X-MEN:フューチャー&パスト(映画)

登録日:2014/06/09 (月) 01:08:14
更新日:2024/02/07 Wed 21:02:19
所要時間:約 10 分で読めます




『X-MEN』史上最大のオールスターチーム始動!







『X-MEN:フューチャー&パスト』は2014年の米映画。
原題は『X-Men: Days of Future Past』
実写映画シリーズ『X-MEN』の第7弾。
第三作『ファイナル ディシジョン』と前日譚『ファースト・ジェネレーション』両方のその後の時系列を描いた正統なる続編である。
初期三部作と本作を繋ぐために製作されたのが『ウルヴァリン:SAMURAI』で、未来編は同作から直結している。
今回は「タイムスリップ」をテーマに、X-MENシリーズの過去と未来を平行して、総括した要素を一気に描き、
シリーズの集大成として最大級のスケールをもったストーリーを克明に描いている。
演じるキャストも、同じキャラの過去の姿と未来の姿をそれぞれ新旧俳優陣が演じるという正に集大成と言える形になっており、宿敵同士であったプロフェッサーXとマグニートーの和解と共闘に始まり、
これまで登場したミュータント達が総出演して共通の危機へと立ち向かう、まさにX-MENのオールスター映画となっている。

日本では「『アベンジャーズ』を超える最大のオールスターチームVS史上最強のバイオ・メカニクル・ロボ センチネル!人類の運命を賭けた最終決戦始動!」
という身も蓋もないキャッチコピーが付けられている。

監督は第1作、第2作の監督にしてシリーズの世界観を熟知し作り上げたブライアン・シンガー。

劇場公開当時、ミスティーク(過去編)の吹き替え声優が『ファースト・ジェネレーション』の牛田裕子氏から剛力彩芽氏に変更された事は、多くの批判が殺到した。
20世紀フォックスは『ザ・シンプソンズ MOVIE』でもメインキャラの声優を芸能人に変更して批判を受けた末、映像ソフト版では元々の声優陣によるバージョンを同時収録した前例があり、本作でも牛田氏による吹き替えを新たに制作してほしいとの声も多かったが、様々な事情で別音源の制作が困難でもあったため、結局ソフト化の際は劇場公開版のみが収録された。

2015年7月には、劇場公開版からカットされたシーンを追加した(主にローグの登場シーン)、『ローグ・エディション』がBlu-rayで発売された。また、ミスティークの吹き替えも牛田氏によって再録され(同時収録された劇場公開版はそのまま)、以後の続編でも引き続き担当するようになった。



【物語】
2023年、ミュータントは絶滅の危機を迎えていた―――
バイオメカニカルロボット「センチネル」の横行によりミュータントは次々と駆逐され、世界は荒廃し地獄と化していた。
それはX-MENとて例外ではない。日に日に追い詰められていく彼らは、遂に最後の手段に出る。
キティ・プライドの能力を使って遥か過去へと意識を飛ばし、この出来事の発端を食い止めるのだ。
その使命を、遂に結束したプロフェッサーXとマグニートーに依頼されたウルヴァリンは、1973年の過去へ飛ぶ。
そこで彼に課せられたのは、若き日のプロフェッサー=チャールズとマグニートー=エリックを結束させ、
ミスティークによるセンチネルの開発者トラスクの暗殺を食い止めること。
しかし、様々な事件により疲弊し関係が完全に破綻した二人を結びつけるのは至難の業であった。
そして、歴史の改変がきっかけで事態は予想もしなかった方向へ転がっていく…。



【登場人物】
≪2023年≫
演:ヒュー・ジャックマン
みんな大好き豪快な狼男。
チームのまとめ役として中核を担い、今や貫録も出てきたベテラン兵士。
ヒーリングファクター」による強靭な肉体により時間移動に耐えられることと、過去も同じ身体状態であることを買われ、過去への跳躍を依頼される。
過去での行動がメインなので、「アダマンチウムの骨格と爪」は今回戦闘には使われず。

演:パトリック・スチュアート
X-MEN総指揮官にして頼れる車椅子リーダー。
第3作で死んだはずなのに生き返ったのは双子の弟に精神を移したかららしい。
かつてウルヴァリンを導いたように、過去の自分を彼に託し過去へと送り出す。
最強のテレパス」の共鳴で思わぬ人物と対話を果たすことに。

演:イアン・マッケラン
元ブラザーフッドリーダー。
種族を愛する心を同じくし、かつての宿敵と結束し、共に戦う。
昔の諍いが嘘のようにチャールズとは穏やかに接し、共に過ちを悔やんでいる。
磁力を操る」能力も衰えておらず、今もなお最強クラスの力を戦闘で発揮する。
以前の劇場公開版で吹き替えを担当していた有川博氏の死去に伴い、『SAMURAI』及び本作では日曜洋画劇場版で演じていた家弓家正氏が新たに出演。
その家弓氏も本作公開後に死去したため、ローグ・エディションの追加シーンでは長克巳氏が起用され、家弓氏の音声と併用された。

