ドゥバン・オーグ

登録日:2014/06/26 (木) 15:57:39
更新日:2024/04/03 Wed 16:46:54
所要時間:約 20 分で読めます






統治…いや、支配者は一人でいい。孤高こそが、支配者を飾る冠ゆえに…!


ドゥバン・オーグはゲームスーパーロボット大戦シリーズ』の登場人物。
本項では搭乗機『アレス・ガイスト』についても記載する。

初出はプレイステーション2専用ソフト『リアルロボットレジメント』(以下『RRR』と表記)で
同作のオリジナル敵キャラクターにして最終ボス。
後に『第2次スーパーロボット大戦OG』にも参戦する。


◆概要◆


宇宙時代になることによって予測される紛争や危機管理を目的とした
プロジェクト・イデアランツの研究者エンジ・オヅヌ博士が研究の結果、
新たに人類を統治する存在として月面の研究施設で創造した新人類・イデアラント(理想種)の実用試験体。
試験体番号は00(RRRの主人公アリエイル・オーグが01である)で彼以前の成功実験体はいない。
実質アリエイルの兄といっていい存在である。


イデアラントは基本は人間と同じだが、
あるべきもの(感情など)を不確定要素として意図的に欠損させた状態で創造されたせいなのか、
肉体を維持できる期間が短く、いずれ肉体崩壊が始まるという致命的なリスクを抱えていた。
ドゥバンやアリエイルのように最初から成人体として造られるとそれは一層顕著となり、
生まれ落ちた時点で生殖能力が無く、遺された寿命は僅か3年という儚さであった。


その宿命を呪い、己の限界を超えて 進化することで未来を掴もうと足掻く のがいずれの作品でもドゥバンの根本的な行動原理となっている。


世界の支配を目論み自軍と敵対することになったのもそれが完全体になるための手段だからにすぎず、
言ってみれば確たる根拠もない妄執に基づいた治療法を試すために全世界を巻き込んだ形になる。

しかし第3次αにおいてDCの創設者ビアン・ゾルダーク博士も
『何もしないという事は生きる事を放棄する事と同じだ。それは生命体の存在意義に反する』と語っているように、
動機としてはどこまでも切実なものであり、彼の行動が座して死ぬか、力尽くで未来を掴む
という究極の選択の果てに下された決断であったのもまた事実である。
そして彼には、残された時を、大切な人と共に精一杯生きるほどの余裕はなかった。




◆人物像◆


同作の主人公アリエイル・オーグの性別を反転させたようなエキゾチックな雰囲気の青年だが、
柔和で穏やかな佇まいのアリエイルに対して端整だが険の強い面差しをしている。

イデアラントは不確定要素の最たるものである感情を自分の意志で制御できるよう設計されているのだが、
アリエイルより前に造られたドゥバンは抑制が上手く利かないところがあり、感情の起伏はむしろ激しい
(本人もそれは自覚している)。

イデアラント=支配者として生まれたことには強い自負心があり、
他者と平等に交わり、影響を受けることを軽んじる傲岸な性格。
しかしそれは与えられた存在意義以外に拠り所を持たない弱さの裏返しでもある。

全人類の支配者という立場に就くことで実験体の限界を超えた完全体に進化できるという一見無根拠な戦略も
そうとでも考えなければ自身のアイデンティティーが失われてしまうという恐怖からの逃避という性質が大きい
(一応、自軍のエネルギーを奪い取って延命に充てようという希望も口にしている)。
そうした意味でドゥバンは宿命に立ち向かいながらも使命に囚われているジレンマを抱えているといえる。

基本的に他者に対しては冷淡だが、唯一の同種であるアリエイルには肉親の情といっても差し支えない思い入れを示しており、
彼女の言葉に耳こそ貸さないものの、自分のやり方で寿命を克服した暁には共に新しい未来を生きようという考えを持っていた。
平たく言うとツンデレ&シスコンな俺様系。

