ZAT(ウルトラマンタロウ)

登録日:2011/09/19(月) 00:15:19
更新日:2023/11/15 Wed 10:20:41
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「タロウとZATが力を合わせればザッとこんなもんよ!」



ZATは「ウルトラマンタロウ」に登場するシリーズ恒例の特捜チームである。
一応「Zariba of All Territory」の略であるが本編中で呼ばれたことはない。
Zariba(これのみ英語ではなく、なぜかアフリカの言語である)の意味を防護柵としても意味は「地球すべての防護柵」であって、
どう頑張っても「宇宙科学警備隊」にはならないのだが……気にしたら負けである*1


【特徴】

「ウルトラマンタロウ」の作風に合わせてか非常にアットホームな組織。
他の第2期ウルトラシリーズの防衛チーム(MATTACMAC)にあった隊員同士の対立の構図もほとんど無く、
後述する数々の珍作戦の他、前日にカレーを食べた者を調査に出したり、隊員で遊びに出かけたり、
草野球をしたり、松茸を皆で食べたり、民間人と餅つきに興じたりするシーンが散見された。
プライベートにおける隊員の意思も尊重されており、怪獣退治や地球防衛をする傍、ボクシング選手等と言った夢に打ち込む事も許されている。

その為か第二期ウルトラシリーズを批判する際に「おふざけZAT」と呼ばれたりもしている。

しかし、シリアスな場面ではきちんと活躍しており、タロウとの連携もさることながら怪獣や宇宙人に対し止めを刺す場面も多く、
歴代防衛チームによる怪獣撃破数(巨大なもの限定)では総合2位*2という、シリーズ屈指の活躍を見せた実力者揃いのチームである。
昭和の防衛チーム最強との声が高く決して侮ってはいけない。

また次代のMACと異なり宇宙人との等身大戦がなかったためほとんど使用されなかったが、格闘技術も訓練されており、
空手ないし拳法を近接格闘技術として習得している(キノコ人間化した荒垣、北島、南原の三人が手刀と蹴りで光太郎をダウンさせている)と思われる描写がある。

隊員の社会的地位は高く、一般隊員でも郷土の誇りと称えられ、新人の隊員と知己であるだけでもちょっとした自慢になるほどである。
生活面においては、元来生活基盤がない者が下宿する描写はあるが長期間勤務していると思われる者は隊外の朝出遅れても遅刻しない範囲*3
おそらく一等地近くの良質な物件に居住して自活しているほか、結婚を決断し実行した者もおり、給与水準も高いと思われる。
隊長ともなると庭つきの広い一軒家に居住、妻帯し妻は専業主婦であるなど羽振りはちょっとしたものである*4
その割に入隊資格や基準はあいまいである。

民間人に対しては立場が弱いのか、怪獣災害被害者の抗議の電話や不眠のための怒りに晒され憔悴したり、
灯台守やヒステリーを起こして錯乱した婦人につっかかられてたじたじとなったりすることもしばしばあった。
バードン戦などに見られるように民間人に対して命令を下す権限も持ち、多くの場合守られるが、ムルロア戦などの極限状況下では命令を無視して悪徳商法(水売り)、命令違反操業を実行する者が現れ制止できない(死なせてしまうこともある)など、良くも悪くも民間人との距離の近さがある。

また、ニューヨーク国連本部内に本部を置き、
フランス、南アフリカ連邦、アメリカ、北極、アルゼンチン、そして日本に支部があり、作中でも描写されている。
その他、宇宙には宇宙ステーションを多数備えていた。
日本支部は霞ヶ関1-1-1にあり、基地は緊急時は飛行して退避も出来る。

基地は街のド真ん中にあり、街を放置して逃げるのはどうなんだというツッコミはよくあるお約束。
因みに民間人であっても一週間前に事前申請した上で宇宙人かどうかの検査を受ける事で、誰でも気軽に基地内の見学が可能。
このチェック態勢のおかげか、地味に宇宙人に潜入されたことが殆ど無いという驚きの事実がある。

