クロコダイン(ダイの大冒険)

登録日:2011/07/06 Wed 01:55:19
更新日:2024/04/18 Thu 05:29:17
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我が名は、獣王クロコダイン。

魔軍司令ハドラー様が指揮する6つの軍団の一つ…

百獣魔団の軍団長だ!!


クロコダインとは、漫画『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』に登場するキャラクター。
CV銀河万丈(1991年版)/前野智昭(2020年版)


【もくじ】

【概要】

魔王軍の幹部である六大団長の一人で、肩書きは獣王
「リザードマン」という獣人系の種族で、年齢は人間でいえば30歳ほど。一人称は「オレ」。

15年前、魔界の神が大望の為に表舞台から身を潜め、同格と謳われた者達も淘汰されるか和議を結んで暗躍していた時代。
そんな事情もあってか、魔王ハドラーが随一の実力者として地上世界で猛威を振るっていた。
そんな彼に負けじと、他の魔物や魔族達もこぞって思うままに暴れる群雄割拠の時代。クロコダインもそうした猛者の一人である。
『獣王』とはクロコダイン自身が掲げた異名ではあるが、その名に相応しい武人として名を馳せていた*1
凍れる時間の秘法によって封じ込められたハドラーをザボエラの依頼で奪還し、ガンガディアたちの元へ届けた。
その際も特に見返りを求めることなく、他の魔物たちも覇権を狙って動き出すから気を付けるようにと忠告しており、非常に高く評価されていた。

大魔王が擁する魔王軍に加わった後は、獣系モンスターを中心とした百獣魔団を率いている。
ダイ達アバンの使徒と最初に戦った軍団長であり、敗北後は勇者ダイのパーティーに加入。
パーティーのメンバーの中では最年長という事もあり、頼れる兄貴分となった。

【人物】

重厚な印象を与える筋の通った芯のある武人。
仕える者への忠誠心が目を引き、魔軍司令ハドラーにスカウトされた。
その経緯にふさわしい武人の気質を備えており、強者との戦いを望んだり、誇りの為に命を投げ出すことを良しとする。
また豪快な性格の一方で仲間を気遣う細やかさも秘め、心許した友と笑いあうことを喜ぶ一面もある。
とはいっても殺伐とした魔王軍にあって、そういった友にどれほど恵まれたかは疑問だが。
そうした魔王軍でも、ヒュンケルバランら軍団長達から実力と精神性を高く評価されていた。

ロモス王国侵攻について「自分が手を下すまでもない」と部下に任せきりにするなど弱者を見下す態度は見られた。
しかし正々堂々とした戦いを好み、敵といえども強者には一定の敬意を払うなど、魔王軍にありながら義侠心のある性格をしている。

だが、功名心から卑怯な策に手を出してしまうなど決して完璧な人物ではなく、誰にでもある心の弱さを持っている。
仲間の戦意を喪失したような行動に疑いを持ってしまったり、無力感から内心自分ではどうしようもないと諦めてしまう事もあった。
しかし彼はそれを自覚した上で、それを包み隠さず見せることができる信念と覚悟を持ち合わせている。
獣王と称えられる名声と実力を持ちながら、自らの未熟を恥じ、己を高めようとする心がけを忘れない
だからこそ誰もが彼に対して一目置くのだろう。

自分のことを頭が悪いとも評しているが、実際のところは策謀を好まないというだけ。
猪突猛進だけが能の筋肉バカとはほど遠い、むしろ作中でも屈指の知将。機転の良さと分析力はポップに並ぶ。
たかがリザードマンと舐めてかかったポップの呪文に対して、まともに受けずに真空の斧で防いだり咄嗟の判断力は高い。
勇猛さで名を馳せているだけあり、敵を前に撤退を選ぶ事はまず無い(少なくともキルバーンとミストバーンは「あり得ない」と思っていた)が、
それも絶対ではなく、心から信頼できる戦友の「戦略的撤退」を見た時は自分も迷わず逃げの一手を打つなど、経験に裏付けされた思慮と洞察力は確かなもの。
竜闘気を見てバランに対して呪文攻撃一切が通用しない事、力で押し切るしか有効打を与えられそうにない事を初対戦前の時点で既に見抜いた。
竜闘気の全貌までは解明出来なかったものの、バランもその洞察力を称賛している。*2
特にザボエラキルバーンなど魔法と知略で戦い、ステータスの「かしこさ」が高いキャラ相手に逆に策にはめている。
基本的には恐れ知らずで勇猛果敢、しかし戦力評価と引き際は読み誤らない確かな判断力、いざとなれば身を投げ出すことも厭わない忠誠心…
と、現場の指揮官としてはこの上ないほど優秀な特性を多く備えており、本人の戦闘力もそうだが、軍団長を任されるだけの将器は間違いなくある人物。

ただ、作中描写の割にステータス画面だとナンバリングの普通の戦士と同じく素早さや賢さが低い。
全ての能力が高いと強く見えすぎるので仕方ないのかもしれない。

ちなみにチウのボケにズッコケたり、アバンの女性問題をそれはそれは悪そうな顔でイジったりと意外とギャグもやれる人だったりする

【戦闘能力】

頑健な巨体と凄まじいパワーが持ち味の典型的な戦士タイプ
純生物としては「怪力無双」と謳われ、
  • 全力で斧を振り降ろせばその衝撃波が小山を両断しながら何十メートルも地面を抉り取る
  • 大型帆船型軍艦を肩で担ぎ上げ放り投げる人造の怪物相手に、真正面から組技で対抗出来る
といった膂力の持ち主。人知を超えた怪物揃いの本作においてであっても、作中屈指の剛力の持ち主である。
呪文こそ使えないものの、灼熱のブレスや真空波を生み出す『真空の斧』の力が遠距離戦を補う。並の呪文であれば強く息を吹き付けるだけで打ち消せる肺活量も怪物的、
そして、鋼鉄かそれ以上と謳われる表皮と筋肉によって、鉄塊や岩壁を砕くような砲弾の雨霰に晒されても無傷で耐え切るので、攻守共に隙が無い。
また巨体の割に動きも素早いらしく、的確に間合いを詰めて攻撃してくる。


