える(Jは『感応』がないので地味に重要)テニアのどちらかがオススメだが、
カティアについてはその補正が裏目に出る可能性がある(後述)。
逆に元が脆弱ゆえメルアの装甲UPボーナスは焼け石に水。ただリアル系を選択すると1周目は『加速』を覚えられないので
ブーブス…ブースター代わりに移動力の高さをさらに伸ばす、という使い道は一応ある。

武装は全て射撃属性で、クセこそあるものの近・中・遠、いずれの距離でも一応反撃手段は備えている。
銃を装備しているので切り払い・シールド防御(…はバグのせいであっても意味ないが)はできないが撃ち落としは可能。
唯一のネックは後継機を含めてコンボ対応武器を一切装備していないため、デフォで覚えるコンボが死に技能になることくらいだが、
序盤からMAP兵器を装備しているので複数の敵を一網打尽にする手段自体はちゃんとある。

なお、あんな脚をしてはいるが陸の地形適応はきちんとAである。

OGシリーズ『スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ』においてカルヴィナの搭乗機として登場する。
初期はフェステニアしかサブパイロットは選べないが、途中でトーヤ達と合流することで他の2人もサブパイロットとして選ぶことができる。また、換装武器が搭載できるので幅広い運用も可能である。
開発に関わったアル=ヴァンはトーヤでも乗れるかのような発言をしているが、ゲームのシステム上ではカルヴィナ専用である。

この時点でオルゴン・クラウドによるバリアを所持している。しかしらオルゴン・クラウドから分身の能力が削られた為、回避は自力で避けなければならないが・・・・・・。

大破するイベント以降は操縦系統を引っこ抜かれることになる。


◆武装◆
武器名は全てコンフィグで変更可能。本作では漢字も使える。
実はミサイルランチャーを除く全武装にはフェイズシフト装甲無効化という隠し属性がある。
流石はチートでアドバンテージを奪うことに定評のあるフューリーのメカだわ。


ミサイルランチャー
両脚の大腿部に格納した誘導ミサイルを発射する。威力が最低な上切り払い撃ち落としの対象になるので実力者相手には使わない方がいい。
マクロスシリーズも参戦してないのに板野サーカス臭い軌道で飛ぶ。


ショートランチャー
左右の腰部にラックされたビーム砲を二丁拳銃の要領で撃ち込む。ガン捌きがリズミカルで鮮やか。
本記唯一のP属性(同時にB属性)武器にして隣接した敵機に使える攻撃手段。使い勝手は良いが弾数がやや心もとない。


オルゴンライフルN
オルゴンライフルから実体弾を発射する。演出はガンダムSEEDレールガンっぽい黄色い光芒。
射程が4~8とかなり極端なスナイプウェポン。『きちんと当たんのか?』と不安になるくらい反動がデカイ。
6発の弾数制なので、ENを節約したい時の遠距離反撃に使える。Nが何の略かは不明。通常弾=Normalの略か?


オルゴンライフルB
オルゴンライフルから高出力のビームを連続発射する本機の主力武器。移動後使用不可・B属性。
地味に必要気力があり、旧スパロボ的に使い勝手を評するとΖガンダムのハイメガランチャーをミドルレンジに縮めた』感じか。
BはおそらくBeamからだろう。
OGシリーズでは何とビームブレード発振機能が追加された。その為BにBladeの意味も追加されたと思われる。


オルゴンライフルA
二丁のショートランチャーをそれぞれオルゴンライフルの銃身上下部に連結して巨大な弓とし放つ本機の最強武装。
セパレートさせた銃身からオルゴンエネルギーを凝縮・鏃の形に結晶化させ、ターゲットを撃ち抜く。
通常兵器版と、直進する方向指定型MAP兵器版の2種類が存在する。
使用時は全身の関節やスラスターから緑のオーラの如く余剰エネルギーが放出される。
AはArrowあるいはArcheryの頭文字からとったものと思われる。少なくとも当時は。
しかしOGシリーズでは正式に(Absolute(アブソリュート)}として武器名に反映されている。
なにせ10年以上も前が初登場なので、設定が変わるくらい仕方ない





ベルゼルート・ブリガンディ


◆概要◆

全長:25.0 m
重量:41.0 t
※いずれも強化アーマー装着時の情報と思われるが詳細は不明。

補助MMI:サイトロン・コントロール
動力:オルゴン・エクストラクター
開発:フランツ・ツェッペリン(旧アシュアリー・クロイツェル社)
パイロット(どちらかのみ): 紫雲統夜,カルヴィナ・クーランジュ
サブパイロット(1名のみ): カティア・グリニャール,フェステニア・ミューズ,メルア・メルナ・メイア


