ヴァルター(英雄伝説 空の軌跡)

登録日:2014/05/16 Fri 04:23:10
更新日:2024/02/12 Mon 13:09:04
所要時間:約 7 分で読めます




英雄伝説 空の軌跡SCとその続編『the 3rd』、黎の軌跡の登場人物。
CV:吉水孝宏


黒スーツとグラサンが印象的な男性。
本名はヴァルター・クロン。ファミリーネームは長いこと不明だったが、「黎の軌跡」にて判明した。
年齢は31歳(空の軌跡SC)、37歳(黎の軌跡)

軌跡シリーズにて暗躍する組織、結社『身喰らう蛇《ウロボロス》』の実行部隊にして最高位のエージェント『執行者』の一人。

執行者NoⅧ《痩せ狼》ヴァルター

元々は共和国で盛んな東方武術「泰斗流」の門下生で後にA級遊撃士になるジン・ヴァセックの兄弟子でもあった。
師リュウガの娘であるキリカ・ロウランとは恋人関係であり、道場の中でも随一の力量の持つ天才だった為に周りからは泰斗流の後継者と見られていた。でも武器込みなら彼女の方が強いのは内緒

しかし、ある事情から師と戦う事になり、その末に師父を殺害。直後に姿を晦ました。キリカには何も言わなかったそうだ。

その後、結社からの勧誘に乗り執行者となる。
元執行者であるヨシュアとも過去に対面してことがあるようで互いに面識がある。
執行者としての依頼にはそれなりに刺激がある生活という事でそこそこ楽しんでいるらしい。

《白面》ワイスマンが取り仕切る『福音計画』の為に招集させた執行者の一人。
計画にはさほど興味はなかったが、レーヴェの「剣聖以外にも骨のある者がいる」という言葉を聞いて、計画に参加した。

執行者に選出されたその戦闘力は伊達ではなく、達人クラスの力量を誇る。
ヨシュアはヴァルターとジンが同じ流派である事に気付かなかったと語っていたが、
それは彼は行方を眩ました後に泰斗流以外にも様々な武術を取り込んだ為。
その結果、更に強さを高める事が出来たという。
本人は泰斗流なんて古臭い拳法と言っているものの、根幹はやはり泰斗流の影響を大きく受けている。
他の執行者のような特異な能力は持たないが練り上げた武術から生み出される一撃は相当の威力を誇り、石柱を容易く粉砕するほど。
エステルは単純なパワーとスピードならロランス(レーヴェ)と同等かそれ以上かもしれないと評していた。

・「空の軌跡 SC」



作中ではエルモ村にある洞窟深部で初登場。
福音計画のゴスペル起動実験ではを結社が開発した七耀脈に干渉する特殊な杭をゴスペルで能力を強化して使う事で地下基盤を活性化させ局地的な地震を引き起こしていた。
住民が死んでも構わないほどの威力を本当は出したかったらしいが、出力不足だったと語っている。

上記の事から判るように性格は強者との戦いを求める戦闘狂で必要ならば他人を平然と巻き込んでも構わないと考えている。
曰く「潤いのある日常には刺激が必要。手に汗握るスリルとサスペンス、いつ死ぬとも限らないそんな状況に身を置く。どうだ、ゾクゾクするだろ?」との事。
コードネームたる『痩せ狼』はそんな彼の戦いを求める在り方から名付けられたと思われる。
ある意味、戦闘狂の鑑で自身より強い者が相手でも戦いを申し込んでいる。


エステル達との初対面した際にはまずは彼女達がどの程度の力量か見極める為にアビスアームを嗾けて様子見。
因みにこのアビスアームは攻撃されると強力な全体攻撃をしてくる初見殺し。エアリアルで全体攻撃→「深遠よりの地震×8」→ゲームオーバーのプレイヤーも多いと思われる。

戦闘を終えると、エステル達の力量が想像以上に低い事に知ってテンションガタ落ち。
直後にB級遊撃士(アガットorシェラザード)を含む4人を一撃で瞬殺するという圧倒的な強さを見せ付けた。
エステルにトドメをさそうとするも、そこにジンが乱入して彼と交戦。途中で切り上げて再戦を約束して立ち去っていた。

紅蓮の塔にてジンとの再戦を果たし、戦いの中でジンに「爺(師父)が死んだ原因はお前にある」と告げ、説明を要求されるも説明する条件に「自分を倒す事」を挙げて、決着を付けようとするも今度はキリカが割って入り中断。

