ファンタシースターユニバース

登録日:2014/06/25(水)
更新日:2024/03/25 Mon 23:21:45
所要時間:約 5 分で読めます






全てのRPGを過去にする―――――。


セガから発売された、PS2およびPC用のオンラインゲーム。
海外ではXbox360でも展開された。
略称は『PSU』。プスと呼ばれることもあるが浸透しているとは言い難い。
2006年8月31日発売。現在はサービスが終了しており、PS2版のストーリーモード以外はプレイ不能。
続編として、PS2の「ファンタシースターユニバース イルミナスの野望」、
PSPの「ファンタシースターポータブル」「ファンタシースターポータブル2」「ファンタシースターポータブル2インフィニティ」がある。
また、公式サイトではオリジナルストーリーのコミック「ファンタシースターユニバース アークガルドの幻影」も公開されていた。

ドリームキャストやゲームキューブ、Xboxなどで大好評を博した伝説のオンラインゲーム「ファンタシースターオンライン(以下PSO)の次回作にあたるが、世界観はほぼ完全に異なるため続編ではない。


PSOユーザーを始めとした多くのゲーマーの間で、2006年最大の話題作の一つとして大きな期待を持たれていた。

キャッチフレーズは「全てのRPGを過去にする」。
セガの大きな自信が見てとれる。


[ ゚Д゚]


んなわけなかった。
過去になったのはPSUの方だったというオチ。
クソゲーオブザイヤー2006年大賞である。
(といってもヨンパチショック(KOTY)以前のノミネートなので今では候補にすら上がらないだろうが…)

今作はオフラインで一人プレイ用の「ストーリーモード」、オンラインで多数のプレイヤーと遊べる「ネットワークモード」、ストーリーモード4章をクリアすると開放される隠しモードの「エクストラモード」で構成されている。
ストーリーモードは脚本面に多少の難点はあるが、作りこまれた世界観などから導入部としてはそこそこの出来で、評価はそこまで悪くない。
このゲームのクソゲー足る最大の所以は運営やシステム、それらが命のネットワークモードにあったのだ。



●ストーリー
 それは、はるか遠いところのお話。
 母なる太陽と3つの惑星を持つ「グラール太陽系」。
 そこに住む「ヒューマン」と、彼らから生まれた「キャスト」「ニューマン」「ビースト」。4つの種族は500年に渡る戦争の末、互いに共存する道を選んだ。
 平和が訪れて100年。誰も知らないところで、滅びの足音は近付いていた…
(劇中のムービーから抜粋)


●前作からの主な変更点
  • PSOではあらかじめ決まっていた種族、性別、職業の組み合わせパターンが、それぞれを個別に選択することが可能になった。それに伴いすべての種族がテクニックとトラップを使用可能に。職業も特定のカウンターで何度でも変更可能。

  • 種族に関して設定や性能が一部変更された。
 具体的には以下の通り。
 ヒューマン:人間。前作同様のバランス型。
 ニューマン:外見はエルフ風。身体能力は脆弱だが法撃力や精神力が高く、テクニックの扱いが得意
 キャスト:前作までにおける「アンドロイド」。命中力が高く射撃が得意で、強力な必殺武器「SUVウェポン」が使用可能
 ビースト:新種族の半獣人。高い攻撃力と防御力を活かした接近戦を得意とし、変身して特定の能力を強化する「ナノブラスト」が使用可能。

  • アクションパレットが廃止され、コマンドは固定に。アクションパレットの名称自体は武器のクイックチェンジ機能の名前として残った。

  • 武器に片手用武器と両手用武器という概念が登場。片手用の打撃系武器と法撃系武器は右手、射撃系武器は左手に持つようになっており、両手用より性能が多少劣る代わりに同時に装備可能。

  • 主観視点モードが追加され、特定の武器を装備している状態ならこのままより正確な射撃がおこなえるようになった。

  • PSOにおけるヘビーアタックの代わりに、武器ごとに設定されたPP(フォトンポイント)を消費して放つ「フォトンアーツ(以後PA)」を実装。打撃武器による強力な攻撃「スキル」、銃の弾丸に属性や特殊効果を付加する「バレット」、アルゴル四部作やPSOでもおなじみの魔法「テクニック」が存在。

  • 武器や防具に炎、氷、雷、土、光、闇の属性が設定された。炎と氷、雷と土、光と闇がそれぞれ相関関係になっていて、同じ属性の攻撃はダメージが減少、反属性の攻撃はダメージが増加する。武器の発光部位の色もレアレティではなく属性を示すものになった。