演:ハル・ベリー
今やすっかりたくましくなった副リーダー。
天候を操る」能力により広範囲にわたるチート攻撃を見せつける。だが…

  • シャドウキャット/キティ・プライド
演:エレン・ペイジ
かつての可愛い最年少も、すっかり大人の女性に成長。
チームの後方支援・およびある意味最大のチート能力で重要な役割を担い、健気に奮闘。
障害物をすり抜ける」能力に加え、その発展形として「他人の意識を過去に飛ばす」能力を発動する。(時間の壁をすり抜けるという解釈らしい)
なお、一般人だと2週間しか逆行できず、それ以上は負荷に耐えられないとのこと。
そこでヒーリングファクターを持つウルヴァリンの意識を過去に送る。

  • アイスマン/ボビー・ドレイク
演:ショーン・アシュモア
かつてのあどけなかった若手もすっかり老け込み立派な戦士となった。
ちなみにローグの出番は劇場公開版では削られており、恋仲がどうなったかは不明。
冷気を放出する」能力の練度は高まっていて、空気中に氷を出してサーフィンのように移動したり、全身を凍結させほぼ全方位に渡る冷凍攻撃が可能。

  • コロッサス/ピーター・ラスプーチン
演:ダニエル・クドモア
相変わらずたくましい筋肉の好青年。
全身を鋼鉄で硬化する」能力で力勝負を仕掛ける。
やられ方がエグイと評判。

  • ルーカス・ビショップ
演:オマール・シー
ミュータント強制収容所を脱獄しミュータント解放軍を作り上げた英雄的存在。
あらゆるエネルギーを吸収する」能力で、味方の能力のエネルギーを受けて蓄積し、自前の光線銃で攻撃する。
ウルヴァリン達と合流する前は、彼が時間を越えてセンチネルから逃げ延びていた。

  • ブリンク/クラリス・ファガーソン
演:ファン・ビンビン
紫髪のアジア系女性。
時空に穴を空ける」能力により、空間転移を使って奇抜な攻撃を仕掛けるサポートを行う。

  • ウォーパス/ジェームズ・プラウドスター
演:ブーブー・スチュアート
ニンジャのような隠密行動を得意とする戦士。
超身体能力」による敵の察知やスピードによる格闘戦が得意。

  • サンスポット/ロバート・ダ・コスタ
演:アダム・カント
全身に太陽エネルギーを宿す」能力の持ち主。
全身から発する太陽フレアで敵を焼き尽くす。さらっと浮遊もできる。パイロの上位互換のようなものと思えばいい。

  • センチネルMk.X
自己進化を遂げたバイオメカニカル・ロボット、センチネルの最終形態。
人類の行き過ぎた支配と戦争により世界を荒廃させ、ミュータントを発見次第殲滅する恐怖の存在。
その魔の手は「ミュータントに味方する人間」や、「将来ミュータントを生むかもしれない人間」にまで及ぶ。
そしてなんといっても厄介なのがその性能。
自己発達能力により、相手のミュータントの弱点となる能力をその都度発現させ、ほぼ必ず倒してしまう。
ビショップの光線で腕が吹っ飛んだり、マグニートーやストームの大技で撃破される描写もあるが、恐るべきことに量産されている。
つまり必死で苦労して倒しても、ほぼ無限に湧いてくる。
どうあがいても勝ちようのない最悪の脅威である。

  • ローグ/マリー・ダンキャント
演:アンナ・パキン
当初は登場シーンが撮影されていたが劇場公開版で出番がオールカットされた。
一同と別れて孤立しながら戦っていたが、敵に捕らえられてしまう。



≪1973年≫
  • ウルヴァリン/ローガン
演:ヒュー・ジャックマン
まだ改造実験されていなかった頃のウルヴァリン。
未来の意識を宿し、過去のチャールズとエリックを説得しようとするも捻くれた二人相手に四苦八苦することに。
かつての自分のように心を閉ざすチャールズを、未来の彼にされたように向き合い、導いていく。
アダマンチウムを埋め込まれていないので能力は「強靭な肉体とヒーリングファクター」と、しょっぱい威力の「ボーンクロー」程度。

  • プロフェッサーX/チャールズ・エグゼビア
演:ジェームズ・マカヴォイ
親友の裏切り、妹分の家出、生徒の徴兵による学園の閉鎖と、次々にわたる苦境によりすっかり自堕落になった御曹司。
強力なテレパス」も今や疎ましいものでしかなく、能力の封印と引き換えに不随になった足を回復させている。
今回初めて、他人の意識と繋がることに恐怖を抱くという弱い一面を見せ、さらにエリックへの憎しみを露にしている。
しかし、ウルヴァリンの説得と、未来と繋がっているウルヴァリンを通して未来の自分とテレパスで対話したことにより、未来への希望を見出していく。