ゲームスタート時ベルゼルートを選択した際の後期主人公機。ブリガンディは胴鎧の一種を指す言葉。
ゲーム内のデータでは字数制限の都合で機体名の表記は『B・ブリガンディ』とされている。

フューリーの騎士、アル=ヴァン・ランクスとの決闘で大破したベルゼルートを改修したうえ、専用の強化アーマーを装着させた機体。
素体のベルゼルートそのものにも修理と同時に大幅な改造が施されており、特に頭部のデザインはV字のアンテナツインアイという
凶鳥の系譜を髣髴とさせるものに一変、よりヒロイックな雰囲気になった。
カラーリングはベルゼルート同様青と白オレンジのアクセントが入った明るめの配色。
強化アーマーを装備した形態はいくつものブロックがパズル状に組み合わさったかのようなごつごつとしたデザインで、
肩幅と股座が異様に広い。また、情報量が非常に多いのでわかりにくいが、じつは素体の脚部は膝を持ち上げたように
腰の前あたりに折りたたまれており、下半身だけ見るとまるで正面が開いたパワーローダーの中に腰かけているような態勢に見える。
強化アーマー「ほ~ら恥ずかしいだろ~?M字開脚だ~」素体「やああめええてええええ!!!」

本機の強化アーマーは単純にベルゼルートの弱点だった耐久性を補強する『鎧』であるだけに留まらず、
大出力の内蔵バーニアによる機動性の向上・アーマー自体に多数の内蔵火器を搭載することでの火力の向上と
あらゆる面での飛躍的なパワーアップを齎す多機能な装備である。

主兵装の『オルゴンラグナライフル』は両腕の肘側に内蔵される形に変更。
これによって瞬時に多彩な武器の切り替えが可能となり、長所の遠距離射撃戦も強化。
更にアーマーを本体から分離してバスターモードに変形させることで、本機最大兵装の『オルゴンバスターキャノン』となる。
これらのデザインやユニット構成はスーパーロボット大戦αのリアル系主人公機ヒュッケバインMk-Ⅲ及び
そのコア・トルーパー・システムで運用されるAMボクサー&ガンナーを想起させる部分が多い。

ゲーム内のユニットとしては全体的に能力が底上げされ、
他の後継機同様ダメージ軽減バリア・分身・ワープ移動の付く『オルゴン・クラウド』EN回復(小)が追加。
依然として武器は射撃属性オンリーでコンボは使えないものの、MAP兵器はさらに範囲が広くなったうえに敵味方識別機能が加わり
ほぼ死角の無い強さを手に入れている。

なお、Jの主人公機の強化経緯は設定上は3機別々に用意されていたが実際のゲームでは
モルゲンレーテ経由で運ばれてきた強化ユニットを装着』と1本道の味気ないものにされてしまっている。
しかし、B・ブリガンディに限っては設定の段階で『大破した機体に強化アーマーを着けたもの』なので
ゲームでも特に違和感の無い話運びになっている。

素体同様、こちらも『スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ』にてカルヴィナ搭乗の後継機として登場する。{実は2号機。

バスターアーマーの装着と引き換えに、腕が格納される関係で換装武器は搭載不能なので自前の武器での戦いが主となる。


◆武装◆
ベルゼルート同様、武器名は自由に変更可。
必殺技の『オルゴンバスターキャノン』いずれかのサブパイロットを20回以上出撃させねば解禁されない。
面倒くさくて誰かひとりを乗せたまま放置していれば乗り換えイベント直後からすぐに使える一方で、
ステージごとに相性を考え、均一に出撃させていると下手するとラストまでお目にかかれない場合もある。
また、演出と強制BGMは対応するパートナーごとに異なるが基本的な武器性能は一緒
(ただしパートナー補正でカティアは射程テニアは攻撃力メルアはカットインの豊満さがそれぞれ上昇する)。



オルゴンラグナライフルN
左腕のオルゴンラグナライフルからオルゴンの結晶弾を発射した後、敵機に接近してクローで掴み(これで格闘攻撃できないのか?)、
ゼロ距離から結晶弾をぶち込む。唯一のP属性武器である他、マップ兵器以外では唯一射程1に攻撃可能。
英語だとOrgone-Ragna-Rifleと綴るので、どうもラグナはラグナロクのラグナっぽい。
OGシリーズでは単発の射撃になり、格闘戦付きは新たにAモードという形で採用されている。