ちなみに、クロコダインが加入した時のレベルは34。ステータスにおいては、自慢の一つの「ちから」や「攻撃力」については、それぞれ158と208。
当時既に猛威を振るっていたレベル36時のヒュンケルは、それぞれ134と219であり、カタログスペックに限れば彼にも引けは取らない。
しかし、特に目を見張るのは「たいりょく」と「最大HP」で、前者はカンスト寸前の251、後者にいたっては515である。
とりわけHPは、アバン対キルバーン戦でアバンストラッシュのダメージが、直撃は免れたとは言え80だったことを考えれば、このHPは異常である。
「ちから」も彼は自身の数倍はあろうかという岩山を投げつけたり、竜の紋章の力を解放したバランを押し込めてみせた。また軍艦を片手で担ぎ上げる怪力を持つブロックの絞め技を自力で振りほどき、さらに逆に投げ飛ばすほどの剛力である。
ただし「守備力」はレベル34の時点では81と、どちらかと言えば低い方である。
にもかかわらず、竜闘気(ドラゴニックオーラ)をまとっているバランの真魔剛竜剣による一撃をダメージはあれど耐えている。
これにはバランも焦り「し…信じられん!!竜闘気(ドラゴニックオーラ)をこめた我が剣の一撃をくいとめるとは…!!?」と驚愕した。
これは恐らく上述の異常に高いHPのおかげで耐えられたものと思われる。
もともと彼は数多の攻撃を被弾しながらものともせず仁王立ちするか、ダメージを受けてもなお立ち上がるタフさが売りの不屈の闘士タイプ。
いわゆる「当時のドラクエにおける守備力」*3が高いタイプではない。

ちなみに集英社から発売されていた設定資料集によると、バーンとの初戦時点でのレベルはなんと47である。
30巻で確認できる最終的なヒュンケルのレベルが47であることから考えると低いどころか相当な高さ。
ただし獲得経験値に対してレベルが低いため、ゲームにおける仲間モンスターのような「ステータスは高いが成長が遅いタイプ」だったと思われる。
物語後半の戦力外通知はダイ達の急速な成長についていけなかったからかもしれない。

だが、そういった不遇さにも関らず(もしくはその不遇故か)、やはりキャラクターとしての人気は高い。
彼が自ら捨て石となり攻撃を肩代わりして受けたことによって、ダイ達が助かった事は少なくない。
一見やられ役のようでそれによって活躍しているという、他にいそうであまりいない独特の地位を築いている。
あと、仲間を逃す為とは言え捕まったりなど、ヒロインの様な待遇もあったりなかったり。
傷だらけになりながらも泥臭く戦う、誇り高く豪快で仲間思いなおっさん……読者はそういったところに魅力を感じ取っていたのだろう。
むしろ「パワーキャラ」「非人間」「元敵キャラ」という一般的な創作ならば不遇キャラの権化のような特性の持ち主でありながら、実力で最後まで食らいついてきたことに驚きを隠せない新規読者もいたとか


耐久力

怪力以上の最大の売りが、肉体のタフさ。
上述の通りクロコダインに外傷を与えること自体が難しいのだが、例え傷を負う超威力の攻撃に晒されようとも、なかなか倒れない。
クロコダインは敵味方どちらの陣営にあった時も活躍しているのだが、同時にやたらと重傷を負うことが多く
  • 初戦でダイに左目を潰される
  • 続く第2Rでダイのアバンストラッシュで腹を大きく切裂かれて死亡
  • 蘇生直後で傷が癒えぬ内にヒュンケルのブラッディースクライドで腹を貫かれる
  • オリハルコンすら容易に貫く真魔剛竜剣に全力の竜闘気を込めた一撃を腕に受けて食い止める
  • バランに腕を折られた挙句、あわや失明かというほどの傷を右目に受ける
  • バラン戦第2Rでギガブレイクを二発も受け、バランが竜魔人化した後には腹を貫かれる
  • バランを振り回し、ライデインをくらう
  • 戦車や軍艦をも破壊する鬼岩城の砲撃からアキームを庇う
  • 船を投げ飛ばすパワーを持つブロックに格闘戦でボコられる
  • 大魔王バーンとの初戦での暗黒闘気の塊をモロに受け、さらにカラミティウォールで吹っ飛ばされる
  • 旧アニメのOPでダイにあっさり焼かれている*4
……などなど。
特に同じ軍団長全員から最低1回はボコられている。一番手で戦って仲間入りとなれば彼らの引き立て役にされてしまうのも止む無しか…。
一体読者は何度ク、クロコダイーーン!!という仲間の悲鳴を見聞きしたのだろうか。
とはいえ、ここまでされててもわざと治していない左目以外五体満足で、死亡回数もダイに負けた一回切りである。
実際バランからは「ふ…不死身かおまえは…!?ギガブレイクを2発受けて生きてるヤツなど今まで誰もいなかった」と驚愕された。*5

1回マジで死んでるのとヒュンケルがブッ飛び過ぎているせいでクロコダイン本人も「不死身はヒュンケルの専売特許」と謙遜してはいる。
しかしバランやアキームに評されたようにこの人も大概不死身である。
むしろヒュンケルの不死身は主人公補正じみたモノに対し、クロコダインは何の補正もない純粋なタフネスで耐えている。バランが驚愕するのも納得。
更にヒュンケルはそれまでの不死身の代償に、全身の骨がヒビだらけでもはや魔法をもってしても治らない状態となって再起不能。クロコダインは元気。

この頑丈さは魔王軍時代からも高く評価されており、クロコダインが敗れたと知った魔王軍はどよめきを隠せなかった。
特にクロコダインの敗死に呆れていたフレイザードですら、蘇生中のクロコダインの傷跡を見るなり「どんな怪力でもクロコダインの鋼鉄の身体をここまで破壊する事はできないはず」…とクロコダインの能力自体は無茶苦茶評価した上で、それをやらかしたダイの潜在能力のヤバさに戦慄している。
彼は他の六団長とも反発して自身が最強と自負してやまない不遜な性格であり、そんな彼からのこの評価は相当破格なものだった。

また、このやられ役自体がクロコダイン自身による捨て身ではあるものの、それは決して猪突猛進や自信過剰から来るものではない。
これは自分自身の最もアドバンテージである「打たれ強さ」を持ってして相手の手札を探る為に敢行しているのである。
人物像でも書かれたように分析力と機転はポップ並、そしてポップは打たれ弱いがその知恵は信頼しているが為、彼が代わりに自ら犠牲になっていった。
彼が先陣を切って攻撃を受ける事で、仲間達の為に敵の戦力や攻撃方法を引き出させ、それが勝利へと繋がる事が多々あった。
メタ的にも、原作者が「威力のほどを表現しようにも、クロコダイン以外が喰らうとそのまま死亡する攻撃を、彼に受けて貰っている」というコメントを残している。
その顕著なものがバランも怯んだ二発のギガブレイクだろう。

バラン…ギガブレイクでこい…!!

