金木研(東京喰種)

登録日:2014/04/21 Mon 01:49:19
更新日:2023/12/02 Sat 15:27:07
所要時間





僕は小説の主人公でも何でもない…
だけど…もし仮に僕を主役にひとつ作品を書くとすれば

――それはきっと、“悲劇”だ


東京喰種

東京喰種』に登場する元。本作の主人公。
アニメでのCVは花江夏樹、実写映画版の俳優は窪田正孝。
上井大学国文科1年生。優柔不断で少し小柄な青年。20区内のマンションに一人暮らしをしている。
趣味は読書で主にミステリー小説を好む。特にミステリー作家の高槻泉のファンである。

あんていくに通うリゼに好意を寄せ、デートにこぎつけるのに成功する。
しかし本性を露わにしたリゼに捕食されかけ瀕死になるものの、リゼが鉄骨落下事故に巻き込まれたことで生き延び、搬送された病院でリゼの臓器を移植される。
そのせいで半喰種になり、喰種の世界に関わることになる。

喰種を化け物とし、人食いを求める自分の体に苦悩するもあんていくの店長に救われ区内に暮らす喰種の集まる場所でもある同店のメンバーとなる。
そこで人間と喰種双方の苦悩に触れながら、自らの生き方を模索する。
トーカと行動することが多く、彼女をトーカちゃんと呼んでいる。

幼少は父が事故で死んだ後は優しい母親に育てられたが金を無心した伯母のせいで過労死し孤児となる。
伯母家族に引き取られたものの、実の子よりも優秀なカネキの成績を妬んだ伯母 浅岡により日常的な精神的虐待やネグレクトに遭い親友のヒデが心の支えとなっていた。
なおこの件についてファンから「自分が金木の母を死なせた原因を作ったのにそんな身勝手な理由で金木にも理不尽な仕打ちをするな」と非難されてる。

「傷つけるより傷つけられる人に」という母親の影響で自己犠牲を尊ぶ教えを受け、酷なまでに優しい性格の持ち主。
必要以上に自分を追い込む性質で、自身が及ばない範囲の出来事でも責任を感じてしまう。

何かを隠して話す際には「顎を触る」という癖を持っている。

読書好きなこともあって成績も優秀な為に基本的に物知り。
喰種が受け入れることができない人間の食べ物を食べた際は当時の味覚から比喩表現が多い(読者からは食レポと称される)。

半喰種であるため食性や身体能力は喰種と同じであるが、赫眼は左目だけに現れる。
マスクもそれに合わせて赫眼が露出する構造。赫子はリゼと同じ鱗赫で、右の腎臓付近から発生する。アニメ版での配色は鮮やかな赤。
極限なまでの飢餓に陥るとリゼのような人格が現れる。その時のカネキはシャフ度っぽい動きをする。
アニメ版でのED後のおまけでは、やや腹黒いシーンが描かれていた。

「あんていく」メンバーであるトーカやヨモ、自分を珍品として捕食を企む美食家・月山や妹分として懐いてくるヒナミといった喰種達との交流を深めていく中で、
喰種であろうとも人間と変わらない心を持つ事を知り、人間と喰種との狭間の存在である自分がその事を伝えられる存在であることに思い至る。

そして、喰種捜査官である亜門鋼太郎との闘いでは人殺しになる事への拒否感を慟哭。
その言葉を聞いていた亜門は普通の喰種とかけ離れた言葉を吐くカネキに興味を抱くキッカケになった。

逃げてください

僕を人殺しにしないでくれ・・・


そして、そんな生活の中でリゼと関わりがあると判断した喰種組織『アオギリの樹』に拉致されてしまう。
当初は兵士にでもと考えられるも軟弱な目つきから用無しと下される。そこで反アオギリのバンジョーや仲間達と出会い脱走を謀るも失敗。
ヤモリの執拗な拷問と反アオギリのメンバーであった喰種親子の死を目の当たりにしたことで徐々に精神が追い込まれ狂笑。
強いストレスと極限の精神状態の中で色素が抜け落ち白髪となり、拷問の影響で爪が黒く染まった。

やがてカネキの目の前にはかつて自分を捕食しようとした想い人、リゼの幻影が現れる。

問答の末にカネキは大切な人を守るべく、幻想の彼女を喰らうことで忌避していた喰種の本質を受け入れる。
自分の居場所を奪う奴は容赦しない。平穏な日々のよりよい一杯のために、アオギリのようなクズ豆は摘んでやると。


僕を喰おうとしたんだ…



僕に喰われても仕方ないよね?