全体の方針としては「命を大事にする」という事が徹底されており、結果的に失敗したとはいえ、
怪獣の虫歯を抜いてやろうとした事に始まり、セミ怪獣の寿命が尽きるまで見守ろうとしたり、亀怪獣の卵をバスケットに入れて返してやったりと、
例え怪獣と言えども即座に退治しようとしない点があげられる。

これは隊員間でも同様で、脱出数はTACより低いものの、世界を放射能雲が覆い尽くし地球存亡の危機にあって、
爆弾設置のため怪獣の背中に取り付こうとしている隊員に「ちゃんと命だけは持って逃げるんだぞ」と促すなど、首尾一貫している。

一見ふざけていたり、アットホームで明るく見えるのはそれだけきちんとした組織運営がされており、ピリピリする必要が無い極めて優秀なチームである事の証拠なのだ。
こうしたことからファンの間では理想の職場という声も多い。

また本編では、ZATとは別に地球警備隊という組織も存在するが、出番は亀怪獣の処遇について対立した時のみであった。


【隊員】

通信担当など直接戦闘に参加しないメンバーを含めれば相当な数がいると思われる。
なお、初期のメンバーのうち、隊長、副隊長、森山以外は名字が東西南北でそろっている。

なお半年に1度は体力テストの審査があり、現場の隊員が対象になっている。
怪獣と直接対峙する仕事柄、体が資本というごくごく合理的な理由であるが、
副隊長や隊長といった管理職については指揮能力がメインなので免除となっている。

◆朝比奈勇太郎隊長(演:名古屋章)
ZATの隊長であり、彼の制服にのみ黒のラインがある。
普段は本部にいることが多いのか基地にいる事は少ない(実際は演者である名古屋章氏のスケジュール調整の為)。
パッと見は冴えない中年のおじさんで出動する隊員をカレーを食べた人間で決める等ユーモラスだが、
切れ者で光太郎をスカウトした他、コショウ作戦のような大胆な作戦の立案やカタン星人の企みを暴いたりしている。
演じた名古屋氏は2年前にナレーターを担当していた。

◆荒垣修平副隊長(演:東野英心)
シリーズ初の正式な副隊長で、隊長不在時は隊員達の指揮を執る。ギャグでもシリアスでも隊員を引っ張る実質的な隊長格である。
判断力に優れており、隊員の命に危機が及ぶ前に脱出を指示したり、メカニックが機能不全を起こせば走って逃げることを指示するなど、隊員たちの命を第一に考えた行動を取ることが多い。
規則を適切に扱うのも特徴で、締めるべきところをきちんと締めたり、堅い対応が必要な場合は礼服を着て相手方に赴くこともあった。
この二つの点から副隊長としての在職中に処分者や殉職者を一切出さないというかなりの有能さを見せている。
またサングラスをかけたり突然髭が生えたり無くなったり、声変わりをしたりしている。

終盤に宇宙ステーションへ転勤したが、最終回クライマックスで光太郎が名前を出していたあたりからも慕われている事がよく分かる。

演じる東野氏がスキーで転倒した際に骨折した為、最終回間際で出演不可能に。
当時は演技と声が別録だった上、芝居のみ収録済みでアフレコ未収録の場面があった為、一時期沢りつお氏が声のみ代役を勤めている。
因みに演じた東野氏は後に「中学生日記」の先生や「あばれはっちゃく」のお父さんを演じており、後者では息子役に『レオ』『ダイナ』にゲスト出演した吉田友紀氏や声優に転向した坂詰貴之氏、後に戦隊ヒーローになった酒井一圭氏がいた。

◆二谷一美副隊長(演:三谷昇)
荒垣副隊長の後任として登場した。涙もろく人情家で、副隊長としては頼りないが隊員達に支えられて活躍した。
「若い者には負けない」という理由で本来免除されるはずの体力テストを受けたりと、負けず嫌いな一面も。
登場はラスト3話のみと非常に少なく、普通なら代役を立てずに台本を書くものだが、先述の様に隊長役の名古屋章氏があまり出られず、
副隊長が指揮を執る為、ドラマ撮影の都合上止むを得ない部分があった。その為なのかスポットが当てられたエピソードが書かれている。
演じた三谷氏はこれ以前は「帰ってきたウルトラマン」22話*5でピエロ姿で出演していたほか、後に「宇宙刑事ギャバン」後半で、リアルで同じ劇団のMAT隊員と共にギャバンの敵として立ち塞がった。
またドラマ等で悪人役が多めだった為、正義サイドの役が来て嬉しかったという。

