R-9A アロー・ヘッド

登録日:2014/05/10 (土) 12:53:00
更新日:2024/02/28 Wed 04:16:31
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R-9A アロー・ヘッドは横スクロールシューティングゲーム『R-TYPE』シリーズでプレイヤーが操作する異層次元戦闘機であり、全R戦闘機の母体とも呼ぶべき原初の実動機である。
なお、本項ではR-9Aの直系機についても記載する。

目次


異層次元戦闘機の誕生

元々は『RX-プロジェクト』(宇宙空間機動計画)として開発・発展してきた汎用作業機だった。

超長距離探査から帰還した異層次元探査艇《フォアランナ》が採取した超束積高エネルギー生命体(“バイドの切れ端”)の解析結果から、未知の外敵バイドに対する対応力や汎用性、発展性を考慮して方針変更されたのが異層次元戦闘機、通称『R戦闘機』の始まりである。

作中で縦横無尽にヌルヌル動けるのは『ザイオング慣性制御システム』の恩恵で、戦闘機を全力で逸脱した武装が施された理由は「最悪一機でも生き残ってバイド中枢をぶっ壊せればいいじゃん」という単騎突入を前提とする”凄まじく頭の悪い”コンセプトによる。

ちなみに《フォアランナ》がどうやって“バイドの切れ端”を採取・帰還したのかは一切不明。
自身に触れたものを侵食せずに放置するバイドなんぞいないのだ。
フロム脳ではないが、色々想像や考察の余地がある。


R-9A アロー・ヘッド


Rナンバーズ初の実用型戦闘機。
試験機状態で西暦2163年の第一次バイドミッションに一個大隊が投入され、地球初の異層次元戦闘を展開する。

武装

○スタンダード波動砲
R戦闘機に戦艦級の火力を持たせるために開発された力場開放型大出力エネルギー兵器の標準仕様。力場を砲身代わりにするので、デバイスが小型かつ外観上に砲身が存在しない。
前方に展開した力場で波動エネルギーを蓄積し、指向性を付与して開放することで万物を破壊する汎用作業機のオプションだった小惑星・デブリ破砕用『アステロイドバスター』が原形とされている。

第一次バイドミッション時には未完成で1ループ、オペレーション・ラストダンス時には最新型の2ループチャージを可能としている。

○超高速電磁レールキャノン
俗にバルカンとも呼ばれるR戦闘機用の標準装備、速射型レールガンレールガンがバルカン扱いって、おま……
この時点で何かもう頭がおかしいのだが、こんな重兵装も対バイド戦では雑魚散らし程度にしかお呼びじゃないのだ。

○追尾ミサイル
機体上下から発射される一対の対空ミサイル。連射性と追尾性に優れ、パイロットからの支持は高いらしい。
汎用性も悪くないので多くの機体のオプションとなっている。
ムービーではだいたい機体下部から発射しているので、サイロは多分そこ。
こいつも対バイド戦ではry

○爆雷
宇宙のことを星海とも言ったりするので爆雷なのだろうが、単なる爆弾。扱いが単純なためか、対象と近接時の連続投射性に長ける。


○スタンダード・フォース
“バイドの切れ端”から分離・純粋培養したバイド素子にコントロールロッドを打ち込み収束制御したフォースの初期標準仕様にして人類初にして唯一の次元兵装、ラウンド・フォース、もしくはただ単にフォースとも。
開発思想からして『バイドを以てバイドを制す』というマジキチ一歩手前、開発中に研究施設をひとつ完全消滅させているいわくつきのシロモノ。
しかし、これがなければバイドに抗し得なかったのもまた事実。

R戦闘機側のフォースコンダクターで無線制御し、エネルギーをコンバーターで変換加工することで「高密度収束光条体(対空レーザー)」「連続変化プリズム型光条体(反射レーザー)」「対物追従型連続光条体(対地レーザー)」として放出できる。
また、機体前方ないし後方に装着して強力なシールドとして、あるいは射出して強力な打撃兵装として扱う(フォースシュート)万能装備。敵弾までも貪っちゃう腹ペコさん。
フォースのコントロールロッドが外部衝撃で破損しないのは、中枢バイド体のエネルギーで半バイド化することにより保護されているから……らしい。


