西遊記(1994年版)

登録日:2014/05/05 (月曜日) 20:28:24
更新日:2023/06/30 Fri 13:39:14
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100万光年の彼方 あなたに出会うため

言葉にもならない祈りを込めて

光の中で微笑む 遠い日のDay Dream

儚い夢だから 守り続けていたい



【概要】
1994年に日本テレビ系列で放送されたドラマ。他の作品と区別するため『新・西遊記』と呼ばれることもある。
この1年前に放送されたドラマスペシャル(ただしこちらは悟空が本木雅弘、三蔵が宮沢りえ)が好評だったため、設定・キャストを一新してスタート。

金曜夜8時という激戦区で、敵味方共に豪華キャストを迎え、初回は2時間スペシャルという鳴り物入りで始まった……
が、当時は『ミュージックステーション』(テレビ朝日)という強力な裏番組があったため思うように視聴率が上がらず、最低視聴率はなんと7.3%

プロ野球中継が多かったのも重なり、全22話の予定が17話に短縮されてしまった。そのため、最終決戦から天竺にたどり着くまでがやや唐突。
しかしながら、当時としては画期的だったCGの多用や唐沢寿明のスタントアクション、中盤以降多く挙げられるようになった「妖怪にも善良な奴がいて、人間にも悪人がいる」といった単純な二元論にとどまらない深い脚本など見所は多い。

仮面ライダーZO』『機動戦士Vガンダム』の主題歌で知られるinfixが歌う主題歌「傷だらけの天使になんてなりたいとは思わない」、挿入歌「100万光年の彼方」はどちらも神曲と名高い。
なにげに初めて天竺に到着した作品でもある。

【キャラクター】
  • 孫悟空(演:唐沢寿明)
 ご存知主人公。原作通り自分の力に慢心し、仏罰を受けて岩山に閉じ込められていた所を三蔵法師に助けられ、彼の弟子として行動を共にする。
 力任せで猪突猛進、短気な性格の暴れん坊だが次第に三蔵を信用していくようになり、何だかんだ衝突しながらも結果的に助けに来てくれる。
 主役補正もあってメンバーの中では中心的存在であり、三蔵を除く四人からは「兄貴」と慕われている。
 14話では村人達の対立をやめさせるため、敢えて「斉天大聖」という妖怪のような姿になり大暴れした。
 岩から生まれ母親に育てられなかったために「愛」というものを知らず、妖怪に問い詰められ悩む事もあった。
 9話では時空を超える妖怪を倒すために過去へ行き、そこで出会った三蔵法師の母親に名前を聞かれて苦し紛れに「ご、ごはん!そんごはんだ!」と答えている。

 演者の唐沢寿明は元々スタントアクション出身の俳優なので、殺陣は上手い。

  • 三蔵法師(演:牧瀬里穂)
 長安から天竺まで、有難いお経を手に入れるために旅をしている僧侶。
 演じているのは牧瀬里穂さんだが本作では男性として扱われており、女性に化けた妖怪に言い寄られたり、普通に悟空たちと一緒の部屋で寝たりしている。
 ただし悟浄が悟空に「兄貴はお師匠さまの事が好きなんじゃないか」とからかうシーンがある。アッー的な意味か?
 人間・妖怪を問わず慈悲の心を向ける優しさを持つものの、妖怪の言いなりになる村人に「何故戦わないのか」と問いかけたり、
 子供を助けられず足がすくんでしまった事に自責の念を抱いたり(この子供は悟空が筋斗雲で救助)、
 悟空の煽りで頭に血が上って全員に破門を言い渡したり、他の三人と一緒に肉や酒を口にしたり、こっそり八戒のご飯を盗み食いしたりとお坊さんらしからぬ一面もある。
 ただし、史上の三蔵法師にも破戒僧だったという説があるため、これらの描写はあながち間違いではない。
 幼い頃洪水で命を落とした両親がおり、母親役は牧瀬里穂の二役。