  • セーブはロビーに設置された「セーブマーカー」で行う

  • ミッションを受諾せずにフィールドに行けなくなった。これはPSOのプレイヤーが開始時点で「惑星ラグオルの調査」といういわばグランドクエスト的な任務を命じられていたのに対し、本作でのプレイヤーがその手の指令を受けていないことに由来する。


⚫︎武器カテゴリ
  • ソード
両手剣。
モーションが遅く隙が大きいが、威力は高く、同時に3体の敵を攻撃可能。

  • スピア
両手用の槍。
前作のパルチザンと似ているが、こちらは刺突で攻撃する。
リーチが長く、素早い攻撃を繰り出せるが、モーションが直線的なので乱戦には向かない

  • ナックル
両手用の鋼拳。
腕にはめて使うグローブ状武器で、リーチは短いが手数は多く、モーションの癖も少ない。

  • ダブルセイバー
両手用の両剣。スターウォーズのダース・モールが持っているような武器。
モーションに癖があり多少の慣れがいるが、周囲の敵を薙ぎ払うように攻撃でき、火力もそこそこ。
この武器のPA「トルネードダンス」は後の作品でもほぼ確実に登場する。

  • ツインセイバー
双剣。要はセイバー二刀流。
PSOの双剣「ムサシ」が微妙な威力と装備した際のオカマみたいな走り方で不評だったのに対し、こちらはバランスの取れた性能で使いやすい。

  • ツインダガー
双小剣。PSOにおけるダガー。
単発の威力はツインセイバーに劣るものの、素早い攻撃を繰り出せるため総合的な火力では引けは取らない。

  • ツインクロー
双手甲爪。両手にクローを装備したスタイル。
高い威力と手数の多さは優秀だが、入手はやや難しい。

  • セイバー
片手剣。
バランスの取れた性能がウリ。
PSOでは単体の敵しか攻撃できなかったが、今作ではリンクするPA次第で複数同時攻撃も可能に。

  • ダガー
片手用の小剣。
リーチと威力はセイバーに劣るが手数の多さでは勝る。

  • クロー
片手用の手甲爪。
リーチの短さと入手の難しさがネックだが、片手用武器では最強の部類に入る。
PSOにおけるトリッキーなモーションも改善され、癖の少ない優秀な武器に生まれ変わった。

  • ライフル
両手用の長銃。
射程と威力に優れる反面、移動中の射撃が出来ない。

  • ショットガン
両手用の散弾銃。
3発(PAリンク中は5発)の弾を同時に発射可能で、至近距離で打ち込めば多段ヒットで高い威力を叩き出す。
反面、射程は短い。

  • ロングボウ
両手用の長弓。
ライフル並みの射程に加えて防御力を無視してダメージを与えることもできる強力な武器だが、速射性はイマイチ。

  • レーザーカノン
両手用の光線砲。
速射性は最悪だが威力は全銃器の中でピカイチで、複数の敵を貫通して攻撃できる。

  • ツインハンドガン
双短銃。ハンドガン2丁持ち。
元がハンドガンなので射程も威力もライフルに比べると見劣りするが、移動中にも撃てる。
一度に2発撃つので、上手く当てれば数値以上の威力を発揮できる。

  • ハンドガン
片手用の短銃。
射程も威力もイマイチだが、片手用銃で唯一主観視点で使えるため、リーチが短いハンターにはありがたい武器。

  • マシンガン
片手用の短機関銃。
2丁拳銃に近かったPSO時代から一転し、ボタンを押しっぱなしにしている間弾を撃ち続ける武器に変更された。
凄まじい連射性能を誇るため当て続ければかなりのダメージを与えられるが、その分PP消費も激しいので弾切れが早く、射程も短い。

  • クロスボウ
片手用の弩弓。
リンクしたバレットのレベルに応じた数の弾を同時発射可能。

  • ロッド
両手用の長杖
テクニックを4つまでリンクできる。
ウォンドより法撃力が高い反面、テクニックの使用速度は遅め。

ウォンド
片手用の短杖。
テクニックを2つまでリンク出来る。






では、問題点について解説していく。


●イチローオンライン
まず、前評判もあって発売初日には相当数のユーザーがいたのだが、サービス開始と同時に数万人規模が同時に接続したためサーバーがダウンしたり、いつまで経っても接続出来ないユーザーが続出。接続失敗時にはエラーナンバー051が画面に表示されたため、このエラーによる接続失敗のことを背番号から「イチロー」と呼ぶようになった。

ペロン (サーバーを選択した時の選択音)
ペロン (接続ボタンを押した時の音)
ベー  (Error No.051接続失敗表示音)