施設で最初から成人体として造られたため、外見年齢は20歳前後だが実年齢はゲーム開始時点で満2歳。
イデアラントに必要なスキルとして明晰な頭脳や常人を上回る高い身体能力、パイロットとしての技量に加え、
エネルギーの流れの感知と状況認識・思考連鎖能力を授けられている。

これは簡単に言うと『風が吹けば桶屋が儲かる』的な知覚能力で、
世の中にあるあらゆるエネルギーの流れ(人心や世論といった形の無い事象まで含め)を広く捉え、
最小限の介入で事象を自分の望む方向へと収束させていくことができるというもの。

つまり自分の達成したい目的への大まかなフローチャート必要なフラグ
それを立てるためにどのような決断を下しどう行動すればいいのかが彼には大まかに見えているのである。
半身たるアレスを除けば組織財力人脈配下戦略規模の圧倒的な力といったカードを一切持たぬドゥバンが
残り1年足らずで世界に王手をかけるまで踏み込めたのは、偏にこの能力に由るところが大きい。




◆各作品における活躍◆


RRR

本作の黒幕にしてラスボスだが、プロローグにあたるステージ1の時点で
機体も顔も名前も完全に明かしているうえにいきなり自軍と交戦する
というスパロボでは珍しい登場の仕方をする。

真実を知ったことで、自分たちを超える新たなイデアラントが生み出されることを危惧し、
造物主であるオヅヌ博士もろとも月面の研究施設を軌道上からの砲撃で消滅させ、世界制覇へと動き出す。

数多くの勢力が地球圏の覇権を奪い合う状況を事象収束の好機ととらえ、
水面下で暗躍しながらアリエイルを始めとするプレイヤー自軍と敵勢力を噛みあわせ、
漁夫の利を得やすい情勢を作り出していく
(ある意味自軍が効率的に平和の障害を取り除けるようお膳立てしてくれたともいえる)。

その間、一時はスパロボ名物『困ったときのデビルガンダム』か、
東方先生亡きあとデビルガンダムを奪い、DG細胞の力を借りて我が身を作り変えることも考えていたようだが、
イデアラントの肉体にはDG細胞が取り付けない(それはそれで凄いが)という特性から失敗、
用済みのデビルガンダムをアナハイム本社に放ち、DG細胞の制御を盾に全人類に降伏を迫る。

しかし、自軍が力尽くでデビルガンダムを消滅させたことで勝算を覆され完全に孤立。
一度は己が結局イデアラントとして未完成な存在という事実に打ちひしがれるが、
『未完成なら人間のように成長する可能性もあるはず』と初めて使命に沿うのではなく己の力で未来を拓く境地に到達する。


アレス・ガイストはおれと対として作られた生体マシン…おれと同じに試験体ならば…ともに設計を超えてみせる!

未来を賭けて戦いに臨むドゥバンの気迫は敵に対して容赦が無いことに定評のある
戦闘のプロ剣鉄也藤原忍にも認められるほどであった。

最終的に敗色濃厚となったドゥバンは研究所を破壊したときと同じように
月面軌道上から最大出力のビーム砲で自軍を消し去ろうとするが、アリエイルの捨て身の攻撃で両者は爆発の中へ消えた。
相討ちになり消滅したかに思われたが、アリエイルのフリッケライ・ガイストに搭載された空間転移装置が機能したことによって
ギアナ高地へ転移を果たす。

意識の無いドゥバンにアリエイルは呼びかけるが、彼が再び目覚めることがあったのか?
戦いの中で人間に近づいたアリエイルのように短命の呪いを克服できたのか?
そのすべてをプレイヤーの想像に委ねたままRRRの物語は幕を下ろす。

ただし、RRRのエンディングにおいてクワトロは『彼らは最後まで自分の信じるもののために戦い続けていた』と評し、
ドゥバンもまたアリエイル同様徐々に人間に近い存在に変わっていったのではないかと考えている。
破嵐万丈もまた、自分たちが実験体だと痛いほど自覚していたイデアラントは
「メガノイドとは違う存在だと信じたい」とふたりの幸福な未来への展望に想いを馳せた。

