仮面ライダー THE FIRST

登録日:2010/11/11 Thu 20:11:54
更新日:2023/11/22 Wed 16:52:24
所要時間:約 6 分で読めます







継ぐのは魂


『仮面ライダー THE FIRST』は、2005年に公開された仮面ライダーシリーズの劇場映画作品である。

【概要】

今作は仮面ライダー1号こと本郷猛と仮面ライダー2号こと一文字隼人が主人公として、アクションとコスチュームを一新して作った映画作品。
監督は本作が仮面ライダー映画作品初監督となる長石多可男、脚本は毎度お馴染み井上敏樹
従来のテレビシリーズの続編や番外編とは違い、石ノ森章太郎が1作目放送当時に執筆した原作漫画をベースとして製作されている。


【石ノ森漫画との共通点】

  • 2人の仮面ライダーを含むショッカーの怪人は改造人間であり、自らの身体機能によって超人的な威力を発揮する
  • 仮面ライダーは「変身!」と叫んだり変身ポーズをとったりせず(戦闘中に変身ポーズ風の構えをする)、素顔の上に仮面を自分の意思で装着することで「変身」する
  • 一文字は本郷を襲う刺客として放たれた
などが挙げられることが特徴で、仮面ライダーの原点に返ることをコンセプトとして掲げていた。

……のはずだったがプロデューサーである白倉伸一郎の「仮面ライダーで冬ソナをやる」という発言でわかるとおり、
恋愛ドラマ的要素も多く、二人のライダーがヒロインを奪い合うなどという展開も見せた。

CGに頼らないワイヤーアクションと、新しいスーツのリファインは概ね好評を得た。
特にスーツのデザインはあの出渕裕が手掛けたこともあって、カッコイイと評判である。


【ストーリー】

本郷猛は、化学者として将来を嘱望される青年だった。
しかし、彼の人生は、ある日突如として現れた社会の裏に暗躍し謎の秘密組織である「ショッカー」によって、大きく狂うこととなる。
ショッカーによって改造人間“ホッパー”になってしまった本郷は悪の劣兵として破壊活動を繰り返す。
しかし、ふとしたことから洗脳が解け、自我を取り戻した本郷は、自分の強大な力と、犯した悪事に対して深い自責の念を抱き、「ショッカー」を裏切り一人で立ち向かう決意をする。

裏切り者を生かしておくはずもなく、「ショッカー」は“第2のホッパー”である一文字隼人を刺客として差し向ける。
2人の“仮面ライダー”の戦いが今、始まる……


【登場人物】

本郷猛/仮面ライダー1号

大学院で、水の結晶の研究を行っている青年。穏やかでおっとりした性格。
ショッカーによって改造手術を施され、改造人間・ホッパーとなるが、あることをきっかけに洗脳が解け、ショッカーを離脱し命を狙われるようになる。
ショッカーの改造人間には、定期的に体の血液を交換しなければ死に至る「リジェクション」と呼ばれる拒絶反応が起こるが、本郷だけには起こらなかった。
これについてはショッカー幹部が「初の成功例“完全なる改造人間”かもしれない」と発言しているが、真相は次作に至るまで終ぞ明らかにされなかった。
長年の1号のイメージである“技の1号”ではなく、パンチ主体の重厚で真っ直ぐな戦闘スタイルが特徴的な、“力の1号”。
ビジュアルは藤岡弘、とは似ても似つかないがマジで原作漫画版の本郷猛に似ている。

一文字隼人/仮面ライダ-2号

本郷を抹殺するためにショッカーの放った刺客。ホッパー2号へと改造される前の経歴は不明。
本郷抹殺を二度も失敗したため、ショッカーから始末されかけるが本郷に助けられ、その後本郷と共闘するようになる。
初登場がヒロインのナンパというキザで女好きな強引、性格だが、内に秘めた想いは誰よりも熱い男という脚本の性癖スターターセットのような男。
こちらも長年の2号のイメージである“力の2号”ではなく、キック主体の華麗で変幻自在な戦闘スタイルが特徴的な“技の2号”。
また、本郷とは違い一文字にはリジェクションが起こる。
演者は俺の占いが当たる人。

緑川あすか

週刊ABBAの女性記者で今作のヒロインで、この映画に華を添えた女性。
具体的には
○婚約者が死んだばかりの時に、婚約者そっくりの男に騙されてしまう。
○2号に1号だとまた騙されかけてしまうが(最初に1号を見たのは暗闇)1号と階段を落ちた時に、ぬくもりを思い出した。
○婚約者の仇だと誤解していた本郷への疑いがやっと晴れた時にショッカーに拉致されてしまう。
など、当時の仮面ライダーシリーズとしては稀にみるヒロイン属性の持ち主。