強大な力でダイを奪い去ろうとするバランの体力と魔法力を少しでも削るためにあえて最強の技をその身に受け、自ら捨て石となることを選んだ。
これがあったからこそバランは肝心のダイとの対決時にギガデインを使う事ができずライデインで代用し、結果として武器で劣るダイがライデインストラッシュで打ち勝つ事ができたのだ。
そしてクロコダインでなければギガブレイク二連発などというバランすら想像していなかったダメージを受け止められはしなかっただろう。
更に言えば、これを食らってもバランを振り回す程の力を残っていた上、追加にライデインを受けてもヒュンケルを投げ飛ばす力が残ってた。
ここまでくるとダイの未完成版のアバンストラッシュごときで一度死んでいるというのが逆におかしい気すらしてくる…
これについては、紋章の力で大幅強化されていることに加えて、作中でクロコダインのメンタルが最も弱っていたタイミングだったのも大きな要因である可能性も否めない。
ちなみに、新作アニメ放送の際、原作者は
「ザボエラの策に乗らずにクロコダインが完璧なメンタルのまま真正面からダイ達に挑んでいたら、ダイ達に勝ち目は無かった」
とコメントしている。
このケースに関してはダイが紋章の力を発揮出来ないことが大きな理由だが、紋章の力を発動出来た場合でも勝負の内容はまた違っていたかも知れない。


上記の事実だけでも大概なのだが、もう一つ恐ろしい事実が挙げられる。
それはバーンとの初戦の後ヒュンケルと共に捕まってから救助されるまでロクな休息を取っていないはずなのに即戦線復帰している点
さすがにコマに映ってないところで回復魔法とか貰っていたとは思いたいが……
バーンから暗黒闘気喰らってるので回復魔法貰っても回復できなかった可能性もある。なのに、あの元気っぷり

また、バランの言葉を鵜呑みにするならば、あのバーンと肩を並べた冥竜王ヴェルザーでさえ二連ギガブレイクに耐えられなかったと思われる。*6
後に戦う超魔ハドラーも、キルバーンの血で剣が腐食していなかったらギガブレイクの直撃で首を刎ねることが出来たはずだと言われており、クロコダインの耐久力の高さがうかがえる。
闘いの遺伝子でもそのような相手は存在しなかったと考えられ、バランが驚愕するのも納得(2回目)。
一応レオナからベホマを貰った上で耐えきったのでクロコダイン一人で耐えきれたわけではないとはいえ、真似出来る者は極一握りであろう。


当時その概念すらもなかったものの、RPGで言う「タンク」として、彼以上の実績を残した者はいないだろう。
これ等のとんでもない事実及び、2020年の再アニメ化で改めて目に触れることが多くなったことで、彼の凄まじいタンクっぷりが評価されているとかなんとか。


ここまですさまじい耐久力について書いてきたが、防御力だけを見るなら並ぶ者はいる可能性が高い。
例えば超魔ハドラーあたりでも「捨て石になる覚悟で全パワーを防御に集中」すれば同じくらい耐える事も出来ただろう。
実際超魔ハドラーは、バラン自身が気が付かない程度の剣の腐食の切れ味低下で、きちんと隙を突かれて叩きこまれたギガブレイクが首の表皮で止まってしまう程の防御力を元々持っており、防御に集中すれば万全のギガブレイクを受け止められてもおかしくない。
ただ超魔ハドラーはもう余命幾ばくもない状態であり、食らって耐え凌いで受けたダメージを回復して次、とはいかない状態。
瀕死になっても次の戦闘までに回復してピンピンして戦線復帰、とまでやってのけるのはやはりクロコダインの専売特許と言えるだろう。


使用技

  • 焼けつく息(ヒートブレス)
麻痺の追加効果を持つ灼熱の吐息。忘れられやすいが状態異常効果があるクロコダインには珍しい搦手寄りの技。
本人も「奥の手」と語る完全な初見殺しでダイも危うく殺されかけた。
出力を上げれば岩盤であろうが溶かす程で、これによって地面を強引に掘り進むことも出来る。……これを浴びたダイはよく麻痺で済んだものである。
クロコダインの肌の色はこの火属性を意識しているのだろうか?なお、作者三条陸によるとこれで大きな魚を炙っておやつにしているらしい。
戦闘以外ではノヴァマヒャドを反射されてほぼ全身が氷で覆われ動けなくなったダイやポップを強引に解凍するのにも使われた。
ちなみにバランの部下である海戦騎ボラホーン凍てつく息(コールドブレス)という対照的なブレスを持っている。


  • 獣王痛恨撃/獣王会心撃(改名後)
クロコダインの代名詞とも言える、片腕に集中させた闘気を竜巻のように開放する技。
生半可な呪文などはかき消し、進行方向に大規模な破壊を生む。
新アニメにおいては、遥か水平線まで届かんばかりの、ロボアニメのビーム兵器のような超射程を披露した。

バルジ島での戦いの際、バダックに「痛恨撃とは名前が物騒でいかん」と「会心撃」への改名を勧められた。
要は、味方になったんだから「痛恨の一撃」ではなく「会心の一撃」だろう、ということである。
使い勝手が良くクロコダインもよく使っているが、名のある強豪をこれで仕留めた例は無い。
防御に専念すれば極大呪文を防ぎ切る竜闘気状態のダイやバラン、神の金属オリハルコンの塊が相手でも、たじろかせてその場に釘づけにする程度の効力は発揮するので、決して弱い技ではない。
しかし、やはり強大過ぎる敵に対して威力不足が否めず決め手に欠けていたため、新技を特訓する運びとなった。*7
DQHでは中の人ネタでディルクがこれとネーミングが酷似する必殺技「国王会心撃」を使う。

  • 獣王激烈掌
…ならば“もう一つの渦”をくれてやろうっ!!!

