横浜市営地下鉄ブルーライン

登録日:2014/07/08 (火曜日) 14:12:30
更新日:2024/03/08 Fri 17:59:07
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横浜市営地下鉄ブルーラインは、湘南台駅からあざみ野駅までを結ぶ横浜市交通局の地下鉄路線である。
ラインカラーは文字通りのブルーで、路線記号は「B」。
ブルーラインの名称は、グリーンライン開業時に区別のために名付けられた。

【概要】

横浜市最初の地下鉄路線で、横浜市南西部・中心街・港北ニュータウンを経由するため、いわゆるコの字型を描いている。
その総延長距離は40.4㎞にも及び、都営地下鉄大江戸線が全通するまでは日本最長の地下鉄路線となっていた。
地上に出る区間も多く、特に北新横浜~あざみ野間はそれが顕著である。

正式には湘南台~関内間の1号線と、関内~あざみ野間の3号線を合わせた路線で、どちらも関内駅が起点となっている。2号線が抜けているのは関内から本牧方面へ分岐する予定だった路線に振り当てられたため。

現在、あざみ野駅から青葉区すすきの付近を経由し、川崎市麻生区にある小田急小田原線の新百合ヶ丘駅まで延伸する計画が進められており、総事業費は約1,700億円で2030年頃の開業を目指している。

東京メトロ銀座線や丸ノ内線と同じ第三軌条方式を採用している。線路に降りたら感電する危険性があるので絶対に降りないこと。

【運行形態】

全区間運転以外に快速の待ち合わせをする踊場行きのほか、車庫のある上永谷や新羽止まり、上大岡・新横浜で折り返す列車も存在する。
日中(平日10時~14時台/土休日11時~15時台)は快速2本/h(最短61分)と普通6本/h(最短70分)で運行される。
日中の普通は6本/hの内、2本/hは湘南台~あざみ野(全区間)、2本/hは湘南台~新羽、2本/hは踊場~あざみ野が運転区間となる。
以前の普通は一部時間帯を除いた全区間(湘南台~あざみ野)の所要時間は66分だったが、
高齢者やベビーカーなどの乗降へ配慮した停車時間拡大(各駅で5秒以上)に伴って最短68分へ延長された後で、
急曲線区間(関内~伊勢佐木長者町)での運転速度抑制と定時運行確保を目的とした駅停車時間の見直し(20秒以上→25秒以上)が実施されて最短70分となった。
平成27年度~平成30年度の中期経営計画によれば、ラッシュ時間帯における快速運転の可否についての研究も行われる模様である。
また、2007年12月より全列車がワンマン運転となっている。
翌年1月からはATOによる自動運転に切り替えられ、ホームドアも全駅に設置された。

種別 備考 横浜市営地下鉄ブルーライン(湘南台~あざみ野※将来は新百合ヶ丘)
横浜市高速鉄道1号線 横浜市高速鉄道3号線
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普通 終日運転
快速 2015/7/18~
2005年臨時運転

【使用車両】

編成番号は初代形式から一貫して付番されており、真ん中2桁がそれに該当する*1
また、船の汽笛をイメージした独自の警笛を採用しており、ホームドア導入までは駅進入時に必ず鳴らしていた(今もたまに鳴らすことがある)。

現在の車両

  • 3000A形(8本48両)
あざみ野延伸開業時に導入された3000形シリーズ第1弾。
丸みを帯びた柔らかいデザインが特徴。
運転席後方には市営地下鉄唯一となるクロスシートが設置されている。
4000形の導入に伴い廃車進行中。
  • 3000N形(7本42両)
湘南台開業時に導入された。
A形に比べ内外装ともにコスト削減が図られた設計となっている。
3381Fは2019年8月29日に踊場駅引込線でオーバーランして廃車となった。
  • 3000R形(14本84両)
老朽化した1000形の置き換えに2004年から登場。
Rは置き換えを意味するReplaceの略称。
この形式からビードのないステンレス車体となった。
  • 3000S形(8本48両)
2000形の機器類を流用して更新名目で新造された車両。
基本設計は3000Rに準じているが、前面窓下が水色塗装になっている。
3531Fは2019年6月6日に下飯田駅付近で脱線して廃車となった。
  • 3000V形(1本6両)
3000A形の大規模修繕に伴う予備車を確保するために導入された。
…のだが、計画の見直しでA形を順次置き換える事となり、6両編成7本42両が導入されることに。
…とされていたが、再度の計画変更で4000形を調達することが発表された。
結果本形式はブルーライン一のレア車となることに。
  • 4000形(8本48両予定)
3000A形の置き換え目的に2022年5月から営業運転を開始したブルーライン久々の新形式。
従来車よりも直線基調のデザインとなっているのが特徴。
2027年度以降に3000N・S形置き換え用として再度増備が計画されている。

