リズベット/篠崎里香

登録日:2014/07/13 Sun 22:04:56
更新日:2024/04/11 Thu 17:50:01
所要時間:約 4 分で読めます






キリト、あたしねぇ!!
あたし、あんたのこと好き!!



ライトノベル『ソードアート・オンライン』の登場人物。デスゲームに巻き込まれたプレイヤーのひとり。
CV.高垣彩陽


◆概要

アスナの親友。アインクラッド第48層《リンダース》に店を構える鍛冶屋の少女。愛称は「リズ」。SAO開始時点で15歳。

元々客商売志望だったらしく、SAO開始直後から看板を出していた様子。その後リンダースの水車小屋を一目見て購入を決意し、資金集めに奔走した末に他の購入希望者に先んじることに成功した。

鍛冶屋としての腕は確かで、アスナの愛剣を作ったのは彼女。また熟練したマスターメイサー(メイス使い)でもある。
現実での髪の色は茶色でおしゃれにはあまり気を使っていなかったが、アスナにいろいろカスタマイズされた結果、赤いワンピースに白いドレスエプロン、ベイビーピンクの髪に赤い瞳*1となっている。
本人はこれにはギャップを感じているが、カスタマイズしてから売り上げが倍増したため、引くに引けなくなっている模様。
一方で、鍛冶スキルを上げて攻略組を得意先とするようになってからはどこか機械的になってしまっていたようである。

真面目なしっかり者でちょっと気の強い性格だが、内心ではSAOの世界に恐怖と虚しさを感じていた。
SAOの世界をある程度認めて楽しんでいる傾向にあるメインキャラクターの中では異色の存在かもしれない。

姉御肌の「いいヤツ(アニメ、ゲームで彼女を演じる高垣の評)」であると同時に、本作においては意外と少ないツンデレキャラでもある。


◆戦闘能力

使用する武器はメイス。熟練度も相当な物であり、SAOでは数少ない《マスターメイサー》。
素材を自分で取りに行くこともあるせいかレベルは63層が最前線の時点で60台半ばと攻略組には及ばないものの高く、55層の山に出現するモンスターは難なく倒している。

ただ、本人はダンジョンに潜ることはほとんどない様子。


◆本編での活躍

初登場は短編「心の温度」(原作2巻収録・アニメ第7話)。一応アニメの1話にもちょっとだけ出ている。
上述の通り鍛冶屋でアスナの親友。アスナの雰囲気や行動の変化からアスナに想い人ができたことに気がついていた。

ある日キリトが剣の作成の依頼にやって来る。その際、彼の剣の威力を見誤って試し打ちを許した結果、自分が丹精込めて鍛えた最高傑作の剣をへし折られてしまう。このせいで第一印象は最悪。

そこで彼の依頼にこたえてキリトを見返す剣を作るため、幻の素材をもとめて、キリトと共に55層の白竜の住む山に赴くことになる。

山にて白竜と遭遇し交戦する。白竜そのものの強さは二人でも問題ないレベルだったが、不注意で白竜の突風攻撃を食らい、庇ったキリトと二人で共に深い竪穴のトラップへと落下してしまう。
なんとか生きてはいたものの脱出は難しく、二人は野営を余儀なくされる。

キリトと話をするうちSAOにとらわれて以来自分の心の中にあった渇きの正体が、現実世界の体が置き去りにされていることや、データで構成されたSAOの世界への恐さと虚しさであり、
偽物としか思えないデータの世界の中で、人恋しく、本物の人の温もりに飢えていたことを悟る。
店を構えて鍛冶やメイスの腕を磨いてきたのも突き詰めればその恐怖と虚無感を紛らわすためであったが、店を構えて鍛冶スキルをほぼマスターした事で逆に目標を見失いつつある事を自覚していた。

しかしキリトと話をしたり手をつないだ時に感じた温もりから、ゲームの中であっても、プレイヤーはちゃんと血の通った人間でありゲーム内の自分もちゃんと自分であること、
データであっても本物の温かさは存在することを悟るとともに、キリトへの好意を自覚し、剣が完成したらキリトに告白することを決意する。

その後、素材となる白竜のウ○コ《クリスタライト・インゴッド》を手に入れトラップを脱出。
この時「あんたの事が好き!」と叫んだものの、「なんだって!? 聞こえないよ!」とベタな返しを受ける。どうもマジで聞こえなかった模様。
というか高度数百メートルからボナン落ち急速落下中に言われても聞こえません。こういうところをしっかり作り込むのが茅場ってヤツである

無事にキリトの剣《ダークリパルサー》を完成させ、再度告白しようとする(なおキリトはこの時に彼女の思いに気付いた様子)も、その直前に工房を訪れたアスナのキリトに対する態度から、
アスナの想い人がキリトであること、キリトの隣にいるべきなのはキリトを危険に晒してしまうような自分ではなく、同じくらい強いアスナのような人間であることを悟り、アスナとキリトの背中を押すと同時に、自身は涙ながらにその身を引いた。

その後、SAOがクリアされた際にはキリトがやってくれたと確信し、「愛してる!」と叫んだ。
…が、アニメでは時系列順にエピソードを並べた結果、SAOクリア時に一瞬だけリズも出てきたもののまるっと台詞がカットされた。
アスナが死に、キリトがヒースクリフと相打ちになってる状況でこんな事叫んでる姿が描写されたら視聴者からの株がどん底まで落ちかねないので、これはむしろ英断と言えるだろう。

