怪獣攻撃隊 MAT

登録日:2011/09/24 Sat 12:11:22
更新日:2023/12/09 Sat 18:23:36
所要時間:約 10 分で読めます






ウルトラマンを援護する!


怪獣攻撃隊 MAT(マット)とは、円谷プロ製作の特撮番組『帰ってきたウルトラマン』及びその関連作品に登場する防衛チームである。



概要

正式名称「Monster AttackTeam」。
国際連合の地球防衛組織(地球防衛庁)に属する怪獣攻撃部隊、それがMATである。

実働部隊は約6名という少数精鋭主義を取っており、それを支える通信班・整備班・科学班・都市復興専門チームなどの後方支援部隊で構成されている。

その使命は人々の自由を守り、それを脅かす者と命を賭けて戦うことである。
22話にて日本支部隊長が加藤勝一郎から伊吹竜へと変わった。実は、防衛組織がメンバーチェンジを行ったのは本作が最初だったりする。

本部はニューヨークに置かれ、世界各国に支部を持つ。
そのうちでも日本支部は海底に拠点を置き、日本各地に関連施設を持つ。


そしてMATの特徴といえば、その発言力や権限の弱さ、そして鬼のように強い陸戦能力である。

自衛隊に攻撃の主導権を奪われることは勿論、上層部の地球防衛庁や市民達に解散の圧力をかられることも度々であった。
その哀愁漂う姿は、誰が読んだか「解散MAT」。
日本は現実においても武力を持った組織に懐疑的な風潮がある為、XIGナイトレイダーとはまた違った意味でリアルな防衛チームと言えるかもしれない。
ただ、ニューヨーク本部からやって来た伊吹隊長の着任後は目に見えて減っている。


そして陸戦能力の高さであるが、MATが本領を発揮するのは航空機からの攻撃よりもその身ひとつでの陸戦である。
タグにもあるように特にその援護スキルは半端ではなく、彼らの援護無しではウルトラマンが勝てなかった戦いも多々ある。


ちなみにMATの活動は広く公表されているようで、パトロールに出掛けると車両に子ども達が群がってきたり私服の時に面識のない市民(某キックの鬼とか)に話しかけられたりする。


最終話にてバット星人に基地の原子炉を破壊され壊滅状態となり、戦闘後に再建を図ろうとするも、それらは叶わず解散する。





日本支部のメンバー

初期は意見の対立が目立ったものの、次第に絆を深めていった。
ちなみにユリ子以外の全員が本作後別な特撮作品でレギュラーないしサブレギュラーを務めていた(ユリ子役の桂木氏もゲスト出演はしていた)。


◆加藤勝一郎 隊長
演:塚本信夫

元陸上自衛隊の一佐。日本支部の初代隊長である。
温厚かつ包容力のある人格者で、チームワークを重んじるが、責任感が強く、規律には厳しい。
強引な命令を下す上層部には押して忍んだ態度でより良い解決策を進言する。

第22話でベムスターに宇宙ステーションを破壊されて殉職した親友・梶キャプテンの後を継ぐべくMATステーションに転属となり、隊員達に見守られながら基地を後にした。


◆伊吹竜 隊長
演:根上淳

MAT日本支部2代目隊長。加藤隊長の元上官で、彼の後任としてニューヨーク本部から転任してきた。
厳格な鬼隊長だが根は優しく部下思いで、ユーモアな発言をしたりと堅物に見えて柔軟な人物である。
指揮官としては勿論パイロットとしての腕前は歴代防衛チームでも屈指のものであり、CREW GUYSの頃には伝説として語り継がれている。
しかも白兵戦でも滅法強い。

妻と娘がいて、家族に対しては甘い。
郷隊員の秘密について何か気付いているらしい。
余談だが休暇は数年に一度しか取らない主義らしい。過労死しないか心配でならない。


◆南猛 隊員
演:池田駿介

MATの副隊長格その1。柔道五段でマットガンの名手。
温厚な性格であり、独断で判断せずに周りの意見を聞いたり、孤立しがちだった入隊当初の郷の面倒をみたりと後輩のMAT隊員達の良き先輩であり、尊敬出来る大人である。
そんな彼だが少年時代はいじめられっ子であり、いじめられている子どもを見ると我慢が出来ない。