東光太郎(演:篠田三郎)
主人公であり、ウルトラマンタロウの人間体である。
タロウになる前から超人的な体力と度胸と頭の良さであり、超獣をクレーンで追い払った事で隊長にスカウトされた。
その後も隊員として、タロウとして活躍した。

◆北島哲也(演:津村秀祐)
ひょうきんな性格で、釣りが大好きな為仕事にも竿を携帯している。
光太郎達よりは年上で良き兄貴分である。
なぜか「小生」という自称を使う時があった。
分析や兵器開発も担当し、ベムスターやムルロア撃破に活躍した。52話の光太郎の発言によると、実は副隊長に次ぐ指揮権を持っているらしい。
メモールの回の主役でもある。

◆南原忠男(演:木村豊幸)
宮崎出身の明るい性格で、光太郎とコンビを組むことも多い。
基本的には肉体・射撃担当であり、初期は重火器を手にすることが多かった他、ムルロア戦ではスカイホエール到着までZATガンのみでコンビナートに釘付けにするなど、その実力は高い。
強烈なキャラクターの母親がおり、作中で結婚式を挙げた珍しい人物。

◆西田次郎(演:三ツ木清隆)
若手隊員で電気ショックが好き。9話をもって宇宙ステーションへ転勤したが13話の宮崎での演習の際にオペレーターとして再登場した。
演じた三ツ木氏は「光速エスパー」や「白獅子仮面」でヒーローも担当しており、後に兄弟先生の父親となった。

◆上野孝(演:西島明彦)
西田の後任で、初の主人公の後輩キャラ。若さを強調した場面が多く、ムルロア戦等で活躍したが35話で降板。

◆森山いずみ(演:松谷紀代子)
女性隊員でシリーズ初のミニスカの制服である。
普段は通信を担当することが多いが、実は隊員トップクラスの操縦技術を持っており、なんと単独で搭乗した際は一度も落とされなかった。なお、メドウーサ星人に身体を奪われたときはタロウによって不時着させられている。
光太郎に気がある様な描写がたまにされたが深くは描かれなかった。

その他、準レギュラーである女性オペレーター3人組や、29話で登場した海外の隊員等もいる。


【ZATの退治・対処した怪獣】


オカリヤン戦、ジレンマ戦、カタン星人戦、グロスト戦、サメクジラ&バルキー星人戦ではZATの援護によってタロウに勝利をもたらした。


【装備・メカニック】

デザインは円や球体を多く取り入れ、赤、青、銀を基調とした派手なものである。制服も派手で、シリーズで初めて男女で明確に違う制服となった。
2006年発行の『ウルトラ超兵器大図鑑』によると、この独特のデザインの兵器群はそれまでの異星人の円盤に使われていた「重力制御コイル」を搭載したためとのこと。

◆スカイホエール
航空戦力のメインとなる大型戦闘機で殆どの回に登場した。
機内に物質合成機があり、白酒を作った事もある。
状況に応じて様々な装備を取り付ける事も可能。
というより、何でも収納・作成できるという特徴こそが、スカイホエールとZAT最大の武器と言える。
前線で指揮を執る移動司令室である他、作戦に使用する武器や装置等の輸送、偵察等の任務もこなせる。
また、大気圏離脱~宇宙航行も可能。内部に科学分析室があり、作戦に応じて様々な武器やアイテムを作り出す。
作中ではジレンマの酸に対抗できるスーパーアルカリ液、ベロンを酔っぱらわせる白酒等を作った。
武装はロケット弾、機首のレーザービーム砲、ナパーム弾ランチャー。
ロケット弾は多くの怪獣を怯ませたり連射のみでドロボンを葬った他、レーザービーム砲は改造ベロクロン二世を一方的に葬れる程の威力を持つ。


