覚醒編(デュエル・マスターズ)

登録日:2014/05/06 Tue 12:07:59
更新日:2023/03/28 Tue 16:02:47
所要時間:約 8 分で読めます



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共に神との戦いに立ち向かった闇の裏切りに、

その悲しみは血の涙となり、燃え落ちた。




覚醒編(サイキック・ショック)とは、TCGデュエル・マスターズ」9番目のシリーズ。

切札勝舞が主人公としてエキスパンションを飾る最後のシリーズである。また、漢字でシリーズ名が書かれているのはこのシリーズのエキスパンション以降、長らく途絶えることになった。

漢字で書かれたシリーズ名は5年後に革命編で再登場した。
ただしあちらは「かくめいへん」なので、漢字に異なる読みのルピを振っているシリーズは双極篇まで待つことになる。

このシリーズからカード右下のエキスパンションシンボルはシリーズの略称となった。
このシリーズの場合は「PS」(Psychic Shock)である。


エキスパンション

  • DM-36「覚醒編 第1弾」
  • DM-37「覚醒編 第2弾 暗黒の野望(ダーク・エンペラー)
  • DM-38「覚醒編 第3弾 超竜VS悪魔(エンジェリック・ウォーズ)
  • DM-39「覚醒編 第4弾 覚醒爆発(サイキック・スプラッシュ)

概要

最大の特徴として、基本ルールを根底からぶち破る新たなエリア「超次元ゾーン」を導入。そこから呼び出される専用のクリーチャーとして「サイキック・クリーチャー」が登場した。呪文(と一部クリーチャー)でこのゾーンのクリーチャーを呼び出すことができる。

この超次元ゾーンは公開情報である。裏向きでランダムに積まれている山札と異なり、ゲーム開始時からお互いのプレイヤーはいつでも自由に確認することができる。

サイキック・クリーチャーは表裏に異なる面が存在し、ゲーム中に条件を満たすことで覚醒し、上位の姿にパワーアップさせることができる。

また、他のTCGのエクストラデッキがそれを呼び出すことにひたすら特化しているのに対して、「呼び出す呪文自身に、敵獣の破壊やハンデス、マナチャージやドローなどメリット能力を持っている」ことが特徴である。そして当然覚醒獣にもcipや常在型能力がくっついているため、明らかなインフレが見られる。

少なくとも、今まで微妙なコストの準バニラとして生きてきたカードは大体超次元に否定される。

ということで、この弾は急激にインフレが進行。通常クリーチャーもやたらハイスペックなものが見られる。

そして、最たるクリーチャーこそが《爆竜GENJI・XX》である。6マナでパワー7000のスピードアタッカーかつW・ブレイカーで、攻撃時に相手のブロッカーを1体破壊する。その上、アーマード・ドラゴン/フレイム・コマンド/サムライとK・ソウルを持ち、名称カテゴリ「XX」にも属している。

当時、決して弱くなかった《ボルシャック・大和・ドラゴン》の上位互換のような性能であり、その登場は驚きをもって迎えられた。

一方【ヘブンズ・ゲート】や【ジェスターソード】にとっては大敵であり、GENJIや後のエピソード1の「シューティングガイアール」に対するメタを張る必要に迫られた。

一時は環境に食い込むほどの活躍を見せ、ドラゴン・サーガで《龍覇グレンモルト》と《銀河大剣ガイハート》が登場する辺りまではしばしば使われていた。

また、このシリーズ特有のカード情報として「ソウル」が登場。これを活かした戦術は、旧来のサバイバーやダイナモを発展させたものともいえ、文明デッキを組むのをフィーチャーしているようでもあった。しかし、結局のところ種族との明確な違いを打ち出すことができず、ソウルは短命な要素として終わった。

評価

実はあまり触れられないが、売上的には神化編から大きく落とし、不死鳥編からの復興期であった極神編以下の規模に落ち込んでいる。
そのため、さり気無くDMの歴史においては転生編や不死鳥編同様に商業面では暗黒期だったりする。

理由としては、やはり革命的な新要素「超次元ゾーン」に関するカードやそれを理由としたカードパワーの極端なインフレ化に否定の姿勢を見せたユーザーが一定数いたという面があると言わざるを得ない。

また、従来の高レアカードは安定して引くためにはメインデッキに複数枚入れる必要があったのに対してサイキッククリーチャーの場合はメインデッキで使用するのはレアリティの低い超次元呪文であり、本体は1〜2枚あれば足りた。

そのため、「"資金の少ない子供層でもパッケージ級の派手な能力を持った高レアカードを十全に活躍させることができる"」という利点はあるものの、その代わりに「"高レアを大量に用意する必要が無いため、大人でもあまり量を買う必要が無かった”」という欠点も存在した。

この問題に関しては様々な経緯を辿った上で、最終的に革命編以降の「アニメのメインキャラの切り札になるようなカードは名目上の最高レアに置きつつ比較的出やすいようにして子供にも使いやすいように、大人に対しては一つレアリティを落とした対戦環境で使うカードや最高レアのシークレット版を目当てに買ってもらう」といった形式に落ち着くことになる。

背景ストーリー

あらすじ

オリジンに勝利を収めた五大文明はフィオナの森で和平条約を締結する。いっときの平和もつかの間、オリジナル・ハートの爆心地に生まれた「超次元の穴」を闇文明の《妖魔伯爵アンヴィル》が発見。

