超銀河弾 HELL

登録日:2014/06/17 (火) 20:37:55
更新日:2024/02/03 Sat 19:15:51
所要時間:約 13 分で読めます





銀河を地獄と化す禁断の超銀河弾。その発動により世界には荒廃と絶望が広がっていった。
*1


超銀河弾 HELL》とは、TCGデュエル・マスターズ」の呪文である。
DM-31「戦国編 第4弾 戦国武闘会(グレイテスト・チャンピオン)」にて初収録。レアリティはベリーレア。
DMC-64 「コロコロ・レジェンド・7 ムービー・ダイナマイト」にも再録されている。

背景ストーリーでは《暗黒皇グレイテスト・シーザー》が連発でぶっ放した。
その結果、超獣世界の時空を歪ませ、後に様々な騒動を起こした。言ってしまえば、元凶の魔弾でもある。


【スペック】

超銀河弾(ギャラクシーショット) HELL(ヘル) VR 火文明 (10)
呪文:ナイト
相手のクリーチャーをパワーの合計が9000以下になるように好きな数選び、破壊する。その後、こうして破壊したクリーチャー1体につき、相手のシールドをひとつ選び、持ち主の墓地に置く。

スペックとしては、9000以下までのクリーチャーの合計除去と、それに伴うシールド焼却能力を持っている。
シールド焼却に関しては、除去したクリーチャーの数と同じ枚数のシールドを焼き払うことができる。

まず焼き払うことのできるクリーチャーの対象が、パワー9000までという点が魅力。
剛撃戦攻ドルゲーザ》や《無敵剣 カツキングMAX》など多くのデッキで使われるフィニッシャーも対象範囲となる。

また置き換え効果などで破壊されなくとも、シールドの焼却自体は行えるのも利点。
これは、このカードが世に出た当初は不可能だったが、2010年の裁定変更により可能になった。

シールド焼却に関しても強い部分は多い。
焼き払うシールドは自分で選択できるため、厄介な城ごとの除去も可能になっている。

シールドの選べる数は焼き払ったクリーチャー数に影響されてしまう。
しかし、一般的なシールド焼却呪文のコストを考えると、コスト論的にはそこまで損はしない。
もちろん3体以上の除去に成功すれば、事実上の《インビンシブル・フォートレス》の上位互換になる。

また種族として、ナイトを所持しているため、ナイトサポートを受け取れることも強み。
そのため《魔弾グローリー・ゲート》などの能力による回収も可能になっているところは大きい。

ただし、HELL自体あまりナイトに依存するような呪文ではない。

一方で安定性に欠ける呪文であり、弱点も多い。
最初に弱点として挙げられるのは、この呪文の能力自体が、相手依存に近い能力を持っているところである。

そもそもコストが重いため、10コスト範囲内になると、この呪文の除去対象にならないクリーチャーが非常に多い。
そうなってしまうと、この呪文は手札で腐るだけである。
cipを使って、攻撃することしかできなくなっているクリーチャーを狙って呪文を唱えたいところか。

次に挙げられる点は、やはりコストが重いところだろう。
何らかの方法で踏み倒しが必要になるだろう。

ただし、踏み倒す場合は、《インビンシブル・フォートレス》や《ティラノ・リンク・ノヴァ》の方が優先度が高くなることも多い。
まあそこは使っているプレイヤーの好みだろう。


【ツインパクト版】

爆獣マチュー・スチュアート R 自然文明 (4)
クリーチャー:ドリームメイト/ナイト 2000
自分が呪文を唱えた時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置いてもよい。
超銀河弾 HELL R 火文明 (10)
呪文:ナイト
相手のクリーチャーをパワーの合計が9000以下になるように好きな数選び、破壊する。その後、こうして破壊したクリーチャー1体につき、相手のシールドを1つ選び、持ち主の墓地に置く。

禁断の銀河兵器もDMEX-17「20周年超感謝メモリアルパック 究極の章 デュエキングMAX」においてツインパクトと化した。
クリーチャー面は《爆獣マチュー・スチュアート》となっており、既存カード同士が合体したツインパクトとなっている。
この組み合わせはマチュー・スチュアートのマナブーストでHELLを叩き込むコンセプトの専用デッキ【マチューヘル】 が元ネタではないかと噂されている。