終盤の戦いに臨むにあたって習得した。
大渦が渦巻いている海底に潜り、その側に大渦をもう一つ作ってみせるというメドローア習得の次点くらいの荒行で習得した。
その際は渦潮のうねる海底から自力で戻るのが難しいのでチウに引き揚げて貰っていた。
大渦の近くでやる必要あったのかとか潮流が変わって元々の大渦が獣王会心撃発動時からして消えそうでは?などの疑問を感じるが、まあ負荷が大きいことは確かで成果も見やすいということで問題はないだろう。多分。

簡単に書けば会心撃×2だが、両手から放った2つの渦の間に敵を挟みこんだまま“捻り切る”エゲツない技。他作品に例えるなら神砂嵐
世界最硬の強度を持つ金属・オリハルコン製の生命体にも通用する威力で、初めて使用された際にはシグマの腕を引きちぎっている。
……ただしミストバーン相手には足止めにすらならなかったが。これは流石に相手が悪すぎた。*8

後に「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2 プロフェッショナル」にて「獣王げきれつしょう」という名称で採用された。

武装

  • 真空の斧
円形の斧頭が特徴の本人には丁度いい(つまり馬鹿でかい)大きさの片手斧。人間では両手でもまず扱えない。
実際、修理した真空の斧が箱に入った状態とはいえ、バダックは肩に担いで運んでいる。
忘れられやすいがこの斧もダイ世界における伝説の武器の1振りである。
備え付けられた赤い魔法石によりバギ系呪文を発動できる魔法のアイテムで威力はバギクロスレベル。また発動のためには「うなれ」と叫ぶ必要がある。
しかし原作のドラクエでも最上位呪文を付与される魔法武器はほぼない…。よって恐らくバギの属性と魔法力を自身の斬撃に付与して斬撃を拡張させる武具と考えられる。
ダイがメラで魔法剣をやっていた事を考えると、魔法付与斬撃の先人ともいえる。
またアニメでは自身を中心に50m程の範囲で嵐を巻き起こし、相手の動きを封じたりもしている。

獣王痛恨撃のことを考えると補助的な扱いだったと思われるが、自身が呪文を使えないという弱点をこれで補っていた。
強烈な風圧で敵の接近を阻んだり、空気流のバリアを作りポップのメラゾーマを軽減したりもできたりと意外にも応用力も優れている。
伝説の武器故にクロコダインは時折破損しては修復して使っていた*9
性能は不明だが、下記のMk-Ⅱもステータス画面では『真空の斧』として扱われているので、これと同程度と推測される。

  • 帰って来た真空の斧Mk-Ⅱ
バランとの戦闘で破壊された真空の斧を、バダックがパプニカの金属で刀身部を新規製造して再生した。
真空の斧が円形の斧頭に両刃に上までカバーする形状だったのに対し、Ⅱはマンベリを思わせる三方向に突き出した鋭利な形状に変わっている。
前述通りパプニカ王国で産出される特殊な金属を使用しているらしく、全体的に一回り大きいのも特徴。
名前はバダック命名だが長いため、誰にもそう呼んでもらえない。ステータス画面でも『真空の斧』と紹介されていた。
先代同様、ちょくちょく破損しては修復されてたが、大魔王バーンとの初戦闘でカラミティウォールに巻き込まれ粉々に砕かれてしまった。
単行本16巻の巻末に掲載された「キャラクターパラメータ」表によると、攻撃力は50と中堅武器程度。
最終的にはバランとの戦いで刀身を砕かれてしまったが、魔法石が無事だった為にバダックによりMk-Ⅱの基になった。

  • グレイトアックス
ロン・ベルク謹製の大戦斧。詳細はリンク先を参照のこと。
他の武具同様に最終決戦用に作製されたものの一つであり、実質クロコダイン専用。クロコダインを海底から引き揚げられる怪力のチウでさえ運ぶのがやっと。
そもそも彼ぐらいの体格とパワーがないと使えず、ほんのちょっと上から落としただけで魔法使いタイプとはいえ魔族のザボエラの両腕を粉砕した。
バギ系に加え、「轟火」の言葉でメラ系を、「爆音」の言葉でイオ系の呪文まで発動できる優れもの。
クロコダインはその破壊力を見て「ちょっとしたアバンストラッシュ気分だ!」と喜んでいた。
ただし、クロコダイン自身にとっては慣れない武器*10で訓練する時間もなかったことなどもあってか、
  • 超魔ゾンビには歯が立たず
  • ミストバーン戦でもまともに使われず
  • バーンの下に辿り着いた際には所持すらしていない
などロン・ベルクの作った武器の中で最も活躍が無いまま終わってしまった不遇の作品。
多彩な武器が使えるのが戦士のメリットでありながら装備品に恵まれず、己の肉体で戦う武闘家に近い戦い方に特化しなければならなかったクロコダインらしい結果ともいえる。

  • 獣王の鎧
初登場時から最後まで身に付けていた鎧。
防御力は65と結構高く、非常に重いことを除けば獣人の装備の類では最高の性能を誇る。
…実のところダイの大冒険のキャラは彼に限らず兜も盾も装備していない扱い*11のため、実はこの数値でもそこまでバランス崩壊していない。
腕と肩の部分が痛恨撃/会心撃を撃つ度に弾け飛ぶが、こちらは自己修復が可能でいつの間にか戻っている。

特殊アイテム

  • 魔法の筒
人質として捕えられたブラスや、直属の部下のガルーダを収納するのに使用した。
筒の口を生物に向けて「イルイル」と唱えれば、その大きさや質量に関係なく収められ、「デルパ」と唱えれば中身を出すことができる。
これ自体はそこまで特別なアイテムじゃないのか、ブラスやパプニカの賢者も使っている。

  • 獣王の笛
吹いた音に引かれて出現したモンスターを倒すことで改心させ、自身の部下にできる。
百獣魔団長になってからは不要になり、使わなくなったらしい。
後に激烈掌の特訓を手伝った褒美として、チウに譲られている。
但し、「対象のモンスターは指定できるが、何匹出現するかまでは指定できない」という欠点があり、チウは苦労をすることに…
クロコダインの場合は何匹出現しようが、ものともしないほど強かったのだろう。

【作中での活躍】

百獣魔団軍団長として

各軍団長が地上を侵略する中でクロコダインが割り振られたのは弱小国のロモス王国*12。大した兵力が無いロモスを攻めるのに辟易していた。
しかしハドラーから連絡が入り、「自分(ハドラー)に深手を負わせた少年が近くに居る」という言葉でダイに関心を持つ。

そのまま単独で出陣し、死の森で彷徨っていたダイやポップを発見、戦闘に入る。
戦いでは終始ダイを圧倒するが、ダイを置いて一目散に逃げたポップを引きずってきたマァムのサポートもあり、不意を突いたダイの反撃で左目を潰されてしまう。

拠点に退散して痛みと失態に怒り狂う中、同じ軍団長のザボエラが現れ傷口に塩を塗り付ける。
「このままでは今の地位が危うくなる」
「ハドラーはともかく他の4団長は『獣王クロコダインは小僧の首一つ満足に取れんうつけ者』と言うだろう*13
…とザボエラに危機感を煽られつつ“秘策”を提案された。
怒っていたとはいえ流石にあまりに卑劣な策だったので初めは嫌がるも、上記の経緯から心が弱っていたためにザボエラの“秘策”を手にしてしまう。
そして必ず現れるであろうダイを倒すため、百獣魔団の全軍を率いてロモス王国に強襲をかける。