覚醒を果たしたカネキは殺しに来たヤモリに逆襲し、圧倒する。
元々力を付け始めていたのに加え、本来の優しい性格からかけ離れた攻撃性を手に入れた事で急激に実力を上昇させる事となる。

ヤモリを捻じ伏せ、共食いが喰種の力を強化するという話から赫包を大半喰らい、更にアヤトの心理を見抜いて逆上させた挙げ句に骨の半数である108本をへし折るという文字通りの半殺しを実行、アオギリからの脱出を果たした。

その後、目的ができたとしてあんていくと離別。
バンジョーを「盾」に、月山を「剣」として受け入れ、後にヒナミも加わり反アオギリのメンバーとして共に20区を去った。
この一件が原因で普段の優しさをもった本質に変わりはないが敵には非情なまでに容赦がなく攻撃的になる一面が加わる事になる。


半年後、反アオギリを率いて6区を拠点にする喰種グループのリーダーとなる。
仲間には気遣いを見せるものの、どことなく陰をまとった青年となり猫かぶりもするようになった。
鍛錬方法は主に読書で学び、ときに月山と共に行う実践稽古。バンジョーに文字を教えたりヒナミの髪を切ってあげたりもしている。
覚醒前に月山に襲われたことがあるので、余計なことをすれば殺すと脅しているも(月山曰くハードモード)本人には逆効果な模様。

ヤモリの影響を色濃く受けており(受け継いでいる、のが正しい)同胞喰らいはもちろんのこと手癖や拷問方法も真似ている。
強くなる為に狂気の力とわかっていながらも半年間、大量の喰種を喰らい続けていた。
自分の体を半喰種化させた嘉納に会うべく行動し、その最中でアオギリ所属の喰種・鯱と衝突。
強靭な肉体から生み出される極限の武術の前に手も足も出ずに敗北し、地下研究所に吹き飛ばさせるもそこで嘉納と遭遇。
実は生存していたリゼとも再会できたがヨモが現れリゼを目の前で攫われる。
アオギリの樹に下る嘉納の誘いを断るも組織誕生のきっかけは芳村が関わっていることを知り愕然。
人工喰種の失敗作に襲われ発狂し半赫者として覚醒。

正気を失い支離滅裂な叫びをあげ、敵味方関係なく無差別に攻撃する化け物と化す。



ペンチで五指ねじ切って耳の中に百足入れて

本屋でデートしてお腹の中を優しくかきまぜちゃうって事

1000引く7ひく7ひく7ひく7はぁぁぁぁぁぁぁ?



反アオギリのリーダーとして冷徹な一面を見せるようになったカネキではあるが、仲間が傷つけば自分のせいで弱音を一切吐かない姿勢は哀しいことに母親と同じで、彼女の自己犠牲の精神がカネキをここまで追い詰める遠因となっている。

暴走したままその場に居合わせた捜査官達と対峙し、カネキの力と狂気そのものの言動は歴戦の猛者である篠原すらも「今まで出会った中でも一番イカれた喰種」と戦慄させた。
このとき捜査官からはSSレートに認定され、以後は「眼帯の喰種=ムカデ」と呼称されるようになる。
しかし、それほどまでに力を付ける要因になった共食いはカネキの精神を狂気に染めるものでもあり、内面に多大な負担を生み出す結果となる。
その苦しみを亜門に「ただの喰種でいいんだな!?」と問い詰められた際には涙を流しながら遂に本音を吐露。

…もう食べたくない…

亜門によってあえて見逃されたカネキは仲間達と合流するも、理性を失った状態でバンジョーを傷つけてしまう。
正気は取り戻したものの傷心し暫くは部屋に引き籠る。
救いを求めてヨモにリゼとの面会を乞うも、飢餓状態で変わり果てた彼女に消沈。しかしヨモの激励を受け、芳村の元へ向かい彼の過去を知る。
そこでカネキは自分は喰種と人間の間にいる存在だと改めて思い知る。
そしてトーカと半年ぶりの再会を果たし、自分の気持ちを一蹴される。
自分の大切な人を守りたいという行動は独りよがりであり、ただ孤独を恐れる行いであること、「他人を想うようで自分の事しか考えていない」と指摘された。

カネキは自分を見つめなおし反アオギリメンバーを連れてあんていくに戻ろうと決意。
久しぶりに穏やかな時間を過ごすものの偶然「梟討伐作戦」を知り、芳村店長に告げる。
芳村店長が自分達を生かす為に古株の店員・入見と古間と共に自決覚悟で戦うのを黙って見てはいられず、ニシキと対談し月山の制止を余裕で振り切り参戦した。