単純なスペックで見れば元ネタの両カードのほぼ上位互換なのだが、残念ながらマチュー・スチュアートを主軸にしたデッキに簡単に投入できる訳ではない。
【マチューヘル】などのマナブーストを戦略とするデッキにとっては、多色ツインパクトとなっているこのカードでは好ましくないマナのタップインによる遅延の恐れが出るためである。
と言っても、どちらのカードも元々が強いのでこのカードは単純に強力。色が合うナイトデッキには投入が検討できるだろう。


【関連カード】

超聖竜ボルフェウス・ヘヴン SR 光/火文明 (7)
進化クリーチャー:エンジェル・コマンド/アーマード・ドラゴン 13000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
進化V-自分のエンジェル・コマンドまたはアーマード・ドラゴンのいずれか2体を重ねた上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の手札にある光または火の呪文を1枚、コストを支払わずに唱えてもよい。
このクリーチャーが攻撃する時、自分のシールドを1枚、墓地に置いてもよい。そうした場合、相手のクリーチャーをパワーが6000以下になるように好きな数選び、破壊する。
T・ブレイカー

出した時に、手札から火または光の呪文を唱えられるクリーチャー。
武者ドラゴンの能力も所持している。

言うまでもなくHELLとの相性は抜群。
コスト7で唱えられるため、そのコスト域には、HELLの獲物になるクリーチャーが多いことも嬉しい。

詳しくは個別項目を参照。

聖竜ボルシャック・ウルフェウス SR 光/火文明 (7)
進化クリーチャー:アーマード・ドラゴン/エンジェル・コマンド/ハンター 9000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
進化-自分の「コマンド」と種族にあるクリーチャーまたはドラゴン1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、光または火の呪文を1枚、自分の手札からコストを支払わずに唱えてもよい。
W・ブレイカー

ボルフェウスヘブンのハンター版。
能力が減ったり、パワーが下がっている代わりに、進化が格段に楽になっている。

こちらもHELLとの相性は良い。ボルフェウスとは好みで使い分けか。

超銀河竜 GILL(ギル) R 火文明 (10)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/エイリアン 9000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、パワーの合計が9000以下になるように相手のクリーチャーを好きな数選び、破壊する。その後、相手のシールドをひとつ選び、持ち主の墓地に置く。
W・ブレイカー

HELLのエイリアン版。クリーチャーとなった。

HELLがクリーチャー化したため、踏み倒しが出来たり、攻撃が出来たりとやれることが格段に増えている。
しかし、HELLと違い、シールド焼却は一枚のみの固定となった。

詳しくは個別項目を参照。

暗黒皇(ダーク・カイザー)グレイテスト・シーザー SR 闇/火文明 (6)
進化クリーチャー:アーマード・ドラゴン/ドラゴン・ゾンビ/ナイト 13000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
進化V-自分のナイト・クリーチャーまたはドラゴンのいずれか2体を重ねた上に置く。
このクリーチャーか攻撃する時、自分の墓地にある闇または火の呪文を、コストの合計が7以下になるように好きな枚数選び、コストを支払わずに唱えてもよい。その後、その呪文を好きな順序で自分の山札の一番下に置く。
T・ブレイカー

背景ストーリーにて、禁断の兵器であるはずのHELLを連射しまくった人。
戦国編以降の背景ストーリーにおける元凶である。

…ちなみに彼の能力ではHELLを何故か唱えることはできない。
この仕様になっている理由は不明だが、様々な仮説が存在する。

詳しくは個別項目を参照。

超銀河剣(ギャラクシーブレード) THE FINAL(ザ・ファイナル) SR 闇文明 (10)
クロスギア:サムライ
これをクロスしたクリーチャーのパワーは+12000される。
これをクロスしたクリーチャーが攻撃する時、その攻撃の終わりまで、そのクリーチャーに「G・ブレイカー」を与えてもよい。(「G・ブレイカー」を得たクリーチャーは、相手のシールドをすべてブレイクし、その攻撃の後、自分のシールドをすべてブレイクする)

背景ストーリーにおいて、HELLと同様の最終兵器である。
HELLがナイトなのに対してこちらはサムライ。惑星を一振りで破壊する威力を持っているらしい。

詳しくは個別項目を参照。


デュエル・マスターズ プレイス

DMPP-11「戦極大決戦 -CLIMAX GALAXY-」にて収録。
特にTCG版からの変更点はないのだが、シーザー側がデュエプレ版において能力が変更されたことによってシーザーがHELLをぶっ放す光景がゲームでも再現可能になった。
これで憎きサムライどもをオールデリートしてあげよう。やはりシデンは焼き殺せないが。


