WWE(プロレス団体)

登録日:2014/05/23 (金) 00:53:53
更新日:2024/04/15 Mon 15:35:30
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『WWE(World Wrestling Entertaiment)』とはアメリカ最大のプロレス団体及び興行会社である。






概要

創設者はビンス・マクマホン・シニア。
マクマホン家はシニアの祖父の代からプロレス興業を取り仕切っていたプロレス一族であり、1925年から団体の本拠地であるニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデン(MSG)で興業を行っていた。
第二次世界大戦中にはMSGがプロレス興業を行わなかったのでワシントンに拠点を移していたが、1954年よりシニアが後を継いでMSGへと帰還を果たした。
その後は、北米(世界)最大のプロレス組織であるNWAに加盟してニューヨーク地区でのテリトリーを守っていたが、1963年に本部の意向を無視して自分の擁する有力選手からタイトルが流出することを拒み、これを機に自分達の独立性を確保するべくNWAとは別組織として新団体WWWF(World Wide Wrestling Federation)=スリーダブリューエフを設立した。
有力選手を多数擁していたWWWFは順当に成長し、北部地区のAWA、南西部のテリトリーを纏めるNWAと共に世界三大テリトリーとして、日本のプロレス界から見ても最上級のブランド名の一つとして仰ぎ見られていた。
1979年3月より団体名をWWF(World Wrestling Federation)に改名。
そして、1982年6月より父との不和による困窮生活を経て、自らもプロレス業界で働いていたビンス・マクマホン(Jr.)とリンダ・マクマホン夫妻が親会社キャピトル・レスリング・コーポレーションの株を譲渡ではなく買収という形で手に入れ新会社タイタン・スポーツを設立。
これからは興業形式ではなくケーブルTVがプロレスの新たな媒体となると確信していたビンスは、AWAでは未熟な大男でしかなかったハルク・ホーガンや体格には恵まれないがハンサムで弁舌が立つロディ・パイパーの様なTV向きの才能を持つ選手を買収し、興業時代には不可侵であった他のテリトリーでの興行とTV中継を行う等、瞬く間に勢力を拡大していった。
このWWFの躍進を旧来のプロモーターは同名小説に準えて『1984 』と呼んだ。

そして、1985年3月に『レッスルマニア』を開催。
シンディ・ローパーやミスターTのような芸能人から、元ヤンキースの監督のビリー・マーチン、かつてアントニオ猪木との対戦経験もあるモハメド・アリ等も登場していたWWFによる一大イベントは、プロレス興業の常識を超える400万ドルの収益を収め、ここから世界一のプロレス団体としてのWWFの歴史が始まりレスリング・ルネッサンスと評された。
1990年代には、元NWA系の人員が参加したWCWとの視聴率戦争で苦境に追い込まれたが、従来のスター選手頼みのWCWに対して、自らもリングに上がり有望選手の格上げに貢献したビンスの頑張りもあって、数々の新しいスターを誕生させることになった。
特に有名なのがビッグ4であり、彼等はゼロからビンスが見出だした選手である。(※アンダーテイカー、トリプルH、ストーンコールド、ザ・ロックだが、WWE全体で見るとホーガン、ストーンコールド、ザ・ロックを最高傑作とする声もある。)

また、2002年より長年に渡って親しまれたWWFよりWWEに団体名を変更しているが、これはWWF(世界自然保護基金)より「紛らわしい」との訴訟を起こされ、破れた為である。

一時期はホーガンやストーンコールドが全盛期で活躍していたWWF時代の映像や音声コンテンツにわざわざ修正を加える必要に迫られていたが、WWFとの交渉により無修正のままで過去の試合やインタビューが見られるようになった。

尚、WWEへの改名と共に親会社であるタイタン・スポーツの名称もWWEに変更。
証券コードもWWEである。





こうして、現在ではアメリカのプロレス業界をほぼ独占しており、資本力や興行の規模において、アメリカどころか世界中に比肩できる団体がないほど大きな団体である。

株式の80%を社長であるビンス・マクマホンJrとその一族が保有している典型的な家族経営の企業ながら、同社長の手腕により上記の様にほぼ一代にして空前のプロレスブームを巻き起こした。


またプロレス界ではタブーとされていた『ブック(台本)』の存在を公式に認めており、プロレスをあくまで『エンターテイメント』であると公表している。








タイトル(NXTを除く)


WWE ユニバーサル王座

WWE 世界ヘビー級王座

WWE ロウタッグ王座

WWE スマックダウンタッグ王座

WWE US(ユナイテッド・ステイツ)王座

WWE IC(インター・コンチネンタル)王座

WWE ロウ女子王座

WWE スマックダウン女子王座

WWEクルーザー級王座(RAW)

WWE女子タッグ王座






特色



【ショープロレス主義】


前述の通りブックの存在を認めているため「ドラマ仕立てのショープロレス」に徹しており、所属レスラーには分かりやすいギミック(設定)を与え、明確なアングル(抗争などのストーリー)がある。

荒唐無稽なキャラクターや演出も多いため、硬派なプロレスが好きな層からは敬遠されたりもする。

※例
アンダーテイカーの墓堀人ギミックや瞬間移動、雷の発生など
他にも歯医者、通販のセールスマン、変身ヒーロー、知的障碍者ギミックなどなど…枚挙に暇がない


その為、レスリングの技術が拙くともキャラクター性が良ければ優遇される事も多く、ハルク・ホーガンの後に看板レスラーになったアルティメット・ウォリアーは、毎回ワンパターンなゴリ押し展開で技も雑だが、そのキャラクター性で人気レスラーとなった。

とは言え、ギミック・アングル・選手の技量やスター性がガッチリとハマったストーリーになれば燃える展開も多く、下手な映画やアニメより熱い展開もあるため世界中にファンは多い。





