援護システム(スーパーロボット大戦)

登録日:2011/04/25(月) 13:52:57
更新日:2021/11/23 Tue 19:54:38
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スーパーロボット大戦シリーズ』におけるシステムの一つ。

初採用は2000年発売の『スーパーロボット大戦COMPACT2』であり、2001年の『スーパーロボット大戦α外伝』で本格投入。
以降は一部の例外を除き、全てのスパロボに採用されている。


○由来
投入に関しては諸説あるが、ウィンキーとの連携を切ったバンプレストが独自の方向性を模索した結果、編み出したシステムであるらしい。

事実、このシステムの採用以降は、それまで攻略の大きな武器として猛威を振るっていた「反応パラメータによって解禁される二回行動」が採用されていない。
あるとしても専用のリソースであるExC(エクストラカウント)を消費して「マルチアクション」を使うとか、敵専用技能とかにとどまっている。


○システム概要
その名の如く、戦場において味方機同士が連携する様を再現したシステムである。
味方ユニットの周囲4マスに特殊技能「援護」を持つ別の味方ユニットが存在すると発動する。

援護する側のユニットが、援護される側のユニットの地形に侵入出来ない場合は発動できないので注意。

1ターンにおける発動回数は技能レベルに準じているのだがシステム上、味方機の周りには4機しか置けないので他の技能の最大レベルが9に対し、4までしか上がらない。
但し、『スーパーロボット大戦IMPACT』を除く。

例外的に『スーパーロボット大戦A』では援護能力は技能ではなく、システムとして全てのキャラがデフォルトで使用可能。
1ターンに使える回数は発動回数に応じて増える。


○種類
攻撃と防御の2種類が存在している。

採用当初は「援護」の技能さえあれば両方とも使えたが、『IMPACT』以降は「援護攻撃」と「援護防御」の2種類の技能に分かれた。


●援護攻撃
味方ユニットが攻撃した際に別の味方ユニットが隣接していた際、その味方ユニットが「援護攻撃」を習得しており“未行動”ならば発動する。

ただしALL攻撃には援護出来ない、ALL攻撃でしか援護出来ない、合体攻撃に援護出来ない作品もあるので注意。
逆にいえば、合体攻撃に援護で合体攻撃を入れることの出来る作品もある。
また、威力が若干落ちるほか、熱血など一部の精神コマンドは効果を発揮しない。
その性質から使用出来るのは味方フェイズのみ。

敵ユニットの反撃終了後に味方ユニットが健在ならば、その隣接した味方ユニットが同じ敵に攻撃する。
援護するユニットの攻撃位置は自身の位置を参照する。
つまり、援護するユニットから2マス離れた位置に敵がいた場合は射程1の武器は発動しない。

採用当初は発動は自動であり、隣接する味方機が複数の場合は援護する味方ユニットと使用武器を選べなかった。
どこぞの戦闘のプロが一発しかないグレートブースターを勝手に使う、といった事態があった。
現在では選択出来るようになっている。

このシステムにより、今まで武器の改造や信頼補正で底上げせざるを得なかった一度の攻撃での総ダメージが飛躍し、HP低下で撤退するボスを仕留めやすくなった。
また、技量は二線級(あるいはオールドタイプのように格差の影響を受けやすい立場)のパイロットでも
援護レベルが高めに設定されることで利用価値が見出せるようになり、キャラクター間の格差が縮められたのも大きい。

近年では、敵の中に味方ユニットを行動不能に陥らせる武器属性を持つ攻撃をしてくる者が出てきており、
行動不能になると援護攻撃も発動しない。


●援護防御
敵フェイズに発動する技能。
味方ユニットが攻撃された際に別の味方ユニットが隣接していたり、その味方ユニットが「援護防御」を習得していたならば発動する。

敵の攻撃に対し隣接する味方ユニットが代わりに防御する。
援護する側は防御を選択した扱いで攻撃を受けるので、バリア系の能力があると非常に効果が高い。
やはり一部の精神コマンドが効果を発揮しないが、作品によっては切り払いなど一部のスキルは効果を発揮する。