なお、状況を静観している時はオリ敵恒例の現在位置『???』(紫一色のどこともつかぬ謎の空間)におり、
支配がどうの事象収束がこうのと思わせぶりな独り言をつぶやく姿は完全に重度の厨2病患者
ひとりぼっちで寂しいのか無意識にアリエイルを失いたくないとこぼしそうになり
「支配者はオンリーワンだろーが!バカバカおれのバカ!」(意訳)と言い聞かせる姿はかなり微笑ましい。



第2次スーパーロボット大戦OG


RRR主人公のアリエイルと共に今回のサプライズ枠のひとつとして参戦。
……のはずなのだが、原作があまりにマイナーかつゲームとしても低評価だったため反響は微妙だった。

CV:鳥海浩輔
RRRは敵は一括してCV:なしという仕様(何故か東方先生にだけはあるが)であり、
10年越しのOG参戦で初めて声がついたことになる。鳥海氏はこれがスパロボ初出演で、後に版権スパロボにも出演することになる。

また、ビジュアルが新規で書き下ろされ、初めて全身像が明らかになった。
基本はアリエイルとほぼ一緒でさっちんテイスト全開の異星の王子様みたいなスゴイ服装だが、
アリエイルはを基調としたショールの色がドゥバンはになっている。
また、対になったアリエイル同様肌の色のトーンが設定画通りやや暗くなった
(RRR時代は実際のゲーム画面だと小麦色っぽい発色になっており、余命いくばくもないわりには健康そうなルックスだった)ほか、
瞳の色がグリーンからアリエイルとお揃いのハイライトの無い暗紫色に変更されている。

己の宿命を覆そうと孤独に戦っていた原作とは打って変わり、
新参地球防衛組織『ガイアセイバーズ』に所属する部隊長・ベータ・セイバーという形で参戦。

トップから木っ端まで小物かませ犬の寄り合い所帯のガイアセイバーズの一員らしく、
原作の強引・頑固・冷酷な面が強調され、己の出自からくる自尊心の強さから人に指図されることを嫌う1番好きのお馬鹿さん、
といったキャラ造形に。組織人のくせにとにかく人の話を聞かない。

アリエイルと揃って初登場した際も
(`へ´#)「なんでアルファじゃなくてベータなんだよー、イデアラント様のおれが2番手とかマジありえねーし」(意訳)
ヾ(´o`ヾ)「各セイバーはそれぞれ性質が違うからαが1番というわけではないんですよ…?」(意訳)
などとたわいない漫才を見せてくれる。

また、黒幕ポジから外れたせいで滑稽なほど無知になっており、
最大の骨子である『自分に残された寿命があと僅かである』という真実すらエルデ・ミッテに教えられるまで全く気付かなかった。

ガイアセイバーズに反逆したアリエイルと袂を分かつと、
ストーリー中盤でアクセルと共にエンドレス・フロンティアからスパロボOGの世界へ帰還してきたアルフィミィを追跡し捕獲、
彼女をペルゼイン・リヒカイトごとアレス・ガイストへ取り込む事でアレスのファウ・ケルンを活性化させる。

この時の「こいつの力をものにしてやる!」とやる気満々の様子から幼女をかどわかしたロリコンの汚名をいただく羽目に。
またこれを機に娘をさらわれたナンブ夫妻や幼な妻に手を出されて激おこぷんぷん丸の赤ワカメ氏からは
ギラギラした殺意を向けられている。

その後もガイアセイバーズの戦力としてゲーム終盤まで鋼龍戦隊の前に執拗に立ち塞がるのだが、
エルデより「イデアラントの寿命は3年しかない」という真実を告げられ精神に余裕が無くなると、
ガイアセイバーズを脱走。