  • マグニートー/エリック・レーンシャー
演:マイケル・ファスベンダー
すっかりミュータント強硬派となった若き磁界王。
今回はJFK暗殺事件の容疑者としてペンタゴン地下に拘束されている。
トラスクの蛮行により仲間のミュータントを殺され人間への憎しみをますます強め、見て見ぬふりを決め込むチャールズにも怒りを表している。
ミュータントの未来を何よりも優先し、そのためには仲間の犠牲をも厭わない相も変わらず色々と極端な男であり、
そのせいで脱獄後は「磁力を操る」能力を最大限に悪い方向に発揮しさらに事態をややこしくさせてしまう。
クライマックスで披露した演説は、単なる悪役に留まらないマグニートーなりの正義や信念が表現された名シーンと評する声も多く、さらにはそのことを後悔する未来のマグニートー自身が直後に映るのも味わい深い。

  • ミスティーク/レイヴン・ダークホルム
演:ジェニファー・ローレンス
実験体にされ殺された仲間の敵討ちに燃える若き暗殺者見習い。
復讐に身を捧げ、最早エリックともチャールズとも袂を分かち孤立無援の戦いを続けている。
今回は「変身」を駆使した隠密行動や体術による格闘戦の披露でスキルの向上を見せている。
しかし、彼女がトラスク殺害により捕えられ変身能力をもとにしたDNAを採取されたことが原因で未来のセンチネル強化に繋がり、
ウルヴァリンやチャールズからは止められ、エリックからは命を狙われることになってしまう。

  • ビースト/ハンク・マッコイ
演:ニコラス・ホルト
周囲の人間をほとんど無くしたチャールズの世話をしている苦労肌な若き天才科学者。
自身が発明した薬で日常生活での外見を通常の状態に戻すことに成功。
だが怒りに身を任せると「青い強靭な獣の肉体」をもった身体に変化しその力を発揮する。
色々な意味で豪快なウルヴァリンとはソリが合わない。

  • クイックシルバー/ピーター・マキシモフ
演:エヴァン・ピータース
能天気で楽天家な青年。自身のミュータント能力で小犯罪を続けていた。
ウルヴァリンに依頼され、自身の能力を買われエリック脱獄の手助けをする。
能力は「超高速移動」で、あたかも周囲の動きが止まったかのように遅くなり一瞬のうちに行動することができる。
翌年に公開された『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』に登場したキャラとは別ユニバースなので別人設定。
妹がいるが、未公開シーンで姉の存在が仄めかされている。
2021年のアベンジャーズ世界舞台のドラマ『ワンダヴィジョン』にて、世界線が違うのに同じ演者・吹替で登場する事になる。

  • ボリバー・トラスク
演:ピーター・ディンクレイジ
軍事企業トラスク・インダストリーの社長で、ロボット・センチネルの開発者である小男。
ミュータントを絶対的脅威とみなし、ミュータント殲滅のためにはあらゆる非情な手段も辞さない強硬派。
その一環としてミュータントを次々と捕え、実験体として殺しており、それがミスティークの恨みを買うこととなる。
改変前はミスティークに殺され、改変後も自身が襲われたことをいいことにセンチネルの開発を促進させる。

  • ウィリアム・ストライカー
演:ジョシュ・ヘルマン
トラスクの補佐を務める米陸軍少佐。
ウルヴァリンにとって因縁深き男の若かりし頃であり、この時からすでにミュータントを見下している。
トラスクに実験台として捧げるミュータントを戦場から拉致していた。

  • ハボック/アレックス・サマーズ
演:ルーカス・テイル
元初代X-MENの「破壊光線」能力者。
スーツ無しで能力を制御できるようになっている。
ベトナムに徴兵され、ストライカーに誘拐されそうになったがミスティークに救出された。
顔馴染みのミスティークをマグニートーと決裂し単独行動を取っていることを知り、複雑な表情で見送る。

  • トード/モーティマー・トィンビー
演:エヴァン・ジョニクカイト
同じくベトナムに徴兵されたミュータント。
カエルのように舌を伸ばせる」男である。
第1作のトードとは明らかに見た目が違うが、マグニートーの演説の中継を見て深々と頷くシーンもある。

  • センチネルMk.1
特殊樹脂製の初期量産型センチネル。
73年製だというのにミュータント遺伝子自動識別型のオーバーテクノロジーの塊のロボット。
ホワイトハウスで初のお披露目となるはずが、思わぬ標的に使われる。





【余談】
  • 「ファイナル ディシジョン」に登場したエンジェル、ビースト(老)、「ファースト・ジェネレーション」に登場したエリック、ミスティーク以外の初代ブラザーフッドおよびバンシーは死亡したという設定。
前者は人間の暴動に巻き込まれたため、後者はトラスクによる非情な実験によるもの。
特に後者は劇中で写真で登場するのでかなりショッキング。


  • 今作を作るにあたって、世界の年表が改めて作られた。
旧三部作の裏でかなり悲惨な状態になっているとわかる。




追記・修正よろしくお願いします。


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最終更新:2024年02月07日 21:02