「自分と爺がなぜ戦ったのかが知りたいのなら俺を打ち負かしてみせろ」と告げて、塔から飛び降りて去っていた。
軌跡シリーズ伝統の高所から飛び降りを披露。執行者ならコレぐらいの芸当は全員ではないが可能らしい。ちなみに彼はどうやって降りたかと言うと外壁を拳で抉りながら落下する事で衝撃を殺すという方法。
人間辞めすぎである。

グランセル王都襲撃の際にも他の執行者と共に登場。
兵士達を纏めて吹っ飛ばしており、寸勁で巨大な城門を素手で粉砕する離れ技を披露。本人曰く大道芸みたいなもんとの事だが、その破壊痕をみたエステルは強さの次元が違うと引いていた。


最後の舞台である巨大浮遊都市《リベルアーク》では2番手として待ち構える。
ジンを連れていかずに倒した場合、ジンにいずれ決着をつける事を伝えるようにエステル達に告げて撤退。
連れて行った場合は、戦闘後にイベントに突入。

ジンの力量を認めたヴァルターはことの経緯を語る。
師父は殺人、活人の理念に関係なく素質は自分よりジンの方が上だと思っていたと。そして泰斗の後継者にジンを指名するつもりだったという。
後継者でもないのに師父の娘と一緒になる、そんな屈辱はプライドの高い彼には到底耐えられなかった。
そこで自分とジンが戦い、その勝者こそを泰斗流の継承者にするように師父に要求した。
しかし、師父はそれを拒否。
「ジンはヴァルターに遠慮している。武術も女に対してもな。お前が今のままではジンの武術も大成することは出来ないであろう」
師父の言葉に納得がいかないヴァルターに対し、ジンの代わりに自分が相手を務めると申し二人は決闘する事に。
これがヴァルターが語る真相である。

しかし、この話にはヴァルターも知らない真相があった。
師父はその頃に癌を患い、余命が少ない事を悟っていたという。
ヴァルターの武術への姿勢を正す、ジンに武術の極みを見せる為、理由は複数あるだろうが
一番の目的は武術家として最期に一番弟子と戦って、その生を全うしたいという気持ちだったのでないかとジンは語る。

その話を聞いたヴァルターはそれじゃ自分は体よく利用されたにすぎないじゃねぇか、とショックを受ける。
ジンは確かにその行為は身勝手なものだったかも知れないと語るも、武術家という人種が行う強さを極めるという行為は突き詰めれば自己的行為にすぎない。
師父は敢えて身勝手さを曝け出すことで、ヴァルターとジンに武術の光と闇を見せようとしたのではないかと推測していた。

そして二人は互いに構える。
ジンは弟弟子である自分に最期に出来る役目として修羅に堕ちた兄弟子に活を入れる為。
ヴァルターは泰斗の全てを葬る為に。

二人の渾身の力を込めた撃ち合いを制したのはジンだった。
そしてヴァルターは師が言っていた言葉の意味を悟り、タバコを吹かせながら気絶していった。

「クク……ジジイの言うことがようやく分かったぜ」
「……ふぅ……美味ぇ…………本当に……タバコが……美味ぇ……」

・「The 3rd」


the 3rdでは黒騎士の前座として登場。
厳密には本人ではなく、本物と全く同じコピーみたいなものだが。
戦闘後にレンに結社に戻るつもりあるのなら、寸勁を教えてやるという意外と面倒見のよい一面を見せた。

本物は星の扉14「幻焔計画」に登場。
リベルアーク崩壊直後の場面であり、ブルブランと共に福音計画の結末を見届けていた。
レーヴェの死を察知していたようで、執行者の中でも随一の力量を誇る彼と闘ってみたいと思っていたらしく、度々手合わせを申し込んでいたようだが、いつも理由を付けては断わられていたらしい(ブルブラン曰わく彼は明確な目標を持って活動していたから、そういう事に興味がないのではとの事)。
「………チッ、こんな事になるなら無理にでも戦っておけば良かったぜ……」と彼なりにレーヴェの死を惜しんでいた。

その後のシリーズに登場はしていないが、零の軌跡にて過去に東方の魔人と呼ばれる暗殺者《銀》と戦っていた事が判明する。
詳しい状況は不明だが勝負は水入りのままで決着をつける事は出来なかったらしい。
銀本人は『奴に逃げられた』と語っているが、レンは彼(ヴァルター)も同じ風に思っている筈よ(銀に逃げられた)と語っていた。

・「黎の軌跡」


そして長き時を経て「黎の軌跡」にて遂に再登場。現実時間にして七年ぶりの登場となった。
相変わらずの戦闘狂であり、今作では大型にして最新の導力バイクに跨ってカルバード共和国各地を回っている。
因みに今作ではタバコを吸う描写が無い。