[ ゚Д゚]ペロン
[ ゚Д゚]ペロン
[ ゚Д゚]ベー

(#^ω^)ピキピキ

いつの間にか「ゲームをすること」ではなく「接続すること」が目的となってきており、運良く接続出来た者の中には、接続出来ただけで満足してしまい、そのまま寝る者まで現れる始末であった。この「イチローオンライン」はしばらく続くことになる。また、同様のエラーの亜種にNo.021というものがありこちらは「アイシールド」と呼ばれた。

後にわかったことだが、運営サイドはPSOBB末期と同じくらいのユーザー数を想定しており、ここまで大量のアクセスが集中するのは予想外だったらしい。
さすがに見通しが甘すぎたと言わざるを得ない。


●ボディチェンジ
次に、接続出来たプレイヤーの中から奇妙な報告が上がってきた。
ゲーム開始前に作成したキャラと実際に操作しているキャラが明らかに違うという事件が多発したのだ。

青年ヒューマンとメカメカしいキャスト、ロリニューマンとおっさんビーストなど、明らかにエディットミスでは済まないレベルであり、なんと作成したキャラが他人のものと入れ替わっていた事が程なくして判明した。

当然バグである。

PSOBBにおいてもサービス初期に見られた不具合だったが、万歩譲ってPSOBBで一度起こったことは仕方ないとしても、再発など言語道断である。


●有料ベータ
そしてとうとうサーバーが停止、なんとか再開するも負荷は相変わらず重く、ついに負荷を分散するために2つ目のサーバーである「ワールド2」が誕生。
このようにサービス開始後も2週間ほど混沌の時が流れたことから、あるプレイヤーはこうつぶやいた。

「これ、ベータ版だろ。」

DA★YO★NE

PSUはどのプラットフォームにおいてもプレイは有料である。
お金を出して買ったのに2週間ほどベータ版状態が続いたことから「有料ベータ」と揶揄される有様で、ようやくまともに遊べるようになった頃には完全な「クソゲー」扱いされていたというわけだ。


●バイツァ・ダスト
それでもPSシリーズへの愛ゆえにイチローオンラインや有料ベータを生き残ったプレイヤーも大勢いた。サービス開始から様々な困難を潜り抜けてレベルやスキルを上げていくプレイヤーも増えてきた。
しかし、ワールド2の新設やサーバー設定の再起動など運営側の都合により、ついに「キャラクターの全ステータスをリセットする」ことが運営より正式に通達された。サービス開始から苦労して育てたキャラクターが一瞬で初期状態に戻るのである。これを時間が巻き戻ることからバイツァ・ダストと呼ぶ。
これにより有料ベータは終わりを告げ、ようやくそれなりにプレイ出来る環境が整えられることになる。

世界は再構築されたーーーー。


●PCオンライン
ハードによる環境の違いも問題になった。上述した通り、PSUは「PS2版」と「PC版」の2つがリリースされた。そして、どちらでプレイしても「同じサーバー」に接続することになるのである。グラボやメモリ、回線次第では快適にプレイ出来るPC版プレイヤーに対し、ハードが固定されてしまっているPS2版プレイヤーは明らかに動きが鈍く、グラフィックも汚かった。そして2006年当時はPS2版プレイヤーも相当数いたのだ。

PC「みんなでアイテム狩り行こうぜ^^」
PS2「おー^^」
PC「あ、ノロいからPS2はくんなよ
PS2「」

まさに「PC版であらずんばプレイヤーにあらず」である。冒険のために野良でルームを検索しても、ルームの情報表示欄に「PC版のみ ×PS2」と書かれる有様で目も当てられない。PC版購入者が優遇されすぎているため「PCオンライン」と呼ぶ。
因みにXbox360は展開の都合上で専用サーバーが用意されていたため、この被害には巻き込まれず済んだ。


●泥人形オンライン
特にグラフィックの違いはひどかった。綺麗な画面でプレイ出来るPC版に比べ、PS2版では他人のキャラクターに色がついていない泥人形状態がデフォルトだった。これを「泥人形オンライン」と呼ぶ。


●属性オンライン
このゲームのアイテムには全てレアリティが設定してあり、アイテムの説明欄に★の数が表示されていて、★の数が1~3個はランクC、4~6個はランクB、7個~9個はランクA、10個以上はランクSのレアリティである。当然、レアリティの高い武器防具ほど入手するのが困難なのであるが、レアリティは何の意味も無かった。

