10/80(電脳戦機バーチャロン)

登録日: 2014/05/22 Thu 22:58:47
更新日:2023/07/22 Sat 06:56:38
所要時間:約 4 分で読めます




10/80(テン・エイティ)とはSEGAのゲームタイトル電脳戦機バーチャロンに搭乗するバーチャロイド(VR)である。
ユーザーからは「テンパチ」と呼ばれている。



○概要

全高   :15.2m
重量   :7.62t
(全高・重量スペックはテムジンより)


DN社が開発した初期型VRにして高性能なVR、MBV-04テムジンのOEM(ライセンス生産)モデル。
テムジン自体が量産しにくい程の高コスト機であるというわけではないものの本機はさらに大量生産を目的としてかなり強引にコストカットされており、各部が原型機と異なり武装も簡略化されたものとなっている。


初出は模型雑誌ホビージャパンに連載された外伝小説『One-Man Rescue』。
その後、ゲーム『オラトリオ・タングラム』M.S.B.S.Ver.5.66にて改修型の10/80spとして登場。
更に後の時代である『フォース』『マーズ』において10/80advとしてまたまた登場。
他のVRが世代交代で高性能機体に変わっていく中、機体改修のみで一線に立ち続けるというある意味漢の機体である。
なお本機の世代カテゴリーは「1.5世代」である(sp、adv含む)


『オラタン』での二つ名(?)は「旧式改良強化要努力機体」。
ゲーム中では、なんとこの機体だけ操作方法等が前作(無印)準拠
他の機体なら出来て当たり前のオラタンでの新規操作(バーティカルターンや空中ダッシュ)が出来ず、V-アーマーも持たないという凄まじく不利な機体となっている。
…さすがに『フォース』『マーズ』では他機と同等の操作機能が導入され、性能面はともかくゲームシステム上の不利は改善された。


○武装

  • C.G.S.type a1/c、C.G.S.type a1/f
本機の代名詞といえるショートバレル型多目的ランチャー。
テムジンの持つM.P.B.L-7の量産モデルであり、ビームの発射ギミックを連射型に変更したのが大きな特徴で小型化により取り回しが良くなったが、肝心のビームの威力が低下しているため射撃戦での戦闘力は低下している。
ただしブレード形成ギミックは問題なく作動し、ブレード自体の威力は原型機と同じ。
type1/fはsp型に装備された強化型。

  • パワーボム
テムジンの装備と同じ牽制用武装

  • M.P.B.L-7mk2-d9/88
一部の機体が装備する大型ランチャー。
M.P.B.L-7の一世代前のモデルであり、原型機と同じビームを発射することが可能だがこちらはビームブレイドを形成できない。つまりただのビームランチャー



○開発経緯

第0プラント解体後その権利を引き継いで他プラントに先んじる存在となった第8プラント「フレッシュ・リフォー」がその傘下である第3プラント「ムーニー・バレー」にライセンスを貸与し生産を委託したことで誕生。
第二世代型VRの配備が遅れていた(対抗するRNAはアファームド系列をすでに配備していた)DNAに対してテコ入れのために大量に配備された。
性能自体は当然ながら第二世代に対抗できるものではないものの原型機由来の素直な操縦性と高い格闘戦能力から現場の兵士たちの評判はよかった(他に大量生産されたものが重心が高すぎてよくコケるほどバランスの悪いベルグドル系列だったのもある)

その後DNAにも第二世代が配備され始めるとムーニー・バレーはボック系列を開発、その高い生産性と安定した性能から一躍大量生産VRのベストセラー機となるもフレッシュ・リフォー内の新型テムジン(707)の売上で利益を稼ごうとする一派の不興を買い、「10/80を第二世代と戦えるようにせよ」という無理難題を押し付けられてしまう。
結果第二世代のパーツを各部に搭載、武装もアップデートした新型「10/80sp」が完成したが、Vコンバーターなどは10/80そのままのため限度があり正直なところ第二世代と戦えるものではなかった(ちなみに上記の旧式改良要努力機体はspのこと)

さらに時は流れてフォースの時代。マーズクリスタルの影響で火星圏(後に実験の影響で地球でも)第二世代VRが動作しなくなるとその影響の中で稼働できるVRの開発が急務になった。
そんな中、マーズクリスタルの影響下でも動作可能なVRのテスト機として改修が施され「10/80adv」が誕生した。
この機体は本来なら実験機のため市場に出回るものではなかったが、何故か闇市場に出回った本機は第三世代VRが不足していた地域の代替機として戦場に投入されるという数奇な運命をたどった。


○作中での活躍(OMR)

『One-Man Rescue』においては貴重なVR戦力としてDNA部隊の主力として登場、搭乗者が新兵なのもあって不利な戦いを強いられるも、後半では操縦技術が上がってきた兵による数の有利を活かした戦闘で相手を押しとどめるなどただの雑魚機体とはいえない活躍を見せた。
また作中でイッシー・ハッター軍曹が単騎での格闘戦でアファームドを倒してみせるなど、技術と戦術次第では如何様にも戦える模様。



○ゲームでの特徴

オラタンでの10/80spは設定通り第一世代の量産型のため、先述の通りシステム的に第二世代の新機能が削られているという、凄まじく不利な機体である。
そのため普通に考えればハンデ機であるが、テムジンゆずりの格闘戦性能は一応健在なので、その強みを活かせば第二世代とも渡り合うことが十分に可能な玄人機体であった。

10/80advはフォース、マーズで登場。ターボ攻撃や空中ダッシュ、バーティカルターンが可能になったが周囲が第三世代機のためオラタン時代以上に不利であり、また装甲自体も「紙飛行機」と揶揄されるマイザー系列より薄いという、技術でカバーするのも限界があるレベルに達している。
 さすがに公式で「要努力」と言われてしまうことはあるが、しかし多くのプレイヤーから愛されている機体には違いない。



○商品化

WAVEからキットが発売されていた。
また近年コトブキヤからはspが発売、WAVE版にはロングランチャーが付く。
意外とテムジンと異なるパーツが多いので、これが発売されたということはメーカーからも愛されているのだろう。




追記・修正はコストカットしてから。

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最終更新:2023年07月22日 06:56