また、現実の出来事とストーリーを絡めることが多いのも特徴である。

※例
マット・ハーディーのリアル彼女リタエッジのマジ不倫をストーリーに組み込み抗争開始


珍しい例としてトリプルHとビンスJrの娘ステファニーが結婚するストーリーが組まれ、紆余曲折ありながら数年後離婚。と思ったら夫婦ストーリーが終了した翌年リアルの方で結婚。さらに数年後フロント入りしたトリプルHが「みんな知ってると思うがステファニーは俺の嫁だ」と再び夫婦ストーリーが再開している。


それなんてニセコイ



潤沢な資金による派手な演出も特徴的で、2012年に行われた団体最大の興行「レッスルマニア」の28回大会では花火だけで50万ドルもの資金を投入し、890万ドルもの収益を叩き出してプロレス業界最大の興行収入を記録している。









【パフォーマンス】


WWEで成功するにはマイクパフォーマンスが必須と言われており、実際団体のトップにまで上り詰めた選手には名台詞やキャッチフレーズが多い。


If ○○○,give me the hell yeah! ←「○○○して欲しい奴は『ヘルイェー』って叫べや!」

If you smell what The Rock is cookin'!←「ロック様の妙技をたっぷりと味わうがいい!」



またストーリー重視主義のため試合前のマイクパフォーマンスだけでは無く、ドラマパートでの演技力も求められるため、わざわざハリウッドで演技指導を受けたりしている。そのためザ・ロックのように映画デビューする選手も多い。

もちろんジ・アンダーテイカーやケインなどマイクパフォーマンスを行わずとも人気の高い選手もいる。(両者とも初期は全くの無口であった)







【用語】


WWE特有の用語が多く、一貫して「プロレス」という単語を用いず【スポーツエンターテイメント】と呼ぶ。


他にも

レスラーを【スーパースター
ファンの事を【WWEユニヴァース

と呼んでいる。

他にも特定レスラーのファンに固有の呼び名がある場合がある。特に有名なものとしてハルク・ホーガンのファンを【ハルカマニア】と呼ぶ。


かつては女子レスラーを【ディーバ】と呼んでいたが、男子と女子の試合が同格に扱われつつあり、今では女子レスラーも「スーパースター」と呼ばれる。
賑やかし枠の試合の出来ない女子レスラーといった意味での煽りとして今でも使われることがある。




【ファン】


WWEの特徴に観客参加型の興行スタイルがある。

そのひとつがサインボードによる応援である。観客が持参したサインボードを掲げるだけだが、その内容は選手の名前や必殺技が書いてあるだけのものから、選手の特徴や開催地などに掛けたもの、可動式、数人で掲げる横断幕的なものまで千差万別である。

また「チャント」と呼ばれる声援も特徴的で、特に有名なものはヒールのマイクアピールに合わせて「What?」と合唱するものがある。(由来についてはストーン・コールド・スティーブ・オースチンの項を参照)



カート・アングルの入場曲に合わせて「You Suck!(和訳:へなちょこ!)」

激しい試合に対して「Holy Shit!Holy Shit!(和訳:超すげぇ!超すげぇ!)」


会場の一体感を生むチャントが人気を左右することもあり、ダニエル・ブライアンは天を指差しながら「YES!YES!」と叫ぶパフォーマンスを始めたあたりから人気が出始めた。






【政治活動】


会社全体として共和党主義者が多く保守派、極右色が強い団体である。

古くはイラン人ヒールであるアイアン・シークに始まり
冷戦期には共産主義者ニコライ・ボルコフ
湾岸戦争時には愛国者サージェント・スローターがサダム・フセインの友人設定でヒールにフェイスターン
イラク戦争時には、イラク攻撃に反対したフランスへの当て付けにフランス系レスラー二人によるラ・レジスタンス
ラ・レジスタンスと同時期に活動した非アメリカ人による反米ユニット(カナダ人3人+イギリス1人)アン・アメリカンズ

など観客の愛国心を煽るギミックが多い。この手のレスラーが出てくると盛大なブーイングと共にUSAコールが上がる事が多い。

他にも米軍の駐屯地への慰問も積極的に行っていたが、共和党のイラク侵攻の失敗や世論の変化によりこの右翼色は薄れつつある。





【保守志向】

歴代の最高位王者に有色人種が少なく、在位期間も短い事から「人種差別主義では?」と疑われる事も多い。
例えば史上初のメキシコ人最高位王者になったエディ・ゲレロは在位期間が短く、2度目の戴冠は無かったし、最近ではメキシコ人レスラー、アルベルト・デル・リオがWWEスタッフの人種差別発言に腹を立てて暴行をはたらき退団している。

一方で黒人とサモア人のハーフでありながら団体の象徴となったザ・ロックの存在や、WWE殿堂に黒人選手が多数いるため、必ずしも白人至上主義という訳ではないが、歴代王者に有色人種が少ないのも事実である。



【スケジュール・番組】



現在放送中の番組一覧


月曜日「RAW
水曜日「NXT
金曜日「SmackDown Live」「205 Live


選手は「RAW」「SmackDown」の二つに分かれて所属し基本的なストーリーはこの二つの番組を中心に進む。
しかし現在はそれぞれの番組同士の交流が増え、両ブランド所属選手が出る「WWE Superstars」の開始に伴い、ブランド分けの意義は薄れつつあったが、2016年に放送終了。この年より、RAW、SDから独立したクルーザー級の選手限定の番組「205 Live」が開始される

RAW」はWWE内で最も古く、また現在アメリカでもっとも長く存続している毎週放送番組である。RAW=生が示す通り当初から一貫して生放送(海外公演等一部例外あり)である。またストーリー重視という姿勢も一貫している。時代によって「Monday Night RAW」(開始直後)や「RAW is WAR」(アティテュード時代)など微妙に名前を変えている。