終盤南極遺跡内で破滅の王との決戦を制した鋼龍戦隊の前にエルデと共に現れ、
クロスゲートから得られる莫大な力を取り込み究極の進化を果たそうとするが
己の器を超えたエネルギーの過剰供給で暴走を起こしてしまう。
ドワォすれすれのアレスのコクピット内で進化!進化!とわめく姿は完全にコーウェン君&スティンガー君

限界を目前にした焦燥から表情は固定され、ありとあらゆるセリフを2度繰り返す奇癖に覚醒、
己の限界とプレイヤーの腹筋をぶっ壊しながら大暴れする。
…まあ彼の場合文字通り一瞬一瞬がものすごく大事なので2回言うのも無理はない。

ただ、自己の可能性に真摯に向き合った原作とは違い、余所から奪い取った借り物の力に依存した心根にアレスは応えてくれず、
最終形態へと進化することもなく鋼龍戦隊にフルボッコにされ、アルフィミィも奪還されたうえに
最期はエルデの操るガルベルスにAI1進化の糧としてアレスごと吸収されてしまった。
ロリを喰った報いでBBAに喰われるとはまさにインガオホー!

AI1戦では先に取り込まれていたアルベロ・エストと共に内側からAI1を滅ぼすよう力を貸していた。
と言っても、この時点ではアルベロと違い顔も声も一切出していない(一応錯乱したエルデがドゥバンにもやめろと叫ぶ描写はある)。

オリ史上屈指の大敵である完璧親父ペルフェクティオとの決戦とラストバトルに挟まる期間ということもあり、
エルデも含めてまさしく消化試合な幕切れであった。

また、ノーマルルートではフェードアウトしてなんと行方不明のまま物語が終わってしまう。
基本的にOGは真のラスボスを撃破したルートが正史なのでこうなると完全に闇に葬られた形になる。

甚だしいキャラ改悪とあんまりな退場という意味では
OG外伝の一つ目エンジェル球根と双璧をなす不遇さだが、
そもそも元の知名度が低いためにGBA版OG2のアクセルのようなファンの批判もさほど起きず、
むしろラストバトルでの乱心ぶりからネタキャラとして名を上げてしまった感すらある。合掌。

次回作『スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ』ではクロスゲートから
変わり果てたアレス・ガイスト改め「エントリヒ・ガイスト」に半ば取り込まれる形で再登場。誰が呼んだか「帰ってきたドゥバえもん」。
パイロットは「???」表記のガイストそのものだが、念動力者たちは念の感知からドゥバンが内部に閉じ込められていることを察知。

元からあらゆるエネルギーの操作に特化した機体ではあったが、クロスゲート内部の境界空間で負の念を受け続けた経緯から、
負念の集合体である「ラマリス」を引き寄せ、また増幅するコンバーターとしての機能が備わってしまっており、
それに目をつけたダークブレイン軍団に鹵獲されてクロスゲートの力を引き出す触媒として利用されていた。
が、攻め込んできた鋼龍戦隊との戦いの中、肉薄したアリエイルの声とフリッケライ・ガイストのファウ・ケルンとの共鳴でドゥバンの意識が明確に覚醒。
エントリヒ・ガイストを抑え込んでコントロールを取り戻すことに成功。
最終ボス・「XN-L」との決戦に手を貸した後は地球圏に帰還。エンディングでは直接登場してはいないが、
事情聴取の後、アリエイルともども延命のためコールドスリープに入る模様。
…もっとも、これまでしでかした事が事なだけに実質上の冷凍刑と言えなくもない。
彼が再び目覚める日は来るのだろうか…?

パイロットとしては命中・回避・クリティカル率に大幅な補正がかかる「天才」持ちの上に
カウンター・リベンジ・高レベルの底力を習得しており
そこに固有エースボーナス『最終命中率+10%、最終ダメージ-10%』の恩恵が加わることで
エネミーフェイズに積極的に攻撃するよりもプレイヤーフェイズで自軍の攻撃に対し
強烈な反撃をブチ当てることに特化したセッティングになっている。

なお、本作では策略家やトンデモ科学者も数多く登場するが、
敵パイロットで天才持ちは彼とエグレッタ・ウーノだけ。…あれ!?アルテウルさんって違うの…?