武器防具の属性率は入手したときにランダムで決定される(例外は店売り品で、店頭に並んでいる時点で何属性が何%ついているかが表示されている)が、最高属性値である50%がつく確率は実に1%以下である。
たかが属性と侮るなかれ。属性相関によるダメージボーナスで発生する性能の変動があまりに大きすぎたため、無属性の武器防具はたとえランクが高かろうがただのゴミと化したのである。
このように属性値の影響が強すぎるが故にレアリティの表示に信ぴょう性がゼロなところもユーザーのやる気を低下させた。プレイヤーは皆、この「属性オンライン」に振り回され、「レアリティの高い武器防具」よりも「属性値の高い武器防具」を探し求めることに躍起になるのだ。


●イベントオンライン
オンラインゲームである以上、本作にもイベントは存在する。
が、そこで出現するアイテムがそれまで「超レア」と呼ばれていたアイテムばかりで、昨日までは所持していればドヤ顔出来たものがイベント時にボロボロ出ることでモノメイト(一番低ランクの回復アイテム)以下に成り下がることもやる気の低下に一役買った。そのうち「あれ?このゲーム、イベントの時だけ起動すればよくね?」となり、通常時は人がどんどん消えていった。まさに終焉の前兆である。


●放置オンライン
PAはいずれも使い続けることでレベルが上昇する仕組みになっている。
だが、モノによっては非常にレベルが上がりにくいものもかなり多く、まともにレベル上げなど行えない状態であった。
そしてPA、特にスキルはあまりにも強力だったため、レベル上げは必須とも言えた。
そこでプレイヤーが着目したのが「敵を回復する敵」で、この敵+適当な敵の間に障害物を置き、あとは連射パッドを輪ゴムで固定することで寝ている間や出勤・登校中に自動でレベルを上げる「放置」が主流となっていった。別のゲームでは禁止行為に該当する場合もあるのだが、このゲームは自らルームを開いて参加人数を「1」にすることで「ソロ」が可能なので、その状態で放置に持ち込むことが可能であったのだ。

1. 自分ログイン
2. フレンドリストを見る
3. 全員放置中
4. [ ゚Д゚]
5. 自分も放置する
6. あー、今日も放置オンライン楽しかったー^^
7. おしまい

このような状態になってくると、もはや何のためにゲームをしているのかも分からなくなってくる。


●その他問題点

  • ストーリーモードではキャラクタークリエイトが出来ず、主人公の「イーサン・ウェーバー」を操作して進む。更にインターネットモードではプレイヤーキャラはたまに会釈するくらいで殆どストーリーに絡まず徹底して空気扱いされるため、PSOファンには前作のキャッチフレーズ「英雄は一人じゃない」をもじって「英雄はお前じゃない」と揶揄された。

  • PAを発動したり銃を撃つために必要なPPの回復が遅く、射撃を主体とするレンジャーやテクニックが得意なフォースが戦いづらい。

  • PAが強力すぎて通常攻撃に存在意義がない。以降のシリーズのような、通常攻撃を当てるとPPが回復するシステムもこの時はまだ無かった。

  • 法撃系武器を装備しないとテクニックが使えない

  • ガードも緊急回避もない。PSO時代もそうではあったが、本作では遠距離攻撃や範囲攻撃を使う敵がかなり多いのでよけるのは至難の業。

  • モーションは全体的にもっさりしており、事前に敵のモーションを頭に叩き込まないと回避もままならない(ただし、HP総量や防御力は高めに設定されており、アイテム使用モーションもないのであまり死にやすくはない)。

  • フィールドは景色の変化やギミックが乏しく、単調な感が否めない

  • 武器の種類は豊富だが、グラフィックを使いまわして色だけ変えたものも多い

  • 敵のモーションも使い回しが多く、手抜きっぽく感じられる

  • 街がやたらと広い上にしょっちゅうロードが挟まれるため、買い物するだけでも一苦労。

  • エクストラモードにはストーリーが一切用意されておらず、プレイには相当の根気が要る

  • NPCは基本的に弱い。設定上強いとされているキャラも実際に連れて行ってみるとお察し程度の性能しかないことが多く、NPC人気があまり振るわなかった一因に。


●評価点

  • 前述したとおり世界観設定が非常に細かく作りこまれており、ストーリーやキャラの台詞回しなどにも積極的に組み込まれている。

  • キャストがテクニックを使えるようになった

  • PSOで好評だったキャラクタークリエイトがさらに進化。服を着替えることも可能になったが防具とは別扱いのため、ステータスの上下を気にすることなく思い思いの格好でプレイできる。