SmackDown」はRAWに続く長寿番組。長らく録画放送を行っており、内容もRAWとは逆に試合を重視していた。放送曜日は録画放送時代は火曜収録・木曜放送、生放送の始まった2016年からは火曜、放送局が変わった2019年10月からは金曜日と変遷している。

NXT」は上記2番組対するファーム番組であり、この番組で活躍を収めた選手はは1軍選手として「RAW」か「SmackDown」に昇格することになる。
初期こそ新人発掘リアリティショー的な内容であったが、現在では試合中心とした番組へと変化した。通常放送の収録はフロリダ州のフルセイル大学で行われる。当初は録画放送で毎月一度にまとめ撮りされていたが、2019年9月からは生放送となっている。番組独自のPPV「NXT Takeover」も行っている。
「世界一金のかかったインディ団体」とも呼ばれ、1軍では出来ない危険技が使えたり、よりハードコアな内容であったりするため、プオタを中心とした高い人気から一ブランドとしての価値を高めつつある。NXTの観客はレベルの高いプオタが多く、世界中のレスラーの事を知っていたり一体感溢れるチャントを飛ばす。
余談ではあるが、NXTの管轄はCOOのトリプルHが行っている。このことからネット上ではNXTを「婿入りしたマスオさんの作ったジオラマ」と呼ぶ声もある

一応「RAWは娯楽番組」「NXTはプロレス番組」「SDはその中間」というのを念頭にブックは作られている模様。

所属番組の変更は基本的に4月のレッスルマニア直後の週に行われる「スーパースター・シェイクアップ」で行われる。この時を王座につく選手が移動すると、同時に王座の所属番組も変更となる。

これらの他、月に一回のPPV(試合の視聴権を買い取るシステムでアメリカでは一般的。和訳では『特番』と呼ばれる)を行い、普段の興行よりも大掛かりな物となる。
「ロイヤルランブル(1月)」、「レッスルマニア(4月)」、「サマースラム(8月)」、「サバイバー・シリーズ(11月)」の事を4大PPVとも呼ぶ。毎年新設・廃止・時期移動されるPPVもあるが、4大PPVに関しては名前も開催月も毎年固定である。

年間PPVの一例(2018年)

1月:Royal Rumble
2月:Elimination Chamber
3月:Fastlane
4月:WrestleMania
   Greatest Royal Rumble
5月:Blacklash
6月:Money in the Bank
7月:Extreme Rules
8月:SummerSlam
9月:Hell in a Cell
10月:Super Show-Down
    Evolution
11月:Crown Jewel
    Survivor Series
12月:TLC:Tables, Ladders & Chairs

特色のあるPPV

「レッスルマニア」(4月)
世界最大のプロレスの祭典。動員・視聴者数もさることながら、この大会に出ることはプロレスラー最高の栄誉であり、ロイヤルランブル頃からレッスルマニアまでの「ロード・トゥ・レッスルマニア」で各選手がレッスルマニア出場をかけてしのぎを削る。
直前にはWWE殿堂の授与式が行われる。

「マネーインザバンク」(6月)
大会名でもあるマネーインザバンクラダー戦が行われる。リングの上に掲げられたアタッシュケース(カバン)を獲得した者は、「いつでも王座に挑戦(キャッシュイン)できる」権利を得る。得られたカバンは大抵チャンピオンの不意を突いて使用される。

「サバイバーシリーズ」(11月)
早い話が番組別対抗戦。RAW・SD両番組の同格の王座同士(IC王座とUS王座など)による試合及びエリミネーション戦でどちらの番組が多く勝てたかで勝敗が決まる。2019年のサバイバーシリーズにはNXTも参戦している。

「TLC」(12月)
Table, Ladder, Chairの略。机・脚立・椅子を使ったTLC戦が行われるのが特徴。

「ロイヤルランブル」(1月)
選ばれた30人が次々とリングに入って行き、トップロープから振り落とされて、リング外に両足が付いたら失格となるバトルロイヤル、「ロイヤルランブル戦」が行われるのが特徴。番組も関係なくごちゃまぜのため、普段絡みのない選手同士の戦いも見ることが出来る。優勝者はロイヤルランブルでの王座挑戦権が与えられる。
コフィ・キングストンという選手が毎年落ちかけて如何に復活するかというネタを披露する。

NXTも独自に「NXT Takeover」というPPVを行っている。


広大なアメリカ全土を転戦しながら年間に200試合以上行う過密スケジュール、毎週の番組収録や収録の無い「ハウスショー」、その他インタビューやCM・映画の撮影にファンイベントをこなしながら練習も行うなど、選手には広い意味での体力を求められる。






【J-SPORTS】



日本においてWWEの番組を流してくれるありがたいチャンネル。

現在のスケジュールは
  • 火曜9:00 RAW Live(英語版)→翌週月曜18:00 RAW(日本語字幕版)
  • 土曜9:00 Smack Down Live(英語版)→翌週金曜18:00 Smack Down(日本語字幕版)
となっている、またオンデマンドでは各PPV(日本語字幕版)も販売している。こちらは大会開催日の翌日曜に字幕版で公開。
英語版は本当に現地放送をそのまま流しているだけなので、英語が堪能でないと理解しづらい。
ただ1週間先取り出来るので、雰囲気だけでもいいなら堪能可能。
なお契約の都合か本編は全てJ-Sports4もしくはオンデマンドの有料放送に切り替わった*1
1時間に纏めたハイライト版はJ-Sports3で視聴可能、本編の日本語字幕版と同日放送。