専用BGMは「うつろな魂」。元はRRRのボス共通戦闘BGMでドゥバン専用のテーマだったわけではない。


◆アレス・ガイスト◆


分類:ガイストシリーズ
形式番号:RRR-X7
全長 35.3m(第2次OG)
重量 188.1t(第2次OG)
搭乗人員 1人
動力 ファウ・ケルン
開発者 エンジ・オヅヌ
所属 フリーランス(RRR),ガイアセイバーズ→無所属(第2次OG)

ドゥバンの駆る生体マシン。機体名は独語『全ての亡霊』を意味する。
孤立無援のドゥバンが所有する唯一の戦力であり、彼の半身ともいえる存在。
ゆえにドゥバンは本機に並々ならぬ信頼と愛着を持っており、アレスの愛称で呼びかける場面が何度となくある。

アリエイルの『フリッケライ・ガイスト』とは兄弟機にあたる。
フリッケライが不完全なボディを他機のパーツで補っているのに対し、
こちらはガイストシリーズの本来の仕様通りに設計・開発された完成体であり、
想定された機能を十全に発揮できる。

機体色は『王』を表す色である紫。禍々しい末端肥大の巨体と
右腕全体を内側に包み込むほど長大な砲塔『ビッグライト』が特徴。
そのむくつけき威容は『金棒を携えた鬼』を思わせる。
もっと端的に言うとサイコガンダムMk-Ⅱ+EVA初号機。ダンクーガOVAのザン・ガイオーにも似ている。

大味な外見通り戦闘スタイルも強引そのもの。自己修復能力を持つ重装甲で真正面から相手の攻撃を受け切り、
剛腕と火力に物を言わせて戦場を蹂躙し破壊しつくす姿は悪のスーパーロボット…というよりもはや怪獣のそれである。

あくまでその強さは単独の機動兵器レベルに収まる範疇(選りすぐりの特機4機で総攻撃すればどうにか鎮圧できる程度)だが、
『支配とはエネルギーの流れを制御することである』というイデアラントの理論を受け、
ドゥバンの先天的能力と合わせてエネルギーの観測・操作機能に優れるという特色を持つ。

この機能を応用すれば(限界許容量こそあるものの)機体周囲のあらゆるエネルギーを制御・使用することができる。
またエネルギー制御を応用した空間転移機能も備えており、巨体に似合わぬ神出鬼没な作戦活動が可能。

通常なら行き来が不可能な異空間に隔離されたドゥバンとアリエイルが互いの存在を感知したり、
空間の壁を越えて片方をもう片方のいる側の世界へ跳躍させたことすらあり、
ドゥバンは外宇宙・異次元・別の時間軸に隔てられようが自分とアリエイルの絆は断たれはしないと豪語している。
彼氏が出来たらブチギレるタイプに違いない。

※以下、第2次OGにおける設定※
胴体に露出した赤いコアは高出力ジェネレーター『ファウ・ケルン』。
実は人造のアインストシリーズともいえるイェッツトのコアを移植したものであり、
活性化した場合アレスそのものがイェッツトと化してしまう危険を孕んでいる。
また、アインストとしての性質からアルフィミィ(ペルゼイン・リヒカイト)と接触するとパワーが増大し、
ドゥバンがアルフィミィそのものをコアに取り込んだことで大幅な強化を遂げた。