防御力に難の残るリアル系ユニットや、敗北条件に関わるユニットを守る事が出来る。
ただし勝手に暴れまわるNPCは味方扱いでも援護の対象外になってしまう場合もある。

援護攻撃と同様、採用当初は発動は自動。
防御するユニットが複数いた場合に誰が防御するか選べなかった。
そうした作品では貧弱なメカに乗ってるくせにしゃしゃり出て勝手に瀕死になる足手まといが出るゆえ、ただ隣接させればいいというものでもない。
スパロボDで導入されたコンボシステムは援護防御のシステムを逆手に取ったもので、
密集している敵の援護防御を発動させず一網打尽にできる。
もちろん敵側も使用してきて、安易な密集隊形に一石を投じる形になっている。お前のことだぞアンゲルス。

敵の攻撃における援護攻撃に対しては、援護防御が発動しないので注意。

作品によって、援護防御に入ると撃破されてしまう場合援護に入れないものと、援護防御に入った場合でも撃破されるものがある。
前者は援護機体がミスで撃破されることがない他に、安全に底力を発動させるということができる。
後者はクイックロードを信じて、分身や切り払い等の防御スキルに期待することができる。


○関連システム
厳密には援護攻撃ではないが、それに準じたもの。


●同時攻撃
『IMPACT』及び『スーパーロボット大戦MX』でのみ採用。
攻撃ユニットと援護ユニットが同時に敵を攻撃するシステム。
援護攻撃が「波状攻撃」とすれば同タイミングでの攻撃と言える。まんまだね。

援護攻撃を行う際に援護される側が技能「統率」を持っていた場合、発動。
援護攻撃の発動タイミングが味方ユニットの攻撃と同じになり、攻撃が必ずクリティカルになる。

ボスユニットをより仕留めやすくなり、味方ユニットの損害を抑えられる。
ダメージ計算が抑え目な『IMPACT』では、熟練度獲得の大きな武器となる。

また見た目的に疑似合体攻撃ぽくなるので、こだわると面白いことになる。
攻撃のタイミングがほぼ同時なライディーン&ラーゼフォンとか明らかに狙ってる。
その他、バイカンフー&凰牙でひたすら回りまくったり、自分なりの楽しみを見つけるのもいいかもしれない。


●支援攻撃
『MX』のみで登場。
攻撃時、味方ユニットが攻撃する前に周囲4マスにいる別の味方ユニットが攻撃する。
通常の援護攻撃と小隊システムにおける小隊攻撃の中間的なもの。

使用する武器に制限があり、基本的にはビームライフルかバルカンのようなモノのみ。
支援自体の火力は低いが、支援を受けるユニットの攻撃には最大1.5倍の上昇補正が乗るため、援護よりダメージが伸びる場合も。
最大4機で集中攻撃する様は中々の壮観。

スパロボではないが、アクションゲームリアルロボットレジメントでも似た演出として
4機の小隊が専用の武器で一斉攻撃をかける『レジメントアタック』が搭載されている。


●合体攻撃
特定の味方ユニット同士が周囲8マスにいた場合に発動する合体技
正確には援護攻撃とは関係の無いシステムではある。

「複数のユニットが連携して編み出す一つの技」であり、関連機体の弾数やENを消費して発動する。
作品によっては一方機体からしか合体攻撃を使えず、その一方側しか弾数やENを消費しないものもある。
また距離が離れていても使えるものもある。

特定の作品では、上手く利用すれば、合体攻撃への合体攻撃援護も可能。

基本的に他の武器より攻撃力が高い。
ゲームによっては
「補正が掛かり同じ威力の攻撃より総ダメージが上がる」
「パートナーバトルシステムでは合体攻撃使用時はメインユニットのみしか攻撃できないため、総ダメージはメインユニットの必殺技+サブユニットの必殺技に劣る」
「反撃に使えない」
「援護攻撃として使用不能」
「相手の援護防御を発動させない」
等、仕様が細かく変わるため使う場合には予めシステムを把握しておく必要がある。

最初は『スーパーロボット大戦64』で採用されたシステムで、以降の作品では使用されない場合が多かった。
これはハードの性能上、2機以上の機体グラフィックを読み込むことが難しかったため。
しかし、ハードの性能が向上した『スーパーロボット大戦α』(DC版)や『第2次スーパーロボット大戦α』以降は常備のシステムとなっている。
版権を超えた合体攻撃は未だ実現していないが、版権が同一の作品同士ならば
原作でなかった機体やキャラクターの組み合わせでもオリジナルの合体攻撃を繰り出せることもある
(例:共演したことの無いマジンカイザーと真・ゲッターロボのダイナミック・ダブルインパクト)