さらに忘れてはいけないのが「和訳」である。

全盛期には放送禁止用語やスラングが飛び交うWWEにおいて、英語の細かなニュアンスの違いを正確に、時に誇張して訳する事で面白さを伝えてくれるのである。


例えば「Suck」という単語は本来の意味では『吸う』を意味する動詞である他、他人を馬鹿にする言葉としても使われるのだが、それを状況や選手に合わせて訳を変えている。


D-ジェネレーションX「Suck it!(初期は「しゃぶれ!」であったが後に「クソッタレ!」に変更されている)」

カート・アングルの入場曲に合わせて「You Suck!You Suck!(へなちょこ!へなちょこ!)」

ジョン・シナに対する罵声「Cena Suck!(シナ最低!)」

ブッカーTの決め台詞「Can You Dig It,Sucka?(分かったかって言ってんだ、タコ!)」


など




他にもザ・ロックの名台詞「If you smell what The Rock is cookin'!」は直訳すると「ロックの作った料理の匂いの嗅ぎなさい」だが、J-SPORTSにかかれば「ロック様の妙技をたっぷりと味わえ!」である。また南部訛りを話すダッドリーボーイズには岡山弁が当てられている。










歴史




詳細は本家に任せてざっくりと


【前史】

1925年 ロドリック・ジェス・マクマホンがマディソン・スクウェア・ガーデンを拠点に、プロレスやボクシングのプロモーターとして活動開始。






【WWWF設立⇒WWF、そしてビンスJrによる買収】


1954年 ロドリックの死去に伴い、息子のビンス・マクマホンSrが興行会社社長に就任。

1963年 WWWF(World Wide Wrestling Federation)設立

1981年 WWWFからWWF(World Wrestling Federation)へと改称



当時の米プロレス界は各地方に存在する大きな団体が、お互い暗黙のうちに不可侵条約を結んでおり、様々な団体に参戦したアンドレ・ザ・ジャイアント等を除けばやや閉鎖的な雰囲気があったようである。








【地方団体から全国区へ】


1982年 リングアナウンサーやプロモーターをしていたビンス・マクマホンSrの息子、ビンス・マクマホンJrがWWFの親会社の株式を買収。新会社を設立し社長に就任。

1982~1984年 ハルク・ホーガン、ロディ・パイパー、ポール・オンドーフなど他団体からの引き抜きを行う。同時期にライバル団体NWAの放送枠を奪い取りテレビ中継を開始、いきなりNWAのお膝元セントルイスで興業を行った。

1985年 団体最大の興業である『レッスルマニア』を開催。以降毎年春に開催されるようになる。

1987年 デトロイトで行われたレッスルマニアⅢにて観客動員数9万3173人を記録。2010年にNBAオールスターの10万人超に抜かれるまでインドア・スポーツの観客動員数の世界記録だった。



この時期ビンス・マクマホンJr(以下ビンスと呼称)は全米マットの制覇を画策して不仲だった父親を追放。他団体からの引き抜きやテレビでの放送権獲得、他団体の買収など様々な手段で事業を拡大。
その快進撃はメディアから『レスリング・ルネッサンス』と呼ばれ、その先頭で活躍したハルク・ホーガンは一躍国民的大スターになった。

ハルク・ホーガンが俳優業で忙しくなると、ランディ・サベージやジ・アンダーテイカー、アルティメット・ウォリアーらが台頭。またNWAから派生して生まれたライバル団体WCWの王者リック・フレアーの移籍などもあり話題には事欠かなかった。

しかし、この頃会社内でステロイド剤の流通問題が表面化。以降数年間に渡る裁判で無罪は勝ち取ったものの、いかにもステロイダーな筋肉モリモリマッチョマン系のレスラーは他団体へと流出していき、代わりに台頭したのがナチュラルな肉体と卓越した技術をもったブレット“ザ・ヒットマン”ハートだった。






【新世代の台頭、Monday Night Warsへ】


1993年 WWEのテレビ番組「Monday Night Raw」がスタート。ハルク・ホーガン脱退。WCWの副社長にエリック・ビショフが就任

1994年 ハルク・ホーガン、ランディ・サベージがWCWと契約

1995年 WCWのテレビ番組「Monday Nitro」をスタート



名前を変えながらも現在も続く長寿番組「RAW」がスタートするが、WCWが明らかに「Monday Night Raw(マンデー・ナイト・ロウ)」を意識した「Monday Nitro(マンデー・ナイトロ)」をスタート。それまで一人勝ちムードすら漂っていたWWFに真っ向から喧嘩を売る形になり、ここに『Monday Night Wars』と呼ばれた視聴率戦争が勃発する。

WWFはショーン・マイケルズやディーゼル、レイザーラモンなどの若手が活躍するものの、スター選手を引き抜かれたこともありWWFは徐々に失速。一方のWCWはハルク・ホーガンを中心とした『nWo(New World Order)』や無敵の超人ビル・ゴールドバーグの台頭により人気が爆発。その後約83週に渡り視聴率はMonday Nitroのほうが上回った。





【Attitude Era。そして天下統一へ】


1997年頃 WWFは徐々に下品で過激なアティテュード路線へ方向転換。番組名も『RAW Is WAR』へと変更。モントリオール事件

1999年 WWFのテレビ番組「SmackDown!」がスタート

2001年 全米第3の団体だったECWが破産しWWFが買収。同年WCWもWWFに買収され。事実上全米のプロレス界をWWFが独占する。





WCWに対抗するため、WWFはそれまでの家族みんなで楽しめるファミリー路線から、過激な試合内容と放送禁止用語が飛び交う下品なアティチュード路線へと方向転換を図る。