  • 沙悟浄(演:柄本明)、猪八戒(演:小倉久寛)
 羅刹女の部下として登場、それぞれ執事と和尚に化けて寺に三蔵と悟空をおびき寄せるも、悟空に敗れ絶命する。
 その後、三蔵の力で復活を果たし、恩返しとして天竺への旅に同行する事になった。
 悟浄は金に汚く、八戒は飯と女にだらしないため旅先ではトラブルメイカーになる事が多いが、
 悟浄は高い知識、八戒は抜群の勘を持っており陰ながら天竺への旅を支えていた。
 また、悟浄がケチな理由は子供の頃に父親に何も買ってもらえなかったという背景があるほか、
 八戒は幼馴染の妖怪・春麗を最後まで信じるなど情に厚いという見せ場がある。
 あまり見せる事はないが、戦闘時にはそれぞれ河童と豚の顔になり氷の息と火を吐いて戦う。

 八戒の演者はこの後『レレレの天才バカボン』でバカボンのパパになったり、西遊記モチーフの人形劇『モンキーパーマ2』でボス役としてゲスト出演したりした。

  • 白竜(演:柳沢慎吾)
 羅刹女の部下・兇竜の息子。時の皇帝・太宗の馬に化けて皇帝暗殺を試みるも失敗し、処刑されそうになるが、三蔵の慈愛によって命を救われ、恩義を感じて旅に同行する。
 敵だった時は軍団を率いるほどの地位にいたが本当は戦闘はからきしダメだったようで、滅多な事では戦いに参加せず、もっぱら馬へ変身して三蔵法師の足となって行動する。
 性格は優しく温和で、他の三人の仲裁に入る事が多い。

 変身シーンはCG合成で、モーフィングによって白い馬が収縮して演者の姿になる。

  • 提婆達多(声:美輪明宏)
 本作における敵の親玉で、妖怪の王を自称する。巨大な目玉の姿をしており、中心部から炎を放つ。
 500年前に一度悟空に倒されているが、その時に多くの妖怪を生み出し、三蔵が天竺への旅を始める頃には復活を遂げ、人間を滅ぼし妖怪の国を作ろうと羅刹女を差し向ける。
 16話で三蔵を人質に取ることに成功するも、白竜の力を得た悟空の体当たりで今度こそ絶命。

  • 羅刹女(演:余貴美子)
 提婆達多の命で人間社会を滅ぼし妖怪の世界を作ろうと画策しており、1話では人間に姿を変え太宗に近づき妻となって唐の実権を握ろうとするが、三蔵の邪魔が入り計画は失敗。
 白竜の裏切りに遭い、彼の父親の兇竜を手にかけ、さらに白竜の兄弟である英竜と艶竜を無理矢理従わせる。
 16話で二人を処刑し白竜の命も奪うが、三人の魂が合わさった竜の反撃に合いマグマの中へと落とされた。
 いつも不気味な笑みを浮かべている残忍な性格だが、霊力を封じられた時は泣き出してしまうわ八戒にキスされそうになるわと散々な目に遭った。

【放送終了後】
放送当時、第1話を収録したVHSが発売されたが売れ行きは良くなかったのかこれ以降のソフト化は一切されておらず、2014年現在再放送も行われていない。
一説によると「制作会社が倒産した」「売れてない頃の浜崎あゆみがゲストで出た回があるので封印されている」「唐沢寿明が本作にいい印象を抱いていない」など様々な説がまことしやかに囁かれているが、
今のところ公式な説明はない。前述の低視聴率っぷりだったので、ソフト化してもあまり売れないという判断なのかもしれない。
(唐沢寿明に関してはスタント出身、かつスタントを愛する男なので、本作が嫌いという説も怪しいところがある)

また、ロケ地となった中国庭園・天華園も資金難により閉鎖、現在は一部の廃墟マニアが物見遊山で来る程度になっている。

こういった不遇な扱いを受ける事が多い作品だが、数少ない当時の視聴者からは「どうしてソフト化されないのか」「もう一度あの悟空を見たい」などといった声が聞かれる事が多い。
ネットにアップしても日テレに見つかり消されてしまうため、正当な手段でかっこいい唐沢寿明をもう一度……と思うのは建て主だけではないと思う。


「悟空!またこの項目を放置して!」
「んな事言ったってよぉ、こんなマイナーな項目誰も見やしねえって!」
「直ちに追記なさい。修正もです!」
「へっ、やなこった。せっかくアニヲタwikiに来たんだ、思いっきり暴れてやるぜ!」
「……オンキリキリバザラウンバッタオンキリキリバザラウンバッタ……」
「いっ…いてえええええええええええっ!!頭が割れるううううううう!!
 つ、追記するよ!!修正すりゃいいんだろ!!」

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最終更新:2023年06月30日 13:39