【背景ストーリー】

HELLは、背景ストーリーで最初に戦国編において使われた。
その威力は後のDMの超獣世界において様々な混乱を引き起こしし、戦国編以降もシーザーのHELL使用による傷跡は大きく残ることになる。
言ってしまえば、以降の背景ストーリーに至るまでの元凶である。

戦国編

の使用が解禁されてしまうなど、もはや『武闘会』ではなく『戦争』と化してしまった戦国武闘会。
その戦いは、惑星すら破壊しかねないほどにまでヒートアップした。

白熱した長き戦いは、多くのクリーチャーが激突を繰り広げ、ついに決勝まで進んだ。
8体のクリーチャーの中から、二体のサムライナイトが決勝に進む。

決勝に進んだサムライの名は《超聖竜シデン・ギャラクシー》、そしてナイトの名は《暗黒皇グレイテスト・シーザー》。
双方の筆頭であった。

シデンの元に、サムライから最終兵器《超銀河剣 THE FINAL》が運ばれる。しかしシデンは使うことを拒否した。
そのクロスギアは、惑星を破壊する危険があることをシデンは知っていたからである。


同じころシーザーの元にも《超銀河弾 HELL》がナイトの手により運ばれてきた。
これは、時空を歪ませるほどやばい兵器だったのだ。しかし、それをシーザーは


少しもためらうことなく手に取った。


そして決勝戦が始まった。
シーザーは案の定、HELLを撃ちまくる。自分が大会で勝者になりたい、それだけのために。

銀河弾の威力は空間を歪ませ、世界全体が破壊の渦に包まれた。
一人の勝ちに拘ったクリーチャーの、自分勝手な行動のせいで、世界は今まさに滅びようとしていたのだ…

世界が崩壊している状況を見ても、何とも思わず、銀河弾を連射しまくるシーザー。
その姿を見たシデンはついに覚悟を決め、同じく超兵器《超銀河剣 THE FINAL》を手に取ってしまう。
それは、この狂気の大会を終わらせるために。苦渋の決断である。

銀河剣を手にしたシデンはシーザーに対して、その刃を振り下ろした。
その刃は、シーザーを庇おうとしたナイトごと切り裂き、シーザーを瞬殺した。

戦いは終わった…。

しかし、銀河弾を撃ったシーザーもそれを阻止したシデンも、いや、誰も思いがけない事態が起きる。
銀河弾などの超兵器の使用による『時空の裂け目』が誕生してしまったことに…

そして、その裂け目から古代のクリーチャーが来襲し、超獣世界に悲劇を起こすことになろうとは…。


これがHELLが使われた戦国編における物語である。

これらの描写から、HELLがとんでもない威力の兵器と化していたことがよく分かる。
本当にシーザーさん、あんた何をやらかしてくれちゃってるんですか。

デュエル・マスターズ プレイス版

こちらではシーザー死亡後、HELLによる穴から「最強最悪の神」と評される破壊神が出現。
破壊神には暗黒王の殺意が宿っており、シーザーの正体である暗黒王の野望はまだ終わっていなかった。
TCG版以上にHELLが災いを呼び込む形となり、戦国武闘会の終結と同時に更なる混乱が世界を襲う中、一部の者は怪しく微笑んでおり…。

エピソード1

シーザーの開けた穴から次々と戦乱が起き続けている時代であるエピソード1において、HELLはパンドラ・スペースの力によって、とあるドラゴンにとりついてしまった。
そのドラゴンは銀河弾の力を身にまとった禁断の龍《超銀河竜 GILL》と化す。
このドラゴンが生まれてしまったのも、シーザーのせいであるといっても過言ではない…。

しかし、GILLは目立って背景ストーリーで暴れたわけではないらしいことが救いか。

王来篇

禁時混成王 ドキンダンテXXII》が新章世界に出現し、奇跡と禁断の力を利用した石柱によって歴代の背景ストーリーを元ネタにした滅亡現象を連発して発動。
石柱の時計針が「IV」を指した際に、使い手がいない状態のHELLがいきなり虚空から発射されてしまった。
その威力によって9000個もの次元の穴が空き、それぞれが超次元と繋がる現象を巻き起こした。