過去の車両

  • 1000形(14本84両)
1972年の開業時に導入された車両。
ステンレスの車体にドア部分にだけ青いラインを入れるというカラーリングが採用された。
21世紀以降山手線E235系や阪神1000系に同様のデザインが採用されたことを考えると、当時としてはかなり画期的なデザインだったことがうかがえる。
現在は新羽車両基地に3両編成が1本、横浜市資源循環局金沢工場に先頭車1両が保存されている。
  • 2000形(9本54両)
舞岡および新横浜開業時に導入された車両。
基本デザインは1000形に準じているが時代に応じて洗練されたものとなっている。
関東の地下鉄では初の冷房車で、205系の窓設計を変更させており、地味に影響力のデカかった車両。


【駅一覧】

駅番号は路線記号導入に先がけて導入されていた。

○湘南台(B01)
小田急江ノ島線相鉄いずみ野線乗り換え。
運行上の起点駅。
駅所在地は藤沢市と、現状横浜市営地下鉄で唯一横浜市外にある駅。
当駅~下飯田駅間の一部区間は地上を走る。

○下飯田(B02)
相鉄いずみ野線のゆめが丘駅が近くにある。

○立場(B03)
「たちば」ではなく「たてば」と読む。
神奈中のバスターミナルとイトーヨーカドーがあり、この辺りの地下鉄駅としては利用者が多い。

○中田(B04)
「お前中田か」の「なかた」ではなく、「なかだ」と読む。駅の出入り口と見せかけた排気塔が特徴。
交渉人 真下正義に出てくる東陽線九段下駅はここらしい。

○踊場(B05)
関東の駅百選認定。引き上げ線があり、前述の通り折り返し列車が存在する。
駅名は「が夜な夜な広場に集まって踊っていた」という当地の言い伝えに由来しており、駅の各所に猫の意匠がある。

○戸塚(B06)
JR東海道線(上野東京ライン)・横須賀線湘南新宿ライン乗り換え。
駅開業当初は仮駅での営業だった。

○舞岡(B07)
横浜市営地下鉄全体で一番利用が少ない駅。
駅周辺はのどかな田園風景が広がっているが、これは開発に取り残されたからではなく、市街化調整区域として開発を制限されているからである。

○下永谷(B08)
日限地蔵のある八木山福徳院が周辺にある他は普通の住宅街の中の駅。

○上永谷(B09)
車庫がある2面4線の高架駅。
バスロータリーもある拠点駅で、乗務員交代が行われる。

○港南中央(B10)
その名の通り、港南区役所などの官公庁の最寄り駅。

○上大岡(B11)
京浜急行本線乗り換え。
港南区の中心地で、横浜市の副都心に指定されている。
バスターミナルは横浜市南部で最大規模。

○弘明寺(B12)
「ぐみょうじ」という難読駅名でも有名。
京急にも同名の駅があるが、アーケード商店街を通り抜けないと辿り着けないほど離れているため乗り換え駅とみなされていない。

○蒔田(B13)
「まいた」と地味に難読。近くに某宗教団体の施設があり、土休日はその関係者で混む。

○吉野町(B14)
駅の真上の交差点で国道16号が曲がっていく。

○阪東橋(B15)
大通公園の西端にある。当駅から横浜都心の一つである中区に入り、関東有数の夜の街である曙町の最寄り駅の一つである一方、南区総合庁舎などの最寄り駅でもある。吉野町とは500mしか離れておらず、横浜市営地下鉄最短。

○伊勢佐木長者町(B16)
開業当初の起点駅。
ゆずファンの聖地の一つイセザキモールなどがある大きな商店街の最寄り駅。かつては当駅周辺が横浜最大の繁華街だったが、近年は横浜駅周辺やみなとみらい地区に圧され気味。
地下街は関内方面まで繋がっている。

○関内(B17)
JR根岸線乗り換え。
1号線と3号線の境界駅で、「リスト本社前」という副駅名が付けられている。
横浜スタジアム最寄り駅で、発車メロディはJR関内駅・みなとみらい線日本大通り駅とともに横浜DeNAベイスターズ球団歌「熱き星たちよ」で統一されている。
中華街や山下公園、大桟橋まで歩くことも可能だが、ちょっと遠い。
ホーム構造は2層式になっていて、それぞれが1面2線となっている。これは冒頭で述べた山下町や本牧方面へ延伸する路線計画の名残で、当線と本牧方面が対面で乗り換えできるように設計されていた。

○桜木町(B18)
JR根岸線乗り換え。
「県民共済プラザ前」という副駅名が付けられている。
みなとみらいの玄関口に当たる駅だが、地下鉄はJRを挟んでみなとみらいとは反対の野毛町側にホームがある。
横浜市役所や横浜にぎわい座、野毛山動物園、中央図書館が近い。
かつては高島町駅と共に東急東横線とも乗り換えられた。