ロモス城侵攻

目論み通りロモス城内にてダイ、マァムと再戦(ポップはまた逃げた)。秘策の正体であるダイの育ての親ブラスを盾にダイの攻撃を封じ、
必殺の『獣王痛恨撃』を喰らわせた事でダイは力尽き、勝利は目前に。
パーティが壊滅している中、なけなしの勇気を胸に戦場へ戻ったポップ(ニセ勇者の項も参照)に対しても、圧倒的な実力差からいたぶった。
……のだが、それはポップも織り込み済みだったところであり、彼がそこから更に根性を見せて破邪呪文でブラスが開放された上、
後顧の憂いが無くなったことと、怒りで竜の騎士の力を発動させて復帰したダイによって致命傷を負ってしまう。
もはや自らが助からないことを悟り、同時に戦いを通して人の絆の強さを知ったクロコダインは、
「負けるのであれば始めから正々堂々と戦うべきだった」と後悔の涙を流した。
そして「負けるなよ!勇者は、つねに強くあれ!」とダイ達を激励し、自ら高台から飛び降りて死んでいった。

人質を取ったにもかかわらずの敗北だが、ダイの紋章の力がこの汚い作戦への怒りによって発動したことを考えると、逆に決定的な敗因になってしまったのかもしれない。
後にヒュンケルも「クロコダインが負けたのはザボエラのくだらん入れ知恵のせい」との考えを示している*14

初めて完全敗北した軍団長。それもまだまだ未熟な頃のダイ達に…ではあったが、一方でこれらの流れから最初から妙に人間味を感じるワニだった。

ダイの仲間として

彼の遺体は魔王軍によって秘密裏に回収され、蘇生処理を施される。

そして奇跡的に生還した後はなんと魔王軍を離れ、折しもヒュンケルとの初戦闘で追い詰められていたダイ達を助ける行動に出た。
しかし傷が完治していない身体ではヒュンケルの剣を受けきれず、再び力尽きてしまう(それでもなんとかダイとポップを逃がした)。
再びヒュンケルの拠点・地底魔城で手当てを受けて蘇った後は、フレイザードの裏切りでマグマに飲み込まれたヒュンケルを救出。
そして互いに傷を癒した後、フレイザード攻略戦からダイ達の仲間となる。

フレイザードに勝利した後の宴会では最初は場を慮って人目につかない所でチビチビと飲んでいたが、
クロコダインに友情を抱いて追ってきたバダック達に囲まれて飲んだ酒を「今までで一番旨い」と語るなど、人間と共にあることを心から喜んでいた様子。
大抵の仲間からは「クロコダイン」、ポップからは「おっさん」と呼ばれ、ダイ達以外にも多くの友人に恵まれていく。

上述のヒュンケルからダイ達を助ける場面、またバランとダイが親子で殺しあう場面では、自ら捨石になってまで攻撃を受けながらも
人間の素晴らしさを必死で説き続けるなど、情に厚い面が強く出ていた。

戦闘においては雑魚モンスターが相手だとほぼ無双状態だが、強敵が相手の時は上記の通り壁役が主。
しかし親衛騎団戦ではパワーで勝るブロックに苦戦しつつも意地の投げで反撃し、シグマとも互角に戦ってみせた。
北の勇者ノヴァでも敵わなかった親衛騎団に善戦できる彼は間違いなく地上有数の強者である。


最終決戦

そして迎えた最終決戦の日、ミナカトール魔法陣の防衛部隊の防衛の主力として雑魚相手に無双。
ザボエラの超魔ゾンビ相手では窮地に陥るが、ロン・ベルクが超魔ゾンビを討ち取った際に脱出したザボエラを追撃。
他人を利用し裏切り続けたザボエラを人知れず討ち果たす。
ただ一人その様子に気づいて現れたバダックには、高い実力を持ちながらも惨めな最期を遂げたザボエラの亡骸を見ながら胸の内を明かした。
「ダイ達と一番手で戦っていなければ、オレもどう歪んでいたか分からない」と。

しかしバダックの

「ワシの誇るべき友人獣王クロコダインは、たとえ敵のままであったとしても己れを高めることに生命を賭ける、尊敬できる敵であったろうと…」
「ワシは思うよ…!」

という言葉により、クロコダインは救われたのだった。

以降はチウ、ブロキーナと共にダイ達を追って上空のバーンパレスに向かうこととなり、ミスト戦にも参加した。
しかしバーンの肉体を解放したミストバーンの圧倒的な身体能力の前に獣王激烈掌も足止めにすらならず衝撃波で切り裂かれ吹き飛ばされてしまう。
大魔王バーンとの最終決戦ではバーンの鬼眼の力で「瞳」に封印されてしまい、戦線を脱落。
鬼眼はバーンと戦う資格の無い者を瞳にする効果があり、ポップはバーンの台詞と結果からクロコダインですらレベル外と判断された、と類推している。
最終決戦ではネームド相手では戦力外扱いだが、相手が強すぎるのでしょうがない所である。

本編のエンディングではブラス、ヒム、チウと過ごす様子が描かれている(場所はデルムリン島?)。
彼の人柄から言っても、嫁さん探しに苦労はしなさそうである。

なお、魔界編にて新海戦騎となる考案があったらしい。

【劇場版での活躍】

劇場版第二作「ぶちやぶれ!!新生6大将軍」では、百獣将軍ザングレイと対決。
斧の打ち合いに打ち勝つもドテッ腹を槍で貫かれてしまうが、それをものともせず斧を振り下ろして反撃し、ザングレイを仕留めた。
更にはヒュンケルとの同時攻撃でデスカールを倒し、ガルヴァスも一時戦闘不能に追い込んだ。

【人間関係】

魔王軍時代の上司。
ハドラーからは忠誠心を評価されており、クロコダインもハドラーの為なら死んでも良いと敬意を払っていた。
当時のハドラーは焦燥から嫌な奴になり始めていたこともあるが、この時のハドラーの部下は基本的にバーンから借りてるだけに過ぎない。
よって当時の彼に忠誠心を示したのは実は作中ではクロコダインくらいのものだったりする。
実際クロコダインが寝返った際は「ヒュンケルはともかくクロコダインまでがダイたちに寝返るとは!!」と驚愕を露にしている。
それだけ相当ショックだったのだろう。

魔王軍時代の同僚。
謀略や卑劣な行いを好むザボエラとは反りが合わなかったものの、その魔力と智謀には一目置いていた。
後にザボエラを討ち果たした際も敵も味方も含めてただ一人その死を惜しんでいた。

