神話(牙狼-GARO- 魔戒ノ花)

登録日:2014/06/16 (月曜日) 21:00:00
更新日:2016/12/09 Fri 14:20:12
所要時間:約 11 分で読めます




※推奨BGM:冴島雷牙

遥かな時を越え、受け継がれる魂。
それを凌駕する恐ろしい執念。
気をつけろ雷牙、そいつは手強いぞ!

次回!『神話』

その咆哮は、天まで轟く!






【概要】


雨宮慶太原作・監督の特撮「牙狼-GARO- 魔戒ノ花」の第7話。


牙狼」という作品には、とあるジンクスが存在する。

第1期 暗黒魔戒騎士篇 第7話「銀牙」及び第9話「試練」

第2期 魔戒閃騎 第7話「閃光」及び第8話「妖刀

そして前作の第3期 闇を照らす者 第9話 「乱 sonshi」...

これらはいずれもファンの間ではストーリー、アクションの両面において高い評価を得ている、いわゆる「神回」と呼ばれるものである。


鋼牙と零が掟を破って刃を交え、凄まじい空中戦を披露した「銀牙」

自らの内なる影に立ち向かい、初めて魔導馬・轟天を召還した「試練」

魔戒法師の身でありながら、鋼牙の影を奪って牙狼の鎧を装着するという離れ業をやってのけた、赤い仮面の男との初対決を描く「閃光」

黒澤映画を彷彿とさせる渋い演出と、重厚な殺陣が一際異彩を放つ「妖刀」

ジェットコースターのようなハイスピードアクションと共に、金城グループの配下・尊士の圧倒的な実力を見せつけ視聴者に深い絶望感を与えた「乱 sonshi」

各話の大まかな内容を簡単に書けばこんなところであるが、これらが放送されたのはいずれも「第7話~第9話」に集中しているのである。

そして最新作 第4期 魔戒ノ花もいよいよ、このジンクスである周期に突入したことでファンの期待も高まった頃、お披露目となったのがこの第7話「神話」である。
今回の監督は『鋼牙狼』シリーズでもアクション監督を担当、今回で富田稔と共にアクション監督で再び雨宮監督と組む横山誠。
2013年では『闇を照らす者』で江良至の構成とともに新たな牙狼ワールドのアプローチを試みた。
『原点回帰』を謳う本作では、雷牙の継承と共に世代を超えた熾烈な決闘が描かれる。深夜枠だからこそできた激しいアクションにも注目してほしい。



【あらすじ】


雷瞑館の地下倉庫には隠し扉がある。そこを潜り抜けると、『牙狼(ガロ)』の称号を持つ冴島家の者が己の鍛錬のために使用する武道場が存在する。
祖父、そして父からその称号を受け継いだ冴島雷牙も例外ではない。
いつものように四方八方から振り子のように襲い来る「グラウ竜の牙」を使って修行に励む雷牙。
しかし突然、牙が竜の背鰭にも似た形に変質して彼に襲い掛かった。
クロウの協力も得て、やむなく牙を破壊する雷牙。ザルバが調べたところによれば、雷牙の体に溜まったホラーの邪気が原因であるという。
これまで雷牙が封印したホラーは「99体」。ゴンザは邪気を払う為に「英霊の塔」で浄化の儀を行うことを雷牙に薦めた。
マユリを伴って塔へと向かう雷牙。自分が幼い時に両親やゴンザと共にここを訪れた事、かつて自分が黄金騎士の称号を受け継いだ時の事、そして、目の前で両親が消え去った事を語らいつつ、雷牙は英霊の塔内で浄化の儀に臨んだ。
壊してしまったグラウ竜の牙も新しい物に取り替え、帰路に着く2人。そこへ突如としてホラーが襲い掛かる。
難なくこれを撃破した雷牙であったが、時を同じくして、邪悪な者が目覚めようとしていた…


【登場人物】


ご存知、王子様系黄金騎士・牙狼。
英霊の塔で、ちょうど「100体目」のホラーを封印した。

  • ザルバ
ご存知、雷牙の最高の友(ザルバ)
雷牙がこれまでに99体のホラーを封印したことを告げる。記憶力いいな。

  • マユリ
グラウ竜の牙を「綺麗な牙だな」と称し見惚れる。
雷牙と共に英霊の塔に向かう中、彼と両親との思い出を聞かされる。
100体目のホラーに襲われる、ザジに時間を止められ二度も人質も同然な状態となる、と大忙し。
エンディングではゴンザにピアノをレクチャーしてもらう。