◆コンドル1号
スカイホエールの僚機として登場することが多く、2機がかりで作戦をする時は大抵相方的な役割を果たす。
翼が円盤型という航空力学にケンカを売っているようなデザインだが、これは反重力飛行用の粒子加速器らしい。
レーダーと偵察用カメラを装備している為、索敵力が高く偵察機としての運用も見られた。
しかし、スカイホエール、スーパースワローと違って大気圏突破および宇宙での戦闘は出来ない。
武装は機首のレーザービーム砲、ZATミサイル。また自爆機能も搭載している。
余談だが尾翼部分はミニコンドルと呼ばれており、分離することが出来るが劇中では披露しなかった。


◆コンドル2号
設定画のみ存在。
コックピットの形状から察するにかなりの大型機らしい。
前方に大きく湾曲した機首と前に張り出したエンジンが特徴。


◆スーパースワロー
上記2機と比べると出番が少なめである。小回りのきくやや小型の戦闘機である。
ロケットモーターを搭載し、大気圏離脱や宇宙空間での航行、小回りを生かしたアクロバティックな飛行も可能。
高性能故、扱えるパイロットは少なく光太郎と南原と二谷副隊長が搭乗した。
確認できる武器はミサイルのみ。


◆ドラゴン
主に調査に使われるヘリコプター
OPにてよく出撃するシーンが見られるが、出番は少なく本編ではムルロアが起こした事件の捜索と、マンダリン草を探すために出撃したのみ。
ミニチュアは後に塗装を改められ、MACのモスキーターとなった。


◆ペルダーⅡ世
ドリル戦車。出番はトンダイル回の一回のみだがOPには毎回登場する。
Ⅱ世となってるのは名前が似ている「ウルトラマン」のダーの誤植後継という考察がある。
2本のドリルの硬さはダイヤモンドの1万倍で、逆回転も可能。だが、ドリルユニットがジェットモグラそのものだったので視聴者から突っ込まれたりもした(ベルミダーⅡ世の本体に、イマイ製のジェットモグラプラモをそのまんま二台貼り付けている)。
武装は6連装式地底ミサイルと大型ドリルミサイル。


◆アイアンフィッシュ
潜水艦だが出番はOPのみ。
水深2万mまでの潜航が可能。マックシャークに並ぶ不遇の水中マシン(パチンコ版では演出で登場した)。
武装はスーパープラズマミサイルと超高圧放電機構。


◆アンドロメダ
ZATが保有する恒星間航行も可能な大型宇宙ロケット。後述のマゼランを数機搭載している。
武装はハイパーミサイル、プラズマミサイル、宇宙魚雷。
宇宙船だが、作中ではスカイホエールで宇宙まで行ってるため出番がなくOPにのみ登場した。
内部にマゼランという小型円盤を搭載している。


◆マゼラン
アンドロメダに搭載されている小型戦闘UFO。宇宙での戦闘の他に、惑星調査の着陸船にも使用可能。
本編はおろか、OPでも登場しなかったがおもちゃが発売され、雑誌に掲載されているスチル写真のみの登場となった。一応ミニチュアは製作されていたらしい。



◆ウルフ777
一度見たら忘れられない凄いデザインの車両。
因みに犠牲車ベース車はトヨタ・クラウンHT(MS51)
地上戦力ではあるが、空中戦力が強力な為かあまり活躍しなかった。
余談だが、ウルフ777はそのデザインゆえ種車より全長が1.4m程長くなっており、収録時の運転は何かと大変だったそうである。

車両は後番組の『プロレスの星 アステカイザー』にて、敵組織ブラック・ミストの車両サタン・バット号として真っ黒にリペイントされて使われた。
ファンからはその外見から「霊柩車」と呼ばれているらしい。


◆ラビッドパンダ
更に強烈なデザインと名前の地上戦力。こちらも出番は多いが活躍は少ない。
運転席前方のピエロの鼻のような部分に高性能レーダーを搭載しており、主にパトロール用途に使われた。
怪獣に対する武装も施され、対怪獣レーザー、バズーカ、放電装置を搭載。また強固な装甲を持つ(でもガラスは脆い)。
そのデザインゆえ、大きいお友達から「昭和の痛車」というあだ名がつけられている。
でもって名称を直訳すると「ウサギシロクログマ」という意味不明な名前となるが気にしては(略。
ちなみに「仮面ライダー電王」にはパンダラビットイマジンという似たような名前のイマジンがいる。