主人公であるヴァンには過去仕事を依頼したこともあるが、とある事情で彼からは蛇蝎の如く嫌われてしまっている。
その事情というのは機甲兵に向かってヴァンの愛車を投擲してしまったから。
当然車はスクラップになってしまい、車をこよなく愛するヴァンに深い悲しみと怒りを与えてしまったのである。
一応後日にお詫びとして新しい車を提供しており、これが本編でヴァンが使用する車となっているが未だにこの件を根に持っているため彼からの依頼は絶対に受けないという、人によっては呆れてしまうような因縁が生まれてしまった。

しかし今作における敵組織のマフィア「アルマータ」とは対立しており、彼らを殲滅するという結社の方針に従っていることからヴァン達の行く先々で出会い、利害が一致している関係から彼らに協力することも。
ゲームの進め方によってはなんとパーティーメンバーとしてゲスト参加することになる。*1

また今作では因縁あるジンや元カノであるキリカ、結社の元同僚であるレンとの再会などのイベントも随所に用意されており、彼のキャラクターの掘り下げが行われている。
このため割と出番はある方で、時には相棒のバイクと共にレース対決に飛び入り参加してくるなど妙にお茶目な面を見せることも。
結社を抜けたレンとは今でもたまに連絡を取り合っているらしく、彼女が結社を抜けたことに関しても「自身が納得しているならそれでいい」と彼女の意思を尊重している。*2
それどころか物語の終盤でレンが危機に陥った際にはジンと組んでまで彼女の救援に駆けつけるなど面倒見の良さや頼もしい一面が描かれており、プレイヤー達からの評価を爆上げしているとか。*3
総じて「敵に回せば恐ろしいが、味方に回れば頼もしいことこの上ない」と言ったところだろう。
なお、黒月との戦いで、以前戦った銀は先代だということが判明する。


・「黎の軌跡Ⅱ」


続編である「黎の軌跡Ⅱ」にも登場。
今作ではとある使徒(明言こそされていないが恐らくF・ノバルティス博士)からの依頼により開発物の幾つかを盗み出した上に結社を離れたエルロイ・ハーウッドを追っている。
結社の人間であるためヴァンは警戒こそしているものの前作での共闘が活きているのか、以前ほど露骨な敵対心を見せることはなくなっている。

第一部のBルートから登場。その盗難物の一つである黒いアウローラの行方を探るために黒芒街の闘技場で掛け金を餌に情報を集めていたところ、同じく情報を欲していたエレインとスウィン、ナーディアと戦うことに。
結果膝を突かされたため、エレインの要求に従って黒いアウローラの経緯を教えた。
元々アウローラの破壊も依頼されていた上にその破壊にジンが失敗した*4という経緯を聞きつけ、無理矢理同行することに。
再生するデミグレンデルに関しては一度倒してその正体である人間の姿に戻した後、その人間を更に全身粉砕骨折レベルにまで殴り続けることで再起不能に追い込むという荒業を披露して活路を見出した。これはジンにはできない……正確にはやれる実力はあるが遊撃士である以上やるわけにはいかないだろう*5
それでも物量差に押し切られそうになってしまうがそこにエレインからの救援要請に駆けつけたジンがフォローに入ることで事なきを得る。
ジンのと連携には忌々しそうにこそしていたものの抜群のコンビネーションを見せ、共に黒いアウローラを破壊してデミグレンデルの量産を止めた。

その後はネットにリークされた情報を元にハーウッドの潜伏先と思われるネメス島に上陸、同じく彼を追っていたルクレツィアと合流する。
しかしその翌日、ハーウッドを追い詰めたはいいもののなんと彼は島丸ごと毒ガスに包み込ませるという凶行に出てしまう。
まさか自分達も巻き込んでこんなことをするとは思っていなかったらしく、さすがのヴァルターも手も足も出ずに毒ガスに倒れてしまった。
この全滅はゲネシスによる「巻き戻り」で無かったことにされたが、その後は様子のおかしいレンを気に掛けて共に行動することに。
廃棄された研究所を調べていたところ、同じく到着したアークライド解決事務所の面々と遭遇。更にはハーウッドの仕込みによってレンのトラウマが刺激され、クロスの人格が出てきた状態で襲い掛かってきた。
ハーウッドを捉えるため、そしてレンのフォローに入るためにヴァルターはルクレツィアと共に裏解決屋たちに戦いを仕掛ける。
戦いの末、レンが落ち着いたために裏解決屋に彼女の事を任せて姿を消したハーウッドの行方を追うことに。

