巫条霧絵

登録日:2011/09/18(日) 23:58:44
更新日:2024/01/06 Sat 07:22:58
所要時間:約 5 分で読めます






落ちろ


読み方は、ふじょうきりえ。
奈須きのこの長編小説「空の境界」の登場人物で声優は伊藤美紀(ドラマCD) / 田中理恵(劇場版)。

血液型 A型 身長 161cm 体重 40kg



起源は「虚無」。二十代後半の女性で十年以上前から死病を患っており肺から全身に広がって至る所に腫瘍があり、視力もほとんど失ってしまっている。
歩けなくはないが移動には車椅子を使用する。
両親と弟の四人家族だったが彼女が入院してまもなく全員事故死しており、医療費は父・康紀の友人だったという人物が出している(しかし霧絵は会ったことはあるが名前はお坊さんのように難しい名前、とくらいにしか覚えていない)。

やつれてはいるが本来はかなりの美女であり、黒髪は絹糸を一本ずつ梳ったかのように滑らかで主人公・両儀式は「細い眉と冷淡にかげる瞳は美貌の中で最高の部類に入るだろう」と評しているが一方で「この女の美しさは、すでに人のものではない」とも評している。
入院生活が長いためか実年齢に比べて精神年齢はやや幼い。
自分の身体がいつ死んでもおかしくない事を理解し、毎夜眠る前に朝になって目が覚めるのかと恐れ明日は生きているのかと怯え、明日の朝には生きていますようにと祈って眠りにつく日々を送っていた。
窓からの風景を見下ろす事しか出来なかった彼女は、四季を彩る木々や代わる代わるに入退院していく人々を声を出しても聞いてもらえず手を伸ばしても届かない外の世界を嫌い、憎み恐れ続けてきた。
その一方でどこまでも行ければどこまでも飛べれば自分の嫌いじゃない世界があると思い、果てのない空に憧れていた。


そしてある男によって、彼女は長年の夢とずっと続く悪夢を同時に与えられる事となる。





















<以後、ネタバレ>
巫条ビルでの女子高生連続飛び降り自殺事件の元凶。
黒幕・荒耶宗蓮が式のために用意した駒の一人で「死に依存して浮遊する二重身体者」であり医療費を出していたのも荒耶である。
巫条家は退魔四家の一角「巫浄」の傍流であり祈祷を専門としていたが元々は口寄せなどの呪詛を生業としていた古い呪い師の家系の末裔。
浅神とは違いあくまで傍流のようで、本家がどうなっているかは不明。巫条や両儀は生き残ったと言われているため、最期の一人というのは彼女の家系ということだろう。
蒼崎橙子は「巫条の姓、不浄の言代なのかもしれない」と推理している。
彼女の家系の特徴は能力を得る代償として視力を失うというもので、霧絵の場合は病で視力を失った事によって能力が開花する事となった。

病院周辺の風景を脳内に取り込み荒耶から与えられた霊体としての身体を使い、本来の身体とは独立して浮遊する事ができた。
しかし病院の身体を見捨てて空に向かっても結局は決して地に足はつけられず、ただ浮いているだけで外の世界との隔たりを突破することは出来なかった。
どこかに行く事もできず巫条ビルを根城に浮遊していた彼女は、夢遊飛行者の少女達を見て友達になりたいと思い、自分に気付いてほしくて彼女達に自分が飛べるという事を意識させた。
しかし夢遊飛行者は無意識下でしか飛べないため自分が飛べるのだと知ってしまった少女達は当たり前のように飛ぼうとして当然のように落ちることとなった。
これが連続飛び降り事件の真相である。

霧絵が入院しているのは以前式が入院していた病院で毎週式のお見舞いに来ていた黒桐幹也を見つける。
式と同じく自分では持てない生の実感を他人に求めた彼女は、いつでも空を見ていていつでもまっすぐにしている彼に思いを寄せ、彼なら自分を生きたままどこへだって連れていってくれると夢見て巫条ビルの調査に来た彼の魂を奪う。
しかし幹也の魂を奪い返しに来た式によって霊体を殺されてしまった。

死の匂いしかない日々の中で生きていくためにその死の匂いを頼りとするしかなかった霧絵はいつしか死と直面した瞬間しか生きていると実感できなくなっていた。
式に心臓を貫かれた瞬間に感じた圧倒的なまでの死の奔流と生の鼓動に恋をしてしまった彼女は、その後の橙子との会話で7人もの少女を死なせた事に苦しみ、叶わない、叶えてはいけないただ一つの幻想(ユメ)に涙した後、自分が今まで蔑ろにしてきた自分の生命であった全てのため、あらんかぎりの死をぶつけて生の喜びを感じようと巫条ビルから身を投げて死んだ。


彼女が行っていたのは簡単に言えば一種の幽体離脱であるが実体と霊体とが独立しており式に霊体を殺されても実体の方はすぐに影響は出なかった。
霊体であるため他の霊体に干渉する事も可能である。
また、夢遊飛行者の少女達にしたように暗示を掛ける事も可能だが彼女のやり方は相手の意識そのものに「飛んでいた」という印象をすり込むという洗脳の域に達したもので掛けられた人間は本当にそれを実践するかそれを信じられず、飛べるのだという確固たる実感に怖れをなして逃げ出すかのどちらかを取る。
しかしこの暗示は相手の生きる事についての苦しみや束縛から解放されたいという思いにつけ込んで掛けるので、元々生の実感のない式には有効ではなかった。
劇場版では霧絵の登場する第一章での出番が増え、一度は式を退け左の義手を破壊に追い込んだ他少女達の霊を戦闘に参加させたり霊体時でも話したりしている。
また第四章にも背景に混ざって登場している。




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最終更新:2024年01月06日 07:22