被害車ベース車は「ジャンボーグA」に登場するPATのバモスⅠ/Ⅱ世同様バモスホンダである。
メビウス小説版にて武装を取り払ったレストア車が登場したが、ハルザキが乗りたくないと断ったので出動はしなかった。

◆ZAT専用車
全長:3.8m 全幅:1.51m 全高:2.75m 乗員:2名
非武装の車両で、主に宇宙人の追跡任務等に使われる。
ベースは三菱のコルトギャラン(緑)とランサー(赤)。

◆バギー
ZATが保有するバギーカー。
あくまでも移動用で戦闘に使われたシーンは無し。

◆ZATガン
球体をデザインに多く配した見た目が特徴的な銃。基本は実弾だがレーザーも出せる。
ビンッ! ビンッ! という独特の撃発音にはファンも多い。
火力もかなり高く、多くの怪獣を一斉射撃で怯ませたりしていた。

◆極東支部基地
所在地:東京都千代田区霞ヶ関1丁目1番地1号
日本にあるZATの基地。円盤状の基地本体と地下にあるZATメカの格納庫をつなぐタワーで構成されている(わかりやすく言えばキノコのような形)。
基地本体には司令室をはじめ、制御ルーム、兵器開発ルーム、情報室、応接室や隊員達の居住区もある。
タワーは戦闘機等の輸送エレベーターを兼ねており、基地がアストロモンスやデッパラスに襲われた時は、基地本体を分離させタワーを格納し、基地本体は浮遊円盤として危機を回避している。

一般市民による見学も可能だが、その分セキュリティは厳重で、歴代ウルトラシリーズでは数少ない、敵宇宙人の侵入を許さなかった基地でもある。
浮遊円盤として分離可能なことを考えると侵入した宇宙人をそのまま閉じこめ隊員は脱出、宇宙人ごと爆破し葬ってしまうという戦法も可能と思われる。

◆ZATステーションNo.S1009
第13話に登場した基地。
異動した西田隊員はそこへ着任し、九州宮崎県で演習を行うZATをサポートする。
しかしその演習中にとんでもない惨事が起きてしまった……

◆ZAT第1ステーション
月軌道上に回るZATの宇宙ステーション。ZAT隊員達と親交のあった佐野隊長が勤務している。
しかし第29話にて改造ベムスターによって当直の隊員ごと喰われ佐野隊長以下全員が殉職した。
その結果、海野少年が開いている寺子屋に通う佐野隊長の息子がZATに不信感を抱くようになってしまった。


【作戦】

ZATと言えば多種多様な作戦である。
珍作戦も多いが、怪獣の特徴を生かし活躍したものも多く、作品の個性ともなっている。

◆コショウ作戦
ライブキングに飲み込まれた光太郎と犬を助ける為にくしゃみをさせようと、スカイホエールからコショウ1tを撒いた。
結果は大成功だった。

◆放電作戦
取り敢えず放電といった感じで多用されるZATお得意の戦術。生物であれば須く強い電気に反応を示すというのが理由。
スカイホエールなどからワイヤーを発射して電流を流すのが基本だが、
送電塔から引っ張ってきて河に放電して怪獣を誘き出したりするのに使われた事も。

◆バスケット作戦
卵を持ってオロン島へ帰れない亀怪獣たちに対し、口に咥えて帰れるように卵を超巨大なカゴに入れてあげるというもの。
南原隊員が実演までして見せたものの、2匹は理解できず作戦が頓挫しかけたが、東隊員の発案によりスカイホエールで空輸することで無事にオロン島まで帰してあげることに成功した。