○ラウンド・ビット
機体上下に展開され、機体側面のビットコンダクターで制御される支援攻撃用オプション。
人工フォースを目的に開発されたが、不安定な状態で運用されたため、支援を行えるのは対空レーザー発射時のみ。むしろ耐久性の高さから上下方向のシールドとして扱われることが多かったとか。
構想そのものは後のシャドウ・フォースで結実する。


放たれた《反撃の嚆矢》


第一次バイドミッションは、最終的にあるパイロット(※プレイヤー)の駆るただ1機のみがバイド中枢への到達と破壊に成功。
人類圏へ帰還を果たすが、除染されぬまま放置されていたことがきっかけで悪魔的狂詩曲の引き金となってしまう。

本機の完成度と性能の高さが後のRシリーズへの性能要求を過大にしたと言えなくもないが、オペレーション・ラストダンスでも第一線に立ち続けるRナンバーズ屈指の長寿機。本機なしでバイド相手に互角に立ち回れたかどうか……。



R-9A2 デルタ

R-9A直系にしてR-9Aシリーズの父。

大気圏内専用機として機体の小型軽量化が推し進められ、また、フォースの耐エネルギー性質を応用した『DOSEシステム』が搭載されているのも特徴。
本機のそれは《ニュークリア・カタストロフィー》の名の通り核融合を励起させて範囲内の一切合財を熱核焼却する

武装

基本的には原型機と同一。

○拡散波動砲
特殊触媒を用いて波動エネルギーを増幅・拡散させる折りたたみ式の新型波動砲……の試験型デバイス。
試験型だけあって拡散レベルにやや難があり、単発のまましばらく直進してから拡散する。


英雄後継機、波乱の初陣

後に「サタニック・ラプソディー」と呼ばれる*1同時多発的電子機器暴走事件にまだ試験段階だった本機は、手駒の不足からRX-10 アルバトロスR-13A ケルベロス共々急遽実戦投入。
最終的にバイド化した英雄機とバイドコアの撃破に成功し、RX-10とともに帰還する。


R-9A3 レディ・ラヴ

デルタ直系、通称「へきる号」。
いくつかのシリーズの母体となっているあたり、機体そのものの発展性は相応以上だったのだろうが、良くも悪くもスタンダードで特長がないのが特徴。ペイントとカラーリングがあえて言うなら特徴的か?

武装

基本的にはデルタと同様。

○誘爆ミサイル
着弾と同時に炸裂し、攻撃性エネルギー体を周囲にばら撒く前方投射型のカプセル型ミサイル。その性質上、起伏に富んだ地形で特に有効。カプセルなのにミサイルとはこれ如何に。

○スタンダード波動砲Ⅱ
スタンダード波動砲の出力やチャージ容量を強化した後継型。3ループ可能、加えて着弾時の衝撃波や飛散したエネルギーを敵に向けることでダメージを増幅できる。

○スタンダード・フォース改
レーザーはスタンダード・フォースの特徴そのままに威力や攻撃範囲がパワーアップしているが、斜め後ろに出るようになった対地レーザーだけは評価の分かれる。どのみちあんまり使わないとか言わない
無駄が多かったのか、それとも技術レベルの向上か、効率の徹底的な見直しでレーザー変換率を30%も向上させることに成功した。
何よりの特徴は分離時の弾が6WAYになったことで、殲滅力は言わずもがな、敵にめり込ませた時の破壊力も凄まじいことになっている。特にFINAL2では最強クラス。

R-9A4 ウェーヴ・マスター

レディ・ラヴの直系機であり、R-9A直系の完成形。《極めしもの》だが瞬獄殺の人とは関係ないし音楽関連の某社とも関係ない。ないったらない。
スタンダードな特性を高次元に強化した、癖がなく扱いやすい安定した機体。特長はないが全領域で高次元に安定した性能を持っている、ロボットアニメでいうところのエリートなライバルが乗ってそうな汎用機……のようなイメージ。