オルゴンラグナライフルB
右腕のオルゴンラグナライフルから、高出力のビームを発射する。移動後使用不可のビーム兵器。
射程が長いうえに燃費が良く、使い勝手は上々。
なお、左右のライフル及びクローは全く同じデザインなので、別に左右で撃てるモードが決まっているわけではなく、
両腕ともにNもBも撃ち分け可能と思われる。
OGではブラステッドという名称が付いた。


ホーミングレーザー
アーマー背面と脚部の四基のハッチから、無数の誘導レーザーを連射するビーム兵器。
四方八方から敵機を蜂の巣にする演出は後の作品におけるドラグーン・システムのそれによく似ている。
通常兵器版とマップ兵器版の二種があり、前者はオルゴンバスターキャノンに次ぐ威力を持つ。
後者は扇状の広い攻撃範囲を持ち、敵味方識別ありなので使いやすい。
OGでは名称がオルゴノン・レーザーに変更された


オルゴンバスターキャノン
ベルゼルート・ブリガンディの最強武器。アーマーを分離・変形させ、巨大砲と変えて攻撃する。
ゲーム中で強化後のベルゼルート素体を見ることができる唯一の機会。
バスターキャノン接続と、無数のオルゴン結晶弾が混ざった画面を覆い尽くすほどの極太ビームを発射、
敵機をその奔流に呑み込ませてから結晶化することで、巨大な氷山のようなオルゴンに閉じ込める。
という演出は3タイプ共通だが、同乗したパートナーにより以下のように演出が変化する。

《Ver.カティア》
最初から最大出力でビームを放ち、敵機をオルゴン氷山に捕捉。
トドメにオルゴンライフルAと同じ巨大なオルゴン結晶の鏃で氷山ごと敵機を射抜き、爆砕。
自機はバスターキャノンの推進機関を使い急速で爆発の余波から離脱する。


《Ver.テニア》
敵機をオルゴン氷山に閉じ込めた後、4基のオールレンジ攻撃端末からのビーム砲撃で氷山内の相手を狙い撃ちにし、
トドメにバスターキャノンの銃身から極大のオルゴン結晶衝角を展開し突貫、氷山ごと敵機を串刺しにして突き抜ける。
この2種はここでしか見られない武装。単体で使えたらもっと隙の無い機体になっただろうにもったいない…


《Ver.メルア》
バスターキャノンに接続した状態で素体脚部のミサイルランチャーを全弾発射、
続いてキャノン状態でのホーミングレーザーを照射、さらにオルゴン氷山へのロックと単機で波状攻撃を仕掛ける。
トドメは両腕のオルゴンラグナライフルを展開し、最大出力の結晶弾+ビームを同時発射し氷山ごと敵機を消滅させる。




★余談★

●たにめそ氏の語る本機のデザインコンセプトは「大きな翼を持たなくても飛べそうな機体」。
薄い脚部は飛行機の翼をイメージしている。航空機をイメージしたオリジナルといえば
OGシリーズのリオンがあるが、それとは差別化するために
ベルゼルートのデザインはより人型ロボットらしいものになった。
また、本機は当初はロービジ塗装(実際の戦闘機にも用いられる視認性の低い色調。OGだとガーリオンあたりが近いか)
だったが、地味だったため現在の青と白を基調としたカラーリングに変更されたらしい。


●J自体はさして難易度が高い作品というわけでもない(ラスボスの強さだけでいうなら歴代でも最弱レベル)が、
命中・回避のバランスは割とシビアであり、回避が命のリアル系は運動性を徹底的に強化してしまいがち。
しかしそこに罠があり、敵の思考ルーチンが『命中率が0%になる標的は無視して他の機体を狙う』ようプログラムされているため、
回避を極めると囮役がこなせなくなるというジレンマが発生する。切り込み役による反撃無双を防ぐため試験的に搭載された仕様だが、反響は散々であった。
…ベルゼルートは特にそうなり易い主人公機なので注意が必要。特にカティアを乗せる場合。
ただ、敵に勘付かれないのでMAP兵器の効果範囲内に敵機を捉え易いという利点もある。


●Jのパッケージイラストにも登場しており、そんな所もエール・シュヴァリアーに似ている。



追記・修正は運動性を上げすぎないよう注意して行ってください。

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最終更新:2022年06月15日 15:38