「いや……不完全体ならば…未完成体ならば…人間のように成長も可能なはずだ!」
「アレス…おれの最後の…いや、初めての賭け、付き合ってもらうぞ…」

エントリヒ・ガイスト


実はドゥバン共々進化の余地を残しており、RRR最終局面で
イデアラントとしての完成ではなく、自身の成長を以て活路を見出すことに開眼したドゥバンに呼応するかのように咆哮し、
機体崩壊の危険を冒しながらも進化。さらなる巨躯と悪魔を思わせる翼を生やした形態に進化した。
『エントリヒ・ガイスト』という正式名称は新作ムーン・デュエラーズで初めてつけられたもので、進化の過程も原作とは異なっている。
翼による大幅な機動性の向上に加え、アインストシリーズを思わせるトリッキーな攻撃手段が追加され、
単なる肥大化によるインフレパワーアップに留まらない強さを手に入れた。

原作では特に個別の名称は無く、『第2形態』や『最終形態』と便宜上呼ばれることが多かった。
なお、エントリヒ(Endrich)は独語で『最終の/究極の』を意味する言葉。





★武装・必殺技★

左・右・中央とはっきり搭載箇所の分かれた武装は武器系統が3つに大別されているRRRのシステムに由来したもの。だが…

第2次OGにおける戦闘アニメーション演出はかなり力が入っているが、この頃はパイロットカットインがまったく無かった。
その一方でムーン・デュエラーズでは最終決戦でのスポット参戦にもかかわらず汎用カットインが追加され、
ポージングもアリエイルと対になったような動きになっている。


ヒュージ・レフト
アレスの左。極太の鋲が生え揃った異形の拳で力任せに殴りつける。コンボ武器。
エントリヒの物は同名だが、腕そのものがアインストグリートの触手のように伸縮自在となり、離れた相手も殴れるようになった。
また、駄目押しに拳の鋲で串刺しにした敵機を持ち上げて地面に叩きつける(実際は敵機があるのは手の甲側なので投げ飛ばす)。


スタン・ライト
右腕の砲塔で殴りつける。これ自体が先端に接触したものに高電流を流しこむ巨大なスタンガンであり、
RRRでは触れると一定時間動きを封じられる浮遊機雷のようなスパークを発生させることもできた。


ビッグ・ライト
右腕のスタン・ライトから高出力エネルギービームを発射し、広範囲を焼き尽くす。
ビーム砲といってもスペルは『Big-Right』である。…ある意味ドゥバンネタキャラ化の元凶。ALL武器。


ビッグ・ライトニング
エントリヒ化した後は右腕がこちらに変貌。武器名も「右」から「雷」へ。
スタンガンから獣の牙のような形に変質した右腕の砲から高出力レーザーを発射する。
発射の瞬間、一際大きく展開された翼には無数の血管状のパターンが浮き出し、それに沿って稲光が灯る。


レッド・ホーン

頭部から生える角。地を薙ぎ払う赤いレーザーを発射する。
第2次OGでは空中にかちあげた相手を串刺しにして爆散させるという獰猛な使い方を見せた。
エントリヒ版はまず無数の多関節触手を伸ばし、それで相手を拘束した上で貫く…とよりえげつない構成になっている。
角自体は赤くないが、使用時の台詞によると「相手の血で赤く染めるから」らしい。


ストーム・レイ

両肩部に搭載した拡散ビーム砲。フリッケライの「フォース・レイ」に対応する武器。
コードC.U.Nのシメに使われるのみで、単独武器としては未登場。
名称の元ネタはタイトーの縦スクロール式シューティングゲーム『レイストーム』から。
ちなみにレイストームの前作が『レイフォース』である。


クライシス・レイ
エントリヒ化した後はストーム・レイがこちらに変化する。
RRRでは極太のビームだったが、OGMDではストーム・レイ同様のホーミングレーザー。
名前の由来はタイトーのシューティングゲーム「RAY」シリーズ第3作『レイクライシス』からで、
「フォース、ストームと来たんだから次はこれが来るだろう」と予測していたプレイヤーは多い。