何も出来ないのは もう嫌なんだ

トーカと芳村店長との会話で色々ふっきれたのか、入見を苛立たせる程の清々しい笑みを浮かべるようになった。
捜査官達にはクインケの破壊と死なない程度の攻撃又は威嚇(失禁した者も)で対処している。
そのまま店長の元へと急ぐもそこに亜門が立ちはだかる。
幾度に渡る交流で両者の間には奇妙な友情のようなものが生まれ、カネキは戦闘を拒否するも亜門が許すわけもなく再びぶつかり合う。
闘いの果てに無意識に半赫者の力を使ってしまい、不本意に彼の腕を切り落としてしまう程の傷を与えてしまう。
更にカネキも尾赫のクインケで負傷し、回復できない程の重症を負って、下水道を通り一旦避難するもヤモリとリゼの幻影に囚われる錯乱してしまう。
狂気に陥る中で久しぶりにヒデと再会、喰種となった事を知られてしまったとショックを受けるもヒデは既に承知の上でカネキを助けにきていた。
混乱の中で意識を失い、何故か目を覚めたとき傷は完治し、ヒデは姿を消していた。

入見と約束したポイントV-14でCCGの死神・有馬貴将と遭遇する。

そこにあったのは花をも連想する血に塗れた死体の山。
コマと入見の生存を絶望視するカネキであったが目の前に立つ有馬を前に迎撃しようとするも、いきなり斬られて訳も分からず混乱。

必死に応戦するも、桁違いの怪物である有馬の前になすすべなく傷を負い続け、頭部を串刺しにされ脳を損傷。
朦朧する意識の中で赫子の暴走による猛攻によってクインケの破損させるものの肝心の傷は頬に擦り傷を与える程度に留まる。
傷を負わせられて笑みを浮かべる有馬の表情に戦慄した直後、身体を貫かれて敗北し、意識不明になる。

薄れていく意識の中でカネキは思い出す。
リゼに襲われたあの日、鉄骨をリゼに落としたピエロの男を。
そして、かつて母と過ごした思い出の中の幼き自分と遭遇。
「お母さんが好き?」と問い掛ける幼き自分の問いに顎を触りながら肯定。
最後は守ろうとしてきた幼き自分に感謝されながら、暫しの休憩を促され、眠りについた。

結局、最終回でも彼の行方が明かされることはなかった。


東京喰種√A

ヤモリを倒した後、トーカを破ったアヤトと対戦。
ここから原作とは異なり、半殺しをせずに破りアオギリの樹のアジト崩壊後、あんていくから去る。
そして、エトの誘いを受けてアオギリの樹に加わる。
位は不明であるがアヤトと行動を共にしているので、幹部クラスと思われる。
原作では変わらぬ優しさと非情なまでの攻撃的な面を重ね持つ危うい性格であったが、√Aでは笑みすら浮かべず冷徹で、捜査官の殺害も躊躇なく行っている。
エトには個人的に気に入られているようで、興味を抱かれている。

喰種としての能力

当初はその性格上、戦闘向きとは言い辛いものが覚醒以後はその能力の高さを発揮する。
嘉納に最高傑作、成功体として認められる唯一の半喰種。
同じく半喰種のシロとクロより上回る実力と異常な再生力の早さ。そして僅か一年足らずで半赫者として覚醒した能力は一介の喰種より遙かに超えている。
赫子は右の腎臓付近から発生し3本であったがアオギリ編では喰種と同様に腰か4本伸び、地下研究所では6本に増えた。
共食いの影響でカネキの鱗赫が突然変異、ムカデのような赫子に、左顔を覆って胸元に向けて尖って伸びた一つ目の面が現れる。
リゼの人格が表に出てきた時は顔の中央部を除いて面が砕け、赫眼が露出する。
羽赫のクインケの攻撃ですら簡単に回避する疾走力を持つ。ただし、まだ半赫者でありこの姿は未完成。


リゼとの繋がり

理性を失ったカネキに人格として、ときに幻影として現れるなど劇中では二人の特別な繋がりを見せる描写がある。

当初カネキはリゼに恋慕し、あんていく離別後では自分の知るリゼと聞いた情報を得ていた。
彼女がいなければ自分は空っぽであると思っており、半喰種化した原因であるリゼを不思議と憎むことができずにいる。
未だに想いを寄せているのかは不明であるが、拘束衣を着たリゼに白髪後のカネキには珍しく困惑と照れが混じった笑みを向けていた。
しかも驚くことに、喰種の世界に入ることになった原因であるリゼへの憎悪や嫌悪感は一切描かれてはいない。

高槻からは「愛されたかった」タイプと評されている。
5巻のリゼを主役にした番外編ではカネキがリゼに一目ぼれした姿が描かれている。
このような関係の二人だがまともに会話したのは1巻のみ。
アニメ版では常にカネキの幻影として現れ、喰種の本質を受け入れるよう促している。



ねぇリゼさん…僕を見て

僕を見てくれよ!!!