《時空の賢者ランブル》は、穴で発見されたエネルギー体を解析することで、《恐気の覚醒者ランブル・レクター》に覚醒する。

この力を得た闇文明はやはりというべきか、その邪心を顕にする。またもフィオナ協定を踏みにじり侵攻を開始。四文明連合側はすぐさま解析を開始し、やはり同じ結論に至る。

しかしスーサイドすら文化とする闇文明と違い他の文明のものは穴に入るのに尻込みしていた。そこに火文明の英雄《ボルシャック・ドラゴン》が現れ、自分こそが一番手となり覚醒、《勝利の覚醒者ボルシャック・メビウス》となる。こうして四文明軍もあとにつづき、両軍が覚醒の力を手に入れたのであった。

こうして闇文明は次第に押されていくと思われたが、背後で動き出すZ軍。対する四文明軍のXX軍も仲間の遺志を継ぎながら覚醒する。更にロマノフカイザー・NEXのロマノフの魂を闇文明が蘇らせ、NEXの遺志をXXが継ぎ、光と闇の一部が互いに離反して相手方につく。こうして混沌とした闘いのなかで、Z軍の背後に、超次元の穴の向こうの住人が味方していることを、この時はまだ多くのものが知らない―――。

ストーリーの特徴

ストーリーは久々に文明間戦争に戻る。

と言っても今回は当初は光&水&火&自然vs闇という変則的な形をとっていた。
後に光の一部が離反、闇の一部もまた離反し、光&水&闇&火&自然vs光&闇となったりもしている。
水文明が最後まで正義側の勢力に居座ったことが理由で、基本セットや闘魂編での悪行を知るユーザーからは「お前どうした?」「何を企んでる」と散々突っ込まれることもある。

カードデザインや勝舞編にとっては一種の到達点となった覚醒編だが、背景ストーリー的にはエピソードシリーズと地続きになっている面が強く、エピソードシリーズのエピソード2までにおける騒動の序章(エピソード0ともいう)という面が(今現在の視点で見ると)強い。
ただし、エピソード1でZ軍の背後にいた存在と王道少年漫画的な和解展開を迎えるが、利用されたZ軍は少年漫画路線への変更の恩恵を受けられなかった感が強い。

勢力別の動き

光文明

当初は闇への脅威から四文明軍に味方していたが、闇文明に協力を持ちかけられるとその貪欲な開発力に目をつけ、まさかの離反。
文明として光が闇を援護する形になったのはまれに見る出来事であろう。

所詮、光と闇の関係はコインの表と裏でしかないのだ。

それだけではなく、彼らが協力したことで、天使と悪魔の融合が開始され、《悪魔神王バルカディアス》が誕生してしまう。敵同士のバロムとアルカディアスが融合する事態。光と闇の民はこれほどに落ちぶれたか。
一方、光文明は闇と対等な同盟関係を結んだと思っていたが、Z軍的には全然そんなことはなかった。

しかし一部は逆に四文明に残ったり復帰する。覚醒5戦士の一人《天運の覚醒者ライトニング・ファイブスター》などは著名な例である。

水文明

闇と光が戦っている時にどっちつかずをとるのが大好きな水文明のはずなのに今回はちゃんと四文明に味方する。
それどころか、闇と光が結託しても火と自然を裏切らなかった。何があった。
サイバーロード的には流石にZ軍と関係を持つのは許容できなかったのか…光の扱われ方を見るとその判断は間違いではないかもしれない。

《イチバンの覚醒者オーシャン・G・ホーガン》の必殺《ホーガン・ブラスター》が後に凶悪なデッキタイプ、【ミラミスホーガン】を生み出したことは有名である…

闇文明

またも力を得ると離反するやつら。どんだけ侵略したいんだよ(基本セット・闘魂編・転生編・極神編に続いて今回で五回目)。
今回は闇文明の中央にZ軍と呼ばれる軍が登場する。そのトップ、ディアボロスは背景ストーリー中で1度封印されるもすぐに復活。
2度めでようやく倒されるなど、デュエル・マスターズのラスボスの中でも最初から出ていて、ちゃんとラスボスを務め上げた例。実際のカードの性能も明らかに強い。

背景ストーリー後半では、《終焉の凶兵ブラック・ガンヴィート》などの一部の闇文明がZ軍の思惑を察し離反。
そのため、今回の闇文明を「Z軍」と「闇文明」と区別して呼ばれることも多い。

火文明

主役。
《爆竜ストームXX<天地爆裂>》は覚醒のために修行を開始。そのストームを守るために多くのものが局地戦を展開。

数えきれない味方の死体を見て悲しみの中でストームは覚醒し、更にNEXの魂と融合した《奇跡の覚醒者ファイナル・ストーム XX NEX》が誕生する。

しかし《ロマノフ・Z・ウィザード》が最期の力で呼び出した《悪魔神王バルカディアス》を前に、未来を若い剣士《爆竜 GENJI・XX》に任せることにし、ストームは自ら捨て石になってバルカディアスを道連れにする。

そのストームの魂と融合したGENJIは、最後に立ちはだかる《デビル・ディアボロスZ》へと立ち向かっていく―――

自然文明

いつもどおり、ちゃんと味方側。
やはりというべきか、フィオナの森はただではすまない。

あと、一人だけ覚醒5戦士の中でコマンドではない。ガイア・コマンドェ…。

死神

前シリーズでのオリジンとの戦争の際に結成された闇文明の精鋭。
他文明との共闘の友情を忘れなかったのか、Z軍の動きに抵抗を見せていたようだが、最終的に屈服して力を提供する結末に終わる。

エイリアン

覚醒編終盤で姿を見せ始めた存在。
敗北に追い込まれたZ軍に見切りをつけて(最初から期待してなかった節すらある)、自分達の出番だと意気込む。



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最終更新:2023年03月28日 16:02