……実は、クロコダインの蘇生を直接的に行った当人であり、クロコダインにとって命の恩人の1人だったりする。
もちろん、別にクロコダインへの好意から行なったわけではなく、単に職務としてこなしただけであるが。
理由はともあれ助けてもらったことは事実……なのだが、クロコダインがそのことに感謝している描写は一度もない
まあ間接的とは言えクロコダインにとっては敗因と死因でもあるので、別に感謝する義理がないのも事実なのだが
もっともザボエラサイドから見ると
「せっかく(自称)必勝の作戦を授けてやったのに、中途半端に迷ったせいで敵のパワーアップを招いた」
「挙句に敗死、仕事だから仕方なく蘇生してやったら秒で魔王軍を裏切った」
…という恩の多重仇返し状態でもある。
やっぱりもうちょっと形だけでもザボエラに感謝した方がいいんじゃないか?でもザボエラの策が無い方が多分勝ててた

一方で口にこそ出してないが、超魔ゾンビ撃破後に味方に黙って独断でザボエラを追撃し、即座にトドメを刺さずにわざわざ対話の機会を設けている。
これはザボエラ側からの降伏を期待していたのでは?と見る説がある。(最初から殺すつもりなら万一の策謀も許さず即座に殺すのが最も安全)
それでも対話したのは、魔王軍の貴重な情報源となる可能性があるというだけではない。
義に篤いクロコダインのこと、ザボエラが全てを投げ捨てて心の底から命だけは助けてくれと懇願すれば、見逃しはせずも殺しはしなかったかもしれない。
前述のように自身の背信行為があった事も踏まえ、本編同様にそれを踏み潰すような非情な対応はしなかったのではないかという意見もある。
それでも、歴戦の獣王かつザボエラの策謀に振り回されたクロコダインは、ザボエラに情けをかけることを考えても警戒すら怠るほど不注意ではない。
しかし、ザボエラは目の前に差し出された最後の救いの手すら「自分が成り上がるための踏み台」としか解釈できず、自ら奈落の底に落ちて行った。
今までの情と恩から無言のまま差し出した救いの手を跳ね除けるどころか唾を吐きかけられた「失望」
散々卑劣な手を打っておきながら仮にも獣王を名乗った男に未だに騙し討ちが通じると甘く見られた「怒り」
その智略と魔力から一度は賞賛されながらも全てを失って地を這いずるしかなくなった哀れな老人への「憐憫」…

そう言った諸々の感情を引っくるめて、自らの手で引導を渡すことを決意した別れの言葉が「この世には煮ても焼いても食えない奴がいる」だったのかもしれない。
一つの考察に過ぎないと言えばそれまでではあるが、そうだとすればなんとも皮肉である。

魔王軍時代の同僚。ただし旧魔王軍時代に一度だけ邂逅している。
ヒュンケルからは魔王軍時代から「尊敬に値する男」と高く評価されていた。
後に共に魔王軍を裏切った後は、親友と言っていい関係となった。
クロコダインも作中で「不器用だが万人に誇れる友」と発言するなどヒュンケルを強く信頼していた。

なお、クロコダインが二度目の復活を果たしたのは、ヒュンケルが部下のモルグに手当てを命じたためである。
クロコダインはこれに関してはちゃんとヒュンケルに謝意を示している。ますますザボエラへの雑な扱いが浮き彫りになる

魔王軍時代の同僚。
「六団長の中では最もおまえを買っていた」とその人格や能力から一目置かれていた。

魔王軍時代の同僚。
最初の頃は無口だったミストバーンとの関係は希薄だったが、後に「卑怯な闘いを好まない」人物像をその中に見出している。
仮にクロコダインが終始魔王軍を離れなければ多少は親しくなれたかもしれない。

  • ガルーダ
魔王軍時代からの側近。クロコダイン曰く「オレの命令しか聞かない」とのこと。おそらく獣王の笛で仲間にしたのであろう。
大鳥のモンスターで百獣魔団が壊滅した後もクロコダインに従い要所要所で登場している。
巨体であるクロコダインを持ち上げて高速飛行できる程の膂力を持つだけでなく、妖魔士団の上級兵達が放つメラゾーマを一撃で相殺する強烈なブレスという攻撃手段も持ち合わせている。
ハドラー親衛騎団との戦いではクロコダインだけでなくマァムとヒュンケルも含めた3人同時に運ぶという離れ業も披露。
…が、流石に3人同時に運ぶのは彼でも相当きつかった様で、サババの造船所到着後にノビていた。
それ以降は登場していない為、彼がどうなったかについては定かではない。

新作アニメではクロコダインを要所要所でサポートする場面が増えている。

ダイを「己の心の闇に光を与えてくれた『太陽』」と評している。

ポップからは「おっさん」と呼ばれて慕われている。
ポップを「己の心のにごった汚れを取り除いてくれた存在」と称賛しており幾度と無く彼の危機を救っている。
アバンの使徒以外の味方で最もポップを信頼し、信頼されていたのはこの人だろう。

パプニカ王国に仕える老騎士。
レオナを救出した際の宴で場を慮って人目につかない所でチビチビと飲んでいた所を声を掛けられ、以後友人関係となる。
その誇り高さや義に厚い姿勢からバダックからは深く信頼されている。
必殺技の改名や武器の修理いったアシストも行っている。

マァムの兄弟子である「空手ねずみ」。
激烈掌の特訓を手伝った褒美として、チウに「獣王の笛」を譲った。
後に獣王の笛で自分の部下にした獣王遊撃隊のメンバーをクロコダインに紹介した際には、勝手にクロコダインを先代獣王扱いしていた。
これにはクロコダインも「やれやれ早くも先代にされてしまったわい」と苦笑していた。


【余談】

本筋には関係ないが、一般的にリザードが指す生物はトカゲである。
それに反して本人の名前や見た目から連想されるのはワニ……どっちなんだろうか。*15
もっとも「ワニの獣人」を指す固有名詞がなく、爬虫類系獣人を一括りにリザードマンと呼ぶ事が多いので間違いではない。
実際、後発のドラクエ5で採用されたリザードマンもトカゲではなくドラゴンベースであるし、トカゲでなくても何らおかしくはない。
ちなみに彼のデザインのもとはドラクエ5からいるスリムなリザードマンではなく3で没になったもう少し太ったリザードマンである。
一度は没になったデザインがボスキャラに抜擢、仲間化とかなり優遇されたキャラといえる。
何故ピンクなのかはわからないが、当wikiにはピンク色になったことで人間に崇められるようになったワニの話がある。
あと異世界に行った中国拳法家もリザードマンをワニ呼ばわりしていた。