◆岸田文夫 隊員
演:西田健

副隊長格その2。増税でおなじみの人射撃と兵器開発のスペシャリスト。
正義感と責任感が強いがプライドが高く短気なところがあり、周囲との軋轢を生んだり独断で判断した結果、重大な失敗を犯してしまうこともあった。
しかし軍人だった自分の父親が作った毒ガスが関わった11話の事件をきっかけに丸くなり、冗談を言ったりプライベートの話をしたりと郷とも打ち解けた。
28話など最早別人としか言い様がないレベルである。
だが42話で焦りから命令無視の上に怪獣を攻撃しているつもりが村人や味方にミサイルを撃ちまくっていたというとんでもないことをしでかした。無論訳ありだが。

それまでのシリーズに無かった初めての「主人公と対立する隊員」である。


◆上野一平 隊員
演:三井恒

若く直情的な熱血漢。序盤では岸田と共に郷と対立する事があったものの、やがて打ち解け、
郷の先輩でありながら、同い年だからか対等な立場でいい友人として付き合うようになった。
気分屋なところがあり、MATのムードメーカーであるが目立った活躍は無く主役エピソードも1回だけ。
天涯孤独の身であり、地底科学の権威・小泉博士に恩を受ける。その為MATを家族のように思っている。
小泉博士の娘で幼なじみである千鳥には好意を寄せている。


◆丘ユリ子 隊員
演:桂木美加

剣道四段、文武両道の紅一点。
主に基地でのオペレーターや他の隊員のサポートなどを務めるが、時折マットジャイロなどで実戦にも参加する。
実は格闘能力はMATでもトップクラスである。
実際に郷は行方不明、隊長以下四人は洗脳されているという絶望的な状況の中で一人逃げ延び、何も知らずに帰還した郷が銃殺刑にされそうになる寸前で助けに入り、郷と共に四人全員を叩きのめした。

47話では宇宙怪獣に憑依されて怪獣フェミゴンに変異してしまったことがある。


郷秀樹 隊員
演:団次郎(後に団時朗へと改名)

加藤隊長に勇敢さと死の淵から生き返った生命力を見込まれてMATに入隊した青年。
高い能力を持つが、それ故に周囲と衝突することもある。
しかし身近な人々に支えられて人として成長していった。



地球防衛庁のメンバー

◆岸田長官
演:藤田進

岸田隊員の叔父。
世論を気にし、ウルトラマンの力をアテにし、作戦失敗したMATに解散を迫る事もあるという、ウルトラシリーズの嫌な上司の筆頭とも言える存在。

◆佐竹参謀
演:佐原健二

地球防衛庁の参謀。
怪獣を倒せなければMATに存在理由は無いと考えている。やはり嫌な上司の筆頭である。


その他にも多くの通信隊員や近藤誠班長(演:石橋雅史)率いる整備班、医師や科学者など様々な人員が働いており、郷の恩師である坂田一家も作戦に協力することがあった。




日本支部基地

先述のように、MAT日本支部は東京湾の海底に存在する。
ここには作戦司令室や兵器格納庫、整備場、剣道場、居住施設などがあり、それらのエネルギーは原子炉によって賄われている。

地上にも灯台に偽装されたマットアローなどの発進口や訓練所などを行う施設などいくつかの施設があり、海底基地とはトンネルで繋がっている。
ちなみに海底基地との出入口や事務処理などを行う施設は中央区神田錦野町2018番地にあり、車両等で現場に向かう時はここから出動することが多かった。
この他にも東京郊外の山中に秘匿されたミサイル基地や日本各地にレーダー基地等が点在しており、MATの職務をサポートしている。

その立地から海水に守られていて鉄壁の防御を誇り、実際に外部からの直接攻撃を試みたのは水中を移動出来るフェミゴンのみ*1だが、この手のお約束として内部からの攻撃には無力で、基地内にいた人員が洗脳されたり(第45話)、最終回ではバット星人に原子炉を破壊されて基地機能が麻痺してしまった。
しかし、逆を言えば内部まで潜り込まれたのはその2回くらいなのでやはり侵入しにくい立地ではあるようだ。