ネメス島での一件が片付き、ハーウッドが結社に復帰した際には彼に引き取られていた「庭園」最後の暗殺者であるイクス・ヨルダの監視をルクレツィアと共に行うことに。
その後、「侵蝕」による洗脳で首都全体を巻き込んだ大規模クーデターが発生。
しかもそれを動かしているのがよりにもよって「侵蝕」の影響を受けた、因縁あるジンとキリカであった。*6
二人の無様な姿を見ていられず、裏解決屋に助太刀する形で参戦。
自身の技でジンとキリカを打ち破り、二人を元に戻すという大活躍を見せた。

その後は本編に絡んでこないが、レンのコネクトイベントでは彼女の大切な家族であった「パテル=マテル」をホロウコアとして復活させる計画を、ヴァンを仲介人とした上で嘗て敵対したエステルたちから持ち掛けられていたことが判明。
ルクレツィアや結社を離れているルシオラ、ブルブラン、そしてヨルグ・ローゼンベルクと協力して「パテル=マテル」のデータを搔き集めて共に連名とする形で「パテル=マテル」のホロウコアをレンに届けるようにヴァンに依頼した。

……と、「黎の軌跡Ⅱ」でも敵対する場面こそあれど基本的に裏解決屋の協力者の一人として描かれており、男気溢れる一面や頼もしさがこれでもかと描写されている。
特に自身の因縁を乗り越えてまでレンやジンたちを助ける姿はまさにという他なく、またもやプレイヤーからの株を爆上げしているのだとか。
一方で「結社とは基本相容れない存在」であることを描写するためかやはり今作でもスポット参戦、それもNPCとしての参戦でありヴァルターをプレイヤーの手で動かすことが現状できない。
次回作か更なるアップデートでの活躍が期待されるキャラの一人である。



OVAにも登場。
ゲーム同様、エルモ村の洞窟深部にてエステル達と交戦。
エステルを蹴散らしたり、アガットの重剣を叩き割ったり終始に渡って彼らを圧倒。
原作同様、ジンさんと交戦……と思いきや何故かヨシュアが登場。ジンさん……

途中まで互角のものの最終的に力でヨシュアをねじ伏せるがトドメを刺し損ねてバッサリ切られて敗北。
戦闘力的には格下の筈のヨシュアに負けるという失態を犯しちゃったりした。


○戦闘面
SCの7章と終章、3rdの第六話と裏武術大会ナイトメアで戦う。
気絶効果を持つ攻撃を持つことから気絶を無効化できるアクセサリを装備しておきたいところである。
  • レイザーバレット
直線攻撃、STR低下。
碧の軌跡のリンが風神脚という似た技を使うことから、風神脚を横文字にしたものと思われる。
  • インフィニティコンボ
単体攻撃。
  • ソニックシュート
範囲攻撃。音速で繰り出される拳で目標を容赦なく連続攻撃。
  • ファントムワーク
SPD、AGLを上昇。
「はっ、ついれこれるかよ?」
  • ゼロ・インパクト
単体攻撃、吹き飛ばし、STR低下。
SC終章以降で使用。威力が非常に大きい。グランセル城の門を破壊したのもこの技と思われる。
漢字で書くと零剄。
「ふん!!」
  • アルティメットブロー
Sクラフト。範囲攻撃、気絶効果。
タバコを吸った後、気功弾を2発放ち、アッパーを放って気を爆発させる。
「はぁ…(ため息)餓鬼どもが、粋がりやがって…いいだろう、死ね!脱★糞だっ!ふん! おらおらおらおらぁ!ふうりゃあああぁぁ!」
  • アルカトラズブロウ
「黎の軌跡」からのSクラフト。
腕と足を勢いよく振るうことで地面を隆起させ、突き出た岩塊を自身の拳で敵ごと打ち砕く。


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最終更新:2024年02月12日 13:09

*1 ただしプレイヤー自身で操作できないNPC扱い。

*2 レンが小さいことからの付き合いでもあるため自身曰く「親戚のガキのようなもの」として彼なりに可愛がっていた模様。

*3 尚、レンを助けるイベントでは本来ならジンが直接彼女の元に向かう展開になるが、オラシオンで結社と共闘している場合はなんとヴァルターがレンの元に直接向かうという胸熱展開に変化する。

*4 ジンの助力を得てデミグレンデルの群れに立ち向かったのだが幾らでも再生してくる上に物量差に敗れ、エレイン、スウィン、ナーディアが力尽きてしまう。ジンの助力を得る前も含めると二度もデッドエンドと巻き戻りを経験した

*5 本人曰く「当分病院から出てこれないレベルには生かしてある」とのこと。昔のヴァルターなら間違いなく殺害に追い込んでいただろう……

*6 ただし本人ではなく、その意識をシャードとして再現された存在。意識こそ正常であったがゲネシスによる縛りを受けており、クーデターを起こす役割を演じざるを得なかった