  • 倉橋ゴンザ
雷瞑館の倉庫で鈴を鳴らし、武道場の入り口を開けた。
夕食の支度をする中、2体目のザジにより時間を止められる。
相手がザジでなかったら、マユリ共々命はなかっただろう。

影に生きて、影に消え行く隠密の魔戒騎士
マユリにグラウ竜がいかに恐ろしく強い存在かを伝え、悪戯っぽく微笑む。
雷牙の身体に溜まった邪気を嗅ぎ付け暴走するグラウ竜の牙を円参で食い止め援護、元老院に持ち帰った。

  • 魔導具オルヴァ
クロウのパートナーのできる女。
雷牙の凄まじい邪気に「だから(グラウ竜の牙が)その邪気に反応したワケね」と感服して、それっきり。
そこ、影薄いって言うな。

  • 雷牙の両親
今まではぼかされていたが、雷牙とマユリの会話の中でようやくその行方が発覚した。
次元の裂け目に落ちたか、はたまた何者かの手によるものなのか、雷牙達がいるのとは別の世界へと飛ばされてしまったらしい。
雷牙の父=先代の黄金騎士はその世界でまだ戦い続けていたため、当初、雷牙は称号を継ぐ事を英霊達に拒否されてしまったが
父が英霊達に称号を与える意志を示したため、晴れて雷牙は黄金騎士となった。
公式外伝『魔戒騎士列伝・鋼の咆哮』の流れを考えると、おそらく両親は『鋼牙狼』シリーズの主人公・冴島鋼牙と同シリーズのヒロイン・御月カオル。
彼らの正体やその去就を知るには、第23話『稀人』を待たなければならない。

  • 英霊
英霊の塔で雷牙の身体に溜まった99体分のホラーの邪気を浄化する。
雷牙の回想シーンで牙狼の称号を授かる場面では、両親の生存を伝えた。

  • 100体目のホラー
雷牙が英霊の塔近辺で封印したホラー。
刺々しい全身と巨大な爪が特徴だが、いかにして出現したかは不明。
公式ホームページでも名前は明かされていなかったが、
2015年10月13日にゲット!サンセイ!でおなじみのSanseiR&D社から稼働予定の「CR牙狼 魔戒ノ花」にて『グリムゾーラ』と命名された。


  • ザジ(CV:天野ひろゆき)
黄金騎士によって封印されたホラーの「邪悪な思念の集合体」。『MAKAISENKI』第11話にも登場した。
黄金騎士の系譜を消し去る事を目的としており、かつての主人公・冴島鋼牙も戦った黄金騎士の「影」とも言うべき存在。
雷牙が「100体目のホラー」を封印したのと同時に目覚め、行動を開始。自ら雷瞑館へ赴く。
3体に分身しながら、まとめて襲い掛かることはせずあくまで1対1で戦いを挑んだり、時間を止める結界を張って、いつでもゴンザやマユリを手にかけられる状態にありながら「お前が勝ち続ける限り、こいつらの命は保証する」と無駄な殺生をしないなど、敵ではあるものの、その姿勢にはある種の「騎士道」を感じさせる。

1体目は修行部屋で徒手空拳での格闘戦の末にグラウ竜の牙を利用して頭を真っ二つに両断され、2体目は森にも似た空間で巨大な剣と爪による斬撃で迫るが、剣と鞘を利用した二刀流によって敗れた。


【顛末】

既に傷だらけの状態の雷牙の前に、最後のザジが現れる。
ザジが次に用意した舞台は、倒壊した巨大なビルや高架の瓦礫が浮遊する異空間であった。

「黄金の鎧を纏え!牙狼の系譜を永遠に消し去ってやる!!」と挑発しながら、ザジは自らの体を巨大化させ「超ザジ」へとその姿を変えた。
「消えるのは貴様だ!!」と雷牙も鎧を装着して応戦するが、その巨体に似合わぬスピードと、これまでとは比較にならないパワーによって
徐々に劣勢に追い込まれてしまう。
ザジの一撃で吹き飛ばされ、瓦礫に磔にされてしまう雷牙。牙狼剣も深々と瓦礫に突き刺さり、無防備の状態を晒してしまう。