新アニメ版でクロコダインを演じる前野智昭氏は新アニメ版でのマァム役である小松未可子氏と夫婦であるため、ちょっとした話題になった。*16
なお、小松氏がダイの大冒険マンチョコを2つ購入したところ、クロコダインが2枚出たみかこし「圧を感じる…」

【その他の名言】


クロコダイン
「こんな未熟な少年までが友情にすがり命をはってまで戦っている。
 これにひきかえこのオレは己の身が可愛いさに誇りを捨てて卑劣な手段を使ってしまった。

 本当にいいのか、このままで。男の誇りを失ってまで得る価値のある勝利かっ!?」




クロコダイン
「どうせ負けるなら、正々堂々おまえと戦って負ければ良かったよ…
 小僧、おまえにも教えられたぞ、男の誇りの尊さをな。
 おまえたちのような相手に敗れたのであれば、まったく悔いはない。むしろ誇るべきことだ。
 目先の勝利に狂ったオレは、馬鹿だった…

 さらばだダイ…負けるなよ… 勇者はつねに、強くあれ…!」



クロコダイン
「オレもそうだ 人間どもを軽蔑していた…ひ弱なつまらん生き物だと思ってた…
 だがダイたちと戦って……わかったんだ…人間は強い…!そして優しい生き物だ!
 ともに力を合わせ喜びと悲しみを分ちあうことができるんだ
 ただ強いだけのオレたち魔物とは違う…人間であるおまえに…その素晴らしさが分からぬはずがない…
 おまえは…見て見ぬふりをしているのではないのか…ぐ…あ…!!
 …ヒュンケル…いいぞ…人間は……
 ……今度生まれ変わる時には…オレも……に……人間に…ぐふっ…!


クロコダイン
「おまえがオレの手当てを命じたのも武士の情… 情には情をもってこたえねばならん」


クロコダイン
「…ヒュンケルよ…オレは男の価値というのは どれだけ過去へのこだわりを捨てられるかで決まると思っている
 たとえ 生き恥をさらし 万人にさげすまれようとも己の信ずる道を歩めるならそれでいいじゃないか…
 …オレはダイたちに加勢しに行く…!

 それが武人の誇りを思い出させてくれたあいつらに対する せめてもの礼よ!!」


クロコダイン
「片づけるだと?笑止なっ!

 貴様らごとき雑兵にこの獣王が倒せるかあっ!」




クロコダイン
「ヒュンケルはどうだか知らんが
 少なくともオレはハドラーや大魔王バーンのためなら死んでもいいと思っていた。
 主のために生命を捨てるのが真の武人…!その対象が今はダイになったというだけの話だ!
 ダイがいなかったらオレやヒュンケルはいつまでも魔道をさまよっていたに違いない。
 あいつはオレたちの心の闇に光を与えてくれた太陽なのだ!
 生きとし生けるものにはすべて太陽が必要なのだ!

 それを奪おうとする者は断じて許せん!たとえ力およばずとも戦うのみ!」




クロコダイン
「なあに、まだ左腕が生き残っている。やってやれんことはない。
 それにたとえ失われようとおれにはまだ心の目がある。おまえがぬぐってくれた心の目がな!
 そうだ、あのロモスの戦いの時おまえは絶対にかなわぬ相手であったこのオレに生命をかけて向かってきた!
 その姿にオレは信じあいながら戦う人間の素晴らしさを見た!

 オレの心のにごった汚れをとりのぞいてくれたのはポップ おまえだ!」



バラン
「…そう 策で思い出したが
 来る途中 いつぞやの魔法使いの少年が足止めに来たな…竜騎衆に任せて一足先に来たが…
 あんな未熟者を捨て石に使うとはクロコダインらしからぬ残酷な策だ…
 それとも そちらのお嬢さんの思いつきかな…?」

(ポップ おまえは一人でバラン達を足止めに行くために…わざと仲間割れのふりをしたのか!?
 味方に恨まれてまで…ダイのために…!!)

クロコダイン
「ハッ…ハハハハッ!!!ワーハッハッハッハッ!!!」

(オレはなんたるバカだ!おまえのそんな心も見抜けず本当に逃げたものと思っていたとは!
 ゆるせよポップ あの世で会ったら好きなだけオレを殴れ!)

バラン
「く…狂ったか!?クロコダイン!!」

クロコダイン
「我が心の迷いは晴れた!バラン!勝負だっ!!」




クロコダイン
「バラン…ギガブレイクでこい…!!」

バラン
「な なんだと!?」
クロコダイン
「オレの身体(からだ)とてそうヤワではない
 おまえの最強の技でなくてはこの生命(いのち) 奪えんぞ!!」


バラン
「ふ…不死身かおまえは!?ギガブレイクを2発も受けて、まだ生きてる奴など今まで誰もいなかった…!!!」
クロコダイン
「フフフッ、不死身はヒュンケルの代名詞。オレごときがこんな攻撃をくらいつづけたら確実に死ぬさ!

 だがオレの生命とおまえの力との交換なら悪い条件じゃない!

 さあ!何発でも放ってこい!!オレの生命とおまえの(パワー)…!!

 どちらが先につきるか 勝負だッ!!!」




【新アニメ版オリジナルのセリフ】
クロコダイン
「そうはさせるかあ!俺とて獣王と呼ばれた男!何もせず坐するつもりなどない!」
(真魔剛竜剣を手に飛翔しようとするバランの身体を地面に叩きつけ、振り回す)
「俺の腕を斬りたくば、ギガブレイクでも使うことだ!」
(しかしライデインによりやられ、手を離してしまう)



クロコダイン
「死してもなおここまで皆の心を動かすとは!
 アバンどの、このクロコダイン、一人の武人として是非ともあなたにお目にかかりたかった。」


クロコダイン
「…いけすかぬ男と思っていたが ヤツもヤツなりの忠誠心を持っている
 …なかなかの武人よ! 死なせたくはないっ!!!」


クロコダイン
「…わかっている!よほどの事がない限り 今のおまえは一人で逃げたりはせん
 そう思ったからこそオレもためらいなく逃げを選んだのだ!
 …そろそろつきあいも長いからな」(ニヤッ)



(アルビナスを撃退する為にバランのカウンターをまともに受けてかばったヒュンケルに)
バラン
「…ただのきれい事ではなかった…この男は生命を捨てて…私を救った…
 …この勝負…私の負けかもしれん………クロコダインよ…私はどうすれば良いと思う…?
 何をすればこの男に報いてやれるのだ?」

クロコダイン
「オッ、オレに聞かんでくれえッ!!