ショーン・マイケルズトリプルH、チャイナによりD-ジェネレーションXが結成され、低レベルな悪ふざけとセクシー要素を強く打ち出し人気を得る。

すると社長であるビンス・マクマホン自ら『悪の大社長』として団体のトップヒールに君臨。そして地味な技巧派ヒールから、凶暴で気に入らない奴は誰であろうと叩きのめす無頼漢へと変貌を遂げたストーン・コールド・スティーブ・オースチンとの抗争をストーリーラインの軸にしていった。

傲慢な経営者とそれに苦しめられる選手達はまさに社会の縮図であり、権力に屈せず気に入らない連中に片っ端から中指を立ててぶちのめしていくオースチンの姿に全米が熱狂。再び全米にプロレスブームを巻き起こす。

一方で、危険を省みないハードコアレスリングを売りにしたミック・フォーリーや、そのミックとの抗争でザ・ロックは一気にスターダムへとのし上がる。

さらにアトランタ五輪レスリング競技金メダリスト、カート・アングルが参戦。アマレスで鍛えられたレスリングテクニックと抜群のプロレスセンスでオースチン、ザ・ロック、トリプルHに続くアティチュード路線第4の男として人気を博した。

また、この頃WCWから『大巨人』ビッグ・ショーや、WCWのベテランレスラーびいきに辟易していたクリス・ジェリコエディ・ゲレロクリス・ベノワなども移籍してくる。



しかしこうした快進撃の裏では、高給取りの看板選手の中で唯一アティチュード路線に反対したブレット“ザ・ヒットマン”ハートを、会社側によるブック(台本)破りという前代未聞の暴挙で追い出したり(モントリオール事件)、その弟オーエン・ハートが入場パフォーマンスの事故で死亡するなど暗い話題も多かった。



ポール・ヘイマン率いるECWは「Extreme Championship Wrestling」の名の通り、過激な試合内容と高度なテクニックを持った選手達による試合内容で人気を博し、アメリカ第3の団体にまで成長するが、経営下手なフロントのせいで経営難になりWWFが買収。

WCWは90年代終わりからストーリーが迷走。挙句スター選手の身勝手な行動などにより次第に組織としての力が弱体化していき視聴率も低迷。莫大な借金を抱えWWFに買収。ここにWWFによる米プロレス業界の天下統一が成されたのである。






【WWFからWWEへ】


2002年 団体名をWWFからWWEへ変更。

2006年 WWEの映画部門「WWE Films」設立

2009年 「RAW」「SmackDown!」両ブランド関係無く選手が登場する番組「WWE Superstars」スタート

2010年 新人育成番組「NXT」スタート



WCWの番組「Monday Nitro」の最終回にビンスが登場、WCWの元副社長エリック・ビショフやECWのプロデューサーであるポール・ヘイマンを番組で起用するなどして全米制覇をアピールするが、競合相手がなくなった事により視聴率や観客動員数が減少するなど、必ずしもいい事だけでは無かった。

だが、両団体の選手を獲得したことにより選手層は大幅に厚くなり、ビンスの長男であるシェイン・マクマホンと長女ステファニー・マクマホンがWWEの株式の半分を買収、ECWとWCWの連合軍「アライアンス」を率いるという新しいストーリー展開も始まる。

この後、選手が増えすぎたため「RAW」のGMビンスと「SmackDown!」のGMとなったリック・フレアーがドラフトという形で選手を振り分けを行い、「RAW」と「SmackDown!」の両ブランド制が確立する事になる。


アティチュード期の看板レスラーだったストーン・コールド・スティーブ・オースチンが怪我の影響により事実上の引退、ザ・ロックも映画俳優としての道を歩み始め、速やかな世代交代を強いられる。


それまでタッグ戦線で活躍していた若手のエッジやジェフ・ハーディー、無個性いい子ちゃんベビーフェイスからラッパーキャラとして人気が出たジョン・シナ、偉大なレスラーを祖父と父に持つ3世レスラーのランディ・オートンなどが次世代の顔として期待された。

日本でも活躍したエディ・ゲレロクリス・ベノワもその経験と技術で団体を大いに盛り上げたが、残念ながら両者とも故人となってしまった。


また2004年にECWのDVDを発売したところ、売り上げが好調だった事から2005年に一夜限りの復活興行「ECW One Night Stand」を行うとECW人気が再燃。レギュラー番組となって毎週放送されるが、過激過ぎるかつての姿は無く、挙句の果てにECWと関係無い選手まで参戦したことから徐々に視聴率は低迷した事で放送終了、新人育成番組「NXT」に放送枠を譲ることになる。


2006年に設立された「WWE Films」の映画第1弾としてホラー映画「See No Evil(放題:シー・ノー・イーヴル 肉鉤のいけにえ)」が公開され、主演に赤い処刑マシーン・ケインが選ばれた。
以降、コンスタントに映画を製作。ジョン・シナ主演のアクション映画「The Marine(邦題:ネバー・サレンダー 肉弾凶器)」やトリプルH主演のヒューマンコメディ「The Chaperone(※日本未公開)」など。







【現在】


2011年 社名を「WWE Inc」に改称。

2014年 有料ストリーミングサービス「WWE Network」スタート

2018年 史上初の女子限定PPV「Evolution」開催

2019年 「AEW」旗揚げ

WWE黄金期を支えた選手の引退やベテランになったことによる試合数の減少、PG規制による過激描写の規制によりかつてのような試合は見られなくなってしまった。

だが、ジョン・シナがオースチン、ザ・ロックに次ぐ団体の顔に成長。素行の問題はあるもののランディ・オートンももう一人のスターとして活躍するようになる。

一方でCMパンクやダニエル・ブライアンなどインディー団体出身者がWWE王者になり、NXT出身者で組まれたタッグチーム「シールド」が人気を博すなど、新世代の台頭を感じさせた。