なお、後に明かされた設定では超銀河弾自体に次元の穴を開ける程の力はないと断言されているため、この描写は矛盾しているとの指摘も見られる。
これについては「銀河弾発射以前にも時空が歪みまくっているため、次元自体が相当緩くなっていて銀河弾の威力でも開通が可能だった」「ドキンダンテのパワーで銀河弾が強化されている可能性」「いくら銀河弾の威力がそれほどではないと言っても、あり得ないレベルで乱射すれば流石に話は別」「そもそもドキンダンテの能力は最悪の可能性を具現化する能力であり*2、超次元の穴に繋がった可能性が全ての魔弾について具現化された」などの解釈が考えられるか。

シーザーの肉体は《「俺」の頂 ライオネル》と合体した《暗獅連結 グレイテスト・ネルザ》として待機していたが、《龍魂珠》の予定変更の影響を受けて分解されて代わりにシデンと合体した《戦国接続 ギャラクテスト・シデンシーザー》が誕生。
シデンシーザーは闇文明への襲撃において超銀河剣と交互に超銀河弾を繰り出して圧倒し、抵抗する《虚∞龍 ゲンムエンペラー》の夢幻の無も超銀河兵器が作る次元の裂け目によって無効化するという防御を見せる。
しかし、抵抗する者達に直撃するかと思われた超銀河弾は、夢幻の無に《テ・ラ・スザーク》が作る無月の門を重ねて出力を倍増させ発動した秘奥義「夢想封月」によって着弾時の威力を相殺されたことで防がれてしまい、最終的にシデンシーザーも敗れ去った。


【考察と衝撃の新事実】

何故かHELLは、決勝戦においてナイトの手によっていきなり作られている。
そこにオリジンが関わっている可能性も指摘されてており、実はシーザー自身もオリジンに利用されて、HELLを使用してしまったという説もある。

何故ならば、銀河弾使用以前にもサムライやナイトを兼ね備えたオリジンは超獣世界に何故か登場している。
その彼らがサムライやナイトに潜入し、銀河弾と銀河剣が作られたという説だ。
これならば、オリジンの総大将である起源神が銀河剣のような武器を持っていても不思議でない。
そしてその兵器をシーザーに使わせ、オリジンを完全に超獣世界に侵攻させるために動いたのなら辻褄が合う。

そして「超銀河」の名前を司る兵器は《ミロクの弟子 ニョライ》がサムライやナイトに与えたという事実が判明。
しかもカードでは呪文扱いの銀河弾だが、魔導具(=クロスギア)だったことが明言された。
そして、超銀河の兵器は実は次元を貫通する威力はなく、同時期にパンドラ・スペースにおいて超獣世界へ繋がる穴を開けている状況と重なってしまい、時空の歪みの発生が起きてしまうという事故的な側面があったことが語られた。
しかもニョライのイラストの背景には月が二つ浮かんでおり、その内の一つがオリジンの本拠地であるオリジナル・ハートと考えると…*3


シーザーも、実は被害者だった…?

しかし、兵器を渡されたシデンはシーザーが暴れまくるまで使用することを固く拒否したわけである。
一方でシーザーは迷うこともなく、その兵器を手に取り使いまくった。

言ってしまえば、仮に何者かに騙されていたとしても、シーザーがシデンと同様に銀河弾を使わないような精神であればこのような悲劇は起きなかったわけである。




結論を言うと、仮に利用されていたとしても結局シーザーさんが悪い。







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最終更新:2024年02月03日 19:15
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*1 画像出典:Twitter イラストレーターDaisuke Izuka(okome)氏 2017年5月30日投稿 https://twitter.com/okome_di/status/869517814930874368 ©Wizards of the Coast/Shogakukan/Mitsui-Kids

*2 ドキンダンテの背景ストーリー上の能力については開発者のデッドマンが公式Youtubeチャンネルで語っている。

*3 ちなみに、もう一つの月は神化編時点の水文明領域から確認できる「衛星ラムーン」だと思われる。こちらは聖拳編におけるサイバー・ムーンの出現やオリジンとの戦争において究極進化の登場に貢献するという所謂「オリジナル・ハートと敵対する月」である