また、彼女が店主兼鍛治師を務める《リズベット武具店》製の武器防具は攻略組でも重宝されているらしく(実際キリトが攻略組だと確信した際に有力ギルドの名簿を思い出そうとした)、彼女がいなければ攻略が遅れ、更なる被害が出ていたかもしれないとキリトの口から語られている。


◆≪アインクラッド≫編後の活躍

  • ≪フェアリィ・ダンス≫編
事件解決後のエピローグの登場。キリトやアスナと同じく元SAOプレイヤーのための学校に編入した様子。
キリトの事は未だに完全には諦めたわけではなく、シリカと共にキリトとアスナのバカップルぶりを愚痴ってはいるものの、二人の関係は認めている様子で、アスナが須郷の手から解放され、
無事に帰還者学校に通い始めてからは、「一ヶ月不戦協定」と称してキリトとアスナを思う存分イチャコラさせてあげている。

ALOにも勿論コンバート。種族は鍛冶職に長けたレプラコーンで、他のメンバーは各種族の特徴に合わせてSAO時代のアバターから多少カスタマイズされたアバターになっているが、彼女だけは見た目の変化がほぼない。
なおリズベット武具店は《ユグドラシル・シティ》に移転しており、仲間達の溜まり場にもなっている様子。

  • ≪ファントム・バレット≫編
アスナやクラインら他のメンバーと共にBOBに出ているキリトを応援していた。また、エピローグにもアスナやエギルとともに登場。

  • ≪マザーズ・ロザリオ≫編
プロローグに登場。それ以外にもちょこちょこと。

  • ≪キャリバー≫編
キリトやアスナらいつものメンバーと共に伝説の武器《エクスキャリバー》を求めてダンジョンに赴く。

  • ≪アリシゼーション≫編
今のところ出番はない。MORE DEBAN!
…と思っていたら16巻ラストでやっと登場。続く17巻では冒頭からシリカやクライン、エギルといった仲間達と共にALOプレイヤーにSAO帰還者の現状を知らせた上で、
アンダーワールドへのコンバートによるアンダーワールド防衛軍への参加を呼び掛ける。自らもキャラロス覚悟でコンバート、防衛軍に加勢する。


…ん?SAO編後はあんまり登場してないような気がするって?
残念ながら気のせいではない。

このことは10巻の裏表紙で公式でもネタにされており、この時のイラストから読者には相方のDEBANさんとともにMOREさんと呼ばれている。

…ほ、ほら、アニメではキリトの「二刀流」スキルが知れ渡った後の追加シーンで登場してるし。
DVD第1巻特典小説でもしっかり名前が出てきてるし。
それにアリシゼーション編の原作小説では出番がほぼ無いのは他のキャラでも同じだし。
こ、これで出番がないとか言ったら怒ると思うよ、もっと出番がないDEBANさんが。
…いや、DEBANさんはちゃっかり二巻の表紙を飾っている一方、ヒロインズの中で唯一リズは表紙に載った事が無い訳だが。*2

SAO読者はみんなこの後リズベットがまた活躍することを信じてるから!
信じてない奴は表出ろ。アインクラッド外周から突き落としてやる。

…という声が天に届いたのか、MORE DEBANにリーファを加えた3人がメインの『ガールズ・オプス』が連載されているのでそっちもよろしく!
なお、第1巻裏表紙にて「YATTA!」の看板を持って喜びを表していた。
これからはYATTA!さんと呼ぼう!

更には名前こそ出ないものの、SAOPでちょこちょこ彼女と思われる女性プレイヤーが登場する。MORE DEBAN村からの出立も近いかもしれない。

また、作者書き下ろしのExtra Editionでは登場機会に恵まれ、映画や新編の《ユナイタル・リング》では普通に主要人物として活躍する。
というかネタにされているから登場は少なめと思われがちだが、DEBANさんも含めてぶっちゃけクラインやエギルより出番多い。

鍛冶屋というキャラ付けの関係か、本編よりゲームシリーズの方が活躍(というかプレイヤーが世話になってる)かもしれない。一時期ドゥドゥ呼ばわりされてたことは忘れろ

演じている高垣だけでなく、作者の川原からも、イラストのabecからも「いい娘」と愛されているが、最たるものがよりによってキリト役の松岡禎丞。最近は自重気味だが「嫁にするならリズベット」と豪語するほどのリズ推しであり、一時期イベントでは、好きなキャラを聞かれるとことある毎にリズをプッシュし、終いには言う前に「松岡くんはリズ好きなんだよね!(怒)」とアスナ役の戸松遥に突っ込まれると言うのがお約束だった。
どんだけ好きやねん。


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最終更新:2024年04月11日 17:50

*1 イラストやアニメでは一貫して赤なのだが、地の文では青い瞳と書かれている。Web版時代の名残かもしれないが知ってる人情報求む

*2 強いて言うならユイとサチがいるが、ユイは出れば必ずと言っていい程活躍するし、サチが登場する≪赤鼻のトナカイ≫はキリトの過去回想という形で描かれている、つまり本編中既に故人であり、またキリトの人格形成に大きく関わっているので、正直言って比較にならない。