前述のPG規制の影響によるファミリー路線やレジェンド枠としてかつての大スターを定期的に登場させたり、現在俳優としての活動がメインのザ・ロックのように時々しか戦わない者に王座をとらせるなどの行為については賛否両論であるが、会社としての収益は右肩上がりのため、これからもこの路線でいくと思われる。

2018年には史上初の女子限定PPV「Evolution」が開催。これには一応の裏があり、この大会の直後には女子レスラーの出場が難しいサウジアラビアでの男子限定PPV「Crown Jewel」が予定されていた事が関係深い。
12月にはRAWの視聴率低迷から、GM(ジェネラルマネージャー)を廃止する事が決定。ビンス、トリプルH、ステファニー、シェインらマクマホン一家が改革に乗り出した。

2019年の新年早々に突如として新団体「AEW(All Elite Wrestling)」の旗揚げが宣言される。大富豪がオーナーを務め、WWEでもなじみ深いクリス・ジェリコ、新日本プロレスからはケニー・オメガなど、大物選手が次々に参戦、PPVの他TV放送まで行うと宣言した。特に同年4月末にWWEを契約満了で退団したディーン・アンブローズことジョン・モクスリーが5月のAEW旗揚げ戦に電撃参戦しプロレス界に衝撃を与えた。かつてWCWとの視聴率戦争を経験したWWE側は客離れ・選手の引き抜き恐れているようであり、AEWの毎週番組の裏にNXTの生放送をぶつけたり、選手の契約延長・更改を促すなど対策をしているようである。







選手以外の主な関係者




※現在、在籍していない人物も含まれます。


ビンス・マクマホン(本名:ビンセント・ケネディ・マクマホン)

WWEの社長であり、一代で米東部の一団体に過ぎなかったWWFを全米を制覇する大企業にまで成長させた稀代の辣腕経営者。

アメリカの経営学の教科書にビル・ゲイツなどと共に掲載されるほど、有能な経営者として知られているが、WWEにビンス・マクマホンとして登場する際は、大抵身勝手で横暴で横柄で凶悪な大社長というキャラクターで団体最高のトップヒールとして君臨している。


WWEの全米マット制覇を原動力となった抗争は、そんな大社長ビンスとストーン・コールド・スティーブ・オースチンとのプロレス版半沢直樹的ストーリーだったが、これは絶対に買収されない人物が自分しかいない為という、どうしようもないほど切羽詰った理由であった。

とは言え、レスリング経験が無いにもかかわらず、年齢不相応にビルドアップされた見事な肉体に天性のプロレス脳、抜群の演技力から並みのプロレスラーどころかトップレスラー並みの名勝負を繰り広げるオヤジである。

近年は加齢のため試合をする事は無く、ストーリーの変化に伴いかつての悪辣ぶりは鳴りを潜めている。一方で、70を過ぎてもレスラーたちに血を流すほどボコボコにされるなど、自ら身を張るスタイルは変わっていない。


その他詳細は「ビンス・マクマホン」の項目参照





☆シェイン・マクマホン


ニックネームは「シェイン・O・マック」

かつてWWEのグローバルメディア部門の副社長を務めていた人物で、父親同様レスリング経験は無いがプロ並かそれ以上の試合をする事でも有名。


父親の命でチケットのモギリなど下っ端から始まり、その後に販売やマーケティング、デジタルメディア部門を任されるようになる。

そしてストーリーがマクマホン家を中心したものになってくると、父親とザ・ロックと共に「コーポレーション」を結成しストーリーに登場。

その後妹ステファニーと共にWWEの株式の50%を買い取って造反。買収されたWCW・ECWの選手達とアライアンスを結成するなど、ストーリーに深く関わるようになっていく。(ちなみにストーリー上WCWのオーナーであった)

父親と仲直りしたり、ケインにツームストーン・パイルドライバーを受けた母親リンダの仇討ちなど活躍するが2009年WWEを退社。現在は中国向けのビデオ・オンデマンド会社のCEOをする傍ら、スポーツ選手のマネージメントを行っている。



入場や試合中軽やかにステップを踏むのが特徴で、プロ顔負けの受身や大一番で見せるコーナートップから隣のコーナーにいる相手目がけてのドロップキック「コーナー・トゥ・コーナー」など身体能力は高い。

特に

Unforgiven2000でのビール吹き出しながら、ストーンコールド・スタナー受け

King Of The Ring 2001での対カート・アングル戦、ガラス目がけてのベリー・トゥ・ベリー・スープレックス受け4連発(本来は2発の予定だったがガラスが割れず結果4連発に。しかも1発目の失敗で脳天から床に落ち失神している)

BackLash2001でのビッグショーで行った、地上15mのセット上から行ったダイブ


などは、もはや伝説となっている。


それ故日本のファンからは「最強の素人」「空飛ぶ御曹司」「世界一体を張った御曹司」「世界一羨ましくない御曹司」などの愛称(?)で呼ばれる。

2016年2月に何の予告もなく7年振りにWWEに復帰する。
突然の復帰にもかかわらずファンの声援は凄まじく、珍しく彼も素で涙ぐんでいた。

2016年のレッスルマニア32のアンダーテイカー戦にてリング復帰。
久しぶりのリングにもかかわらず、ヘル・インア・セルの頂上(6m!)からダイビングするなど「空飛ぶ御曹司」の名に恥じないハードバンプを披露した。翌年のヘルインアセルでも飛び降りた。
そしてこの年からSmackDown!のコミッショナーに就任し、翌年のレッスルマニア33でもリングに立ち、AJスタイルズと対戦。
試合巧者のAJに対してラ・マヒストラル、三角締めといった明らかに一般人離れしたマニアックな技や、スイングDDTやシューティング・スタープレスなど明らかに素人が出来ないような技を繰り出し、「最強の素人」の名に相応しい熱戦を繰り広げた。
ステップの軽やかさは往年のまま、肉体は若い頃よりも明らかにビルドアップしており、レスリング技術は下手なレスラーより高い「ベテランの素人」と化している。