●再攻撃
初出は初代『スーパーロボット大戦』。『第2次スーパーロボット大戦』でも同名のシステムが存在しているが、
この2作は「すばやさ」などの、後のスパロボに存在しないパラメータに応じて発生率が変わる。
アムロのνガンダムやファのメタスなどはレベルさえあげれば素早さがカンストしてあらゆる敵に連続攻撃を叩き込む驚異のアタッカーに化ける。

魔装機神シリーズ 』では
偶然性の強いスキルとして猛威を奮い、敵・味方でこれが出るたびにプレイヤーは天国と地獄を交互に体感するはめに。
背中から攻められてこれを出されると死んだも同然である。

その後『 スーパーロボット大戦Zシリーズ 』にて再登場した。
「再攻撃」の技能を持ったパイロットが自分より技量が20低い相手に攻撃した場合、自分に対し援護攻撃が出来る。
EN消費が事実上二倍になるが、撃ちもらしが減る。発動条件の都合から、技量を大幅に上げる必要性があるのが欠点。
オーガスの桂などがデフォルトで持っており、火力が控えめ・上位武装の燃費や使用条件が厳しめのユニットの救済策になっている面も。


●支援要請
スーパーロボット大戦W』で採用された特殊な援護攻撃。
「支援要請」の技能を持つパイロットが攻撃する際、任意の未出撃機体から援護攻撃を受ける事が出来る。
未出撃機体の射程は、支援要請した機体の位置に準ずる。

装甲減少等の便利な特殊効果を持つが弱い、という機体にも活躍の場が増える。
(Wは『強すぎる機体』と『強い機体』しかいない、という見方もできるが)


●マキシマムブレイク
ツインユニット・タッグユニット制を採用した『第2次スーパーロボット大戦OG』や『第3次スーパーロボット大戦Z』で採用された特殊な同時連続攻撃。
OGシリーズでは、発動させるパイロットが「統率」「MB発動」を所持しており、なおかつ参加するパイロットが全員気力140以上であることが必要。
さらに、本番用の武器が使用できるだけでなく、起動するユニットの地形に侵入できること、初撃用の支援武器(「F」という表記がある)を持っていることも必要になる。
内容をまとめると「攻撃側と援護側、2つのツインユニットに参加している全機体の支援攻撃後、攻撃側の同時攻撃→援護側の同時攻撃」を叩き込むという豪華なもの。
通常の援護攻撃と違い、バリア貫通が必ず付く上に援護側のダメージ減衰もない。代償として気力が-10される。

Zシリーズではタッグテンションが最高になったときに使用できる、メイン・サブユニットによる同時攻撃。
ダメージ1.2倍、バリア貫通、援護防御無視といったボーナスが付き、サブユニットは普段は移動した後だと使えない武装でも、
メインユニットがP武装で攻撃するときならお構いなしに使うことが可能。ユニットによっては合体攻撃も混ぜることができる。

いずれの場合も発動までのハードルは険しいが、かなり強いのは確かである。

○余談
援護システムが発動した際には、援護するパイロットが特定のセリフを喋る。
採用当初は当たり障りの無いものばかりだったが、最近では援護されるパイロットによって特殊なセリフを口にする事が多く、戦闘アニメの華の一つになっている。
特に音声を録る手間が不要な声なしのスパロボは援護台詞のバリエーションが豊富になることが多く、声なしならではの楽しみのひとつといえる。
シナリオに沿ったものから声優ネタまでいろいろあるのでコレクションするのも醍醐味。

スパロボ以外には歴史シミュレーションものでの「一斉攻撃」、FRONT MISSIONシリーズの4th、5thで導入された「リンク」システムなどが同類に当たるだろうか。
近年ではファイアーエムブレムシリーズでも「デュアルシステム」「攻陣・防陣」として導入されている。上手く使えば弱いユニットで強い敵を倒し、効率的なレベルアップができる。
初登場の「覚醒」ではほぼ味方の特権であったため攻略の鍵として猛威を振るったが、続く「if」では敵も攻陣による援護攻撃を駆使してくるため大きな脅威となった。




追記・修正は、援護攻撃・援護防御共にLv4の方にお願いします。

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