○高島町(B19)
現在地に移転する前の横浜駅は、当駅近くにあった。

横浜(B20)
JR東海道線・横須賀線・湘南新宿ライン・京浜東北線・根岸線、東急東横線、みなとみらい線、京急本線、相鉄本線乗り換え。
「相鉄ジョイナス前」という副駅名が付けられている。横浜市営地下鉄なのに相鉄とはこれ如何に。
言わずと知れた横浜市の中心街で、そごう、高島屋、ルミネなど商業施設が集まっている。

○三ツ沢下町(B21)
国道1号の下にあり、ホームのトンネル構造が独特でまるでヨーロッパの駅のよう。
なお所在地は横浜市神奈川区三ツ沢下町だが、駅名は「みつざわしもちょう」と読むのに対し、住所は「みつざわしもまち」と読む。

○三ツ沢上町(B22)
三ツ沢下町同様の構造の駅。
三ツ沢公園、横浜国立大学、ニッパツ三ツ沢球技場最寄り駅で、球技場については自動放送でも案内が行われる。
所在地は同三ツ沢上町で、こちらも駅名が「みつざわかみちょう」で住所が「みつざわかみまち」と読みが異なる。

○片倉町(B23)
快速通過駅では一番の2万人以上の乗降客がいる。

○岸根公園(B24)
その名の通り岸根公園の真下にある他、東海道貨物線とも交差している。

○新横浜(B25)
東海道新幹線・JR横浜線相鉄新横浜線・東急新横浜線乗り換え。
「ビックカメラ新横浜店前」という副駅名が…あったのかよ。
昔は田んぼばかりの場所だったが、今ではここも立派な横浜市の都心のひとつ。

○北新横浜(B26)
元は新横浜北という駅名だったが、新横浜駅と間違う人が続出したため現駅名に改められた。地下駅だが一部地上からの光が入る。日産スタジアムの最寄り駅の一つ。

○新羽(B27)
「にっぱ」と読む。2面3線の高架駅で新羽車両基地の入り口。乗務員交代も行われている。
中線が両側から乗降可能な構造のため、3番線から転落するとホーム直下にある第三軌条に触れて感電する危険性が高かった。
そのため、最初にホームドアを設置したのが当駅3番線という経緯がある。
快速はここからあざみ野駅まで各駅に停車するため、当駅の中線を使って折り返し普通列車との対面接続を行う。

○仲町台(B28)
港北ニュータウン内にある駅の一つで、センター南・北ほどではないが利用者の多い駅である。

○センター南(B29)・センター北(B30)
両駅共にグリーンライン乗り換え。
高架区間で2線が両駅間を並走する。
共に港北ニュータウンの中心駅で、南駅には都筑区役所や警察署、消防署などの行政施設が集まっている。
北駅は「モザイクモール港北前」という副駅名を持ち、観覧車のあるモザイクモールなど商業施設が多く集まる。

○中川(B31)
港北ニュータウン内の駅はここまで。「東京都市大学横浜キャンパス前」という副駅名を持つ。横浜市営地下鉄なのに東京…?

○あざみ野(B32)
東急田園都市線乗り換え。
ブルーラインの終着駅。
東急側はここよりも隣のたまプラーザ駅に伸ばしてほしかったらしいが、結局ここに接続することになった。

【余談】

公営地下鉄のためか初乗り料金は高め(きっぷ210円、ICカード206円)だが、
長距離で乗ると意外と高くなく、湘南台からあざみ野まで乗り通しても520円(ICカード515円)。
JR東日本の電車特定区間で同じ距離を乗ると、720円(ICカード712円)となる。東急と小田急乗り継いだ方が安いって言わないでー!!
また、地下鉄一日乗車券が740円、バス・地下鉄共通一日乗車券が830円で販売されている。
とはいえ、名古屋市営地下鉄のドニチエコきっぷ(600円)やOsakaMetroのエンジョイエコカード(休日600円/平日800円)に比べれば少々割高に感じるかもしれない。

2003年から2012年までの間、車両内に専用区分を設けずに全部の座席を優先席にするという方針を取っていた。
これは、関西の阪急電鉄が「本当に必要な人が間近の席でも利用できるように」との意向から全席優先座席を実施していたことに倣ったもので、導入に際しては交通局の職員を阪急に派遣して研修も実施したほど。
だが却って席を譲ってもらえなくなる事態が生じ、現在は他事業者と同様に「ゆずりあいシート」の名称で特定箇所に設置する方式となっている*2


追記・修正はゆずりあいシートで席を譲った後にお願いします。


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最終更新:2024年03月08日 17:59

*1 同様の付番方法は神戸市営地下鉄の車両も採用している。

*2 前述の阪急電鉄も2007年に廃止している。