C.U.N.
第2次OGで使用する最強武装。オリ機ではおなじみの『全武装使用コンボ』系の必殺技。
いわゆる『切り札』『呆れるほど有効な戦術』である。

名前は「Canny Ultimatum Nails」(巧妙に最期を告げる爪)の略。
フリッケライやラピエサージュのU.U.Nとは対になったネーミング(Cを倒すとUになる)。

ヒュージ・レフトで吹き飛ばし⇒ビッグ・ライトで追撃⇒スタン・ライトで叩き落とし⇒ストーム・レイでトドメ。
頭上に飛び上がってのダメ押しはRRRのムービーで見せた軌道上からの砲撃をイメージしていると思われる。


この他第2形態では両肩から放つ極太のビームや、有機的な遠隔攻撃端末によるオールレンジ攻撃を使っている。


U.U.A
OGMDで追加されたC.U.Nのエントリヒ版。ファンからの通称は「ううあ」。
…実際の読みは「ダブルユーエー」で、「Uncanny Ultimatum Arms」の略。
無数の多関節触手で敵を串刺しにして高圧電流を流しこみ、その状態から触手をパージして自爆させ、
ビッグ・ライトニングで吹き飛ばし、とどめにクライシス・レイを叩き込んで爆砕する。

普通コンボ系必殺技は武器をドン→ドン→ドン→ドンと順番に叩きこんで最後にドカーンと爆発でシメるのが定番だが、
これはドン→ドン→ドン→ドン→ドカー…→ドガアアアアン!!とシメの爆発に割り込むように駄目押しのトドメをぶち込んで
さらにデカイ爆発を起こすという情け容赦のないビートが特徴。
また、フィニッシュの直前で「事象予測能力で相手の『滅びの宿命』を見通す」というイデアラントらしい演出が入るのだが、
この時のエントリヒの目の周りにさらに幾つもの目がブツブツと開いてぎょろりと相手を睨む演出がかなりキモい。


☆余談

◎愛機アレスガイストのメインウェポン、『ビッグライト』某青ダヌキひみつ道具めいた名前であることや、
使用時のセリフが『武器名を叫ぶ』というより『使用を宣言する』っぽい言い回しなことから
多くのプレイヤーからは『ドゥバえもん』の愛称で呼ばれている。優等生な妹がいるあたりも似ているかも。
寿命がのび太くんだったらよかったのにね。


◎名前の由来は伝説の修験者・役小角が使役したという二体の鬼神の片割れ『前鬼』から。
影山さんヴァジュラ・オンッ!!と連呼してるアレと一緒である。

名前を訳すとフランス語でドゥバン=前オーグ=鬼となる。
ちなみにアリエイル・オーグはもう一体の鬼神『後鬼』に相当。
彼らを創造主であるエンジ・オヅヌ博士も『えんのおづぬ』からである。
第3次αに登場したドバン家当主バラン・ドバンは関係ないが、力押しのデカブツに乗るという共通点はある。


◎第2次OGは謎の少年イングがガイアセイバーズから脱走するところから始まるが、
これは黒幕がイングを鋼龍戦隊に送り込み、場数を踏ませて強力なサイコドライバーに仕立て上げるための布石だった。
しかし、ドゥバンが独断で攻撃を仕掛けたために鋼龍戦隊に合流する前にイングは死にかけている。

辛くもL&Eコーポレーションに救助され一命を取り留めたものの、
もし彼らが通りかからず、イングがドゥバンに殺されていたらユの字の計画はプロローグで頓挫していただろう。
(もっとも、それで諦めるような男でもなかろうが)。

何もかも計画通りという態度を取りたがるユの字も
この時ばかりは相当肝を冷やしたようで、ラストバトル前の恒例のネタばらしタイムの際に(イングが無事でいてくれたことについて)
『天は我を見放さなかった』『偶然に偶然が重なり』と自分に運が味方してくれた感動を熱く語っている。







追記!追記するぞおれは!!
貴様の誤字!貴様の荒らし!今ここで…
修正してやる!!!



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