なお、郷は都内の団地から出勤しているので外部からの通勤もありなようだ




MATの退治・対処した怪獣

  • ゴーストロン
  • クプクプ
  • ゼラン星人
  • ズール星人
  • ミステラー星人(悪)(スペシウム光線を受けたミステラー星人が湖に沈んだ後、湖から浮上した円盤をMATが撃墜した)
  • ゴキネズラ(過去にニューヨークに出現した個体を伊吹隊長が倒したという説明あり)
  • ブラック星人の人間輸送円盤
  • ドラキュラスの宇宙船(本人は生存)
  • レッドキラー(後に復活)

倒した敵の数こそ少ないものの、グドンツインテール戦、モグネズン戦、シーゴラス&シーモンス戦、
エレドータス戦、ゴキネズラ戦、ノコギリン戦、ヤドカリン戦、ブラックキング&ナックル星人戦、
バルダック星人戦、ビルガモ戦、グロテス星人&コダイゴン戦、ロボネズ戦、メシエ星雲人戦、フェミゴン戦、ササヒラー戦、キングボックル戦、
ゼットン2代目&バット星人戦と、MATの援護によってウルトラマンの勝利をもたらした回は非常に多かった。



装備

隊員服
実働部隊が着用するオレンジ色の隊服。耐熱・対寒・耐久性に優れる。
伊吹隊長の隊服のみ、(演者の提案により)通常の隊員との違いを表すために胸のV字ラインが2本ある。


◆MATヘルメット
通信機内蔵のヘルメット。怪獣の攻撃にも耐えうる頑丈な造り。


◆マットシュート
カートリッジの交換で通常弾、レーザーに機能を切り替えられる万能拳銃
怪獣への牽制やウルトラマンの援護に活躍した。
映像をよく見ていればわかるが、実弾用とレーザー用で銃身が異なるモデルを使っている。


◆マットガン
対怪獣用サブマシンガン。一度に数百発の弾丸を発射するが、反動が少ないため、小さな子どもにも扱える優れ物。
管理が甘く、第25話では現地の子供に盗まれて示威行為に悪用された。


◆マットバズーカ
対怪獣用バズーカ砲。主に二人一組で使用するが、一人でも扱える。
強力な威力を持ち、ツインテール戦やノコギリン戦など、様々な戦いで活躍した。


◆レーザーガンSP-70(エスピーナナマル)
シーゴラス・シーモンス夫妻の角を破壊する為に開発されたレーザーガン。
その後も度々使用され、クプクプを爆殺したり、傘雲に隠れたパラゴンを露呈させた。

後にはより強力な熱量を誇るレーザーガン『スーパーカノン』が作られ、対レッドギラー戦にて2度使われたものの、1度目はウルトラマン不要論を煽ろうとしたズール星人のブラフであり、2度目には全く効き目が無いという、その威力の説明に対して活躍や見せ場のない不遇兵器であった。


◆スペースレーザーガン
岸田が開発したレーザーガン。
本人曰く「どんな宇宙怪獣も一発」とのことだが、レーザーを吸収する性質を持つノコギリンには逆に巨大化させてしまう結果となってしまった。
その為か、以後使用されることはなかった。



MATのメカニック

マットアロー1号は個別の項目を、それ以外のメカニックはこちらへ。


テーマ曲

劇中では使用されていないテーマソングとして「MATチームの歌」(作詞:東京一、作曲:すぎやまこういち、歌:団時朗&みすず児童合唱団)が存在。
ちなみにかの名優・西田敏行によるカバーバージョンも唄われていたりする。



「MATにもう一度、追記・修正のチャンスをください。お願いします!」


「いいだろう。ただし追記・修正に失敗した場合、MATは解散!それでいいな?」


「はっ、ありがとうございます!」


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最終更新:2023年12月09日 18:23

*1 しかもウルトラマンに阻止されたので、基地に到達出来なかった。