FINAL2ではスタンダード・フォース改のおかげでかなりの強機体となっているが、他のスタンダード改持ちも軒並みパワーアップしたため最強候補にはやや届かずと言ったところ。
機体列伝では、アロー・ヘッド直系の強化自体はレディ・ラブの開発で成就しており、本機の開発は最も扱いやすいスタンダード波動砲の研究を行うことで他の派生機群の特殊な波動砲を強化するノウハウを得ることが目的であったという説の存在が語られている。

武装

基本的にはレディ・ラヴと同一。

○スタンダード波動砲Ⅲ
スタンダード波動砲の(現状での)最終モデル。チャージ容量は増強されて最大4ループとなり、威力とともに波動弾体のサイズ、再集束機能も強化された



R-9AF モーニング・グローリー


「フォース波動砲」のテストのために工作用機体を流用して作られた実験機で、一応R-9A系列機体に分類されているものの外見上はラウンドキャノピー以外にほとんど共通点がない。
不要なパーツを撤去する手間も惜しまれたのか、何をするでもなしにせわしなく三本の作業用アームを動かし続ける様が滑稽でもあり、どこか切なくもある。この姿はR戦闘機の祖、汎用作業艇Rシリーズのひとつ「R-3」に酷似したものだが、単なる偶然とのこと。

武装

○フォース波動砲(FINAL/FINAL2)

遠隔運用のために開発された波動砲をフォースにも搭載し、R戦闘機本体側と最大2ループで連動制御。
作中ではフォース分離時と合体時で挙動が変化し、合体時はスタンダード波動砲とほぼ同じ、分離時は1ループ相当の波動砲を自機とフォースの両方から発射。似た波動砲に「フォース波動砲LM」シリーズがある。
これが想定を上回る戦果を挙げたとされる……………のはいいのだが、それはつまりただの武装した工作機を実戦投入したということだろうか?
正直威力が物足りないが、究極互換機と組み合わせると「相手に喰らいついて波動砲を撃ちまくるフォース」とか面白いものができる。

FINAL2では威力不足が改善されて…というか改善され過ぎて、フォースと自機の両方から同ループのスタンダード波動砲相当の波動砲が出るようになり、2ループでもスタンダード4ループに相当する火力を吐き出す超兵器となっている。
スタンダード・フォース改の強化も相俟って、この機体を最強候補の一角にまで押し上げた。ここまで強くなるとわしゃわしゃ動かしているアームが余計に浮いて見える。

○スタンダード・フォース改
フォース自体の説明は上記のRー9A3レディ・ラヴを参照。
特に他の機体のフォースと性能に違いは無いが、例のフォース波動砲ってそんなに簡単に載せられるのだろうか…?

縁の下の力持ち

TACTICSシリーズではその重要さ故か敵に見つかると最優先で狙われる「Rr2o-3 工作機」として登場。

後継機に資源貯蔵量・採掘速度が上昇した「Rr2o-3-2 工作機2号機」*2が、バイド側にも「BXRr2o 腐れ工作機」がいる。
燃料・弾薬の補給、新米の熟練度稼ぎに応急修理、施設占領、資源回収、簡易拠点の建設まで、艦隊の兵站を支える縁の下の力持ち。
特に艦船や大型ユニットなどの艦載不能ユニットの損傷はこの子に頼る他ない。
欠点は移動力2という足の遅さ。地形によっては離着艦にさえ難儀することも。もう少し速ければ…と思うのは贅沢だろうか。


追記・修正はR-9Aでバイド中枢に突入・生還してからお願いします。

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最終更新:2024年02月28日 04:16

*1 後にバイド侵蝕されたR-9Aが引き金であることが判明

*2 ただしサイズが2HEX占有(=艦載不能)になり、活躍の機会が大きく狭まってしまうので元の工作機のまま運用することが多い