2017年には搭乗中のヘリコプターが墜落する事故が起きるが生還している。いつも飛び降りてばかりの彼なら余裕だっただろう。






☆ステファニー・マクマホン=レヴェック


マクマホン家の長女にしてWWEのストーリー構成部門の副社長。なかなかの美人。
しかし彼女もマクマホン家の一員、見事な演技とルックスで活躍。レスラーとしてリングに上がったこともあり、父親ビンスと試合を行ったりしており、特に後年のブリー・ベラとの対戦では夫の技であるペディグリーをブリーにかましている。

(ストーリー上)かなり不幸体質であり

清純派としてテスト(プロレスラー)の恋人役で本格的にストーリーに参加→ジ・アンダーテイカーにより誘拐

ストーンコールド・スティーブ・オースチンにより救出!→テストとの結婚式の直前、投げつけられたゴミ箱が頭に直撃。記憶喪失に

テストの介護により記憶が戻って、今度こそ結婚!→と思ったら今度はトリプルHによって誘拐。昏睡状態のうちにドライブスルー結婚式場で無理やり結婚


その後、満更でも無かったのかなんやかんやでヒールに転向しトリプルHと悪の夫婦として活躍。

WCW・ECW連合軍ではECWオーナーとなり、その甲高いキンキン声で観客のヒートを買っていたが、この頃しれっと豊胸手術でバストアップ。それをクリス・ジェリコにネタにされ、その模様が全国に放送されるなど上記二人とは別の意味で体を張っている。

2002年ストーリー上、トリプルHと離婚するが翌年の2003年、プライベートでトリプルHと結婚。

その後しばらくはストーリー構成の仕事や、自身の妊娠のためストーリーから遠ざかっていたが、2008年トリプルHが前述の「ステファニー俺嫁発言」と共に再びストーリーに登場するようになった。

現在は再びトリプルHと共に、今度はかつての父のように権力を引っさげてヒール夫婦を演じている。





☆リンダ・マクマホン


WWEの元CEOでありWWEの良心。現在のファミリー路線の元凶の一人。

上記のマクマホン・ファミリーが選手としても試合をしたり、ストーリー上ヒールとして活躍する中、一貫してベビーフェイスであり続け試合も行っていない。(ただしケインのツームストーン・パイルドライバーを鉄製の床の上で受けたりしている)
暴走したり浮気したりするビンスに呆れたり嗜めたりするストッパー役が多く、母としての側面が強調されている。

一時上院議員選挙に出馬した事があり、そのイメージアップのためWWEも過激な試合や発言をしにくくなった。(無論株主の意向や放送ネットの変更などの諸事情のうちのひとつである)

ちなみに右翼色の強い会社の中でイラク派兵にも個人的に反対している。

そして、2017年。
かつてレッスルマニアにも出演したドナルド・トランプ政権において中小企業庁長官に任命された。





☆ジム・ロス

元WWEの実況アナウンサーにして経営戦略部門の副社長を務める人物。テンガロンハットとメガネがチャームポイントで愛称は「JR」。ストンコ大好き。
米プロレス界を代表する実況アナウンサーで、落ち着いた喋り口と長いキャリアで培った知識を元に冷静な実況をするが、トップレスラーの技しか名前を覚えていない事とストーン・コールド・スティーブ・オースチンが乱入してくると、テンションがMAXになりガラガラ蛇にも負けないガラガラ声で興奮気味で実況するのが玉にキズ

2005年頃から何度か体調を崩しており、2009年実況を退きスカウト部門の仕事に就いている。

2007年にはWWE殿堂に迎えられている。




☆ジェリー"ザ・キング”ローラー

かつて地元メンフィスを拠点に活動し「南部の帝王」と呼ばれた名レスラーにして解説者、そしてヒールレスラー贔屓のスケベオヤジである。
WWFには90年代前半に登場し、90年代後半にセミリタイアして以降、ジム・ロスと共にRAWの実況者として活躍するようになる。

落ち着いた実況をするジム・ロスとは対照的に感情的でヒール贔屓な発言が多く、ディーバが出てくるとテンションが上がりスケベなおっさんと化す。


キング「(ディーバ名)が大変だ!介抱してくる!」

JR「いいから、座ってて」


キング「(ディーバ名)の胸が腫れてるじゃないか!俺がさすってこよう」

JR「職務放棄しないでください」


といった掛け合いは定番を超えた伝統芸だった。

しかし長年レスラーとして培った経験を基に発言する場合も多く、シリアスな発言の際の重大さは彼ならではである。
ジム・ロスの引退後も実況を続け、2012年実況中に心臓発作起こし病院に搬送されるなどしたが、未だ現役である。


彼もまた2007年に殿堂入りしている。








☆マイケル・コール

WWEの実況アナウンサー。高めでハキハキした声質が特徴的。
実況の仕事の前はジャーナリストとして活動しており、ボスニア・ヘルツェゴビナでの紛争のレポートや大統領選挙で現職のビル・クリントン付きなどで活躍していた。

1997年にバックステージでのインタビュアーとしてWWFに登場。D-ジェネレーションXの悪ふざけ被害者になりながらも徐々に地位を上げていき、1999年実況RAWでデビューしたのちSmackDown!に移籍。後述のタズの共に名実況コンビとして活躍する。