原点(特撮版)の緑川ルリ子がモデルのキャラで、序盤に父を殺したのは本郷だと勘違いした件から井上敏樹流に膨らませたのが今回のケース。続編では登場しなくなる所まで再現しなくても良かったが…。

矢野克彦

週刊ABBAの記者で、緑川あすかの婚約者。一文字とは瓜二つの風貌。殴られただけで死んだ。

立花藤兵衛

本郷行きつけのオートバイショップ「立花レーシング」の主人。
本郷の身辺に何か変化があったことを見抜き、彼を信じて「サイクロン1号」を託す。
演者はなんとV3のミスター宮内氏。

めぐみ

本郷と同じ研究室で研究している女性。名字は不明。
本郷に対しては乱暴な口調で接しているが、本郷が行方不明になったときは本気で心配していたなど若干ツンデレ気味。

三田村晴彦/コブラ

怪人コブラ男のリメイク。
長期入院しているせいか、何度も自殺未遂を繰り返す。が後に一転してリア充に。
しかしショッカーにより美代子と一緒に改造人間にされてしまう……

原田美代子/スネーク

本ネタは石ノ森漫画版に登場する「蛇姫メドウサ」。
晴彦の前に突然現れた、天真爛漫な少女。ボランティアと称して晴彦を外の世界に連れ出し、彼に生きる希望を与える。
しかし実は彼女の身体は晴彦以上の重い病に冒されていた。「病気を治す」というスパイダーの誘いに乗り、ショッカーの改造人間になる。
「にょ!?」 は迷ゼリフ。

スパイダー

怪人蜘蛛男のリメイク。
壁や木を自在に這い回り、全身から放つ糸で相手を拘束する。
変身前はタクシーの運転手として一般社会に溶け込んでおり、自分のタクシーには異常な愛情を注ぐ。
1号にライダーキックを受け、死亡。中の人の怪演もあってか一番怪人っぽい。
ちなみに彼が運転しているタクシーのラジオからは、ラジオDJとして神谷浩史の声が流れていた。

バット

怪人蝙蝠男のリメイク。蝙蝠の能力を持った改造人間。
空を自由に飛び、偵察も行う。変身前はハイテンションかつエキセントリックな言動の黒マントの男。
本郷は彼によって拉致された。
最終決戦時に1号と2号のダブルキックを受け、死亡する。

ショッカー幹部

ショッカーの最上位に立つと思われる者たち。
チャイナ美人、ISSA、死神博士に似た人物の3人で構成されており、巨大なモニターから改造人間たちに指示を出す。
ちなみに死神博士は過去のテレビシリーズの死神博士の映像を加工して用い、アテレコしている。
ISSAは後に『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』で再び悪役として出演することになる。

大物代議士と秘書官

最初のシーンでスパイダーに殺されるが、中の人のおかげで異常な存在感を放つ。

ショッカー戦闘員

ベレー帽にフェイスペイントとか黒いマスクとかではなく、どこぞの殺人鬼に酷似した黒いスーツにガスマスクという出で立ち。
抑え目だが「イーッ!」は健在。
勿論、弱い。


【他メディア展開】

ニンテンドー3DSゲーム『オール仮面ライダー ライダーレボリューション』で本作準拠の1号と2号が参戦している。
リブート繋がりなのか、同じく同作に参戦している『仮面ライダーアマゾンズ』とクロスオーバーしていた。


【漫画版】

映画公開当時、角川書店の漫画雑誌『特撮エース』にて江川達也による漫画版が連載された。全2話。
しかしその内容は……
  • 下書き同然の作画に、背景が書かれていない真っ白な原稿
  • 非常に1コマが大きく、キャラのバストトップや顔のアップばかりが映る、ページ数稼ぎとも取れる内容
  • 写真をそのまま貼ったであろう演出
  • 原作映画から逸脱したストーリー構成
  • 基本的な人物や世界観についての説明が全くされていない。一文字いつ仲間になったん?
  • 上記の要因が合わさり、キャラが何処で何をしているのすら解らない
  • 原作に登場していないキャラ(ロボットスーパー1やエースロボットみたいな噛ませ犬)を平気で出す
  • こんな有様なのに、(原作には存在しなかった)性的な描写はやたら細かい
  • ラストはどう見ても打ち切り
といった散々な内容で、島本和彦がラジオで「描きたくねえなら描くなって感じですよ」と批判したほど。
なお、2018年時点に至るまで単行本化はされてない。分量も需要もなさそうだが。


そして、次作『仮面ライダーTHE NEXT』へ―…


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最終更新:2023年11月22日 16:52