しかし……

◆中和作戦
ジレンマの強酸性の液に苦しむタロウに強アルカリ性の液体を噴射し中和。これによりタロウはジレンマの液に苦しまずに戦えるようになった。

◆ミラー作戦
に反応するデッパラスを巨大鏡で埋立地に誘導し、穴に落としそこを集中攻撃で撃破した。
しかし、その後デッパラスはゾンビ状態で復活してしまった。

◆鳥もち作戦
タロウを殺したバードンに対し、足止めするために強力な鳥もちをバードンにかけた。
当初はバードンが事前に行水をしていて体が濡れていたためなかなか効果が出なかったが、徐々に効果を発揮して体皮が剥がれる迄バードンは涙を流して苦しんでいた。

◆まっぷたつ作戦
ZAT第1ステーションを飲み込んだ改造ベムスターに対し、映像データを元に作成したウルトラブレスレット(ウルトラスパーク)と同威力の巨大回転ノコギリを装備したスカイホエールで斬りつけるというもの。
だが改造ベムスターの体表が強化されており、文字通り歯が立たずノコギリの方が壊れてしまった。
威力が足りないという説もあるが、この時のノコギリは誤爆したビルを綺麗に切断するほどの威力を見せており、ヤプールのセリフ*6も含めて本当にブレスレット並みの威力という可能性が高い。

◆エネルギー爆弾作戦
改造ベムスターへのリベンジマッチの際に使用。改造ベムスターが頭部の口ではなく腹の口で捕食を行っていることに着想を得て「合わさると大爆発する2種のエネルギー爆弾」を用意し、腹に撃ち込んで飲み込ませ、起爆するというもの。
初撃のエネルギーA爆弾を飲み込んだ時点でベムスターはかなり苦しんでおり、続くエネルギーB爆弾で完全に粉砕した。

◆ベル作戦
カタン星人の目潰し光線を喰らい、目が見えないタロウを援護すべく、カタン星人に巨大な鈴付きの首輪を付けた。
タロウはこの音を頼りにカタン星人に抱きつき、ウルトラダイナマイトで倒した。


以上は一例であるが、一見奇抜な作戦も多いものの、怪獣の生態から着想を出すなど効果的な作戦も多かった。

その作戦名の特別性から「ウルトラマンギンガ」の主人公礼堂ヒカルから「のどかな作戦名」と言われたりもしていた。

しかし、そのどんなアイデアでも即座に準備し、臨機応変な作戦で多種多様な怪獣に対応していく姿勢が成果をあげた事は間違いない。
やはり防衛チームは常識に囚われてはいけないのであろう…


【余談】

ZATの活躍を堪能したい方におすすめなのが29、30話の改造ベムスターの前後編である。

この話では「帰ってきたウルトラマン」でも出来なかった
ベムスターに殺された宇宙ステーション隊長の敵を特捜チームが取る」という内容になっており、
民間人の筈なのに一人でベムスターと戦っちゃう海野さんやタロウに頼ってばかりではいけないというテーマ、
充実のドラマと特撮も相まってシリーズ屈指の内容に仕上がっている。

なお、この前後編では前編で真っ二つ作戦、後編ではエネルギー爆弾を使った作戦を実行している。
真っ二つ作戦はウルトラブレスレットと同じ硬さの回転鋸でベムスターを切る作戦だったがヤプールが対策をしていた為に失敗した。

エネルギー爆弾による作戦はベムスターの腹の口にエネルギーの塊のA爆弾を飲み込ませ、
後から起爆装置?のB爆弾を飲み込ませることで体内から爆発させベムスターを撃破することに成功した。
人間で例えるならメントスを口に入れた状態でコーラを飲まされたようなものなのだろうか?


昨日カレーを食べた人は追記・修正をお願いします。


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最終更新:2023年11月15日 10:20

*1 そもそもZATという名前自体、他の防衛チームに合わせて最初から表記ありきで考えられており、「Zariba of All Territory」というのはバクロニム(後付け)であるのでしょうがない面はあるが。

*2 総合1位は科学特捜隊である

*3 戦闘部隊という特性上通勤時間制限が厳しいことも考えられる。

*4 子供の会話からステータスが上級船員とほぼ同じか上回っていると思われる

*5 ゴキネズラが登場した「この怪獣は俺がやる」。奇しくも隊長交代エピソードである。

*6 あくまで「ベムスターに切断武器を持ってきた」ことを嘲笑しており、威力については言及していない。