タズの退社後はJBLことジョン・レイフィールドやジョナサン・コーチマン、ミック・フォーリーなどとコンビを組むようになる。
2008年からはRAWに移籍、ジェリー・ローラーとコンビを組むようになるが、2010年頃よりヒール寄りの発言が多くなる。同年再びSmackDown!に戻り、ブッカーT、ジョシュ・マシューズと実況しながらジェリー・ローラーとの抗争を続け、この抗争は2011年まで続いた。
2012年頃からは新相方JBLがヒール寄りの発言をするうち次第にベビーフェイスよりの実況に戻っていき現在に至る。

余談だが、色白でなよっとした印象のためかかつてはゲイ扱いされることが多く、狂人ヒールだったハイデンライク(♂)に強姦されている。マイコーカワイソス





☆タズ

ECWで猛威を奮ったスープレックスマシーン。WWEでは解説者を務めた。小柄でまん丸で黒いけどたこ焼きではない。
完全実力主義のECWにおいて絶大な人気を誇った米インディープロレスの重鎮だったが、2000年にWWEに登場。試合をこなしながら2001年からは一時的に退団していたジェリー・ローラーに代わり解説者となり、2002年首の故障を理由に現役引退、SmackDown!の解説者に専念することになる。

公平な実況をする相方マイケル・コールとは対照的にヒールよりの発言が多いものの、レスラーとしての経験や豊富な知識を基に一つ一つの技を分かりやすく解説する。

また、ECW参戦前には日本の団体に参戦したこともあり、日本のマット界にも詳しい。


2009年惜しくも退団。







☆ヒューゴ・サビノビッチ
☆カルロス・カブレラ

アメリカの事実上の第2公用語であるスペイン語の実況を担当する二人。
スペイン語らしい軽妙な語り口で話すが、日本では放送されずDVDでは日本語訳は付けられない上に、実況席はPPVの度に破壊される可哀想な人達。

しかし「スペイン語実況席が破壊されないPPVはつまらない」と言うファンも多いあたり、やはりWWEに無くてはならない人達でもある。





☆ポール・ヘイマン

元ECWのプロデューサーで、現在はWWEのレスラーのマネージャーとしてストーリーに登場するプヲタ。
真性のプロレスヲタクとして育ち、そのプロレス愛溢れる姿勢やマッチメイクによりプロレスファンの支持を集めたが、ECW崩壊を止められずWWFに活動の場を移す。
WWFに移ってからは、実況をしたりアライアンスに加担したりと活動した後、ビッグショーやブロック・レスナーのマネージャーを務めた。

その後SmackDown!のブックを担当、当時のSmackDown!はカート・アングルクリス・ベノワエディ・ゲレロなどの試合巧者・技巧派が多く在籍し、ポール・ヘイマンのブックによるドラマに頼らない名勝負の連発で評価を高めた。

一時期退団していたが、2012年に同じく退団していたブロック・レスナーと共に復帰。レスナーの一時離脱の後はCMパンクと組んだり、RAWのGMに任命されたディーバのAJリーに求婚したりしたものの、現在は再びレスナーの相方をしている。







☆リリアン・ガルシア

セクシーでラテン美人なリングアナウンサー。ストーリーには殆ど絡まないが、殺伐とした戦いに華を添えるみんなのリリアン。ザ・ロックが好んでセクハラ(言葉責めのみ)を働いていたのも納得。ちなみに本業は歌手。だがDIVAとして選手と一緒にグラビアにも参加している。一般男性との結婚を期に引退したが、現在は復帰しSmackDown!所属となっている。







☆アール・ヘブナー


かつて在籍した上級レフェリー。WWE史上最悪の汚点「モントリオール事件」で裁いていたレフェリーとしても有名だが、日本ではもっぱら選手の攻撃の巻き添えで失神する「誤爆ニスト」として有名であり、レフェリーが誤爆で失神することを一部のファンが「ヘブナる」と呼ぶくらい伝統芸となっていた。現在は解雇されTNAの所属となっている。ちなみに彼のフィギュアも作られた。



☆マイク・キオーダ

レフェリー。WWE対アライアンスの抗争の際、レフェリーでありながら試合に出場し、ECW側のレフェリー・ニックにロック様直伝の「レフェリーズ・エルボー」を決めた事もある。



☆チャールズ・ロビンソン

レフェリー。見た目がリック・フレアーに似ている事からリトル・ネイチというあだ名がある。
リアクションが大きく試合を盛り上げるのがうまい為か、重要な試合を裁くことが多い。



☆ジム・ジョンストン


誰?と思う人も多いかもしれないが、WWEのスーパースター達の入場曲の殆どを手がけた巨匠。彼無くしてWWEの業界一シビレる入場は有り得なかったと言える。










































★蛇足★



日本の声優。代表作は「魔法先生ネギま!(近衛木乃香役)」「魔法少女まどか☆マギカ(佐倉杏子役)」

キン肉マンⅡ世の出演の際、勉強のためにと見始めたのがきっかけでファンになった。

お気に入りはレイ・ミステリオらしい。




日本の声優。代表作は「マクロスF(ランカ・リー役)」「ハピネスチャージプリキュア!(愛乃めぐみ / キュアラブリー役」

高校時代に制服の中にストーン・コールド・スティーブ・オースチンのアクセサリーを身につけるほどのファン。

ラジオではしばしば彼の話をし過ぎることも(後からプロデューサーに怒られました)







ビンス「そんなに追記・修正したいなら…お前はクビだ!!」



ガシャーンッ!!!



ジェリー・ローラー「WHAT!?」

JR「オースチン!!オースチン!!オースチン!!」



オースチン「オースチン伝3章16節にはこう書いてるぜ、追記・修正しないお前のケツを蹴っ飛ばせってな!」



ʬ

Please,Let's Try This at Your Home.





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最終更新:2024年04月15日 15:35

*1 スカパーでは1-4ch同時契約だが、CATVでは1-3chが基本セット内、4chのみオプション扱いな事が多く、放送料を多く取れる。