東京喰種:re

無印の続編では新たな主人公・佐々木琲世が登場。
ハイセはカネキと瓜二つの容姿を持ち、白と黒が混ざった特徴ある髪型をしている。
実は彼こそ有馬によって瀕死の状態を負わされ記憶を失ったカネキ本人である。
カネキはハイセの心の中でムカデの仮面をつけて己の体を返し力を求めるよう訴えている。
人間オークション編ではハイセがカネキを受け入れたことで「白髪の子供」として姿を現す。
カネキの記憶も断片的に蘇りつつありハイセと自分を冬虫夏草と例えている。
性格は昔のカネキとは違い冷淡で、自身を救おうとしているハイセを嘲笑し冷めた目で見下ろしていた。

ハイセとカネキが同一人格か別人格であるが不明だが、ハイセ自身は「別人」としている。
再会したヒナミは「性格は違うもののすごくそっくり」と評している一方で本質的には同一人物とみている節がある。
眼帯やサイン色紙などカネキの再誕を予期して贈ったり、ハイセを殺そうと企てる組織(ピエロ)が存在する。
ロゼ編で月山家討伐戦の際、ハイセに敗れた月山を救うべく「殺さないで」と必死に訴えて妨害などを行う。
そして、エトによる奇襲で失神したハイセと再度己の内で問答になる。
かつて優しい筈であった母に行われていた暴力、心の内で燻っていた願望。
「愛される事をして、カッコよく死にたい」
初めて有馬に遭遇した際にもその願望がうずまいていたという。
最後にハイセにおやすみとつげ、遂にカネキが目覚めた。

寒いのはアンタだろ 死ねよ

目覚めた直後に殴打を繰り返す叶を一蹴し、芳村の娘であるエト=高槻と交戦。
かつて芳村に娘を救う事を頼まれた事を思い返すも、
その悪辣な性格を目にしたからか「どうしてお前みたいなゴミを救わなきゃいけない?」と吐き捨てる。

彼女を倒した直後、彼女から好意めいた台詞を吐かれた際には

光栄だな、高槻先生……。

と発言していた。

月山を駆逐しに現れた宇井にカネキは自分の手で瀕死の月山を「さようなら」と言いながら地面に突き落とした。
その後は梟撃退の功績が評価され、時期はずれの特例で准特等捜査官に昇格したが、クインクスのメンターとしての職を辞任した。

目覚めた当初はシラズの殉職を責め立てるウリエを冷たくあしらう、冷たく攻撃的な言動やエトに対する汚い口調が目立つ。
ウリエは「自分達への関心をなくした」「今の奴に情などない」とし、
六月は「別人のようになってしまった」と語る一方で、かつての優しいハイセを知る為に嫌いにはなれないと語っている。

前述の月山への行動や処分が決定して面会を希望するヒナミにも放置しており、あれだけ懐いていた彼女の処分を容認するかのような対応などかつての仲間にも冷たい冷酷な態度を見せている。

一方で消息不明になった六月の心配をしており、ヒナミに対しても何か考えがあるかのような行動が見え隠れしており、月山への行いも生存の可能性を賭けてあえて突き落とした事が示唆されている。

そしてコクリア防衛の任務に就かされた時についにCCGに叛旗を翻し、収容所からヒナミを救出。トーカやヨモらと再会し、有馬と交戦。お互い本気になれない戦いに痺れを切らした有馬がトドメを刺そうとするもついに本気を出し、有馬もまたSSSレートの羽赫クインケ『フクロウ』を手にカネキに挑む。

余談

ツイッターで作者が投稿したおまけ四コマでは2巻のCCG潜入の際、トーカに渡された女制服(トーカが間違えた)を躊躇なく着ていた。
真戸を痴漢扱いし、絶叫するなど意外とノリノリである(流石に真戸は女装と気づいていた)。


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