  • フキダシの形を変えたりキャラの顔をカットインで表示したりと、チャット機能には遊び心が満載。豊富なロビーアクションと合わせてコミュニケーションの楽しさを大きく引き上げている。

  • ネットワークモードにおけるストーリーは特定のカウンターでストーリーミッションを受注するだけで簡単に進められる。フラグ立てや協力しての巨大ボス撃破といった複雑な行程を経る必要がなく、RPG初心者にも比較的易しいつくりになっている。

  • 音楽はPSOとの雰囲気の違いを批判されることはあるものの全体的に好評。後述のPSO2でも何曲かアレンジされて使われている。



・その後のPSU
上述したような様々な調整不足、システムの不備からユーザーは次々と愛想をつかして離れていき、やがてKOTY大賞の名にふさわしいゲームとなった。
続編のイルミナスは一応普通に遊べる程度の出来にはなったものの、それでも本作で地に落ちたPSシリーズへの信用を取り戻すには至らず、一部では「ヤルイミナス」という蔑称をつけられてしまう。

唯一の救いとしてはPSUのシステムから様々な不具合を改良したものが土台の「ファンタシースターポータブル」シリーズが好評であったことだろう。

しかし、前述したとおり本作のクソゲーたる最大の所以はネットワークモードであり、ストーリーモードだけやっている層には知る由もない事である(オフライン勢はPSOの頃からそこそこな人数存在していた)。
システムにも問題はあったものの、正直なところそれ自体の完成度は中の下か下の上止まりといったところで、遊べないほどの出来かと言われれば否である。ぶっちゃけ前作の完成度が高すぎたのもある。

ついでに言うと、この年までのKOTYは大作シリーズや有名メーカーのガッカリゲーが選ばれることが多く、本作もゲーム自体の完成度というよりは前評判との落差で選ばれた節があるため、
ヨンパチだのダメジャーだのといった以降の受賞作と一緒にするのは少し筋違い気味(KOTY本スレにおいても「2006年までは割とテキトーに選ばれていたのであまり深くツッコまないであげてください」といった旨の断り書きがある)。

もちろん期待に胸を膨らませていた大勢のファンを裏切った罪は重いが、その辺の事情も頭の隅にとどめていてほしい。



・余談
  • プロデューサーの見吉隆夫氏は「PSOの良さが分からない」と以前から発言していたこともあって大バッシングを受け、ブログにもユーザーが殺到して炎上。にもかかわらずそれらを全て無視してバランスボールで遊ぶ旨の投稿を行いユーザーの怒りを更に煽る結果となった。幸いイルミナス開発に当たって開発チームから外され、業界からも干された。

  • ヒロインのカレン・エラを演じた田中理恵氏はPSO大好き声優として有名で、「もし声優を起用することがあればぜひ出たい」と前々から言っていたらしい。

  • 前述していたように海外でも展開されていたが、そちらでは特にこれといった不祥事は起こらなかったので評価はそこまで悪くなかった。

  • 現在稼働中の「ファンタシースターオンライン2」はPSOよりも本作から継承された要素が多い。これは当初「ファンタシースターユニバース2」として企画されていたが、予算が下りなかったので集客効果を狙ってPSO2に改題したことに由来しているらしい。ただしプロデューサーの酒井氏は「PSOのようなムーブメントをもう一度作りたいという願いから、丁度15周年を迎えたPSOにあやかって名付けた」と言っており、真相は不明。

  • 本作で追加された新種族ビーストはシリーズ内での扱いがやたら悪い。PSOシリーズが下敷きとなっている「ファンタシースターZERO」はともかくとして、世界観が一新されたPSO2にも唯一出られなかった。PSU系列の最終作「ファンタシースターポータブル2インフィニティ」で初登場したデューマンは出たのに、である。
  • 最終的に、「種族としてのビースト」は実装しない代わりにどの種族でも見た目をビーストにできる顔バリエーション「ビースト顔」がPSUアーニバーサリーコラボを機に実装された。




全ての編集を過去にする―――――。




+ タグ編集
  • タグ:
  • クソゲーオブザイヤー
  • KOTY
  • 2006年大賞
  • どうしてこうなった
  • ファンタシースターユニバース
  • ゲーム
  • セガ
  • クソゲー
  • ファンタシースター
  • PSU
  • 全てのRPGを過去にする
  • 全てのクソゲーを過去にする←翌年自分も過去になった
  • イチローオンライン
  • チャットゲー
  • 秀逸な設定
  • ガッカリゲー
  • 不遇なビースト
  • マガシおじさんのデビュー作
  • PA連打ゲー
  • ソニックチーム
  • PS2
  • SEGA

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月25日 23:21