 恥ずかしい話だが、バランよ。
 オレも心の底では、おまえとバーンを戦わせたほうが、人間たちには得だと思ってしまっていた!!
 今さら自分の力ごときで、おまえを止められるものでもないと…!!

 なのに、なのにこいつは…!!
 オレには何も言う資格が無いっ!!

 今はただ、この不器用だが万人に誇れるオレの友の…!! 心意気だけをくんでやってくれっ…!!」



クロコダイン
「ならば“もう一つの渦”をくれてやろうっ!!!
 バルジの大渦の中で生命を賭して生み出したこのオレの新必殺技が…おまえの身体を二つに裂く!!!
 むうううんっ!!! かあああああーーーーーーーっ!!!!

 獣王激烈掌!!!!」




クロコダイン
「ワッハッハッハッハッハッハッ!!!
 …いいなあ 普段はいがみあっていても 心の中では何か強い物で結ばれている…
 家族というやつはいいもんだ オレはダイとバランを見ていて初めてそれを知ったよ
 もしこの戦いで生き残ることができたら…オレも嫁さがしでもするかな…?
 グッハッハッハッハッ…!!」



クロコダイン
「ダイ!これが最後だ 大きな声で“父さん”と呼んでやれ!!」



(暗黒闘気を受け入れ、磔にされた自分を殺そうとしているヒュンケルに対し)

(…そうだ!!こいつはまだ戦っているんだ!!
 こいつの体内でくりひろげられている死闘の勝利をオレがっ…

 オレが信じてやらなくてどうするかっ!!!)

クロコダイン
「ヒュンケル!!! がんばれッ!!! 暗黒闘気ごときに 負けるなッ!!!
 オレはおまえを信じているッ!!たとえこの身を裂かれ最後の一片になろうとおまえを信じぬくぞ!!

 だから戦え!!悪い心と戦うのだっ!!」



クロコダイン
「おおっ…ヒュンケル…!!
 …まったく いつもいつも無理ばかりしおってっ!!!
 縮んだオレの寿命の責任…どうするつもりだっ!!」



クロコダイン
「…ザボエラよ 頭の悪いオレだがだまされ続けたおかげで 一つ物を知った…それは……!

 この世には 本当に煮ても焼いても喰えぬヤツがいる!…という事だ!!」




クロコダイン
「恐ろしいものだ…欲とは…
 オレとて 一番手でダイたちと戦っていなかったら どう ゆがんでいたかわからん
 こいつは正真正銘のクズだったが…それだけは哀れだ……」




…アニヲタよ 頭の悪いオレだが更新し続けたおかげで一つ物を知った…それは…!この世には本当に追記修正しても終わらぬ項目がある!…という事だ!!

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最終更新:2024年04月18日 05:29

*1 作者によるとこの時既に獣王痛恨撃もマスターしていたらしい

*2 バランは力と闘気で相手を押し切るファイトスタイルと自身に最適な戦術を立てられる頭脳を兼ね備えたクロコダインを「一番怖いタイプ」「真っ先に叩かなければいけない」と判断した。

*3 ダイの大冒険が参考としているDQ3の頃は、「キャラクターの守備力=素早さ÷2+防具の守備力」という計算式だった。つまり、「敵の攻撃を可能な限り避けつつ、避け切れない分は防具で受ける」というイメージで、回避や技巧によるダメージコントロールの上手さを守備力と呼んでいた。

*4 新アニメ版が始まる頃には評価が見直されたのか、OPでも獣王痛恨撃でポップのメラゾーマを相殺したり、グレイトアックスの一撃でさまようよろいを粉砕したりと、逆に扱いが良くなっている。

*5 ヒュンケルは「仲間意識を抱いていた相手を攻撃する後ろめたさからバランが無意識に手加減をしていた」と分析している

*6 竜魔人で戦っていたためギガブレイクを連発することがなかった可能性もあり。また、ダイと戦うまで竜魔人状態でギガブレイクを撃ったことはないらしいので、どういう結果になっていたかは不明。更に言えばヴェルザーに対するギガブレイクは激闘の末の止めの一撃であるのは明白である為、比べること自体間違いであろう

*7 終盤で死の大地から戦略的撤退を打ったポップを救出に現れた際には、追ってきたキルバーンと対峙すると見せかけて海面に向かって放ち、目眩ましにして逃げに使った事もあった。勇猛なクロコダインがいきなり逃げの一手を打つと思っていなかったキルバーンの意表を突いた格好で、クロコダインの頭の良さを示すシーンである

*8 「凍れる時間の秘法」で一切の物理干渉が効かないので、メドローア以外は何をしても無駄である。しかも身体能力は神に匹敵する大魔王バーン。それを相手に純粋な闘気のみで一瞬動きを鈍らせ体勢を崩させて隙を作れただけでもある意味すごい。最終的には闘気流の渦の間に衝撃波を飛ばされて破られた。

*9 もしかするとある程度の自動修復機能があったのかもしれない

*10 ロン・ベルクとクロコダインの交流が多ければもっとクロコダイン向きの斧になったかもしれないが、クロコダインとロン・ベルクは最終決戦で共闘するまですれ違い程度にしか顔を合わせていなかったのでロンもクロコダインに本当に合った斧を作れなかったと思われる。

*11 兜部分や盾部分が存在する鎧の魔槍ですら鎧のみ装備という扱い。

*12 何せ王国内からとは言え、ただの少年だったダイと仲間達の手で一時壊滅の危機に陥ったほど

*13 そんな事言うのは精々フレイザードくらいである。そのフレイザードもクロコダインの敗北に情けないと評したものの、上記の通りクロコダインの頑丈さについては「どんな怪力でも破壊できるはずがない」と信頼していたため、クロコダインの傷を見た途端「この傷をつけたのがまだガキだったとしたら、そいつはとんでもない化け物だ」と評価していたが…。

*14 さらに言えば、ザボエラは自分が作戦を立案したことを予めハドラーに報告していたので、ダイを倒せたとしてもハドラーからザボエラへの評価が上がるだけでクロコダイン自身は武人としての名誉や誇りを傷つけるだけという散々な結果に終わっていた可能性もある。

*15 作中では度々「ワニ」呼ばわりされている(フレイザードから「ワニ公」、ザボエラから「ワニ助」など)ため、少なくとも外見的にはワニそっくりなのは間違いないようだ。

*16 クロコダインとマァムは初登場話も同じだったりする。