そこへ容赦なく迫るザジの巨爪。

死を覚悟し、咆哮する雷牙。



その刹那、雷牙の眼前に1本の剣が割って入った。

それは雷牙自身もよく見慣れた牙狼剣。それを握り締めるのは、これもまたよく見慣れた牙狼の鎧。
ただひとつ違うのは、雷牙が纏う物とは違い「真紅の瞳」を持つ鎧であった。

  • 英霊牙狼(CV:渡辺裕之)
窮地に陥った雷牙を救い、大いなる力の存在とある言葉を伝える。
雷牙の纏う牙狼の鎧が青い瞳なのに対し、真紅の瞳が特徴。


「我が血を受け継ぎ、牙狼の称号を持つ者よ」

「牙狼!?」

「お前は、大いなる力を召還する資格を得た」

「大いなる力?……轟天!?」

「そうか雷牙!塔で封印したホラーでちょうど100体!」

「しかし俺は、内なる影との試練を受けていない!」

「…牙狼が光ならば、ザジは闇。今この戦いが、お前の内なる影との戦い、と言えよう」

「…あなたはもしかして!?」

「父ではない…しかし俺は、いつもお前を見守っている」

「…はい」



雷牙に一度背を向けた英霊は再び彼に言う。

「雷牙…強くなれ


『強くなれ』……短いながらも、力強い響きを持つその言葉を聞き雷牙はすべてを悟る。


「……はい!」




次の瞬間、光に包まれた雷牙によって、今度はザジが大きく吹き飛ばされる。
雷牙を包み込んだ光が晴れると、響き渡ったのは馬にも似た甲高い嘶き。

魔導馬・轟天。かつての黄金騎士達と共に戦い続けてきた、大いなる力。

力強く地面を掻き、虚空を疾駆する轟天。馬体を翻し、強靭な後脚がザジの体を抉り、再びその巨体を弾き飛ばす!
間髪を入れず轟天が蹄音を響かせると、牙狼剣は大剣・牙狼斬馬剣へとその姿を変えた。

弾き飛ばされたザジに向かって、再び駆け出す雷牙と轟天。立ちふさがる瓦礫を次々に切り倒し、猛然とザジへと迫る。
そして牙狼斬馬剣の切っ先を前に突き出し、一心にザジの体へと突き立てる雷牙。ザジも巨爪を使って防ぐものの、遂にはその守りをも
貫き、その体を真っ二つに切り裂いた!


「我らは何度でもお前らに挑むだろう…その度にお前らは思い知るはずだ…その称号を呪う者の存在を!!」


「確かにそうだ!しかし俺も、この先の称号を受け継ぐ者達の言うことは変わらない!」


「な…何ィ!?」


「我が名は牙狼ッ!黄金騎士だッ!!」



断末魔の声を上げて爆散するザジの肉体。同時に雷牙も、無事に雷瞑館への帰還を果たした。
いきなり傷だらけの雷牙が現れ、驚くゴンザ。雷牙の顔を見たマユリが語りかける。


「どうした?いい物でももらった顔をしてるぞ」

「あぁ…もらった」

「もらった?…何をだ?」


「…言葉だ。父さんがもらった言葉」

『強くなれ』……ザジとの戦いで英霊牙狼が雷牙にかけたその言葉は、父が幼い頃の彼に言ったものだ。

「雷牙様…」

「大丈夫だ…ゴンザ。俺はもっと強くなれる」

「強く…でございますか?」

「あぁ…!」

椅子に崩れ落ち、満足げな笑顔を浮かべる雷牙。
閉じられたその瞼の裏には、あの英霊の姿が浮かんでいた…。



【余談】


ザジの声を演じたのは魔戒閃騎に続いてキャイーンの天野ひろゆき。放送当日にはtwitterで「今、牙狼と戦っています」というツイートを残している。

そして作中に現れた牙狼の英霊。1期シリーズテーマ曲と共にその赤い目と聞き覚えのある声が指し示すその正体とは…?


※推奨BGM:冴島雷牙

夢に見る者もいれば、守ろうとする者もいる。
作ろうとするものもあれば、捨てようとするものもいる。

次回! 『家族』

その鍋の中に、真実を見る者もいる!


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